Nick さん プロフィール

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Nickさん: 日々是口実/映画批評的妄想覚え書き
ハンドル名Nick さん
ブログタイトル日々是口実/映画批評的妄想覚え書き
ブログURLhttp://diverseblog.blog.fc2.com/
サイト紹介文新作映画(もしくは新作DVD)を中心に、週1本ペースでレビューします。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供89回 / 365日(平均1.7回/週) - 参加 2012/10/23 19:42

Nick さんのブログ記事

  • 『散歩する侵略者』 人類の最強の武器は?
  •  『岸辺の旅』『クリーピー』などの黒沢清の最新作。 原作は前川知大が主宰する劇団イキウメの舞台とのこと。 黒沢清と言えば、その作品の多くが幽霊が出てくるホラーということになるわけだけれど、今回はSFである。幽霊の話は狭い範囲のものになりがちだ。幽霊は誰かを恨みに思ったり、場所に憑いたりはするけれど、生者の世界の転覆までは考えないからだ(『回路』はそれを狙っていたらしい)。それに対してSFであるこの [続きを読む]
  • 『三度目の殺人』 「嘘の回想シーン」の受け入れ難さ
  •  『そして父になる』などの是枝裕和監督の最新作。 主演は『そして父になる』以来のタッグとなる福山雅治。 弁護士の重盛(福山雅治)は友人の摂津(吉田鋼太郎)に頼まれ、殺人の前科を持つ男・三隅(役所広司)の弁護を引き受ける。三隅は解雇された工場の社長を殺し、死体に火をつけたことを認めている。勝ちにこだわる重盛にとっては、この事件に関わることは気が進まない。接見を重ねるたびに三隅の主張はころころと変わり [続きを読む]
  • 『ダンケルク』 陸海空のすべての戦いを体験する
  •  『ダークナイト』『インターステラー』などのクリストファー・ノーランの最新作。 イギリスでは誰もが知っているという「ダンケルクの戦い」という実話の映画化。「ダンケルクの戦い」というのは実は撤退戦で、第二次大戦中の1940年にフランスのダンケルクに追い込まれたイギリス兵たちの負け戦を描いている。 『ダンケルク』は3つのパートに分かれている。ダンケルクの浜辺で救出を待つ40万人のイギリス兵たちのパート。ここ [続きを読む]
  • 『新感染 ファイナル・エクスプレス』 韓国発ゾンビ映画に震撼せん
  •  監督のヨン・サンホはアニメ畑の人らしいのだが、今回が初の実写作品。 9月30日からはこの作品の前日譚となるアニメ作品『ソウル・ステーション パンデミック』も公開されるとのこと。 評判の悪い邦題はダジャレだが、原題は「Train to Busan(釜山行き)」というもの。 主演には『トガニ』『男と女』などのコン・ユ。共演にはやはり『トガニ』に出ていたチョン・ユミ。そのほかでは身体を張った闘いを見せることになるマ・ド [続きを読む]
  • 『エル ELLE』 一筋縄ではいかない感じ
  •  『ロボ・コップ』などのポール・ヴァーホーヴェン監督の最新作。 原作は『ベティ・ブルー 愛と激情の日々』の原作者でもあるフィリップ・ディジャンの小説『oh...』。 第74回ゴールデングローブ賞で最優秀主演女優賞と最優秀外国語映画賞を受賞した作品。 冒頭、ミシェル(イザベル・ユペール)が侵入してきたマスク姿の男に自宅でレイプされたことが示される。驚くのはその後のミシェルの行動で、彼女はレイプされた女性が [続きを読む]
  • 『少女ファニーと運命の旅』 必死の逃亡者のノスタルジー
  •  『ポネット』などのジャック・ドワイヨンの娘さん、ローラ・ドワイヨンの監督作品。 ファニー・ベン=アミというユダヤ人女性の自伝『ファニー 13歳の指揮官』をもとにした作品。 1943年ナチスの支配下のフランスが舞台。13歳の少女ファニー(レオニー・スーショー)はふたりの妹と一緒に親元を離れ児童施設にかくまわれている。その時代、ユダヤ人は次々と収容所送りにされていたからだ。つかの間の平和があった児童施設も密 [続きを読む]
  • 『スターシップ9』 またまた宇宙でひとりぼっち
