今日から臨床に役立つ漢方1日1話
先哲がつないでくれた伝統医学「漢方」をより多くの悩める患者さんに役立てるための日々の研鑽備忘録です。傷寒論やその他先哲の書物から臨床に有用な文言を抜き出し応用していくことが目的です。
2014年1月27日まで
ツムラ二朮湯と胃苓湯はその構成生薬に蒼朮と白朮の両方を含む。蒼朮と白朮は一緒だという人もいるがこれを見ると明らかに違うのである。二朮湯と胃苓湯を使用しているな…
うつ病は英語で depression つまりde(低下)pression(圧力)であり、これは漢方的には大なり小なり気虚を伴う。漢方医がうつ病を多く治せるのは…
現在の芒硝は硫酸マグネシウムであるが、江戸時代の芒硝は硫酸ナトリウムであった。正倉院の現存芒硝の鑑定から当時の芒硝は硫酸マグネシウムという事が判明した。結晶…
傷寒論三陰三陽篇の中で最初に出てくる薬方は皆様ご存知の桂枝湯である。では厥陰病の最終薬方はと言うと意外なことに小柴胡湯なのである。これには諸説あるが、奥田謙…
インフルエンザと診断すれば、当院では基本的にはイナビルなどの抗インフルエンザ治療薬を使用している。しかし場合によっては使用できないケースや望まないケースもあり…
八味地黄丸は高齢男性の補腎剤と考えている人が多い。しかし八味地黄丸創成当時の寿命は50歳前後と考えられ本来は 40前後 にこそ必要な薬方と考えられる。私も4…
妊娠中は漢方薬と言えども流産の危険を減らす安胎薬など必要な薬を除いて可能な限り投与を控えるべきである。大黄や附子や活血剤などの生薬はなんとなく悪いのは想像で…
日本東洋医学会の学会は東洋医学に関わる会だがどちらかというと発表は漢方薬治療に関することが多く鍼灸に関するものは少ない。場合によっては無理解な医師から鍼灸を…
入浴には 温める血行を良くする発汗させる 効果がある。つまり入浴で症状が緩和されるようなら、上記のような作用のある生薬を配合した方剤を選択するのも一つの手段で…
臨床医学の父ウイリアム・オスラーは 医学は不確実の科学であり、推測の芸術である。 と言っている。誤解を恐れずに言うと、当てずっぽうして薬方が的中する能力こそが…
中西深斎は、1725年1月19日に生まれている。医官の要請を断り、30年間ただ一心に傷寒論解説書の執筆に没頭。『傷寒論弁正』『傷寒名数解』の2書を著す。これ…
高齢者でのポリファーマシーが問題になって久しい。飲んでいる薬のいくつかは不必要な薬だと思う。漢方治療を請われて来院された患者さんの中には現在の医療では絶望的…
ヨクイニンのいぼ取り効果を初めて記載したのは貝原益軒であり、日本独自の民間療法がその起源である。ヨクイニンは清熱排膿及び去湿除痺作用があり、疼痛性疾患には欠…
松尾芭蕉は足三里に灸を据えながら旅を続けていた。『奥の細道』完成に東洋医学が一役買っている。 応援クリックお願いします。にほんブログ村
時々初学者向け漢方ステップアップ講座安易な病名処方を勧めるものではありません。私が初学者だったころを思いだし、理解を深める助けとなるために書いた記事です。小半…
『傷寒論』『金匱要略』は当然漢文で書かれている。漢文を訓読して読むのは日本人だけである。しかしこの訓読が時に大いなる誤解を生んでいるのではいないかと考えている…
違う分野で兄弟そろって一流という事はなかなかない。しかし後世派の岡本一抱の実兄は近松門左衛門というすごい兄弟がいた。 兄は弟に「お前が分かりやすい医書を書く…
私には師がいない。腹診の全ては本からの知識と実臨床でのトライ&エラーである。しかも本のほとんどの知識は 漢方腹診講座 Amazo…
私がまだ若い頃勤めていた所は、20代女性の方も多く外来に来られるところだった。ある日20代の女性患者が「友達が飲んでて良いので当帰芍薬散を下さい。」と外来を…
淫羊藿はその名の通りその草を食べると羊の性欲が増すことに由来する。さらに陽起石も陽を立てるでインポテンツに使う生薬である。漢字はアルファベットと違い由来を想…
内藤希哲は1701年生まれ、吉益東洞は1702年生まれ。同年代の二人だが生前1度も会っていない。何故なら内藤希哲は1735年に夭逝し、吉益東洞はその頃まだ広…
炙甘草湯は復脈湯の別名だが器質的な不整脈には効果が薄い。この方剤が最も力を発揮するのは、内藤希哲が言うように補剤としてと思う。ツムラの漢方製剤は炙甘草湯には…
一般的には世の中は物は新しいほど良いとされている。しかし古着やワインなど一定時間経過した方が味わいが増す物も少なくない。 二陳湯は半夏・陳皮というある程度時…
江戸時代の腹診でも勿論打診をしている。しかしそれは振水音や圧痛点を探すもので腸管ガスという概念で打診をしたケースは少ない。 腹部鼓音という言葉を初めて記載し…
初学者の頃意気込んで傷寒論を勉強するとたいてい途中で挫折する。私も初学者のころ大塚敬節の『傷寒論解説』を読もうとしたが太陽病中編で挫折し以後3年間本棚に眠って…
ファッションで何より大事なのはTPOである。どんなに素敵でもその場にそぐわなければ失敗である。Tシャツに短パンがどんなに決まっていても結婚式に似つかわしくな…
大黄と柴胡は中薬学的な効能は全く異なる。柴胡は辛涼解表薬であり、疎肝解鬱も兼ねる。大黄は瀉下薬であり、清熱涼血・活血化瘀を兼ねる。しかし神農本草経の中で大黄と…
更年期障害というとまず23(当帰芍薬散)24(加味逍遥散)25(桂枝茯苓丸)が浮かぶ、芎帰調血飲は太虎堂(クラシエでも委託販売)というマイナー漢方製薬会社の…
随分前だがテレビ番組で、「彼氏の携帯電話をみると本当に悪い事しか入ってないのか?」という企画があった。実際彼氏の携帯電話を盗み見ると、知らない女性へのメール…
江戸時代前期の漢方医永田徳本は謎多き人物である。傷寒論に重きを置きわずか19方剤で万病に対処し、110才以上の長寿を全うしたという。そして103歳の時に山梨…
「ブログリーダー」を活用して、漢方1日1歩さんをフォローしませんか?