ミクラス さん プロフィール

  •  
ミクラスさん: 未知なる心へ
ハンドル名ミクラス さん
ブログタイトル未知なる心へ
ブログURLhttp://ameblo.jp/nomimata/
サイト紹介文統一教会入信から脱会までの日々と、脱会後の真理探求。私小説とエッセイ集。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供106回 / 365日(平均2.0回/週) - 参加 2013/06/15 14:55

ミクラス さんのブログ記事

  • 白い妖精(12・最終章)
  • その脱走事件以後、わたしとYさんが一緒に歩んだのは、セミナーのスタッフが一回あっただけだった。そして翌年の春。この時の伝道機動隊が、わたしとYさんが共に歩む最後の機会となった。Yさんは短大生で、この春が卒業の年だった。だが、この時目にしたYさんの様子は、いままでとは違っていた。明らかに基準が下がっている(やる気がなくなる)様子で、伝道にも出られない日が多いようだった。推測に過ぎないのだが、進路のこ [続きを読む]
  • 白い妖精(11)
  • わたしは前を向いて、Yさんから視線を外したものの、斜め後ろにいるYさんの濃厚な気配は全身から伝わってくる。わたしはハンドルを握る手に力を込めて、胸の奥から溢れ出す激情のビッグウェーブを乗り越えた。そして、やや落ち着きを取り戻すと、いまの自分の置かれた状況、とるべき行動を、無意識の内に分析しはじめた。もし、おれが後部座席に移ってYさんに迫ろうとした場合、考えうる反応は四つだ。①驚いて車外に逃げ出す。② [続きを読む]
  • 白い妖精(10)
  • 「ねえ、ミクラス兄」 Yさんが、身を前に乗り出すようにして、話しかけてきた。わたしは後ろを振り返って、Yさんを見た。Yさんの表情は、軽く微笑んでいるように見えた。それを見て、やっぱりホッとしてるんだな・・・と、わたしがあらためて思った瞬間、彼女は意外な言葉を口にした。「ねえ、わたしたち、死んだらどうなるんだろう・・・霊界って、どんなところなんだろうね?」Yさんの口調は明るかったが、わたしはドキッとした [続きを読む]
  • 白い妖精(9)
  • 「ピンポーン」 と、チャイムの音がなり響いた。その瞬間、いままでドア越しに微かに聞こえていたテレビの音が止んだ。しばらく待ったが、返事はない。わたしはそれからも何度かチャイムを鳴らしたが、応答はなかった。ノックをしてもダメだ。次にYさんが、ドア越しに呼びかけてみた。それでもやはり応答はない。わたしはそんなYさんの姿を横目に見ながら、「おれの霊の親がこんなキレイな女性だったら、信仰生活も、もっと楽し [続きを読む]
  • 白い妖精(8)
  • わたしは車を走らせながら、ミラーでYさんの様子を伺った。Yさんはぼんやりと、流れゆく外の街並みを眺めていた。男女関係に厳しい統一教会では、車中でも男女が並んで座ることは、やむを得ない場合を除いて禁止されている。だから基本的に、女性は後部座席に座るのだ。わたしは信号で止まった時に、振り返ってYさんに声をかけた。「大丈夫?」 Yさんがこっちを向いた。「あんまり気にしないで。仕方ないよ・・・それに、まだわか [続きを読む]
  • 女性って何だろう?
