はなゆめ爺や さん プロフィール

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はなゆめ爺やさん: はなとゆめ+猫の本棚
ハンドル名はなゆめ爺や さん
ブログタイトルはなとゆめ+猫の本棚
ブログURLhttp://hanayume5.blog50.fc2.com/
サイト紹介文本さえあればシアワセな爺さんの読書日記
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供735回 / 365日(平均14.1回/週) - 参加 2013/11/22 21:19

はなゆめ爺や さんのブログ記事

  • 星野博美   「戸越銀座でつかまえて」(朝日文庫)
  •  40歳を過ぎて、自由気ままに暮らしてきたが、その自由に疲れて、生まれ育った戸越銀座に戻って母との二人暮らしをする。その街と人々の交流を描いたエッセイ。 ちょうど、五島列島に運転免許をとりにいって、帰ってきたころのことだ。 星野さんは、本質はおしゃべり好きで、快活な人だ。それが、40過ぎても結婚していず、育った街を離れて母親のもとに帰ってきたことに、世間的に恥ずかしいと気おくれをしていて行動が他人の眼 [続きを読む]
  • 彩瀬まる     「骨を彩る」(幻冬舎文庫)
  •  人間はひとりひとり違う。だから、言葉を懸命に紡いでもわかりあえないこと多い。 津村は10年前に妻を病気で失う。その妻の夢を最近見るようになる。必ず妻はいつもどこかの指が欠けている。そんな妻と夢の中で懸命に会話をしようとするが、指が欠けているがごとく、何かが欠けていて会話にならない。妻は、あきらめたように「何もわかってくれない」とつぶやく。その何もが何なのか考えようとするのだが少しもわからない。それ [続きを読む]
  • 又吉直樹       「火花」(文春文庫)
  •  280万部の大ベストセラー。読んでいないと時代遅れと揶揄される作品。単行本から文庫になって、遅まきながらやっと手に取ってみた。 又吉を表現していると思われる売れない漫才師、主人公の徳永、ストイックで天才肌の漫才師神谷とであい、その能力に脅威をかんじながら、師弟関係を結ぶ。 徳永の相方山下に女ができ、子供まで作り、結婚をする。漫才師ではとても家族は養えない。それで、コンビを解消することになる。結果徳 [続きを読む]
  • 津村記久子    「まともな家の子どもはいない」(ちくま文庫)
  •  最近は、親が子供以上に成長してなくて、子供のまま大人になっている親が多い。子供のほうが親より人間を見る目や判断力がある。そんな家庭では、子供はうんざりしていて、馬鹿な親とは一緒にいたくないという状態になる。 特に、両親の関係が破綻していたり、離婚して片親としか暮らしていない、父親に生活能力がなく、家で毎日ブラブラしているような家庭は、日々生活するお金も不足がちになり、そのしわ寄せを子どもがかぶる [続きを読む]
  • 初野晴    「千年ジュリエット」(角川文庫)
  • ロミオとジュリエットの舞台になったイタリア ヴェローナには今でもジュリエットの秘書という人がいて、世界中から恋愛相談を受けている。 清水の総合病院で精神を病んで入院している5人の女性。カエラ姉さん、元女子プロレスラーのミサトさん、9歳のキョウカ、最年長のシズコさん、それから主人公のトモ。恋愛経験などほとんどないのに、それぞれ虹の5色の色を持つジュリエットの秘書になり、恋愛相談サイト「ジュリエットの秘 [続きを読む]
  • 初野晴     「退出ゲーム」(角川文庫)
  •  清水南高校1年生のマノンは、父親が元有名なサックス奏者。それでマノンも中学校まで吹奏楽部でサックスを吹く。その演奏はプロはだし。そのマノンが高校にはいった途端サックスを捨てる。そして陽気だったマノンはずっとふさぎ込んで、友達も誰もいなくなる。 心配した演劇部長の名越が、マノンを幽霊部員でもいいからと演劇部員に無理やりしてしまう。 しかし、吹奏楽部ではマノンに入ってほしいし、名越も演劇ではなく、吹 [続きを読む]
  • 初野晴     「空想オルガン」(角川文庫)
