みやこ さん プロフィール

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みやこさん: きままに読書
ハンドル名みやこ さん
ブログタイトルきままに読書
ブログURLhttp://drugstore.blog.shinobi.jp/
サイト紹介文読書日記時々一般日記。読んで観て。思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供218回 / 365日(平均4.2回/週) - 参加 2013/02/27 00:44

みやこ さんのブログ記事

  • 「寄せては返す波のように」六青みつみ(ガッシュ文庫)
  • 「ほんと、エリィってお馬鹿さん」と、ため息をつきながら読み始める。だけど、早々に自らの過ちを悟り、同じ愚を犯さないように、愛しいものを決して失わないようにと懸命になる彼と、零れ落ちる記憶を必死で手繰り寄せるルースとの交流が、胸が痛くて、だけど微笑ましくて、やっぱり苦しくて。紡がれる彼らの言葉のやさしさと切なさに涙が滲む。孤高に在ることしか知らなかったエリィが周囲の人たちと打ち解けていく様が丁寧 [続きを読む]
  • 「楊令伝9 遥光の章」北方謙三 (集英社文庫)
  • 例えるなら、一陣の風。一瞬の強風が駆け去った後、そこに彼の姿はなかった。そんな想いが突き抜けた瞬間、世界が止まった。この先に何があるのかを見失ったと言ってもいい。ただその時を見届けるために駆けてきたのは、私も同じだと、気づかされる。そして、世界が動き出した時、払った犠牲の大きさに、愕然とする。淀んだ澱のように胸の中に不快に漂うものは、青蓮寺の存在。暗躍を巡らす李富の考え方が気に入らない。大きな [続きを読む]
  • 「蒼い海に秘めた恋」六青みつみ(ガッシュ文庫)
  • 寂寞と諦念の滲んだとても綺麗で澄み切った想い。だけど、核になる部分はとても強くて。まっすぐに向けられたその想いは揺らがない。モニタに映し出された、会ったことのないグレイの姿に焦がれる程、追い詰められていたショア。焦がれた場所に決死の想いで辿りつけはしたけれども。言葉を封じられてしまった人間は、どうやってその想いを伝えればいいのだろう?ショアのいじらしさと健気さに胸が痛んで仕方なかった。何もわか [続きを読む]
  • 「楊令伝8 箭激の章」北方謙三 (集英社文庫)
  • 史進が抱いた寂しさを、私も一緒に噛みしめる。仕方ないよね、と割り切れない寂しさ。それは、戦場に身を置く限り、どうすることもできない別れだ。散っていった同志たちの息子たちの活躍が目覚ましいことが救い。だが、花飛燐は大きな傷をその胸に抱えることになる。その傷は、彼を戦場で名だたる指揮官たらしめるのに一役買うだろう。ちょと生意気な花飛燐の成長をとても楽しみにしていたけれども。そんな哀しみの果てにある [続きを読む]
  • 「桶川ストーカー殺人事件―遺言」清水潔 (新潮文庫)
  • 「彼女はただ訴えたのだ。警察に。助けてくれと」彼女と同じ状況に陥った場合、頼るのはまず警察だ。だが、命の危険を訴えた彼女に助けの手すら差し伸べず、取り返しのつかない事件が起こってしまった後は自分たちに都合の悪いことを隠すために事実を隠蔽し、個人を攻撃する警察の何を信じればいいのか?全ての警察がこうであるとは思わないけれども。市民を守り、犯人を追いかけるべき警察のこの有様。自らの足で殺人犯を探し [続きを読む]
  • 「楊令伝7 驍騰の章」北方謙三 (集英社文庫)
  • 近づく激戦の時を前に静かに語られる、それぞれが抱えた覚悟や歩んできた人生。彼らの間に悲壮感はない。やるべきことをやりながら、ただひたすらに時を待つ。彼らの会話から、男たちの関係性や想いが垣間見れることが嬉しい。そして、とてつもない喪失が待っていた終盤。声を呑み込んだ代わりに涙が溢れた。最後に伝わった息子に対する父の深い想い。そして、楊令が見せた激情。彼とて、完璧な人間ではないのだと。想わせる一 [続きを読む]
  • 「青い眼が欲しい」トニ・モリスン(ハヤカワepi文庫)
  • 無いものねだりという次元ではとても括れない切実な祈り。「青い眼が欲しいの」黒人の少女の悲痛なまでの願いは、偽りの牧師にですら、こう、言わしめる。「かなえてやるのに一番ふさわしい願い」だと。彼女をそこまで追い詰めた、目を覆うような出来事。そんな少女のために、姉妹が願った奇跡。奇跡は起きなかったけれども。それはあなた達のせいではない。偏見や差別が、同じ黒人の間にも蔓延る悲劇。他者と己を比べ、その優 [続きを読む]
