北ミチノ さん プロフィール

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北ミチノさん: 前略、道の北より
ハンドル名北ミチノ さん
ブログタイトル前略、道の北より
ブログURLhttp://kitamichino.blog.fc2.com/
サイト紹介文BL小説を投稿している北ミチノの覚え書き&独り言
自由文投稿結果や拙作やぼやきやBLに関するあれこれをぼつぼつ書いています。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供85回 / 365日(平均1.6回/週) - 参加 2012/07/30 21:26

北ミチノ さんのブログ記事

  • 拍手コメント返事(7月22日分)
  • 暦によると23日が「大暑」だそうですね。この暑さは今がピークだと信じたいです。「華一夜」、大勢の方が読んでくださったようでとても嬉しいです。「剛実がかっこいい」「一弥が好き」「時代設定・空気感が最高」「エロがすごいエロい」などなど、最近まれにみるコメントラッシュに溺れそうです。本当にありがとうございます。続きから拍手お返事です。 [続きを読む]
  • 「華一夜」本編&番外編完結しました
  • 連日の閲覧と拍手、どうもありがとうございました。読んでくださる方がいるんだということが、とても励みになります。この話は受攻キャラに非常に思い入れがあるので、いつかもう一度リメイクするかもしれません。それまでは、一弥と剛実には脳内でラブラブしていてもらいます。この二人、晩年は鎌倉辺りに移住して、小粋な着流し姿の一弥が、剛実が丹精した庭を縁側から眺めながらいつまでも仲睦まじく……みたいなネタもあるんで [続きを読む]
  • 番外編 花のようなひと 3(R18)
  •  南方から復員することができたのは、敗戦から約二年後、昭和二十二年になってからだった。 三月の中旬、ほとんど着の身着のままの兵隊服と、わずかばかりの荷物を詰めた背嚢を背負い、剛実は横浜港に降り立った。出征してから、実に五年ぶりの帰還だった。 しかし東京は素通りし、一人、上野からそのまま東北行きの列車へと乗り換えた。復員船の中で病死した戦友の遺品を、彼の郷里である会津の実家に届けるためだ。 兵隊服の [続きを読む]
  • 番外編 花のようなひと 2(R18)
  •  持ち重りのする感情を抱えてそして、数年の時が過ぎていった。 一弥が十四歳、剛実が十六歳のことだった。ある日、一弥が所用で従兄弟の邸を訪ねる際、多少の手荷物があったので、剛実がそれを抱えて付き添うことになった。一弥も「剛実が一緒ならありがたいのだが」と申し出てくれたことであるし。 荷物を届け、邸内に招き入れられたが長居する前に暇をする。表に出ると、屋敷町はひっそりと夕間暮れの色に染まりつつあった。 [続きを読む]
  • 番外編 花のようなひと 1(R18)
  •  昭和二十三年、晩夏。「剛実、では行ってくるからな」 まだまだ暑い中、きっちりと洋装を着込んだ一弥が、玄関先から声をかけてくる。剛実は靴べらを受け取りながら「お気をつけて」と板敷きの廊下に膝をついて相手を見送る。 今夜は横浜にて、学習院の同窓会があるのだ。久しぶりに盛装したかつての主の姿を前にして、剛実はさりげなくまぶたを細める。和装ももちろんだが、洋装姿も清々しく端麗で、いつ見ても見惚れてしまう [続きを読む]
  • 華一夜(はなひとよ) 16(R18)(完)
  •  自嘲を込めてつぶやき、一弥ははっきりと、己にも言い聞かせるように続けた。「家名や身の上などに囚われずに生きていけるのなら……残りの人生は、剛実、お前と共に歩んでいきたい」 剛実は驚きに腕をほどき、こちらに向き直る。「ご冗談でしょう」「冗談など言う僕か?」「……いいえ。それはよく存じ上げております」 剛実はかぶりを振ったが、なおも畏まってみせる。「一弥さまはお小さい頃から、生真面目でひたむきで…… [続きを読む]
  • 華一夜(はなひとよ) 15