  •  今の電話は詐欺だとわかりやすいのに、「オレオレ詐欺」の被害にあう人たちが、後を絶たない。老人になり、頭脳の働きが弱くなり、判断ができず、引っかかってしまうのだろうと想像するのが一般的な感想だろう。 親子というのは、一旦子供が親元を離れると、多くは一挙に親子関係が希薄となる。実家に帰るのも年に数回から、だんだん減って、子供が家族でも持つと、年一回、表敬訪問のような感じになり実家に帰るのが一般的。  [続きを読む]
  • 池井戸潤    「BT‘63」(下)(講談社文庫)
  •  この物語は、主人公の琢磨が、家に仕舞ってあった、古い制服を着ると、突然、その制服を着ていた1963年の相馬運送という会社に引き戻され、琢磨が生まれる前の父親がどんな仕事をして、波乱の人生を歩んでいたのか目の前で見えるようになるのと、実際に琢磨の父親の人生の物語が重なり合って進む。 これは、父親の物語を琢磨という息子の眼を通してみる、それは読者が琢磨の眼になって物語をみて実感する変わった方法を池井戸が [続きを読む]
  • 池井戸潤    「BT‘63」(上)(講談社文庫)
  •  BTというのは、ボンネットトラックという意味。私たちが子供のころはトラックやバスのエンジンは、運転席の前に格納されていて、どれも鼻がつきでたスタイルだった。BT‘63の63は池井戸が生まれた1963年を表している。つまり、この小説は池井戸が生まれた1963年を題材としているのだ。 小説全体の感想は下巻の感想で書くつもり。 1963年は翌年のオリンピックを控え、道路や設備が新たに作られ、国中が活気にあふれ、高 [続きを読む]
  • 辻村深月     「盲目的な恋と友情」(新潮文庫)
  •  この物語は、よくわかるし、シンパシーを感じる。 一旦恋に墜ちてしまうと、友だ、友情などというのは、完全に裏にかくれ、寝ても覚めても恋のことばかり考え、すべてが恋にからめとられる。 友達同士話をしても話題は恋ばかり。殆ど友とか友情の話題などにはならない。恋は常に壊れるものとして扱われる。友情は永遠に続くものと錯覚しがちだが、結構これも壊れることがしばしばだ。 友情が壊れるのは、彼女にとって、私が一 [続きを読む]
  • 伊集院静   「旅だから出逢えた言葉」(小学館文庫)
  •  伊集院が世界のあちこちを旅して、そこで遭遇した出来事に触発されて、彼の人生を励まし支えた言葉を思い出したり、実際にその旅の場面で出会って支えられた言葉を紹介して、旅のすばらしさを描くエッセイ。殆どが絵画に纏わる旅。あまり絵画に造詣が深くない私には少し距離があった。 確か遠藤周作の小説「留学生」にでてきたと思う。 遠藤周作は、1950年、戦後はじめての留学生としてフランスに渡っている。そして、大学が始 [続きを読む]
  • 雑誌   「IN POCKET 3 2014」(講談社)
  • プロ野球シーズン開幕前に、作家たちの野球への想いれを綴ったエッセイを特集している。 それにしても、ほぼすべてがセリーグのチームについて。これだけパリーグが強くなり、人気もセリーグと拮抗してきているのに、何だかパリーグファンの私としては大いに不満。 野球というのは、相撲も似ているが、ボールがインプレイにあるのは、試合時間の10%もないのではと思う。だから、ビールを飲んで隣の人と馬鹿話をしながらでも、 [続きを読む]
  • 津村記久子    「婚礼、葬礼、その他」(文春文庫)
  •  主人公のヨシノ、両親は土日が働く職場に勤めていたので、誕生会で友達を呼ぶということが無かった。いつも呼ばれるだけだ。それが、人生にとっついたように、28歳の今まで、呼ぶと言うことが皆無で、呼ばれることばかりが続いている。 2月の連休に屋久島旅行を申し込んだその日に、旅行日程とかぶさって、友達から結婚式の招待の電話がくる。しかも2次会の幹事とお祝いのスピーチまで依頼される。 そして結婚式当日、準備をし [続きを読む]
  • 津村記久子    「カソウスキの行方」(講談社文庫)
