kotan さん プロフィール

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kotanさん: charm
ハンドル名kotan さん
ブログタイトルcharm
ブログURLhttp://kotan07charm.blog.fc2.com/
サイト紹介文有閑倶楽部二次創作小説ブログです。
自由文サイト“charm”からお引越し中です。
二次創作小説を不快と思われる方はご遠慮下さい。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供20回 / 365日(平均0.4回/週) - 参加 2013/02/22 18:28

kotan さんのブログ記事

  • the sequel to note 
  • 簡易給湯室の小窓から夕方の陽射しが細い通路へと延びる。どこか懐かしいその光の色と優しい肌触り。今となってはたった数分の過ぎたひとときでも、淡い記憶は彼女の中にしっかりと残されていた。あの新学期からしばらくして、悠理は体育部担当の先生に頼まれた書類を届けに菊正宗家に向かっていた。中身に目を通していなくても分かっている。人数の少ないクラブの活動をどうするか、と言う課題が提示されているに違いない。珍しく [続きを読む]
  • note
  • 新学期の昼下がり。満足するほど食べた学食のランチと、心地よい窓からの微風。珍しく誰もいない生徒会室で、窓を開け放してソファに寝転ぶ。「ああ〜キモチいい〜。午後はサボりだなぁ」新学期は授業らしい授業はまだなく、今日だって午後は体育館で応援歌練習。新入生には辛い時間だが、二年ともなるとお手本になればいい。不真面目な悠理には意味のない時間になる。満腹なお腹を抱え、質の良いソファが彼女を眠りへと誘う。ふわ [続きを読む]
  • girl talk.
  • 突然可憐から呼び出された野梨子は、緊張した面持ちでドアフォンの呼び出しを押す。すぐにその当人が“今、開けるわ”とスピーカー越しに応えた。ホワイトデーの夜の呼び出しとなると、誰もが悪い予感を思ってしまう。けれど意外にも可憐の顔は普段と変わらず、茶目っ気たっぷりで舌を出した。「ごめーん。本当に予定なかった?」「ありませんわ。ホワイトデーだと言うのに、誰からもお誘いなんてなくってよ」「バレンタインにチョ [続きを読む]
  • 常に移行する時間、そして変わらないもの
  • “時間を味方につける”という言葉が、最近頭を過る。何かの小説だったのか、テレビとかネットの情報だったのか、それは定かではないが、生活の何かしらの時に先程の言葉が過る。例えば今、僕の目の前で幼友達であり喧嘩友達でもある彼女が朝食を取っている。厚切りのトーストに丁寧にバターをナイフで塗っている。ハチミツのディスペンサーを見つめ、トーストに垂らそうとしているのだろう。「悠理、コーヒーにミルクは?」「欲し [続きを読む]
  • 2月の空
  • このお話は、“夏空の飛行機雲”の続きです。。底冷えするような雨の土曜日、僕はひとりで生徒会室にいる。来年度の生徒会活動の予算や行程、引き継ぎ事項等をまとめるために登校したのだ。本当は月曜日の夕方までに仕上げれば良いのだが、今日、ひとり、ここで作業をしたくなって来た。誰にも邪魔されたくないと言うなら自宅での作業でも良いのだが、担当の顧問も職員室にいると言うので登校することに決めた。部屋が暖まる間、簡 [続きを読む]
  • おもいのおもさ
  • 放課後の生徒会室で、悠理がテーブルにもらったチョコレートを広げている。「ほう。今年も一番たくさんもらったの?」彼女の隣の席に座りながら、清四郎が訊く。「さーね。美童かな?」「数は悠理さ。質では僕だよ」ちょっと悔しそうな美童が、テーブルに並んで座る二人の後ろに立った。「どーでもいいもん、そんなの。バレンタインはとにかく、チョコをたくさんもらって食べるもの」「くれた人は覚えてないの?」美童が悠理に訊く [続きを読む]
  • Be Selfish
  • 目の前の綺麗な花束。大好きなスイーツ。欲しかった、手に入りにくい年代物のレコード。忘れるために自分から望んで機会を作った。そうして得た出逢いなのに・・・目の前の優しい笑顔に、どうゆう顔したらいいんだろう。欲しい物を全て目の前にした今、本当に、心から欲するモノが何なのかが分かるなんて。あたしが欲しいのは、形がなくって、香りもなくって。だから目で見て触ったり、顔を近づけたりしても分かんなくて。お金を出 [続きを読む]
