elly さん プロフィール

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ellyさん: Harmonia
ハンドル名elly さん
ブログタイトルHarmonia
ブログURLhttp://ellylove.blog133.fc2.com/
サイト紹介文オリジナル小説。新連載「春風」始まりました。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供85回 / 365日(平均1.6回/週) - 参加 2013/03/29 15:06

elly さんのブログ記事

  • ご心配をおかけしております
  • こんにちは。澤木です。私が住む九州北部で記録的な大雨が降り、報道をご覧になった読者の皆さまにはご心配をおかけしております。おかげさまで家族共々無事で過ごしております。昨日から心配した友人、知人からたくさんのメールが届いており、ブログの読者さまからもメールを頂いております。本当にありがとうございます。今後もまだ雨が続くということで、いつでも避難できるように準備をしながら、身の安全を図っていこうと思い [続きを読む]
  • お詫びとお知らせ
  • こんにちは。澤木です。更新が止まったままですみません!あれからリアル生活が非常に忙しく、やっと落ち着いたものの、すでに臨月に突入してしまい、身体が思うように動かなくなってしまいました。「春風」の続きを楽しみにしてくださっている方がいらっしゃいましたら、大変申し訳ないのですが、しばらくの間お休みをいただこうと思います。再開は出産後、生活が落ち着いてからとなりますので、かなり長期のお休みとなってしまう [続きを読む]
  • 拍手コメントへのお返事
  • いつも拍手コメントをありがとうございます。上から新しい順です。(2017年3月〜)6/7「春風63」にコメントいただいたまーさまおはようございます。いつもありがとうございます♪物語は中盤に入ってきましたが、楽しんでいただけていますでしょうか?ようやく一段落したのですこしお休みをいただいておりますが、更新を再開しましたら、また楽しんでいただければと願っております。コメントありがとうございました!(2017/06/11)5/22 [続きを読む]
  • 春風 66
  •  コーヒーケトルで湯を沸かしている間に多季は手動のミルで豆を挽き、ハンドドリップでコーヒーを入れてくれた。ナッツの香りがする美味しいコーヒーをゆっくりと味わいながら飲んでいると、多季が大きな紙袋から次々とパンを取り出していく。「どれも美味しそうだから、ついついたくさん買ってしまったんだ」と言って、テーブルには二人では到底食べきれないほどのパンが並べられた。それに、ポテトサラダと、ホタテとグレープフ [続きを読む]
  • 春風 65
  •  リビングのソファに座り、アルバムを開いて一枚目の写真を見た瞬間、「やべ、可愛いすぎだろ……」と悶絶してしまった。 白いタイツ姿の小さな多季が、ポーズを取って写っている。写真の下には「三歳の誕生日。初めてのバレエレッスン。」と書いてあった。 子猫のように大きくて愛らしい目をくるくるとさせて、恥ずかしそうに笑っている。由季が「リアル天使」と言っていたのが納得できる、まさに天使そのものの写真だった。  [続きを読む]
  • 春風 64
  •  翌朝、まだ覚めきらない頭で腕を伸ばし、多季の気配を追い求めるも、すでに多季はいなかった。 完全に目覚めるまでベッドのなかで身体のあちこちを伸ばした後、ゆっくりと身体を起こす。洗面所に脱ぎ散らかした衣服を手早く身につけ、冷蔵庫のミネラルウォーターを一口飲んでから、一階のレッスン室に降りた。「あら、おはよう」 そこにいたのは多季ではなく、レオタード姿の由季だった。レッスン前のウォーミングアップだろう [続きを読む]
  • 春風 63(R18)
  • 「あっあっ、あっ……」 小刻みに甘い声を漏らしながら、多季が仰け反って身体を震わせている。蕩けそうな瞳で、半開きになったくちびるの端は濡れ、もっともっとと求めるように、唾液が零れていた。 菫の太腿の上に跨がり、水飛沫とともに跳ね上がるさまは、まるで子どもの頃に絵本で見た人魚のようだと、菫は思った。 顔が近づいてきて、くちびるを塞ぐようにキスされた。菫と同じリズムで激しく腰を揺らしながら、舌と舌を絡 [続きを読む]
  • 春風 62(R18)