  • 「夜に咲き誇る」英田サキ(プラチナ文庫)
  • すべてを預けることと守ってもらうことは同義ではない。男として譲れない矜持がある。久我と共に人生を駆けたいという秋津の想い。血生臭い世界で秋津に傷ついて欲しくないという久我の想い。燻る跡目争いがさらに事態をややこしくする。傷つけるのを覚悟でぶつかって、想いを言葉にして。妥協せずにやりあい、理解しあっていく様は、ちょっと羨ましいなーと思ってみた。主張一直線で狭窄した視野の中に在るときに、第三者の言 [続きを読む]
  • 「オズの魔法使い」
  • 突然のたつ巻でオズの国へ飛ばされたドロシー。その国で出会った旅の仲間は、かかし、ブリキのきこり、ライオン。ドロシーは自分の国に戻るために。仲間たちはそれぞれが抱えた悩みを解消してもらうために。偉大なるオズの魔法使いに逢うために、エメラルドの都を目指すわけだけど、その旅の途中でぶつかった困難の中で、彼等はそれぞれが望むものを知らず、手にしてしまっているんだよね。全く気付いていないところが微笑まし [続きを読む]
  • 「クヌルプ」ヘルマン・ヘッセ(新潮文庫)
  • 静かに、とても静かにこみ上げる涙。ヘッセの物語には濁りがない。清らかな水のように心に沁みる。さすらい続けたクヌルプの人生。彼の魂は孤独を訴えかけるけれども。彼の周囲は愛にあふれていて、誰もが彼に手をさしのべる。心からの善意と親しみで。「死」はいずれ誰しもが直面する事象。その前に故郷に帰りたいという彼の願い。辿りつけたことに安堵する。神さまとの対話で顧みる彼の半生。あるがままに、思う通りに生きき [続きを読む]
  • 「夜に赦される」英田サキ(プラチナ文庫)
  • 久我が胸の奥底に抱えていた過去。秋津との間にひと波乱あるんだろうな、という展開ではあったけど、予想を突き抜けたドラマティックな展開がグサグサ刺ささって涙目。許せないとは思う。でも、憎いとも思えない。悩みに悩み抜いた秋津が対峙しなければならなかったのは、結局は自分自身の想い。羽生の生き様も壮絶過ぎたけど、思うように生ききって、望む様に死ねた彼自身は納得してたんだろうなぁ。羽生の残したあまりにも重 [続きを読む]
  • 「猛き箱舟 下巻」船戸与一(集英社文庫)
  • 裏切りと復讐の連鎖。そして、殺戮。修羅の只中に突き落とされた一人の男が冷酷な戦士に成り変っていく様にゾクゾクする。一度狂いだした歯車は、どこまでも噛み合わないまま軋んだ悲鳴をあげつづける。男を変貌させたのは周囲の男たち自身。己に刃を向ける獣を育てたのは自分達だという自覚はどこまであったのか?優位な立場から追われる立場へと変貌を遂げた男の転落は、家族のことに関しては、狭量になりすぎたせい。くつろ [続きを読む]
  • 「猛き箱舟 上巻」船戸与一(集英社文庫)
  • 望んで飛び込んだ、血と暴力の世界。その男には思想も矜持も守るべき者もなく、男をその場所に駆り立てたものは、享楽的な野心だった。革命のために命がけで戦った人たちには意味不明すぎただろうね。灼熱の砂漠での作戦行動。そこで受けた手酷い裏切り。彼が裏切った相手をただ恨み、逆恨み的な復讐心に燃え滾ったのなら、ちょっと興ざめだったかもしれない。頼まれもしないのに危険に足を踏み入れたのは彼自身の意思だから。 [続きを読む]
  • 「夜が蘇る」英田サキ(プラチナ文庫)
  • 心の中に喪失と虚無を抱えた秋津。そんな秋津が久我という存在によって少しずつ垣間見せていく変化。さながら、萎れた花が息を吹き返すかのように。秋津に対する久我の言葉、「おまえの夜を全部俺にくれ」。そしてタイトル。全てが絶妙に融合していく様が素晴らしい。言われて真珠を抜いた久我に、秋津に対する本気を見ました!←そこ!?アホかもしれないけど、半端なくカッコいい。秋津の過去ごと抱いてやる、と言った久 [続きを読む]
  • 「去年の冬、きみと別れ」中村文則(幻冬舎文庫)
  • 「去年の冬、きみと別れ」タイトルの言葉が作中で出てきた瞬間、走った鳥肌。あくまでも主観ですが、私の中に巡った単語は「逆転」。深沼にはまり込む様に一気に読み切って、誰ひとりの狂気にも寄り添えなかった自分に安堵する。彼らの愛情や執着はあまりにも一方的で、あまりにも押しつけがましく、あまりにも自分本位なんだけど、どこか一途。そして彼らの憎悪はある意味正しくて、だけど激しく間違っている。どこに進むかを [続きを読む]