  • これから
  • 真夜中に目が覚めて、ふっと思う。“初夢っていつ見た夢?”たった今見た夢がそうなのだろうか。それとも昨日のがそうだったのだろうか。もし今見たのがそうだとしたら・・・“正夢・・・”いや、見た夢が実際に起こるのが正夢で、夢そのものしかまだ見ていないのだから、どうだろう?いや、やっぱり違う。実際に起こりうる現実を考えすぎて、その延長で見たに違いないと考え直す。さっき夢を見た。あたしの知らない、でもあたしの [続きを読む]
  • さよならさんかく
  • 気の進まないクラス会だったけれど、魅録が幹事だったから仕方なく出席してやった。でもやっぱりツマンナイ。だって魅録は幹事だから忙しいし、学生時代にクラスメイトで仲良しなんてほとんどいなかったし、仲良しだった別クラスのメンバーだって全員が揃っている訳でもない。研修医で地方勤務の清四郎とスウェーデンに帰国した美童は欠席。広い会場のどこかにいるはずの野梨子と可憐は別クラスだから見当たらない。式の次第も順調 [続きを読む]
  • 冬の偶然
  • 美童の知人が主催するパーティの頭数でこのホテルに呼ばれた。呼ばれたのは可憐と悠理と僕。良くあるところの出会い系みたいなパーティ。野梨子と魅録は付き合い始めて間もないため、そんなパーティには参加したくないと言う。それはそうだ。僕だって参加したくなかった。悠理だってイヤイヤの参加だ。でも頭数で何とか頼むと言われると仕方ない。大切な仲間だし、悠理は後で美味しい食べ物をごちそうしてもらうようだし、パーティ [続きを読む]
  • きみの瞳に映るのは
  • 日曜日の午後の事だ。僕は少し早い期末テストの勉強会の為に剣菱家を訪れた。せっかくの日曜日とテストにはまだ時間があるとあって、悠理からは大反対の抗議を受けたが、正直今から始めたって遅いくらいと思っている。まずは小学校の教科書から開かないといけないくらいなんだから。彼女の部屋のドアをノックすると、は〜いと暢気な声が聞こえて、それからゆっくりドアを開けた。「お邪魔します。おや、もう机に向かって。雨でも降 [続きを読む]
  • 夏の道、秋の雲
  • 息苦しいほど暑かった夏が、いつの間にか通り過ぎている。毎日往来した田舎道も黒く長い影を作り、冷たい空気が漂っている。まるで夢のようだ・・・なんて、ちょっと大袈裟だけど、でもそうだ。短い夏を惜しまないように、僕は何度となく彼女に会った。小さなきっかけを必然に、そして必ず成し遂げるように。高等部最後の夏休み、僕は家族と避暑地の別荘で過ごした。僕が初等部高学年頃までは、毎年家族と夏を過ごしていた。医者で [続きを読む]
  • 秋が終わる頃までには
  • 窓の外では色づき始めた枝葉が、風に煽られるように揺れている。夏とは明らかに違う陽射しが木々の影を黒く、そして長く伸ばし、冷ややかな空気をそこかしこに漂わせていた。「何を考えてる?」窓辺に立つ悠理の華奢な背中に魅録は問う。先程、学園祭を二人で抜け出して彼の家へ来たのだ。普段の静かな校内とは違って、生徒も競うように盛り上げ、また外部からの来場者で賑わっていた。今、この場所に自分達がいなくても良いと判断 [続きを読む]
  • Too Late
  • 初夏にしては強過ぎる陽射しを、青々とした芝生が反射させている。芝の近くに座る僕の背中に草いきれを感じながら、ふうっと頬を通る風がやはりまだ冷たい。目を閉じて、日曜日の午後を存分に楽しんでいる自分に満足している。突然足下に冷たい飛沫を感じる。驚いて目を開くと、誰かがホースの長いシャワーを芝生に撒き始めていた。「どう?魅録、気持ちいい?」近くで声が聞こえる。「バカ!止めろ!まだ水が冷たいって」笑いなが [続きを読む]
  • memory flickers 2
  • それからは彼女の事後報告として。あの見合いから九ヶ月後、彼女達は偶然に、頻繁に逢うようになった。とは言っても、デートをしたりゆったりとした時間を取ったりではなく、たまたま偶然、それはパーティ会場だったり、オフィスビルのロビーだったりした。その時の彼は悠理を見つけるなり嬉しそうに微笑んだそうだ。彼女の記憶の中での彼はずっとナルシシストでインテリゲンチャ的であった。言葉遣いが丁寧で、優しく、無表情な。 [続きを読む]
  • memory flickers 1
