白雪丸 さん プロフィール

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白雪丸さん: 金色のウイスキー、青いライオン
ハンドル名白雪丸 さん
ブログタイトル金色のウイスキー、青いライオン
ブログURLhttp://gold-blue-lion-by-shirayukimaru.blogspot.jp/
サイト紹介文1週間に1回程度の割合で更新しています。
自由文自分が好きな本や音楽、気になった出来事をとりあげています。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供78回 / 365日(平均1.5回/週) - 参加 2012/07/08 16:52

白雪丸 さんのブログ記事

  • 魚籃観音記 筒井康隆 近現代作家集 III/日本文学全集28
  • 永井荷風の『四畳半襖の下張』が最高裁でわいせつ文書と判決されたのが、1980年11月28日。その時の判決の要旨がこれ。一、文書のわいせつ性の判断にあたつては、当該文書の性に関する露骨で詳細な描写叙述の程度とその手法、右描写叙述の文書全体に占める比重、文書に表現された思想等と右描写叙述との関連性、文書の構成や展開、さらには芸術性・思想性等による性的刺激の緩和の程度、これらの観点から該文書を全体としてみたとき [続きを読む]
  • 鳥の涙 津島 佑子 近現代作家集 III/日本文学全集28
  • 母親が子供を寝つかせる時に話す物語。しかし、それは『おまえのお父さんはまだ帰らない』からはじまり、他国に徴収され、不在となった父が、頭のない鳥となって家族のもとに戻ってくるという、どこか呪術的な話である。作者が母から聞いた『お話』は、祖母から母に伝わったものであることがわかる。そして、作者は、その『お話』をアイヌの民話集に見つけ、祖母の出身地が青森であったことから、祖母がアイヌの少女と海岸で知り合 [続きを読む]
  • 連夜 池澤夏樹 近現代作家集 III/日本文学全集28
  • 池澤夏樹の作品の特徴の一つは、現代と過去という異なる次元をむすびつけて、重ね絵のように物語に厚みを持たせる手法を用いるところだ。それは、谷崎潤一郎や丸谷才一も好んで用いた手法でもあるが、池澤夏樹の場合は、彼らと違って雰囲気が軽い。そう感じるのは、谷崎が母性、丸谷が前近代的な日本という重たい要素を重ねていたのに対し、池澤は、例えば最新作のキトラ・ボックスでは古墳の埋葬物という即物的なものを、そして、 [続きを読む]
  • 幻魔大戦deepトルテック /平井和正
  • 物語冒頭、以下の言葉が引用されている。 広大無辺な可能性の世界があるそこへ飛び立つ別の時間 別の世界ドン・ファン・マトスこのドン・ファン・マトスという人物、北メキシコのヤキ・インディアンの呪術師ということらしいが、その存在が確認できるのは、彼の弟子と称する人類学者カルロス・カスタネダが書いた著書のなかだけである。しかし、この「幻魔大戦deepトルテック」という平井和正の最後の作品は、ほとんど、このドン [続きを読む]
  • 午後の最後の芝生 村上春樹 近現代作家集 III/日本文学全集28
  • 三十四、五の“僕”が十四、五年前を振り返る。その頃、僕は大学生で、遠距離恋愛の彼女がいて、一緒に旅行に行くために芝生刈りのアルバイトをしていた。しかし、夏の初めに突然彼女から別れを告げられ、お金を稼ぐ必要もなくなった僕は最後の芝刈りの仕事にでかける。一癖ある中年の女の家で芝刈りは無事終わるが、彼女から彼女の娘と思われる女の子の部屋を見てほしいと頼まれる。この物語は何度も読み返しているが、芝刈りの手 [続きを読む]
  • 動物の葬禮 富岡多惠子 近現代作家集 III/日本文学全集28
  • 欲深の指圧師 ヨネと、その娘のサヨ子、そして、サヨ子が付き合っていたキリンと呼ばれる男の死体が、この喜劇の中心にいる。ヨネは指圧師を名乗っているが、資格のないモグリ営業をしていて、裕福そうな支店長の奥さんや工場主の奥さんのところに出入りし、指圧をするかたわら、両家で余った古物などをもらってくる生活をしている。一方、娘のサヨ子は水商売らしき仕事をしていて、キリンとあだ名した長身の男と一緒に暮らしてい [続きを読む]
