みやこ さん プロフィール

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みやこさん: きままに読書
ハンドル名みやこ さん
ブログタイトルきままに読書
ブログURLhttp://drugstore.blog.shinobi.jp/
サイト紹介文読書日記時々一般日記。読んで観て。思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供216回 / 365日(平均4.1回/週) - 参加 2013/02/27 00:44

みやこ さんのブログ記事

  • 「王国」中村文則(河出文庫)
  • 神を気取っていた男が人間に成り下がった様を見た気がした『王国』。踏み越えたかったのは、本当におまえだったのか?歯噛みするしかなかった理不尽はどこにいった?とは言え、木崎に絶対的な悪であってほしかったわけではなく、絶対悪のまま、運命に翻弄された者達の手による鉄槌が下ってほしかった。それこそが、抗いの証。決められた運命に対する反逆。そうはならないのが、世の中……なのかな。つまりはやっぱ [続きを読む]
  • 「掏摸」中村文則(河出
  • 立ちはだかるのは、「木崎」という、圧倒的な理不尽。抗う隙間がないことに苛立ちとやるせなさと諦めとを噛みしめながら、暗雲の中に呑まれようとした瞬間に生じた誤差。浮草のように漂っていた彼が示した、この世界への執着。その先を想像することを許されてはいるけれども。私は何も考えまい。姉妹編、『王国』を読むまでは。この世界観、この描写。ジワジワと押し迫ってくる感じがたまらない。一気に読み切って、溜息。自ら [続きを読む]
  • 「3びきのかわいいオオカミ」(冨山房)
  • これって、ブタのイイトコどりじゃないの!?←ダメな大人の感想です。悪ブタに対するおおかみたちが本当に本当に可愛い。要約すれば「現代版三匹の子ブタ。オオカミ&ブタさん入れ替えバージョン」家を建てる手段がグレードアップして行けば、当然破壊する手段もグレードアップ。ダイナマイトを持ちだす悪ブタ……イロイロ半端ない。家を造っては破壊され、造っては破壊されを繰り返したオオカミたちがたどり [続きを読む]
  • 「蝶」ヘルマン・ヘッセ(同時代ライブラリー)
  • ヘッセにとって、儚く、美しく、そして滅びゆくものの象徴、それが蝶。蝶に纏わる短編や詩編を収めた本書。色とりどりな蝶に飾られた本書は、装丁も美しい……けど、リアル蝶や蛾なので、苦手な方は要注意。蝶を形容するために散りばめられた言葉の多彩さと、その表現の美しさに魅惑され、「キベリタテハ」を読みながら、指先に止まった蝶の軽やかさを思い出す。本書購入のお目当ては「クジャクヤママユ」。馴染の [続きを読む]
  • 「泣かない美人」菅野彰(ディアプラス文庫)
  • 言葉は、時にひどく心を抉る。起こってしまった過去を描きかえることも消し去ることもできない。人の記憶も、抱えた後悔も。だけど、痛めた心を抱えたまま、そこから新しい一歩を踏み出すことができる。優しさと、後悔と、これからへの不安と希望。いろんな感情が刺さって、終始泣きたくなりながら読了。隼人と要の在り様は、それでいいと思った。完璧な人間なんてどこにもいなくて。見ず知らずの人間には打算で近づいて。警戒 [続きを読む]
  • 無題
  • 嵐の前。来るべき決戦の時に備え、それぞれに見合った場所で力を蓄え、或は、増強させていく梁山泊。編成替えの配置の仕方が興味深い。決して変わらないと思っていた致死軍の指揮官の交代に、寂寞感がひとしおだった。だけど、彼なら間違いなく新しい致死軍を作り上げてくれると。確信できる期待感が嬉しい。梁山泊の豪傑達を育ててきた子午山は、殺戮に倦んだ童貫の心をすら晴らす。王進の存在は誰にとっても平等だ。幻王軍を [続きを読む]
  • 「楊令伝 5 猩紅の章」北方謙三 (集英社文庫)
  • 一つの大きな山場を迎えた巻。全ての責は己にある、と言い切れる童貫の器の大きさを改めて突きつけられる。冷静であり、公平であり、勇敢である男の言葉は、何一つ、間違ってはいない。そんな男が最後の戦いの相手と見定めた敵、即ち、梁山泊。その梁山泊のために禁軍の兵力を削ぐと同時に、呉用の再生でもあった方臘たちの戦い。たらればを言ったらキリがないけれども。もしもあのとき、と、違った局面を思い描きたくなる戦い [続きを読む]
