ヒルナギ さん プロフィール

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ヒルナギさん: 百夜百冊
ハンドル名ヒルナギ さん
ブログタイトル百夜百冊
ブログURLhttp://ameblo.jp/hirunagi0007/
サイト紹介文書評や小説、色々です。
自由文色々な文章を書いています。
よろしくお願いします。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供41回 / 365日(平均0.8回/週) - 参加 2012/09/17 20:40

ヒルナギ さんのブログ記事

  • 虎よ、世界の終わりをみよ 006
  • 拳銃弾で撃たれた程度の傷であれば死ぬことのないマキーナ・トローブたちであるが、7.92mmの機銃弾で全身を細切れにされてしまうと再生することはできないようだ。黒い狼たちが皆殺しにされたのを見届けた百妃は、ティーガーの背後から歩み出る。黄金の龍が地面に穿ったクレーターのほうへ、向かう。既にそこには地に墜ちた黄金の龍はおらず、ニコライと名乗ったマキーナ・トロープが立っていた。地面におちていたキャンバス地の布 [続きを読む]
  • 虎よ、世界の終わりをみよ 005
  • 街のあちこちでは戦闘の名残りであるのか、黒煙があがっており灰色の雪にもみえる灰が降り続けていた。剣を手にした百妃の顔にも灰は降りそそいでいるが、百妃は気にする素振りもみせない。目の前にはクレーター状に破壊された道路がある。そこに金色にした龍が横たわっており、灰色の雪がその金色の輝きを鈍らせていく。黄金の龍は紅蓮の焔に蹂躙されており、さらに頭部を徹甲榴弾で破壊されていたが、それでもまだ動いていた。つ [続きを読む]
  • 虎よ、世界の終わりをみよ 004
  • ティーガーの左腕が、黒い光に包まれる。突然、ティーガーの左腕が小さな宇宙空間にのみこまれたようにも見えた。そして、その漆黒に輝く光の中から、巨大な鋼鉄の砲身が出現する。一方ニコライは、既に全長10メートル近くはある黄金の龍へと変化を終えつつあった。無数のダガーが並ぶかのような牙を剥き出しにして、金色に輝く龍は笑う。「56口径8.8 cm Kwk 36戦車砲か」ニコライは、牙のはえ並んだ口から言葉をこぼす。冷徹に [続きを読む]
  • 虎よ、世界の終わりをみよ 003
  • 少女は、手に剣を提げている。少し反りがある片刃の剣らしいそれは、まだ鞘におさめられたままだ。おとこは、薄く笑う。「マキーナ・トロープとはいえ、おれにも名はある。ニコライという」少女は、整った顔立ちではあるがどこか印象の薄いその顔に、そっと笑みを浮かべる。「ニコライか」部屋に、突然ドローンが出現する。4機のドローンには、それぞれスタンガンが装備されていた。舞うように部屋を移動したドローンたちは、少女 [続きを読む]
  • 虎よ、世界の終わりをみよ 002
  • おとこは、巨大なリボルバー、レッドホークを腰のホルスターへ戻す。おとこは、無造作に歩き出した。足元に、若いおとこの死体が転がっている。454カスール弾で破壊された頭部が、ナノマシンによって再生されつつあった。彼ら、マキーナ・トロープは死ぬことを許されない。おそらくは、彼らを支配するRB(Re・designed humans・Brigade)が認めるまで。おとこは、亡霊のようにゆらりと意志をなくした状態で立ち上がる若いおと [続きを読む]
  • 虎よ、世界の終わりをみよ 001
  • おとこは、ひどく不機嫌な顔をしている。おとこの目の前には、豪華な料理が並べられていた。焼きたてのティーボーンステーキに、ハーブバターソースのたっぷりかかったクラブやシュリンプが大皿に盛り付けられている。また、南国の鮮やかな色彩にいろどられた果物が、別の鉢に盛られていた。おとこの前には、血のような真紅に輝くワインのそそがれたグラスがあり、芳醇な香りを漂わせている。豪華なのはテーブルの上だけではなく、 [続きを読む]
  • 第二百四十八夜「デモクラシー」