  • 崩れ(抄) 幸田文 近現代作家集 III/日本文学全集28
  • この作品も、文学全集には、まず登場しない部類の作品だと思う。老齢の作者が好奇心に駆られて、山の崩壊を見に行き、自然の力に畏怖を覚えるという、言ってしまえば、それだけの作品であるが、人をぐいぐいと引っ張り込む力強さに満ちている。それは、山の崩壊現場という自然の猛威、人智・人力の及ばない世界に、人の背中に負ぶさってまで、わざわざ足を運び(しかも高所恐怖症)、その現場を目の当たりにしたい、体感したいとい [続きを読む]
  • 日没閉門 内田百? 近現代作家集 III/日本文学全集28
  • 池澤夏樹編集の「近現代作家集」も3冊目だが、この巻も、バラエティに富んでいて、かつ、普通その作品は選ばないだろうという読者の予想を裏切る思いっきりの良い編集になっている(ただし、村上春樹を除く)。内田百?の「日没閉門」もその一つで、普通だったら、彼の幻想的な作風が感じられる「冥途」か、「サラサーテの盤」ではないだろうか。この作品は、完全な随筆(エッセイ)で、人と会うのが面倒な作者が玄関脇の柱に貼っ [続きを読む]
  • 少女のセクソロジー 幻魔大戦deepトルテック/平井和正
  • 平井和正の最後の作品と思われる「幻魔大戦deepトルテック」には、その前奏として、「少女のセクソロジー」が収められている。「幻魔大戦deep」で、東丈が結婚した雛崎みゆきの娘 雛崎みちるが主人公になっている。ただし、ここで描かれている世界では、母の雛崎みゆきはすでに死んでいて、兄とも離れ離れになり、父方の意地悪な叔母と娘がいる家に引き取られている。もちろん、東丈も彼女の前に現れていない。作家になることを夢 [続きを読む]
  • 翻訳問答2 創作のヒミツ/鴻巣友季子
  • 片岡義男と翻訳論を語った「翻訳問答」の2冊目。2冊目を提案したのは、片岡らしいが、鴻巣に対して、今度は自分ではなく他の人とやりなさいと言ったという。(人間が大きい)本書では、奥泉光、円城塔、角田光代、水村美苗、星野智幸 といった翻訳もできる作家を集めて、翻訳論を語っているが、対象作品が、『吾輩は猫である』、『竹取物語』、『雪女』、『嵐が丘』、『アラビアンナイト』というところが前回と全然違う。『猫』 [続きを読む]
  • 大鮃/藤原新也
  • オンラインゲーム中毒の青年 ジェームス・太古・マクレガーは、精神科医のカウンセラーを受け、亡き父の生まれ故郷スコットランドオークニー諸島を旅することになる。そこで、太古青年は、旅行会社が選定した現地ガイドを務めるマーク・ホールデンという老人と出会う。三日目までのマーク老人の、のんびりとしたガイドに退屈を覚えた青年であったが、四日目の風の強い嵐の日に奇跡が起きる。マーク老人の友人の船大工のアラン老人 [続きを読む]
  • 「幻魔大戦deepトルテック」を「e文庫」 で買ってみた。
  • 幻魔大戦deepを読み終わり、案の定、続きが読みたくなってしまい、「幻魔大戦deepトルテック」を買ってしまった。なぜか、この本は電子書籍が販売されておらず、紙の本らしい。しかも、通常の本屋では取り扱いがなく、 Amazonでも売っているが21,600円という高額本。ところが、この本の販売元らしい「e文庫」 では、9800円で売っていた。(送料込みで50%超値引き)有限会社ルナテックというサイケな名前と、振り込み前払で、若干 [続きを読む]
  • 幻魔大戦Deep 8 appendix/平井和正
  • 幻魔大戦Deep 8は、本編の終了後に、appendixが14章もついているが、基本的には、本編の物語の流れを引き継ぐ内容になっている。冒頭の“握り潰し”が、面白い。下痢になった美恵が、少女を犯すレイプ犯たちの睾丸を握力70kgの力で握りつぶしてゆくという活劇が展開されている。久々に、作者の下品なアクションシーンを読んだような気がしたが、やはり、こういう場面になると、俄然、文章が活き活きしているのが感じられる。もう一 [続きを読む]