  •  『ヒドゥン・フェイス』などの脚本を手がけたアテム・クライチェ・ルイス=ソリヤの初長編作品。Netflixのドラマシリーズ「ナルコス」のチームが制作とのこと。 原題は「ORBITA 9」。 公害で住めなくなった地球を捨て、別の惑星へと向かうエレナ(クララ・ラゴ)。エレナは宇宙船内で生まれ、両親はエレナのためにその宇宙船から降りた。その後、約20年もの間ひとりでの生活をしてきたエレナの前に、エンジニアの男アレックス [続きを読む]
  • 『ウィッチ』 すべてを脱ぎ捨て自由な森へ
  •  ロバート・エガースの初監督作品。サンダンス映画祭で監督賞を受賞するなど評判になった作品。 『スプリット』のアニヤ・テイラー=ジョイの主演作。 舞台は1630年のアメリカ・ニューイングランド。篤い信仰心のためにコミュニティを追放されることになったウィリアム(ラルフ・アイネソン)とその家族たちは、ゲートで区切られた安全な場所を離れ、森の近くの荒地に住むことになる。長女トマシン(アニヤ・テイラー=ジョイ) [続きを読む]
  • 『君はひとりじゃない』 霊媒師がつなぐもの
  •  ベルリン国際映画祭で銀熊賞(監督賞)を受賞したポーランド映画。 監督はマウゴシュカ・シュモフスカ。 原題は「Body」。邦題は劇中で何度もかかる「You'll Never Walk Alone」という曲から採られているらしい。 冒頭のエピソードが奇妙だ。首吊りで死んだはずの男が、警察によって木から降ろされてしばらくすると、死んでいたことを忘れてしまったかのように歩いてどこかへ去っていく。周囲の人たちは唖然とするものの、こ [続きを読む]
  • 『甘き人生』 マザコン男の覚醒と救い
  •  『ポケットの中の握り拳』『眠れる美女』などのマルコ・ベロッキオの最新作。 原作はイタリアではベストセラーになったジャーナリストの自伝小説。 原題は「Fai Bei Sogni」で、「よい夢を」といった意味合い。 マッシモ(ダリオ・ダル・ペーロ)は9歳のとき母親を喪う。あまりの突然のことにマッシモはその死を受け入れることができない。成長してジャーナリストとなったマッシモ(ヴァレリオ・マスタンドレア)は、父親の [続きを読む]
  • 『裁き』 不条理を感じる人は誰?
  •  監督・脚本はチャイタニヤ・タームハネー。 アカデミー賞外国語映画部門のインド代表となった作品。原題は「COURT」。 ある日、年老いた民謡歌手カンブレ(ビーラー・サーティダル)が舞台で歌を披露していると、突然闖入してきた警察官に逮捕される。容疑は彼の歌が自殺を煽ったというもの。「下水清掃人は下水道で窒息死しろ」という内容の歌が、ある下水清掃人を自殺へと追いやったのだという……。 裁判映画というこ [続きを読む]
  • 『ハクソー・リッジ』 地獄で見つけた奇跡
  •  『ブレイブハート』『パッション』などのメル・ギブソンの久しぶりの監督作品。 アメリカで良心的兵役拒否者として初めて名誉勲章が与えられたデズモンド・ドスという人物の実話をもとにした作品。 タイトルの「ハクソー・リッジ」とは「のこぎり崖」といった意味で、沖縄の前田高地がのこぎりのような崖になっているのを見てアメリカ兵たちが名付けたもの。 アカデミー賞にも作品賞や監督賞など6部門ノミネートされた。 デ [続きを読む]
  • 『セールスマン』 もやもや感がクセになる?
  •  『別離』『ある過去の行方』などのアスガー・ファルハディの最新作。 アカデミー賞では『別離』に続いて二度目の外国語映画賞を受賞した。 夫婦が新しく引っ越した家で、ある事件が起きる。妻のラナ(タラネ・アリドゥスティ)は夫のエマッドが帰宅したと勘違いをし、玄関の鍵を開けてしまうのだが、実は訪ねてきていたのは別の男で、ラナは頭部にケガを負うことになる。 その事件によって夫婦の関係もぎくしゃくしてくる。夫 [続きを読む]
  • 『武曲 MUKOKU』 命懸けの剣の道
  •  『海炭市叙景』『私の男』などの熊切和嘉監督の最新作。 原作は藤沢周の『武曲』。 父親から仕込まれた剣の腕前でその父親を植物状態へと追いやった矢田部研吾(綾野剛)と、荒削りだが天賦の才を見せる羽田融(村上虹郎)。そんなふたりの対決の物語。 研吾の父親・将造(小林薫)は剣道を精神的な修練やスポーツの類いとは考えておらず、斬るか斬られるかという命のやり取りとして考えている。武士でもないのにそんなことを [続きを読む]