  •  浴槽の縁に座らされると、湯船に浸かった状態で多季が股間に顔を埋めてくる。片手でペニスを握り、まるでキャンディのように丸い部分をぺちゃぺちゃと舐め回し始めた。「んっ……」 詰めた息がくちびるの間から零れると、多季は嬉しそうに、すでに固くなったものをぱっくりと口に含んできた。くちびるで圧をかけながら上下に動かされ、ただでさえ敏感になっているそこが、反り返るほどに固くなり、その容量を増してくる。「…… [続きを読む]
  • 春風 61
  •  玄関に入った途端、我慢できないとばかりに頬を擦り寄せてくる多季の身体を抱きしめた。会わなかった一ヶ月半の空白を埋めるように、長い長いキスを交わす。くちびるを離してもなお、多季は逃がさないとばかりに追い求めてくる。その迫力に圧倒されながら、結局多季の気が済むまで立ったままキスを交わし続けた。 ようやく昂ぶった気持ちが落ち着きを取り戻し始めたところで、照れ笑いしながら、多季と一緒に二階へと上がる。部 [続きを読む]
  • 春風 60
  •  劇場を出てもなお、まださきほどまでの舞台の余韻が冷めず、頭のなかで音楽が流れ続けている。それは多季も同じようで、ふたり無言のままビルを出て、あてもなく歩き始めた。「これからどうする? 夕飯食べる?」 ふいに多季にそう訊ねられ、菫はぼんやりとした頭のまま、しばらくの間考え込む。「……俺はまだ全然腹減ってないけど」「……うちに、来る?」 その遠慮がちな声のトーンに、多季がまだしばらくの間音信不通だっ [続きを読む]
  • 春風 59
  •  軽快なキーボードとブラスバンドの生演奏で、舞台は幕を開けた。 舞台の上ではゴールドやシルバーの派手なパンタロンにアフロヘアーの俳優たちがずらりと並び、リズミカルなメロディーに合わせて歌い、踊っている。ソウルミュージックのパワフルな歌声と、目も眩むようなそのダンスの迫力に、一瞬で全身に鳥肌が立った。まるでたましいを吸い取られたように、菫は舞台で繰り広げられるパフォーマンスに見入ってしまう。 舞台は [続きを読む]
  • 春風 58 
  •  いまにも雪が降り出しそうな、重暗い夕暮れ時の空の下、仕事帰りの人びとで混雑したS駅近くのビルの前に、多季はぽつりと佇んでいた。 菫の姿を認めると、はにかんだ笑顔で軽く手を上げる。すこし痩せたのだろうか、ネイビーのダッフルコートに透き通るような白い肌が映えて、そのまま冬の夜空に溶けこんでしまいそうに、儚げに見えた。「久しぶり」 そう言って、おずおずと手を差し出してくる。長い間ここで待っていたのか、 [続きを読む]
  • 春風 57
  •  それからしばらくの間、多季と会わない日々が続き、菫はそれまでよりもさらに多くの時間をヨガに費やしていった。それは、多季と会えない心の淋しさを埋めるためというよりも、自分の心を鍛えてもっと強くなりたいという、菫の強い望みによるものだった。 馬淵から言われた「多季さんは、あんたみたいな、見るからになんの取り柄もなさそうな平凡な男が付き合っていいひとじゃない」という言葉が、胸に深く突き刺さっている。  [続きを読む]
  • 春風 56
  •  翌朝、結局ほとんど眠れないまま菫は仕事へと向かった。頭の鈍い痛みに耐えながらなんとか一日の業務をこなし、夜十時過ぎに帰宅する。軽い夕食を作って食べた後風呂に入り、ピアノの練習。そして一時間のヨガ。毎日決まったスケジュールをこなした後、スマートフォンを確認したが、やはり多季からの着信はなかった。 今日一日、なるべく昨日のことを気にしないようにと、鞄のなかに入れっぱなしにしておいたスマートフォンを握 [続きを読む]
  • 春風 55
  • 「それ知ってから俺、どうしても多季さんに言わなければってずっと思ってたんです」「関係ない」「……」「もう関係ない。お前も僕に関わるな」 背筋が痺れそうなほどに冷え切った、静かな声で、多季はそう言った。傍目にもはっきりと分かるほどに蒼白になった顔が、かすかに震えていた。「菫、ごめんね。……仕事が終わったら電話する」 青ざめた顔のまま、消え入りそうな声でそうつぶやいた多季が、菫の視線から逃れるように振 [続きを読む]
  • 春風 54
  •  いつもは多季の方が積極的だけれど、その夜は菫の方が多季を食らい尽してしまうほどに、激しくかき抱いた。「こういう菫も新鮮で可愛いけど」 駄々っ子のようにしがみつく菫に苦笑しながら、それでも多季は菫の与えるすべてを余すところなく受け止めてくれる。おたがいの興奮が収まってからも、多季を腕のなかにきつく抱きしめながら、眠りに落ちていった。 早朝、そっとベッドから抜け出し、レッスンに向かおうとする腕を強引 [続きを読む]
  • 春風 53