  • 「In These Words 3」Guilt|Pleasure(BBCDX)
  • ここで1巻の冒頭につながり、物語展開の緻密さと凄さにゾクゾクっとなる高揚感が半端ない。フラッシュバックしていた記憶がリアルに押し迫ってくる。実体を得た犯人。繋がり始めた事象。身勝手で妄執めいた愛なんていらない。自己憐憫で涙を流すその姿が気持ち悪い。だから、諦めないで、と。兆した、麻野の生きることへの執着に、ぐっと拳を握る。そして私は尋ねたい。あなたは、いったい、誰なのですか?と。篠崎、踏ん張り [続きを読む]
  • 「スパイは秘書に落とされる」烏城あきら
  • あ、惜しい!何が惜しいって、この先の展開がものすごく読みたかった、っていう読み足りなさが残っちゃってること。私、社長秘書・中嶋の本来の性質がとっても好みです。描き下ろしでSS入れてくれたら嬉しかった。もしくは、逆サイド(中嶋)からの視点の物語が読みたい!という欲がフツフツと。というわけで、産業スパイ小説楽しく読了。読み終わってみれば、スパイ・雅也は育ちのいい可愛い犬でした。←褒めてます。あの [続きを読む]
  • 「ライオンの冬」沢木冬吾(角川文庫)
  • ハードボイルドに特化しきらないところが、この著者の持ち味なのかな?と。最後まで読み終えて思ってみる。ジーンとくる余韻がとても素敵。山で静かに暮らす老人二人と女子高校生。そんな彼らを護ろうとした者、奪おうとした者。どちらにしても、彼らの生活に土足で踏み込んできたことには変わりない。……と思ったら、日本政府、何やってんの?身を守る術を知っていた、老兵二人の戦いっぷりが、カッコいいんだけ [続きを読む]
  • 「流浪の果て」ヘルマン・ヘッセ(新潮文庫)
  • 対照的な二編を収録。人生の終焉間近な人たちの物語と、これからの時代を担う若者たちの物語。「流浪の果て」冒頭ののどかな風景描写に、余生を仲間たちと穏やかに暮らす人々の姿を思い描いて読み始める。個性が強い面々の養老院での暮らしがコミカルに描かれていて、微笑ましく読んでいられるのも最初の内だけ。孤独で生きる目的のない毎日に、壊れていく心。そして、唐突に訪れる終焉。とても寂しい。生き甲斐って大事。友達 [続きを読む]
  • 「あひるの空 47」日向武史(マガジンコミックス)
  • 積み重ねてきたクズ高メンバーの努力が実り、花開いていく。ひ弱さの感じられない茂吉。相手に合わせられる行太。戦力として機能する鍋島。ここまで読みつづけてきたからこそ実感できる彼らの成長に、こみあげる思いがある。だけど、忘れてはいけない。彼らがそこにいたせいで、バスケを諦めた人間もいることを。空が頑張ったから、今の彼らがある。ここであのシーンをぶっ混んできた作者は凄いなーと思う。だからこそ、百春の [続きを読む]
  • 「あなたが消えた夜に」中村文則(毎日新聞社出版)
  • 書物が醸し出す、圧倒的な存在感。紛れもなく「中村文則」が生み出した作品なのだと、訴えかけてくる。そこここで鳥肌が立った。寂しい人たちが。悪意に絡め取られた人たちが。愛に迷子になった人たちが。少しずつ道を踏み外し、後戻りできなくなっていく。追っていたはずの犯人の意識の中に、気づけば取り込まれ、その狂気の狭間に透ける哀しみに塗り込められる。読み終わるまでは緩まなかった涙腺。反芻しながら感想を打って [続きを読む]
  • 「楊令伝4 雷霆の章」北方謙三(集英社文庫)
  • 北と南とで起きた混乱の鎮圧に奔走する国を横目に、彼らはひたすらに牙を研ぐ。今は力を蓄える時。いずれ来るその日に備えて。かつての梁山泊からの仲間達の阿吽の呼吸がたまらなく好き。そして、新しく育った若者たちと次第に呼吸が噛み合ってくる様が感慨深い。確実に年月は過ぎている。ただ、そこに在るだけで彼らの心の拠り所だった母との別れ。私にとっても大きな存在だったのだと実感した瞬間。酒を酌み交わす彼らの姿に [続きを読む]
  • 「城」カフカ(新潮文庫)
