シイタダナカ さん プロフィール

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シイタダナカさん: 8のつく日はショートショート
ハンドル名シイタダナカ さん
ブログタイトル8のつく日はショートショート
ブログURLhttp://8noshortshort.seesaa.net/
サイト紹介文8のつく日にオリジナルのショートショートをアップします。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供25回 / 365日(平均0.5回/週) - 参加 2013/03/01 01:50

シイタダナカ さんのブログ記事

  • 面接(凧)
  • 「君はどこを持つ」試験官の男はだるまの凧を持ってきた。小さいだるま、ちょっと大きいだるま、大きいだるま、すごく大きいだるまの四連凧だ。「凧がこう上空から落ちてきた。君はそれをとらなければいけない。さぁどこを持つ?」「一番大きいだるまですね」私が答えると試験官は意外な顔をした。「ほう、君は特大だるまなんだね。わかりました。これで面接は終わりです。結果は後ほどお知らせします」試験会場の建物から出ると、 [続きを読む]
  • ミサイル発射のはじまり
  • 「このミサイル解体費ですが…」「あんなに作ったのに全部解体だと?国家プロジェクトだぞ」壇上にいる男が声を荒げた。彼の前には勲章がいくつもつけている軍服姿の男がいた。その男の後ろには、同じように勲章をたくさんつけた軍服姿の男達が、扇上に広がった机に座って、このやりとりを見守っている。「ですが将軍、ミサイル燃料は揮発性が高いため、消費期限がありまして、消費期限がすぎると燃料の主成分である、ガンマサルベ [続きを読む]
  • 現代武士偽初心者 その1
  • 現代武士という者は、ゆく年くる年から紅白歌合戦の最後まで、常にNHKを視聴することを第一の本位とする。常にNHKを視聴していれば体は無病息災、長寿の望みもかない、その上人柄もよくなる、というように、その徳は非常に多い。人の命は、夕べの露、朝の霜に例えられるように、ずいぶん儚いものとされてされている。ところが、人々はそれに気づかない振りをしていつまでも長生きできると考えてしまう。そのためNHKはいつでも見ら [続きを読む]
  • 歯と歯のあいだ
  • 「なんだ?」下の真ん中の歯と、その右隣の歯との間に何かある。舌で確認すると、確かに何かある。でも、舌でいくらとろうとしても、とれそうにない。しょうがないので歯と歯の間に爪をいれ、それをかき出した。出てきたのは長さ5ミリくらいの細長い木。なぜこんなものがあるのだろうか。舌で確かめてみると、まだ何かはさまっている。かきだしてみると、今度は銀色の細長い金属がでてきた。舌で確かめてみると、まだ何かはさまっ [続きを読む]
  • 今日のニュース
  • これからのセカイはシャンレニオールブリラ諸島が中心になります。シャンレニオールブリラ諸島は日本の小笠原諸島の300キロ南にある島々で、狭い、自然しかないのにも関わらず、わが国の首相アベシを始め、トンラプ、プチーン、ビルイゲツ、マラ・ダイマ、イエスキリトスなど世界的な中心人物を多く輩出している国です。今回開催された国連総会で、シャンレニオールブリラ諸島に回帰し、世界の中心とすることで、世界平和を取り戻 [続きを読む]
  • 老人と空き家
  • 「佐藤さんの家、空き家になるみたいだよ」東京の西の外れにある閑静な住宅街、ここに家を構えてから30年。高齢化が進みすぎたこの住宅街では最近空き家が増えていた。「最近多いわね。西友もなくなったし、これからどうなるのかしら」「どうもこうもここに住むだけだよ」それから20年たった。妻に先立たれ、1人暮らしになったのが15年前。人が減り、駅が廃線になったのが10年前。空き家ができるたびに取り壊され、自然復活という [続きを読む]
  • あっても気づかないこと
  • 紅の夜は時を止める力がある。時が止まるということは全てが止まるということ。紅の夜のなかで動けるものはいない。紅の夜はどれくらいの頻度であるのかって?3年に1度かもしれないし、毎晩あるかもしれない。少なくともそれは突然始まり、突然終わる。そして我々はそれが始まったことすら分からず、ただただ止まり、終われば再び動き出す。どれくらいの時間が止まっているかって?愚問だなそれは。紅の夜には、時という概念はな [続きを読む]
  • かんしゃく虫
