atsumae5 さん プロフィール

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atsumae5さん: 日記ではなし
ハンドル名atsumae5 さん
ブログタイトル日記ではなし
ブログURLhttp://atsumae5.blog82.fc2.com/
サイト紹介文ファンタジー的なBLを書いています。 一部暴力的・猟奇的表現を含みます。
自由文H重視にしようと思ったらなかなか辿り着かず(汗)いまだ予定は未定の迷走中
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供10回 / 365日(平均0.2回/週) - 参加 2013/09/03 20:16

atsumae5 さんのブログ記事

  • 過去の記事 …
  • 異邦人 − 109
  •  歓喜に猛り立つ軍団がさらに色めきたった。「将軍だ! 猛将がおいでだぞ!!」 黒き天馬を駆る猛将ドージェが兵たちの波を割り、まるで矢のように駆け抜ける。遅れて彎曲刀を背負ったガンツがその後を追っている。小山のような大柄なガンツがドージェの後ろに付き従う姿は、戦場では知られた光景だった。「ドージェ! 一体何事ですか?」 ヨシュアはむっとした表情でドージェを迎えた。かの英雄が自分の勝利を讃えに来たとは思 [続きを読む]
  • 異邦人 − 108
  •  布陣を後方から見つめていたドージェが僅かに目を眇めた。「ドージェ、大人しくしててくださいよ」 マイルが釘を刺しに馬を近づけてきた。本来後方から作戦指示を出す将軍が、最前線へ踊りだしてくることはできれば避けたいマイルだった。「まー、士気は上がるけどな」「ガンツ! 余計なこと云わないのっ! ったく、どこの世界に実戦部隊を差し置いてしゃしゃり出てくる指揮官がいるのさ」「ここ」 あっさりと切り返し、ガン [続きを読む]
  • 異邦人 − 107
  • 「イリヤ」「オリヴィエ、どーしたの?」 突如泉を通って訪れた眠りの泉の番人に、イリヤはきょとんと目を瞠った。ずっと相談したいことを胸の裡に抱えていたイリヤは、不思議そうな表情でオリヴィエを見上げた。 まだ太陽が昇りきらない時間のため、僅かなりとも過ごしやすい時間だった。朝の雑事を手早く片付け、イリヤは木陰でお茶でも呑もうかと思っていたところだった。 ドージェのお陰で冷たいハーブティーの作り方を教え [続きを読む]
  • 異邦人 − 106
  • 「…ありがとうございました」 いつもながらあっという間の到着に、イリヤは肩を落とした。もっと一緒にいたかったが、男はこれから戦場に向かわなければならないのだ。自分の我儘でこれ以上将軍を引き止めるわけにはいかなかった。 しかし、つくづく痛感してしまう。 軍人であるドージェにとって戦場に戻ることは義務であり、しかも急務であったはずだ。それなのに僅かな時間とはいえ番人をこうして泉へと送り届けてくれるのだ [続きを読む]
  • 異邦人 − 105
  • 「番人様、おはようございます」「随分お早いようですが、もうお帰りですか? ……あ」 壮大な城門に近づくと、門番達が口々にイリヤに声をかけてくる。しかしその後ろに守り神のように存在しているドージェを見つけると慌てて居住まいを正した。そんな彼らにドージェは無言で両腕を差し出す。「はっ…失礼いたします」「ドージェ、それって重くないの? 腕輪自身も大きいけど、石もおっきいよね」「…………」 覗きこんできた [続きを読む]
  • 異邦人 − 104
  •  ドージェが寝室に戻ってきた時、イリヤはすでに支度を終えていた。陽の昇りきらない時間だったが、しっかりと目が覚めているようだった。てっきりまだ寝入っていると思っていた男は拍子抜けしたかのような表情を浮かべたが、イリヤは気づくこともなく熱心に壊れた指輪を見つめていた。「あっ…お、おはようございます」「おはよう」 後ろから覗き込んでいる男に漸く気づくと慌てた様子で顔を上げた。その頬は健康的な薔薇色に色 [続きを読む]