  • 本題に関してはびっくりするぐらい何も起こらず、恋愛に関してはびっくりするぐらい急展開で事が進行し、結果、この人はいったい何をしにここに?と、ぽかーんとして読了。恋に落ちるのは早いし、たとえそれが勘違いだったとしても結婚を決意するのは早いし、別れるのも早いし。かといって、肝心なことは一切進展せずに物語は終幕。お城!お城が遠いよ!なのに、不思議と読みつづけてしまう物語。閉鎖的で排他的な村にKが拘っ [続きを読む]
  • 「ルール」水壬楓子(リンクスロマンス)
  • 自ら誘って、身体から始まって、そして好きになって傷ついて。学習しないなぁ、高森、と思ってみるわけですが。今回は篠宮もちゃんと高森のことを好きになっていたところが、前回とは違います。とはいえ、その執着、その恋情、わかり辛いわっ!と、言いたくなるご無体な仕打ち。この人たち、何が足りないって、決定的に言葉が足りない。とはいえ、「私が最初にあなたを抱きたかった」は殺し文句です。相思相愛になった後に降り [続きを読む]
  • 「リスク」水壬楓子(リンクスロマンス)
  • 久賀の真意がわからずに、誘われるまま高森を抱いてしまった城島。城島の不安をわかっていながら、余裕の態度を崩さない久賀。高森もすべてをわかった上で始めた関係。大人の駆け引き……とはいえ、ちょっと不実じゃない!?と、もやっとしたものを引きずったまま読み進め……このクソジジィ、カッコイイじゃないの、と、城島と同じく、久賀の手管にまんまと乗せられてしまった感満載で読了。高森の引 [続きを読む]
  • 「進撃の巨人 22」諫山創(マガジンコミックス)
  • 「自由」ってなんだろう?と、漠然と思いながら、泣きたくなった読後。希求した海にたどり着いたところで彼らの戦いは終わりではなく、肩を並べていた仲間たちの多くは、そこにはいない。ここにきて多くの謎が明らかにされていくけれども、果てのない虚無感とこの先の世界の不透明さに苛まれる。あなたたちが希望。あなたたちが導き出した世界が真実。そう、思っていていいのかな?「名は、進撃の巨人」ここで、そう来る!?、 [続きを読む]
  • 「スキャンダル 下」水壬楓子(リンクスロマンス)
  • 久賀の導いた落としどころは、厳しいけど理にはかなっているよなぁ、と納得。凌辱を受けること、見られること。相手の立場に立ってみなければ、その気持ちはわからない。祥彰と佑士の二人だけだったら蟠りを解くのにもう少し時間がかかったかもしれない。トラウマを克服するため、そして、気持ちを改めて確かめ合う為のセックス。瑞妃が目にした幸せな光景のイラストでのエンドは申し分なし。後半は政界の重鎮久賀と刑事城島の [続きを読む]
  • 「スキャンダル 上」水壬楓子(リンクスロマンス)
  • 我が身を振り返って落ち込んで反省するくらいなら、最初から手を出すな。そこは、内心の葛藤を呑み込んで、ぎゅっと抱きしめるとこだよね!?とは、当事者じゃないから言えることかな。ああ、でも祥彰!なんであそこで佑士のことあんな抱き方しちゃったのよ〜、と、叫びたくなってみました。お互いに好きあってるのに自己完結しちゃってるから気持ちが伝わらない。でも、言えない気持ちもわかる、と、私がジタバタしました。瑞 [続きを読む]
  • 「楊令伝 3 盤紆の章 」北方謙三(集英社文庫)
  • かつての彼らは、宋だけを見据え、相対してきた。大きな敗戦を経験した今、宋のみならず、遼、金という国の情勢までも見据えて、立ち上がろうとしている。起するところは「梁山泊」。掲げられる旗。そうだよね、と、心が震える瞬間。この巻まできて、長い長い序章を終えてようやく動き始めたという感慨深さ。今回は子午山での場面がとても印象深い。かつて、この地で暮らした者達の名を挙げていけば、王進あっての梁山泊という [続きを読む]
  • 「AKIRA 3」大友克洋(講談社)
  • 交差する追う者と追われる者の視点。アキラの名を叫びながら、追いかけて、追いかけられて。疾走感と緊迫感に駆り立てられながら頁を捲る。駆ける理由は人それぞれ。苦々しく、清々しく、そして痛々しく。焦点を合わせる者によって、感情もめまぐるしく動いていく。騒動の渦中にありながら、沈黙し続けていたアキラ。大人たちが恐れていたのは彼の覚醒。物言わぬアキラが叫んだ時、東京の街が倒壊する。台詞の一切ない崩壊の連 [続きを読む]