  • かんしゃく虫…人憑き科妖精目科学名…リトルポネシスオコオコ この虫は人間に憑き、対象は乳幼児から老人まで。神主や住職、修験者には憑かず、乳幼児に憑きやすい。また、2歳〜3歳児にかんしゃく虫が取り憑かいた場合、変態し、イヤイヤ虫となる場合が多い。大人になるにつれ影響は小さくなるが、ごくたまに壁や机を叩く、大声をあげるなどの症状を引き起こす。一定時間放置すれば離れるが、油を注入すると活性化する。大人の [続きを読む]
  • タバコの煙
  • 渋谷のモヤイ像で待ち合わせ。早く着きすぎてしまった。モヤイ像の脇には広々とした喫煙スペースがある。煙草を吸わない身としては副流煙を避けるべく、モヤイ像は見えるが喫煙所から少し離れた場所で連れを待つ事にした。やることもないので暇つぶしにスマホをいじっていると、タバコの匂いが強くなった。辺りを見回すが、喫煙者達は行儀良く喫煙所でタバコを吸っている。―しょうがない。場所を変えるか。モヤイ像を背に歩き出す [続きを読む]
  • チョコレートと神様
  • 俺は何もかもついてなかった。必死に努力しても、その努力は徒労に終わる。何をやるにしても全てがちぐはぐになって、結局何もできない。そんな俺でも何か一つは成し遂げられるはずだと思い、近所にあるお稲荷様に願をかけることにした。7日間、毎日お参りをし油揚げをお供えする、だから俺を変えてくれと。ピンチは五日目にやってきた。その日は吹雪だった。冷たい風と雪が横殴りで襲いかかる。そんな中でも俺はお参りにいった。 [続きを読む]
  • 改装中最後
  • もう何回降りたのだろうか。葛西に続いて、エスカレーターを降り、顔をあげると、そこは草原だった。遠くには牛が草をはんでいる。もうろうとした意識が覚醒し、何かを告げている。そうだ、この景色は、夢で見たあの景色だ。「ねえ、葛西君。ここは」「やっと、やっと出れたよ!前田さん」「ねえ、聞いて。ここは現実じゃない。ここは私の夢なのよ。あのフロアで見た夢と同じなのよ」「何言ってるんですか。ここは現実ですよ。とい [続きを読む]
  • 改装中21
  • 「まず、この世界で動いているのはエスカレーターだけですよね。それ以外の時間は全部止まっているんだと思います。現に時計も携帯も止まっていますし。それに自分も前田さんも眠くはなるけど、お腹は減らないし、トイレにだって行かなくても平気だし。でもエスカレーターだけは動いている。つまりエスカレーターは時間が止まっていない。時間が止まっている空間にいても何も起きないんじゃないですか?だって止まっているんですよ [続きを読む]
  • 改装中20
  • 目が覚めると葛西がいた。ちょっと涙ぐんでいる。「よかった。このままずっと目を覚まさないのかと」「私、どれくらい寝てたの」「わかんないです。自分も寝てたから。でも少なくとも15時間以上はたってるはず。だって銀河の英雄伝説を全部読んだから」「キル・ヒアイスが死んだの何巻だっけ?」「ええと、3巻です。全11巻で、最後まで残ってるのはミンツユリアンだけっていう、まぁそれはいいとして、心配したんですよ。ほんとに [続きを読む]
  • 改装中19
  • さっきの草原だ。空が絵の壁に地平線が書かれているフロア。これは夢なんだわ。夢の中にいることが気づくと世界が変わった。空は本物の空になり、壁は消え、床の人工芝は本当の草原になった。風が気持ちいい。飛んでみよう、と思ったが飛べない。夢で気がつけば何でもできるって、インターネットに書かれていたのに。「ここは夢じゃないから飛べない」葛西がいた。真顔の葛西。「じゃあここはどこなの?」「狭間の狭間。狭間にいる [続きを読む]
  • 改装中18
  • 「ふふっ、ふふふふっ。あははははは」前田さんが突然笑いだした。「そんなに笑わなくてもいいじゃないですか」「だって、だって真面目な顔して、変なポーズして、ザ、ワールド、そして世界が動き出すっておかしいでしょ。あはははは」「変なポーズじゃなくて、これはヨジ立ちというんです」「そうなの。それで世界は動きそうなの?」腕にはめている時計を見てみるが相変わらず止まったままだ。「だめですね」「そっか」沈黙に耐え [続きを読む]
  • 改装中その17
  • 目が覚めると、右斜め前に葛西君がいた。彼は足をクロスさせ、若干ひねりをいれつつ前屈みで、右手をうつむいた顔に、伸びた左腕はほぼ水平という姿勢をとっていた。「ザ、ワールド。そして世界は動き出す」低めの声でそういうと足はクロスさせたまま、顔をあげ胸をはると同時に右手は開いたまま(しかも複雑な形で)腰の後ろへ、左手を前方、薄暗い店内に向け指を指した。「ねえ、何してるの?」「これはヨジの奇妙な冒険に出てく [続きを読む]
  • 改装中 その16