  • 異邦人 − 103
  • 「ふかふか〜」 ぽふっと枕に顔を埋め、イリヤは歓声を上げた。 男の心配を全く理解しない番人に、ついに英雄が根を上げた。「…お前な、いい加減に寝ろ」「だって…ふかふか」 満面の笑みに魅了され、イリヤはすっかり目が冴えてしまっていた。染まった頬を見られたくなくてごろごろとベッドの上を転がっていた。そんな番人の小さな頭を見下ろし、男は盛大な溜息をついた。「ただでさえ体重も落ちてるんだ、きちんと休め」「え [続きを読む]
  • 異邦人 − 102
  •  一向に泣き止むことが出来ないイリヤが夕食を終えたのは、日付が変わる頃だった。もっとも夜会の賑わいはまだまだ続いていたが、イリヤは睡眠を必要とする身だった。ましてや子供の身体である以上、男は早く休ませたかった。 結局、痺れを切らした男の膝の上であやされながらの食事となってしまい、イリヤは自分の幼さをつくづく痛感してしまった。 風呂を使わせてもらい、ドージェの大きなバスローブを引きずりながら出て来た [続きを読む]
  • 異邦人 − 101
  •  怒りに震える身体を自分で抱きしめるようにしたイリヤは、さらに血を吐くような痛みを吐き出した。「アイシャは…ドージェの記憶だけを僕に伝えなかった…」「────!」「記憶がないから、だから気になって気になって仕方がなかった。わざとドージェのことが気になるように仕向けたんだ…」 ドージェが愕然と目を瞠った。 男自身不思議でならなかったのだ。 何故3人の番人が自分にこうまで接点を持ちたがるのか───。各 [続きを読む]
  • 異邦人 − 100
  •  モーガンが退出すると、男は無言でソファを顎で指し、イリヤを座らせた。番人のためだけに用意された食事を前に、イリヤはおずおずとドージェを見上げた。「とっとと喰え」「あの…ドージェ…は?」「いいから喰え」「………」 しゅんとイリヤは肩を落とした。イリヤは普段ほとんどの食事を一人で摂っているのだ。いままではそれが普通で、寂しいと思ったことなどなかったのだが、先日ドージェ達と囲んだ食卓の暖かさが、知らな [続きを読む]
  • 異邦人 − 099
  • 「ああ、いたいた」「…あっ、モーガン様!」 ひょっこりと庭から入ってきた老元帥に、イリヤは飛び上がった。「いやいや、座っててください。ドージェ、私は戻るが、お前さん今夜はここだろう?」「……………」 蒼い瞳が非難に染まるのを見ると、モーガンは肩を震わせて笑い出した。「あのな、文句があるなら言葉にせんか」 シェラザートと同じ台詞を口にする老元帥に、思わず吹き出しかけたイリヤだったが必死に堪えた。(ド [続きを読む]
  • 異邦人 − 098
  •  イリヤは広間を抜け出し、思いつく限りのテラスを覗いてまわった。だが男の姿は見つからず、階が違うかもしれないと、深い溜息をつく。 数日前から微熱が続いている身には少し手に余る広さの城だった。座り込みたくなる気持を叱咤し、人気のない一番端の部屋へと辿り着いた。 喧騒が僅かに聞こえていたが、虫の声の方がはっきりと聞こえるようになってきた。 人の気配は全く感じられない。 ここも違ったかと項垂れたイリヤ [続きを読む]
  • 異邦人 − 097
  •  天王の前から下がり、広間の喧騒に混じるとさっきまで近くにいたドージェの姿が消えてしまった。イリヤは慌てて辺りを見回すが、あれほど目立つ容姿が見つからなかった。不安げにきょろきょろとしていたイリヤだったが、あっという間に王族達の輪に引き込まれてしまった。「なんと、子供の姿で誕生されたと聞いておりましたが、本当だったのですね」「明日まではこちらに?」「一度命の乱舞を見せていただけませぬか?」 返答 [続きを読む]
  • 異邦人 − 096
  •  絢爛豪華な夜会に招かれたのは、ドージェ達が戦場に行ってから1ヶ月ほどたった夏の暑い日だった。 連日うだるような暑さに体調を壊しかけていたイリヤだったが、天王からのじきじきのお召しとあっては無下に断るわけにもいかない。多少ふらついてはいたが、迎えの使者達におとなしくつれてきてもらった。 即位百年ごとに行われる祝祭だった。 この時ばかりは天界中がお祭り騒ぎとなるのだが、今年は少し様子が違っていた。 [続きを読む]