  • デモクラシーキリング・ジョーク イギリスは、階級社会であるときく。そして、ロックやパンクとよばれるものは、この階級社会のおそらくアンダークラスとワーキングクラスの境目から生まれてきたものではないかと思う。特にパンクについていえば、そのような社会へのルサンチマンめいたものを感じたりもする。しかし、実際にそこにあるのは憎しみや怒りというべきものよりも、全てを笑い飛ばそうとするユーモアーを含んだもの [続きを読む]
  • 第二百四十七夜「アスファルトの虎」
  • アスファルトの虎大藪春彦 物語は細部に宿る、そう考えている。わたしはそれを、大藪春彦氏の作品から学んだ。大藪氏は、わたしが物語を書く上での師匠とよべる。大藪氏は、小説を書くために綿密な取材を行う。小説の舞台となる現場へ自ら赴いて、登場させる銃や車を自らが試した上でそれを書くという点で、他の作家と一線を画しているかのように見える。しかし、本当に重要なのはその部分ではない。大藪氏の取材に基づいた描 [続きを読む]
  • 第二百四十六夜「ガンダムセンチュリー」
  • ガンダムセンチュリー企画 松崎健一/スタジオぬえ(宮武一貴・河森正治)/大徳哲雄 サンライズでガンダムの企画を検討していた時に、スダジオぬえの高千穂 遙氏にサンライズの山浦氏がSFの勉強をしたいから本を紹介してくれと言ったそうだ。 その時に紹介されたのが、RAハインラインの「宇宙の戦士」であったときく。 その結果、山浦氏は「宇宙の戦士」からなぜかパワードスーツと言う言葉だけを抜き取って、モビルスー [続きを読む]
  • 第二百四十五夜「ローン・サバイバー」
  • ローン・サバイバー監督:ピーター・バーグ 当たり前といえば、当たり前のことなのかもしれない。けれど、少し奇妙なことのように思えるのは、ある種の文化装置というものはとても強力な物理的兵器よりも強かったりするのではないかと思う。ローン・サバイバーという映画を見て、そんなふうに思った。 この物語は、実話を元にしているらしい。そして、いかにも実話でしかありえないような、奇妙さが色々とある。主人公は [続きを読む]
  • 第二百四十四夜「The Messenger」
  • The MessengerLINKIN PARKスウェーデンのポップグループ、カーディガンズは愛についてこんな歌をうたっている。 Do you really thinkthat love is gonna save the worldWell, I don't think so 愛というものは、かつてジョン・レノンがall you need is love とうたったときから、何か宗教のようなものになったような気がする。特に、60年代、フラワーチルドレンやヒッピー文化の中で、愛は象徴的なものへとなっていく [続きを読む]
  • 第二百四十三夜「500 Miles」
  • 500 MilesThe Hooters 「胸なんて飾りです、偉いひとにはそれが判らんのです」 USAには、フーターズという有名なレストランチェーンがある。この島国にも進出しているようだが、よくは知らない。グラマラスな若い女性がタンクトップを着てウエイトレスをしていることで、有名になった店だ。フーターズという言葉には、巨乳という意味があるらしい。The Hootersというバンドがどういうつもりで「巨乳」という言葉をバ [続きを読む]
  • 第二百四十二夜「ADVENTURE」
  • ADVENTURETelevision 東京に住んでいたころは、よく道に迷ったような気がする。まあ、どこまでいっても同じような風景が続いていたからなのかとも思う。よく知っている場所を歩いているつもりが、全く知らないところを歩いていることに気がつくこともあった。逆に、冒険のつもりで知らない街を歩いているつもりだったのに、家のすぐ近くを歩いていたこともある。迷い込んだはずなのに、実はよく知っている場所だった。奇妙な [続きを読む]
  • 第二百四十夜「パイド・パイパー」