  • 幻魔大戦Deep 8 本編/平井和正
  • 幻魔大戦Deepも、この8巻が最終巻である。東美恵は、東丈のサイキック能力も使わない不思議な交渉力のおかげで、敵方の仲間割れに乗じ、地下牢を抜け出すことに成功するが、謎の王女に拉致されてしまい、サイキック能力のある彼女から、再び東丈を彼女の下に連れてくるようにという命令を与えられてしまう。一方、東丈が進めていたテロリスト判別ソフトがついに完成する。これに関する東丈のコメントが、共謀罪を彷彿とさせて面白 [続きを読む]
  • 幻魔大戦Deep 6-7 /平井和正
  • 第6巻は、2年前に亡くなった姪の東美恵の墓参りを済ませた東丈が、彼の事務所の前で秘書を襲おうとしていた江田四郎を見つけ、公園に連れ出し、自らを斉天大聖と名乗り、江田四郎がかける呪詛はすべて自分にはね来る念返しをかけたと、こっぴどく脅しつける。一方、東丈を親分とあがめる雛崎みちるは、別世界に移る能力に目覚め、2年前に死んだはずの東美恵を自分の世界に引き連れてしまう。東美叡と異なり、サイキック能力もな [続きを読む]
  • 幻魔大戦Deep 5 /平井和正
  • 5巻では、東丈の秘書 青鹿晶子の歓迎会を行うこととなり、訪れたシティ・ホテルのカクテル・ラウンジで、前の世界で東三千子にプロポーズしたサンシャイン・ボーイと出会うこととなる。そこで、 東丈と連れの女性たちは、サンシャイン・ボーイのマジックにより、満月の幻想を見ることになるのだが、東丈だけ、何故か、髑髏のような満月の姿を見ることになる。そして、その幻影と重なるように、井沢郁江の姿も。しかし、この髑髏の [続きを読む]
  • 幻魔大戦Deep 3-4 /平井和正
  • 3巻では、東三千子の希望により、東家に、“理想のお母さん”である雛崎みゆきが派遣され、東丈は彼女に魅了されると同時に、ダウジング(振り子)を教わる。一方、東美叡は、伯父・姪の関係を捨て、東丈と事実婚の関係になるが、 古巣の警視庁から呼び出しを受け、上司から戻ってきてほしいと懇願されたことや、三千子を襲ったと思われる“顔焼き男”の手掛かりが得られそうになったため、警察官の仕事に復帰することになる。東丈 [続きを読む]
  • 神の島 沖ノ島/藤原新也・安部龍太郎
  • 沖ノ島は、福岡県宗像(むなかた)市に属し、九州と大陸の間に横たわる玄界灘のほぼ中央に位置する孤島である。宗像大社の神領として、島には沖津宮(おきつぐう)が祀られており、女人禁制で、男子であっても入島の際には海で禊をしなければならない。池澤夏樹が訳した「古事記」でも、沖ノ島の神様は登場する。アマテラスが弟スサノオが腰に帯びていた剣を三つにおり、水で清めた上で、嚙み砕いて噴き出した吐息から生まれたのが [続きを読む]
  • 幻魔大戦Deep 1〜2 /平井和正
  • 「その日の午後、砲台山で」が予想外に面白かったせいもあるが、ついに、平井和正が電子書籍という媒体で続編を書いた「幻魔大戦Deep」に足を踏み入れてしまった。電子書籍で小説を読むのは、あまり経験がない私だが、この「幻魔大戦Deep」という作品には、この媒体がぴったりと合っている気がした。ひと言で言うと、この作品が明るくて軽い、つまりはライトノベルのタッチそのものだからだろう。これは 「幻魔大戦」、「真幻魔大 [続きを読む]
  • 孔雀 三島由紀夫 近現代作家集 II/日本文学全集27
  • 三島由紀夫のような死に方をした作家は、損だと思う。彼の作品を読んでいていも、どうしても、その影を探してしまうような気がして、落ち着かないからだ。実際、この「孔雀」も、三島由紀夫の人生というものを感じざるを得ない。富岡という四十半ばの昔は美少年だったのに、今はその美をほとんど失ってしまった男が、自分が行きつけの遊園地に飼われている孔雀が殺されたことを、刑事から犯人として疑われる。その孔雀の死をきっか [続きを読む]