  • 最近、色んなことで、女性について考えさせられている。 女性の心理って、男にとっては、永遠のなぞだ〜って、あらためて思ってしまった。 ご存知のように、私はとても惚れっぽい。もちろん、誰でもってわけじゃないけれども、「ときめきスイッチ」は、非常に入りやすい。 もちろん、人並みに性欲もあるし、本音を言えば、不倫願望だってゼロではない。 でも、自分は性欲の奴隷だとは思っていない。結婚してから一度も、風俗にもキ [続きを読む]
  • 白い妖精(7)
  • その後、なかなかYさんと共に歩む機会には恵まれなかったが、翌年夏の伝道機動隊で、わたしたちは共に召集された。「伝道機動隊」 とは、普段はばらばらに歩んでいる各地の兄弟姉妹が、ある場所に集結して、一緒に伝道活動をするのである。名前は大層だが、やっていることは普段と何も変わらない。例年は夏休みの終わり、9月の上旬頃までF(物売り)をやるのだが、この時は少し早めに切り上げて、その期間が伝道に当てられたの [続きを読む]
  • 白い妖精(6)
  • バス停は、すぐそこだった。歩いて5分もかからない。これで、Yさんと二人っきりで歩む時間が終わってしまう。わたしは、バス停がもっと遠ければよかったのに、と思った。そこは幹線道路で、車は途切れずに走っている。程なくしてバスは到着し、わたし達は乗り込んだ。意外と乗客が多くて、席は空いていない。わたし達は並んで立った。駅には10分くらいで着いてしまうが、わたしは最後にもう一度、Yさんと話したかった。 だが [続きを読む]
  • 白い妖精(5)
  • シャワーを浴びている間中、わたしの妄想は断続的に続いた。 その妄想はあまりにもリアルで、ある種の切実さを帯びていたのだが、それにはちゃんとした理由があった。このシャワールームには、なんと、内側からかけられる鍵がついていなかったのだ。このシャワー室は、もともと倉庫だったところを改装したのだが、費用をケチったのか、脱衣所への入り口は倉庫のものをそのまま流用していた。 だから、外から戸締りにかける鍵のみで [続きを読む]
  • 白い妖精(4)
  • Yさんと二人で残るように言われたときは、正直、うれしかった。 普段は朝から晩まで、み旨(統一教会の活動)で走り続けている自分には、こんなふうに女性と二人っきりで・・・それも憎からず思っている女性と・・・過ごせる時間なんて、ほとんどない。 わたしは内心、このような素晴らしい時間を与えてくれた神に感謝した。まずわたしたちは、掃除に取り掛かった。掃除機を使って、講義室やスタッフルーム、廊下や階段などを手分 [続きを読む]
  • 白い妖精(3)
  • この2DAYSというのは、伝道されてきた人が、一番最初に参加するセミナーである。金曜日の夜に集合し、日曜夜までの二泊三日で行われる。 わたしは今回、班長という役目だった。班長は修練生(受講者)と直に接する重要な役どころである。 まずは、修練生の出迎えだ。修練生は皆、「ここで一体、これから何が始まるのだろう」 と緊張している。中には、露骨な警戒を示す人もいるし、不安で帰りたくなっている人もいる。 そんな人たち [続きを読む]
  • 白い妖精(2)
  • わたしには想定外の出来事で、胸が高鳴る。「あ、どうも」 と、わたしは応じた。 「ねえ、わたしが誰だかわかる!?」 その女性はいたずらっぽくたずねてきたが、T学舎は規模が小さいので、誰かはお見通しである。 「Yさんでしょ?」「そう、この前一緒にロープレやったYです!」Yさんは、嬉しそうだった。そんな彼女の反応は、わたしにとってはちょっとしたサプライズだった。わたしとの会話を喜んでくれるなんて、それだけで感 [続きを読む]
  • 白い妖精(1)
  • (この記事は2013年に掲載したものを、若干増補訂正したものです) 桜田淳子も参加した、三万双の祝福(統一教会の合同結婚式)が行われた92年の夏。大学が夏休みに入った私は、F修と呼ばれる修練会に参加していた。 F修とは、統一教会の物売り(F=エフ)の前に行われる、士気高揚のための修練会である。 Fは朝の7時前から夜の9時過ぎまで、一日中ものを売り歩くという大変過酷な活動である。これを夏休み等の長期休暇には [続きを読む]
  • 「Tさんの思い出」を終えて
  • 「Tさんの思い出」、再掲載にも関わらず、多くの方に読んで頂き感謝しております。 もっとも、他人の過去記事まではチェックしない方も多いですから、今回が初見の方も多かったようですので、再掲載したことにも意味があったかなと思っています。 そこで、今度は「Tさんの思い出」の少し後に書いた「白い妖精」を、再掲載しようと考えています。 これも、原研時代のある姉妹とのエピソードを書いた記事で、私にとっては思い入れの [続きを読む]
  • Tさんの思い出(16・最終章)
  • この「Tさんの思い出」 は、私がブログを始めて数ヶ月後、いまから約四年前に書いたものである。 人の気持ちというものは、川の流れのように変化していくものだから、過去記事を読むと恥ずかしくなって、穴に入りたくなることもある。 それで、実際に削除してしまった記事も、けっこうあるのだ。 でも、今読むとおかしく感じる記事だって、それを書いた時点では、うそ偽りのない、真実の気持ちだったのだ。 ならば見苦しい記事でも [続きを読む]