  •  ベッドの端に腰掛けた菫のすぐ横に、風呂から上がった多季が座る。肩や腕が触れ合い、まだ湿り気を帯びた身体のぬくもりが直に伝わってくる。「……どうした?」 さきほどの菫の様子を気にしているのだろうか。肩に載せた頭をやわらかく撫でながら、多季が囁いた。「いや、……俺、多季さんのこと本当に大好きなんだなって思って」「知ってるよ」 当たり前だろ、と言うように、多季は朗らかに笑った。「多季さんは、俺のどこが [続きを読む]
  • 春風 52
  •  踊り終わった直後の、熱を放つ身体が菫を抱きしめてくる。汗ばんだ身体と、熱い吐息。熱風の渦に巻かれたように、菫の体温も駆け上がる。「風呂、行こ?」 甘えるような声で囁いた多季に腕を引っ張られ、浴室まで向かった。忙しなく身ぐるみ剥がされ、シャワーを浴びながらキスをする。 踊りの興奮が冷めやらないのか、多季のキスは強引で獰猛だ。まるでむさぼり食うように菫のくちびるを食み、逃げる舌を追いかけてくる。「… [続きを読む]
  • 春風 51
  •  十一月に入り、冬の気配がすぐそこまで近づいていた。朝の冷たくひりりと乾いた空気が心地良い、菫が大好きな季節だ。 その夜は多季のヨガクラスを受講した後、一緒に多季の家へと向かった。菫は翌日も休みだったから、多季とふたり、ゆっくりと過ごすことができる、とても貴重な時間だった。 多季の家に着くと、ちょうど由季が夜のレッスンを終え、リビングに戻ってきたところだった。母親だけでなく、多季と菫も部屋に入って [続きを読む]
  • もうすぐ20000拍手記念☆アンケートのお願い
  • こんにちは。澤木です。タイトルの通り、Harmoniaではいただいた拍手数がもうすぐ20000拍手となります。いつも応援ありがとうございます!そこで、20000拍手に到達した際には、記念の短編を書こうと思います。ブログ右上に投票所を設置しましたので、「この作品のSSが読みたい!」というものがありましたら、ご投票頂ければ嬉しいです。SSの内容は、とにかく甘くてhappyなもの、と思っています。20000拍手に到達しましたら、一番多 [続きを読む]
  • 春風 50
  •  翌朝、慌ただしく身なりを整え出勤する母を見送ってから、部屋の片付けやシーツの洗濯を済ませて、家を出た。 この三日間、天気には恵まれたが、今日もとびきり青い空が広がっている。 多季のリクエストでもう一度石畳の道を散歩した後、お土産のカステラを買ってから、空港行きのバスに乗り込んだ。 窓の外の明るい陽差しに包まれた街を眺めながら、この三日間を振り返る。中華街ではしゃぐ多季の無邪気な笑顔。おくんちの熱 [続きを読む]
  • 春風 49
  •  夕方、中華街で待ち合わせした母と落ち合った。普段化粧気がなく家では大抵ジーンズ姿の母が、今日は薄化粧をしてワンピース姿だ。そんなおめかしした母の姿を目にするのは高校の卒業式以来だから、菫はすこし照れくさい気持ちで母を見つめた。 中華街の端にある、一軒の店に入った。老舗の中華料理店で、入学式や卒業式、受験に合格した日など、特別な日には母がいつも連れて来てくれた思い出のある店だ。 遠慮せずになんでも [続きを読む]
  • 春風 48
  • 「父さんに突き飛ばされたって正直に言えなかったのは、別に父さんを守りたかったからじゃない。あの時のことを、俺自身がどうしても認めたくなかったんだ。……だって、実の父親に怪我させられた挙げ句に放置されたなんて、……自分が惨めすぎるだろ」「……」「でもそのせいで、母さんは父さんの親兄弟からものすごく責められたんだ。施設に入れたことを、父さんを捨てた最低の嫁だとか、散々なこと言われてさ。母さんはただ黙っ [続きを読む]
  • 春風 47
  •  夏休みの終わりが間近に迫った、ある日のことだった。扇風機が回るリビングで、寝転んだままテレビをぼんやりと観ている父の横で、菫は夏休みの宿題をしていた。 父が突然立ち上がり、玄関に向かって歩き出した。「どこ行くと?」 菫の問いには答えず、早足で突進していく父を、慌てて立ち上がって追いかけた。 ゴム草履を履いた父が、いまにも家から飛び出そうとしている。止めなければと思い、父の腕を掴んだ瞬間、ものすご [続きを読む]
  • 春風 46
  •  ふたたびバスに乗り込み、海岸までやって来た。夏には多くの海水浴客で賑わうこの浜辺も、いまは人気がなく菫と多季だけだった。 駐車場の自動販売機でジュースを買って、浜辺の東屋のベンチにふたり並んで腰掛けた。喉を鳴らしながら炭酸がよく効いたレモンスカッシュを飲み、しばらくの間黙ったまま、目に滲みるような深く青くきらめく海を見つめていた。「高次脳機能障害って、知ってる?」 唐突に切り出した菫に、多季が顔 [続きを読む]