  • 異邦人 − 095
  • 「こんにちは」 噂に聞く泉を一目見ようと険しい山道を登った男は、意外にもあっさりと辿り着いたその頂に思わず息を呑んだ。 雄々しいまでの自然の中に在って、そこはまるで箱庭のような美しさだった。鏡のような泉を囲む柔らかそうな草花が瑞々しく茂っていた。針葉樹の壁がそれらを守るようにしてひしめいている。 僅かに離れて佇む小屋は長い年月を物語っていたが、ひどく暖かい印象を男の心の裡に生じさせていた。 煙突 [続きを読む]
  • 異邦人 − 094
  • 「レヴィラって…あの、貴女のお姉さまの…第六王女のお名前でしたよね?」「はい、ぷいっと人間界に降りて結局戻ってまいりませんでしたが、大好きな姉でした」 住処の修理作業を再開してくれた皆の勧めで、王女シェラザートとのお茶の時間を楽しんでいるイリヤだった。 ドージェを「レヴィラ」と呼んだシェラザートから、欠けていた記憶の一部が呼び覚まされたのだった。「生まれて間もない赤ん坊だったのですが、姉の面影を [続きを読む]
  • 異邦人 − 093
  • 「痛みませんか?」 何度か確かめるように左手を握ったり開いたりしていたドージェだったが、小さく頷いた。「大丈夫だが、くすぐったいものだな、この包帯は」「……貴方は包帯も巻いたことなかったんですか?」 サーシャが強張った表情で目を瞠った。戦場であれだけの怪我を負っても、ドージェが手当てを受けることはない。血を拭っている間に傷口が塞がってしまうのだ。「昔からそうだったけど、今でもそうなの?」 横から [続きを読む]
  • 異邦人 − 092
  • 「レヴィラ」 人垣の向こうから声がかけられた。イリヤはきょとんと声のする方に顔を向けたが、何時の間にやら街中の人達が集まってきていたため声の主を見つけられなかった。 この人だかりにはサーシャ以外の女性はいなかった。イリヤはサーシャの呼び名なのかと思ったが、サーシャは全く反応していなかった。 遠巻きにしている街の女性達にかけるには、随分近くから聞こえてきたようだった。「どうした?」「え? いえ、そ [続きを読む]
  • 異邦人 − 091
  •  イリヤはぽてぽてと街の入り口をくぐった。 今日もガンツ達が作業をしてくれるそうなのだが、昨日のドージェの様子が気になったのだ。試すとは何のことなのか、元々好奇心旺盛なイリヤには気になって仕方なかったのだ。 街中の一角に人だかりがあった。 昨日泉に来てくれた男たちに気づき、イリヤは足を向けた。 昨日は姿を見せなかった紅一点のサーシャもいた。「何をしてるの?」「あれっ? 何だ、降りてきちゃったの? [続きを読む]
  • 異邦人 − 090
  • 「──────っ!」「どこに置けばいいんだ?」「裏、裏。できればこんくらい薄くスライスしといてくれるか?」 ドージェはガンツの指先をみつめ、同じように人差し指と親指で幅を測ると頷いた。「判った」 そう云いながらガンツの二倍近い太さと、ドージェの二倍はある長さの丸太を軽々と肩に抱えて小屋の裏へと消えていった。「……………あ…う……うそぉ…」 その姿を呆然と見送りながら、イリヤは呻いた。 ガンツは鼻 [続きを読む]
  • 異邦人 − 089
  •  小屋の扉を開けるとマイルが暖かく迎えてくれた。イリヤは気まずい思いで室内に視線を向けたが、ドージェの姿は見つからなかった。慌ててきょろきょろと男の姿を探しているとマイルが困った表情で首を傾げた。「御免、ドージェ跳んじゃったんだ」「えっ……」 哀しげな表情のイリヤが失望の吐息を零した。ガンツはがりがりと髪を掻き毟りながらぽつりと囁いた。「あー、拗ねちまったか…」「んー、多分。あのドージェが許可も [続きを読む]
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