  • Tさんの思い出(15)
  • お元気ですか? 久し振りに手紙を書きます。 今頃、日本は梅雨に入り、雨の降る日々が続いているのでしょうか? こちらはバラの季節が過ぎ、熱い夏がやってきました。日本よりも乾燥しているので、夏は過ごしやすいかなと思ったけれど、意外に大変そうです。 それは、太陽の日射しが相当、強いのだからみたいです。たしかに、ちょっと外に出ても、日射しが強いなと感じます。韓国の夏は初めてなので、どんな感じなのか楽しみです。 [続きを読む]
  • Tさんの思い出(14)
  • 桜の花が見るものを喜ばせ、心をさわやかにさせる季節がやってきました。ここ韓国でも、桜が美しく咲いています。「ソメイヨシノ」 という種類なのでしょうか? 淡いピンク色をした桜を見ると、日本がなつかしく思い出されます。 連絡がおくれてすみません。2月に渡韓しました。 最近、無事家庭を出発して、まだ慣れない環境の中、言葉も完璧ではないので、神経がすり減るような毎日ですが、韓国人の明るさ、気さくさに助けられて [続きを読む]
  • Tさんの思い出(13)
  • その手紙を出した後、Tさんからの返信は途絶えた。わたしは少し後悔した。やはり、あの手紙は出すべきではなかったのではないか? とも考えた。だが、あの時の自分の心情を振り返れば、きっと、出さなくても後悔したに決まっている。どっちにしても後悔するのなら、気持ちを伝えてよかったんだ、と考えるようにした。そして、「これでもう、おれとTさんとの縁は終わったんだ」 と、自分に言い聞かせた。もうこれ以上、Tさんのこ [続きを読む]
  • Tさんの思い出(12)
  • 「あっ、来てる!」 わたしは待ちに待っていただけに、感激もひとしおだった。その葉書は絵葉書だったので、文章を書く欄は、葉書半分のスペースしかないのだが、その狭いスペースが、細かい字でびっしりと埋まっていた。わたしは、いったい何が書いてあるのだろうかと、息を呑んで読みはじめたが、そこに書いてあったのは、ごく普通の、時候の挨拶文のような感じだったので、ちょっと拍子抜けした。だが、その葉書の最後の四行が [続きを読む]
  • Tさんの思い出(11)
  • 統一教会を脱会した人の多くは、「リハビリ」という期間を必要とする。統一教会では、統一原理という真理を知った上で教会を離れた場合、その罪は、何も知らないでいる人よりも何百倍も重いと説く。いわゆる「恐怖信仰」によって、信徒の心を縛り付けているのだ。また、「神側の世界」と「サタン側の世界」というものを仮想して世界を二分し、一般社会を「サタン世界」(悪魔の世界)という概念で敵視するよう教え込まれているので [続きを読む]
  • Tさんの思い出(10)
  • 「Tさんだ!」 わたしの胸は高鳴った。わたしは葉書をあわてて裏返すと、貪るように、その懐かしい文字を目で追った。年賀状ありがとうございます。とっても元気がありそうな赤ちゃんですね。ミクラス兄にそっくりですね。フフ私、今、神戸にいます。歩いて15分の所には、海があります。この時期、梅がきれいです。ずーっと、連絡がとぎれていたので、心配してましたが、連絡くれてありがとう。また、手紙くださいネ。わたしは [続きを読む]
  • Tさんの思い出(9)
  • 「あっ、Tさん!」 あまりにも突然の再会だった。あの機動隊で歩んだ日を境に、忘れようとしてきたTさんが、いま目の前にいる。「ミクラス兄、どうしてここにいるの!?」 と、Tさんが訊ねてきたが、その声は意外と明るく、突然の再会を喜んでいるようにも感じられた。そのTさんの表情を見て安堵したわたしは、自分がここに来た理由と近況をTさんに伝え、それからTさんのことを訊ねた。すると、思っていたとおり、アメリカ [続きを読む]
  • Tさんの思い出(8)
  • Tさんが卒業してから、わたしが卒業するまでの一年間は、わたしにとっては、Tさんの記憶を消し去るための一年間だった。わたしは、あの機動隊のとき以来、Tさんの写真を捨てた。その後は、Tさんの進路とか、いまどうしているかとかは、風の便りで耳にすることはあっても、けっして自分から調べようとはしなかった。もう、無意味な感傷に浸るのはやめようと、自分の心に言い聞かせていた。あまりにも惨めだし、結局最後に傷つくのは [続きを読む]
  • Tさんの思い出(7)
  • 機動隊による伝道活動は、春休みでキャンパスには学生がいないので、昼間は市の中心部にある公園で主に行われた。基本的には、二人一組のペアで回る。この、日中の路傍伝道は、同性の二人組みで歩むことが多かったが、気合が入っている者は、志願して一人で歩んだ。そして夜間は、大学に近くて学生用アパートが多い地域を、車で移動しながら順番にまわった。このときは、男女でペアを組んで訪問するのが基本だった。男性の二人組み [続きを読む]