  • すごいナルシシストでインテリゲンチャな男なのに、悠理はなぜか惹かれた。一生に一度あるかないかの出来事だった。どういう出逢いか、と言うと、つまりはまた彼女の両親が要らぬ見合い話を持ってきた時である。普段のように激しく拒む彼女に、少しで良いから二人で話しておいで、と無理に二人きりにさせられたよう。ホテルのレストランで食事をし、ロビーで軽くお茶を飲む間、彼は紳士的に接したようだ。かなりの忍耐を必要とした [続きを読む]
  • if only through ・・・ 後編
  • 通りに出ると日は完全に暮れ、辺りは真っ暗だった。高級住宅地の外灯が品良く灯され、どこかでまだ蜩が鳴いていた。「日が暮れたのにも気付かずに鳴いてるんでしょうかね」清四郎は隣を歩く悠理に訊ねる。「蝉とか蜩って寿命が短いんでしょ?だから惜しむことなく鳴いてるんじゃない?」「おや、悠理にしてはセンチメンタルな回答で。でも、そうかも知れないですよね」それきり清四郎は何も言わなくなった。住宅街を抜け、商店街に [続きを読む]
  • if only through ・・・ 前編
  • ノスタルジックな夕方の陽射しが、通りに長い影を落としている。まだ日暮れには早く、柔らかい光の中を悠理は親友の野梨子宅へと向かっている。「お茶会で使うはずだったお菓子がたくさん残ってしまいましたの。食べきるのが大変だから手伝って下さいな。美味しいお茶も手に入ってよ」日曜日の昼過ぎに、そう野梨子から電話が入った。自室でのんびり過ごしていた悠理は、本当は行きたい気分ではなかったが、そのように言われると仕 [続きを読む]
  • その手があるなら
  • 今回の作品はメンタルヘルス的な要素があります。そのようなお話が苦手な方はお引き取り下さい。読後の苦情は受け付けません。あたしは今、事情があってある施設に入所している。理由は分からない。自覚症状なんてそんなにないのに家族が、「一時的なんだから、休むような気持ちで入っておいで」と言った。豊作兄貴が言うには、「いわゆる思春期のあれだよ」って。「思春期のあれ」ってなんだよ!って思う。ここに来るまではすごく [続きを読む]
  • 思うこと 信じること
  • 日曜日の午前中に悠理の自宅へ訪問した。お昼前と言うのはちょっと気が引けるけど、最近の彼女を思えばやっぱり心配だし、少しでも元気を取り戻したなら外へ誘い出してランチも悪くない。だから僕は、日曜日の午前中に悠理の部屋のドアをノックする。互いが息を潜めたのが分かったが、声がかかるまで辛抱する。程なくして、元気のない彼女がドアを静かに開けた。「元気なさそうで、大丈夫?」「うん、何だか調子良くないよ。だって [続きを読む]
  • 恋の終わり
  • 生徒会室に入ると、テーブルの中央席に座っている清四郎が書類に目を通しているのが見える。久しぶり、と言うあたしに、清四郎は目を合わせるでもなく軽く会釈をした。ううん、あたし自身、清四郎と目を合わせるタイミングをずらしているのも事実。どんな顔で、どんな言葉で接すれば良いのか分からないから。普段のあたしの席に座る。位置としては、清四郎の斜め前。そして、目の前に用意されている書類に目を通す振りをする。パラ [続きを読む]
  • 雨を理由に
  • 夏を思わせる細かい雨が降り注いでいる。降りだした時も、降っている今も、音がなく生暖かい。ベールのように滑らかで、ゆったりと幕を引くような感じ。“急に行けなくなって、ごめん”降り始めた時、それは太陽の陽射しを浴びながらキラキラしていて、まるで今日を歓迎するかのように思えたのに。“野梨子にね、ちょっと頼まれ事。だから勉強会は明日。悪い”サンルームのテーブルに、二人分の椅子。今日はここで勉強を教わって、 [続きを読む]
  • 噂が呼ぶもの
  • 清四郎宅のリビングでメンバーがくつろいでいる時、顔色の優れない悠理が彼へ言った。「清四郎、ちょっと気分が悪いんだ。迎えを呼んでくれる?」「どうした?お腹でも痛いの?」「ううん。なんか、吐き気がする。酷くはないんだけど」「僕の部屋で横になるといい」「汚すといけないから。迎えに来てもらううよ」「いいから。今車に乗るのは良くないよ。薬を飲んで横になる方がいい」近くにいた野梨子も言う。「そうですわよ。清四 [続きを読む]
  • 返事のかわりに
  • 十以上ある運動部の中の数人が問題をおかして、あたしは運動部部長として反省会を開くことになった。とは言っても、各部の顧問の先生と部長、生活指導の先生も会に参加してくれたし、生徒会長で親友でもある清四郎が反省会の指示を出してくれていたので助かった。反省会は滞りなく進み、すっかり春めいて日が長くなっていたから、明るい内に終えることができた。あたしはカバンを取りに生徒会室に戻ると、清四郎と野梨子が部屋で待 [続きを読む]