  • 「HARD LUCK 1」菅野彰 (ウィングス文庫)
  • 過去に抱えた傷に囚われ、息苦しい世界の中で懸命に生き方を模索する大人になりきれない大人、タクヤ。そんな彼に振り回されながらも、彼の寂しい嘘と孤独を理解し、いつしか寄り添うようになっていくエド。テンポのいい会話に笑いながらも、時々零される呟きに抉られる。自らの命を投げ出すような勢いで、犯罪に立ち向かっていくタクヤ。彼のその危うさの根底にあるものは序章で示されているから、笑いながら口にする彼の台詞 [続きを読む]
  • 「王国」中村文則(河出文庫)
  • 神を気取っていた男が人間に成り下がった様を見た気がした『王国』。踏み越えたかったのは、本当におまえだったのか?歯噛みするしかなかった理不尽はどこにいった?とは言え、木崎に絶対的な悪であってほしかったわけではなく、絶対悪のまま、運命に翻弄された者達の手による鉄槌が下ってほしかった。それこそが、抗いの証。決められた運命に対する反逆。そうはならないのが、世の中……なのかな。つまりはやっぱ [続きを読む]
  • 「掏摸」中村文則(河出
  • 立ちはだかるのは、「木崎」という、圧倒的な理不尽。抗う隙間がないことに苛立ちとやるせなさと諦めとを噛みしめながら、暗雲の中に呑まれようとした瞬間に生じた誤差。浮草のように漂っていた彼が示した、この世界への執着。その先を想像することを許されてはいるけれども。私は何も考えまい。姉妹編、『王国』を読むまでは。この世界観、この描写。ジワジワと押し迫ってくる感じがたまらない。一気に読み切って、溜息。自ら [続きを読む]
  • 「3びきのかわいいオオカミ」(冨山房)
  • これって、ブタのイイトコどりじゃないの!?←ダメな大人の感想です。悪ブタに対するおおかみたちが本当に本当に可愛い。要約すれば「現代版三匹の子ブタ。オオカミ&ブタさん入れ替えバージョン」家を建てる手段がグレードアップして行けば、当然破壊する手段もグレードアップ。ダイナマイトを持ちだす悪ブタ……イロイロ半端ない。家を造っては破壊され、造っては破壊されを繰り返したオオカミたちがたどり [続きを読む]
  • 「蝶」ヘルマン・ヘッセ(同時代ライブラリー)
  • ヘッセにとって、儚く、美しく、そして滅びゆくものの象徴、それが蝶。蝶に纏わる短編や詩編を収めた本書。色とりどりな蝶に飾られた本書は、装丁も美しい……けど、リアル蝶や蛾なので、苦手な方は要注意。蝶を形容するために散りばめられた言葉の多彩さと、その表現の美しさに魅惑され、「キベリタテハ」を読みながら、指先に止まった蝶の軽やかさを思い出す。本書購入のお目当ては「クジャクヤママユ」。馴染の [続きを読む]
  • 「泣かない美人」菅野彰(ディアプラス文庫)
  • 言葉は、時にひどく心を抉る。起こってしまった過去を描きかえることも消し去ることもできない。人の記憶も、抱えた後悔も。だけど、痛めた心を抱えたまま、そこから新しい一歩を踏み出すことができる。優しさと、後悔と、これからへの不安と希望。いろんな感情が刺さって、終始泣きたくなりながら読了。隼人と要の在り様は、それでいいと思った。完璧な人間なんてどこにもいなくて。見ず知らずの人間には打算で近づいて。警戒 [続きを読む]
  • 無題
  • 嵐の前。来るべき決戦の時に備え、それぞれに見合った場所で力を蓄え、或は、増強させていく梁山泊。編成替えの配置の仕方が興味深い。決して変わらないと思っていた致死軍の指揮官の交代に、寂寞感がひとしおだった。だけど、彼なら間違いなく新しい致死軍を作り上げてくれると。確信できる期待感が嬉しい。梁山泊の豪傑達を育ててきた子午山は、殺戮に倦んだ童貫の心をすら晴らす。王進の存在は誰にとっても平等だ。幻王軍を [続きを読む]
  • 「楊令伝 5 猩紅の章」北方謙三 (集英社文庫)
  • 一つの大きな山場を迎えた巻。全ての責は己にある、と言い切れる童貫の器の大きさを改めて突きつけられる。冷静であり、公平であり、勇敢である男の言葉は、何一つ、間違ってはいない。そんな男が最後の戦いの相手と見定めた敵、即ち、梁山泊。その梁山泊のために禁軍の兵力を削ぐと同時に、呉用の再生でもあった方臘たちの戦い。たらればを言ったらキリがないけれども。もしもあのとき、と、違った局面を思い描きたくなる戦い [続きを読む]