  • パイド・パイパーネビル・シュート この物語は、ナチス・ドイツが支配するフランスからイギリスへ向かい、決死の脱出行を試みたひとりのおとこが主人公となっている。そういうと、冒険小説のように感じられるが、実際には少し違う。この物語に登場するのは、老人であり子供たちだ。パイド・パイパーというタイトルは、ハーメルンの笛吹きからきているらしい。そして老人は笛を吹きつつ、ナチスに蹂躙されたフランスで子供たち [続きを読む]
  • 第二百三十九夜「泥まみれの虎」
  • 泥まみれの虎宮崎駿 世の中には、ミリタリーオタクと呼ばれるひとたちがいる。大日本絵画という出版社はまさに、そのミリオタのためだけに存在するような出版社であると思う。そして、その大日本絵画が刊行している雑誌に「モデルグラフィックス」というのがある。主にミリタリー関連の模型を扱う、雑誌だ。まさに、ミリオタのためにある雑誌であった。宮崎駿というひとりのミリオタは、この雑誌に「宮崎駿の雑想ノート」いう [続きを読む]
  • 第二百三十八夜「21世紀の資本」
  • 21世紀の資本トマ・ピケティ 恥ずかしながら告白すると、学生時代は経済を専攻していた。実のところ、ほとんど経済というものが判っていない。そもそも、判っていなかったから判ろうとして経済を学ぼうとしたというのはある。けれど、全く理解することができなかった。そもそもわたしは、経済成長というものを理解できていなかった。学生のころ、計画経済というものに強い憧れを抱いていたので、経済成長というのは実際のとこ [続きを読む]
  • 第二百三十七夜「HK 変態仮面」
  • HK 変態仮面原作:あんど慶周、監督:福田雄一 ジル・ドゥルーズは彼の著作「マゾッホとサド」の中で、マゾヒズムとサディズムが対になるかのように語られることに、錯誤があると主張する。すなわち、サディストに対応するかのようにマゾヒストがいるのではなく、それらはそもそも別のものであるという。では、サディズムとマゾヒズムとはどのように異なるのであろうか。サディズムは、制度が存在することを前提とする。サデ [続きを読む]
  • 第二百三十四夜「2001年宇宙の旅」
  • 2001年宇宙の旅アーサー・C・クラーク スタンリー・キューブリック 「2001年宇宙の旅」は、いかにリアルにみせるかということを追求した結果、リアルであることを放棄したという奇妙な作品である。この作品に登場する宇宙船ディスカバリー号は、原子炉を搭載している。宇宙空間では熱伝導効率が悪いため、原子炉を搭載した宇宙船は熱放出が問題となる。よって、小説版の2001年宇宙の旅においては冷却用の放熱板が、装備されて [続きを読む]
  • 第二百三十三夜「誰よりも狙われた男」
  • 誰よりも狙われた男監督 アントン・コルベイン「誰よりも狙われた男」は、ジョン・ル・カレのスパイ小説を映画化したものである。ジョン・ル・カレの小説に登場するスパイは、だいたいにおいてさえないおっさんだ。「誰よりも狙われた男」の主人公も、中年太りして見栄えのしないおっさんである。じゃあ、見かけに反してもの凄く有能かというと、結局のところそれほどでもない。まあ、無能ではないが、努力は基本的にむくわれない [続きを読む]
  • 第二百三十二夜「フラッシュ・ゴードン(映画)」
  • フラッシュ・ゴードン(映画)監督マイク・ホッジスフラッシュ・ゴードンは、1930年代のUSAで新聞連載コミックとして登場する。ちょうど、ウィアード・テールズが、怪奇と幻想の世界を展開していたのと、同じ時期だ。そして、そのころはアメイジング・ストーリーズにEEスミスがスカイラークのシリーズを掲載していたころでもある。その後、スミスはレンズマンのシリーズも発表する。当時、火星はまだ幻想につつまれた未開 [続きを読む]
  • 第二百三十夜「たかがバロウズ本」
  • たかがバロウズ本山形浩生ウィリアム・バロウズは、現実とはあらかじめ記録されていたものが、再生されているようなものだと考えていたらしい。これは、ある意味では決定論のようにも思える。あらかじめ記録されているということと、全てはあらかじめどうなるか決定されているというのは、よく似ている。だが、バロウズの言っていることは、現実とは記録が再生されていくことなのであるから、受動的なことのようにも思う。決定論は [続きを読む]