  •  古くからの置屋や待合が立ち並ぶ閑静な一角、指定された料亭はすぐに見つかった。地味な三つ揃いで身をやつした一弥は、辺りを窺ってからそっと丸木の門を潜る。 女中の案内で離れの座敷に上がると、そこには、先に到着していたハワードが、シャツの襟と膝を崩して猪口を舐めていた。卓上には、ささやかな酒肴が用意されている。 一弥はそこに、相手から少し離れて座した。膝に置いた手が青ずみ、震えているのが分かる。「あと [続きを読む]
  • 華一夜(はなひとよ) 14
  •  その翌日。 人払いした離れにて、一弥は胤義と向かい合っていた。閉て切った室内の空気は、朝だというのに籠もって重々しい。 ほぼ一睡もしていない一弥だったが、それは胤義も同じらしかった。いつもきちんとしているガウンの合わせも、その下に着たシャツの襟も乱れている。 老人の瞳はすっかり落ち窪み、ひと晩で十も老けたようだった。曰く、例の二人は別々の部屋に籠もらせ、許しがない限りそこから出ないよう厳命したと [続きを読む]
  • 華一夜(はなひとよ) 13
  •  ある日の午後、一弥は、離れのひと間にて胤義と向かい合っていた。今後の両家の経済状況についての、極めて重要な話があったからだ。 ガウン姿の胤義は、煙草の灰をすでに吸殻が山になっている灰皿へと落とし、苦々しく紫煙を吐き出す。「……ではやはり、あの茶道具は手放さねばならんか」「はい」 一弥もまた、重々しい気分でうなずき返す。「そればかりではなく、あの古伊万里も、あの李朝の青磁も……」 胤義が、座椅子に [続きを読む]
  • 華一夜(はなひとよ) 12
  •  ある日の夜、一弥は夕食後、哉子の部屋を訪れた。「あなた、突然ですのね」 彼女の私室である洋間をノックすると、哉子はややして扉を開けてくれた。くつろいだ銘仙姿の彼女から、スツールを勧められる。 一弥は用件を切り出した。「翻訳でお世話になっている人の家へ、食事に伺うことになった。ご夫婦でとのことだから、ぜひ同席して欲しい」「いつですの?」「来週だ」「分かりましたわ。女中に言って、用意を整えてもらいま [続きを読む]
  • 華一夜(はなひとよ) 11
  •  もともと仕えていた邸だ。剛実はすぐに使用人たちとも馴染み、他の皆と同様に毎日の下働きを始めた。 ほぼ初対面であった哉子も「働き者のいい方ね」と否もなく受け入れてくれた。剛実は、時折は誓太と連れ立って闇市に赴き、不要な調度品や反物類を仲買人に売って生活費の捻出もしてくれる。実に逞しく、頼りになることだ。 ただ、一弥と二人きりになることは避けているようだったが。 ある日、出版社での打ち合わせを終えて [続きを読む]
  • 華一夜(はなひとよ) 10
  •  五年後――昭和二十二年、四月。 自室にて翻訳をしていた一弥は手を止め、ノックの音に「どうぞ」と振り返った。 扉が開き、女中の里子(さとこ)が顔をのぞかせる。「旦那さま、戸崎さまがお見えになりました」 今行く、と返し、一弥は立ち上がった。里子にお茶を出すよう命じ、そのついでに、ふと思ったことを聞いてみた。「哉子は?」「奥様でしたら、縁側で読書していらっしゃいます。呼んでまいりましょうか?」「いや、 [続きを読む]
  • 華一夜(はなひとよ) 9(R18)
  • 「ぁ、あぁっ……!」 小さな尖りを舐めしゃぶられ、一弥は喘いだ。極めたばかりで敏感になった身体は舌の動きに面白いように反応し、もはやどう言い訳しても感じているのは明らかだった。 剛実は胸の粒を縦横無尽に舐め転がしながら、敷布の脇に手を伸ばした。小さな容器から軟膏状のものをたっぷりとすくい取って指に絡め、それを一弥の下肢に持っていく。「ッ、……!」 指があらぬ場所に挿入されたのを感じ、一弥は呻く。異 [続きを読む]
  • 華一夜(はなひとよ) 8(R18)
  • 混乱する気持ちのまま、一弥は身をよじって相手に詰め寄る。「なぜだ? おそらくこれが、話ができる最後の……機会になるはず……なのに……」 が、ふと舌がもつれて言葉が不明瞭になる。保っているはずの力が抜け、布団の上にどさりと前のめりに倒れてしまう。「ぅ、……」「どうかなさいましたか」 かけられる涼しげな声に、一弥は緩慢にかぶりを振った。まるで、急な微熱にみまわれたかのような按配だった。いきなりどうした [続きを読む]
  • 華一夜(はなひとよ) 7