  • エスカレーターに乗っている。無限に続くエスカレーター。ときおりシャッターの閉まったフロアがすぎていく。そこにいるのは私?なんで泣いているの?出られないから?それとも1人だから?無限に続くエスカレーターが突然終わった。あたりは草原。空が絵の、建物の中に作られた人口の草原。壁には地平線が書かれていて、山羊がいて牛がいた。彼らは壁の中で草を食べている。フロアの中は私だけ。遠くの牛がゆっくり近づいてき、壁 [続きを読む]
  • 改装中その15
  • 女は本を読み終わって男に話しかけた。「砂漠の結晶面白かったわ。まさかあんなオチだとは。教えてくれてありがとう」「自分もひさびさに西野圭吾読んでますけど、面白いですね」「でももう疲れちゃった。どうやったら出られるのかしら」「うーん、なんともですね。でも、本読み放題も悪くないですよ。精神と時の部屋みたいで」「そういうのあったわね。ボールオブザドラゴンだっけ。懐かしいわ」そういうと女はあくびをした。「眠 [続きを読む]
  • 改装中その14
  • 「前の」とか言って、何を聞き出そうとしているんだ俺は。女性と一緒だからって、しかも可愛いきれいな女性と一緒だからって、いきなり彼氏の事とか聞き出そうなんて、何を考えているんだ。こんな変な状況で。彼女が俺に話してくれるのはこんな変な状況で相手が俺しかいないからだ。うわー彼女よばわりしちゃった。うわー。相手はなんとも思ってない相手はなんとも思ってない、相手はなんととも思ってない。よし。なんだっけ、お勧 [続きを読む]
  • 改装中 その13
  • エレベーターの前で本を読んでいる男と女。男はあぐら座り、女は体育座りだ。店内の明かりは消えている。彼らがいるエレベーホールだけに明かりがついている。女が一息ついて携帯の時間を確認する。「やっぱり時間が進んでない。読み放題もいいけど、さすがに疲れたわ」男も一息つく。「そうですね。前田さんは何冊読んだんですか?」「私?五冊くらいかなぁ。西野圭吾と坂井孝太郎をがっつり」「西野圭吾かぁ。最近読んでないなー [続きを読む]
  • 改装中 その12
  • 「まいったな、これじゃあ何時かわかんないな。ここに来た時間で止まってる。そちらの携帯は何時で止まってます?」「私?ちょっと待って」女は鞄から携帯を取り出した。「私もここに来た時間で止まってるわ。18時半ね」「自分のは20時13分。えっと、俺、葛西って言います」「あ、ごめんなさい。名前言ってなかったわね。私は前田と言います。私ずっといたけど、絶対2時間以上たってる」「そう言われましても」「絶対、たってるん [続きを読む]
  • 改装中11
  • 「あのっ、大丈夫、ですか?さっき泣いてたみたいですけど」「ええ、さっきはごめんなさいね」「えっと、あ、これが例のエスカレーターですね。」男が扉からはなれると、扉はゆっくり閉まって、ガシャンと音がした。「このエスカレーター、がんばれば降りれるんですよね?」「ええ、でも止めた方がいいですよ」「ちょっと確かめたい事があるんで、ここに居てもらってもいいですか?」「嫌よ、ひとりにしないでよ」そう言うと女は泣 [続きを読む]
  • 改装中10
  • まいったな。こっちの向こう側は下りエスカレーターがあるはずなのに。そう思いながらシャッターに沿って歩いていると、突き当たり2メートル手前に扉があった。扉のフレームでシャッターが途切れている。とりあえず扉を押してみるが開かない。取っ手はなく、半円の輪っかがついている。輪っかの下の鍵を回すとガチャリと音がした。再び押してみると、開いた。薄暗い店内に、廊下の明かりが差し込む。その明かりの中に女性がいた。 [続きを読む]
  • 改装中 その9
  • 何を言ってるんだろう、シャッターの中の人は。「ごめんなさい、うまく理解できないんですけど」「ですから、あなたがエスカレーターで昇った8階のシャッターは、僕からみると反対側。つまり、このシャッターの向こう側には下りエスカレーターがあるはずなんですよ」「でも、ここには上りエスカレーターしかないわよ」「だから予想外と言っているではないですか」「じゃあ、どうしろっていうのよ」思わず声を荒げてしまった。そん [続きを読む]
  • 改装中その8
  • ガッシャンと反対側のシャッターがなった。あっちには下りエスカレーターがあるはずなのに。きびすを返すと反対側のシャッター側からくぐもっ声が聞こえた。「あの、いますか?」さっきの女性の声だ。「ちょっと待って下さい」早足でエレベーターの前を通り過ぎ、シャッターにたどり着いた。「少し予想外の事が起こってます。そちらのシャッターはさっきまでいたシャッターと変わりありませんか?」「変わり?ないわよ。貼り紙は相 [続きを読む]