  •  このあたりは大学町なので、陽が暮れると人通りはぱたりと途切れてしまう。傘をさすほどではないが、細かい雨も降り出し始めていた。藍鼠色の訪問着に羽織姿の一弥は、青暗い外灯が点々と並ぶ路地に帰途を急ぐ。 今夜、父は市ヶ谷の軍部にて会議に出席すると聞いていた。長引くだろうから返って来るのは明日になるやもしれぬが、それでも、あまり遅くなってはいけない。天気も悪いし、どこかで俥を拾おうか。―― つらつらと考 [続きを読む]
  • 華一夜(はなひとよ) 6
  • 「一弥さま、お湯加減はいかがでございましょう?」 浴室の硝子戸の向こうから明るく声をかけてくるキクに一弥は「ちょうどよいな」と返答する。 今日は休日で、帝大の仲間たちとの早朝合同稽古に参加していた。そこで汗を流して帰宅してみれば、ご昼食の前にさっぱりなさってくださいと風呂を勧められたのだ。窓から差し込んでくる明るい陽が、一弥の白い裸身に緩やかな波模様を描く。「それはようございました。……そうそう、 [続きを読む]
  • 華一夜(はなひとよ) 5
  •  かようにして心の奥底についた色は日々を重ねるごとに深まり、意識せずとも、次第に濃く色合いを変えていった。 さらに時は過ぎ、また、桜の頃。 玖珂家は育英事業の一環として、孤児院の運営にも携わっている。一弥も週に何度かは学校帰りにそこへ寄って、親のない子供たちに柔道の稽古をつけてやるのが常だった。なかなかに筋のいい子もいて教え甲斐があるし、自らの鍛錬にもなるからだ。 その日、制服の肩に道着を担いだ一 [続きを読む]
  • 華一夜(はなひとよ) 4
  •  皮肉なことだが、剛実との距離を保つことで、彼のこまやかな情をさらに深く感ずることとなった。 剛実は、まだまだ頼りない主を立て、いつもさりげない気遣いを見せてくれる。して欲しいと命じる前に上着を着せかけてくれたり、届けられる手紙を見やすいように分類してくれたり、来客や電話の取り次ぎを場に応じて変えてくれたり……。 状況に添ってこちらの気持ちをしかと汲み取ってくれるのは、つまりそれだけ、剛実が一弥の [続きを読む]
  • 華一夜(はなひとよ) 3
  •  別荘の事件ののち、一弥はより一層勉学や修身に励むようになった。 あのようなみっともない真似は、自分のためにも剛実のためにも、二度としたくなかった。もっと逞しくならなければ、もっと主らしくしっかりしなければと、子供らしい無邪気さすらかなぐり捨てて毎日の日課をこなし続ける。「お手紙でございます、一弥さま」「ああ、ありがとう」 ノックと共に部屋に入って来た相手に、一弥は机に身を向けたまま答える。剛実は [続きを読む]
  • 華一夜(はなひとよ) 2
  •  一弥が十歳の、夏だった。 毎年その季節は軽井沢へ避暑に赴くのが玖珂家の慣わしであったので、七月の下旬、一行は大勢の使用人も伴い、高原にある別荘へと向かった。 旅装を解き、昼食ののちに午睡を命じられた一弥は、一旦は寝台へ入ったもののすぐに起き出し、寝巻から白いシャツと黒の半ズボンに着替えてそっと部屋を抜け出す。 両親や姉たちは自室で休んでおり、そのせいか使用人らも出払っているようだ。しんと静まった [続きを読む]
  • 華一夜(はなひとよ) 1
  • 「……散り始めが一番美しいなんて、桜という花は羨ましいものでございますわね」 大広間の喧騒を突いて耳に入ってきたその言葉に、玖珂(くが)一弥(いちや)はふと物思いを断ち切った。桜が咲きこぼれる庭に面したテラスの窓辺にもたれたまま、客たちがくつろぐ室内に視線を戻す。 炉棚の前に設えた卓の中心、容貌にやや薹の立った公爵夫人が、それでも艶麗な微笑を周囲に振り撒きながら続ける。「花は最後のひとひらまでも人 [続きを読む]
  • 華一夜(はなひとよ) あらすじ
  • 昭和十七年。玖珂(くが)伯爵家嫡男の一弥(いちや)は乳兄弟の剛実(たけみ)と相思相愛であったが、身分差や許嫁がいることから、その想いを互いに押し隠し続けていた。 だがある日、剛実に別邸に拉致監禁され、媚薬を盛られてしまう。彼には召集令状が届いており、戦地にて命を散らす前に一度でも想いを遂げたいと思い詰めての行動だった。「すべて俺のせいにしてください」「今だけは俺に狂ってください」と熱く囁かれ、夜明 [続きを読む]