  •  妥協とか折り合い、それができるかは我慢強さなのだと、この短編集を読んで思う。 課長のセクハラに弱っていると訴えてきた後輩の悩みに義憤を感じた主人公イリエは、そのことを部長に訴える。当然、後輩も加勢してくれると思ったら完全にハシゴを外される。どうも、後輩は課長と不倫関係にあったらしい。イリエは先輩から、後輩は不倫していることを誰かに言いたかっただけなのにバカなことをあんたはしたんだよと言われる。  [続きを読む]
  • 吉田篤弘   「モナ・リザの背中」(中公文庫)
  •  大学で美術を教えている曇天先生。助手のアノウエ君が使っている目薬「メヲサラ」を注した瞬間、目の前に飾ってある絵画の中に入っていってしまう。 最初が「受胎告知」。そして次がアンドリュー・ワイエスのポスター「クリスティーナの世界」そして俵屋宗達の「風神雷神図」。芸術的名作ばかりと思っていたら銭湯の壁に描かれている富士山の絵、最後はわからないが「十二人の船乗り」なる絵。 この作品でキーとなるのが年齢。 [続きを読む]
  • 佐藤優   「いま生きる『資本論』」(新潮文庫)
  •  賃金というのは、利益の分配によって決まるのではない。生産のところで決まる。そして、その要素は次の3点である。 ①一か月の食費、服代、家賃それにちょっとしたレジャー費。次の月も働くことができるエネルギーをやしなうための費用 ②次の世代の労働者を作り出す費用。家族を養う費用。 ③資本主義社会は技術革新を伴う。その革新を学ぶ費用 それが、差別化されたとして、年収が200万円であっても、最低限上記のことが維 [続きを読む]
  • 小林秀雄    「学生との対話」(新潮文庫)
  •  小林秀雄が活躍していた時代は、唯物史観、唯物論が全盛時代だった。人間の精神の動きも物質を科学的に分析して、解析するというのが流行していた。小林はこの方法に反発した。 科学的アプローチは、最近の300年間に生まれた考え方であり、それで、精神世界を明確にできることはないと言い切り、唯物論に対して強烈に批判したし、精神世界は、綿々と人間世界で受け継がれてゆくものと規定した。 小林は、歴史家というのは、何 [続きを読む]
  • 初野晴     「惑星カロン」 (角川文庫)
  •  清水南高校吹奏楽部員の主人公穂村チカと美少年上条ハルタが巻き込まれるミステリー解決にのぞむ中編集。  ミステリーでよくあるのが完全密室事件。そのなかで、犯人はどのようにして殺人を起こし、室外にでられたのか謎をとくストーリー。このトリックをどのように構築するのが完全密室事件では作家の腕のみせどころ、読ませどころになっている。 この中編集に収められている「理由ありの旧校舎」がちょっと変わっている。こ [続きを読む]
  • 津村記久子 深澤真紀   「ダメをみがく」(集英社文庫)
  •  最近あまり見かけなくなったし、仮にあったとしても、雑誌の隅に追いやられているのが、対談集。めっきり対談本が少なくなった。僕らの若いころは、対談の名人吉行淳之介がいて、話題のポケットもたくさんあり持ち、相手から話を引き出すのもうまかった。対談相手の女優などをそのままホテルに連れていったのではというような雰囲気、余韻が彼の対談にはあった。 この作品、芥川賞作家津村とテレビのコメンテイター、草食系男子 [続きを読む]
  • 多島斗志之    「マールスドルフ城1945」(中公文庫)
  •  短篇集「追憶列車」を読んだとき、これは短編ではもったいない、ぜひ長編にしてほしいものだと感想を書いたが、この作品は「追憶列車」の続きを長編にしている。 1945年4月、パリにいた在留邦人がベルリンに避難。しかし、ベルリンも陥落寸前。そこでドイツにいる在留邦人を含め、マールスドルフという小さな町にある城に疎開することになった。 その疎開直前に、ナチス親衛隊に所属していたシュミット大尉は突然ヒットラー総 [続きを読む]
  • 柚木麻子     「けむたい後輩」(幻冬舎文庫)
  • 横浜日本大通り沿いにある書店「CANAL」は映画や舞台などの文献や資料を豊富に取り揃えていることで業界関係者には有名な店。 そこの雇われ店長の黒木は、大学をでて、映画の世界で生きていくと決意し、映画学校に通うが、自分の求めていた道とは違うと思い、写真学校に移る。しかし、それも飽きてまた映画の世界に戻ろうとしている。家が裕福のため、ふらふらするお金は実家からもらっている。書店に脚本コンクール賞のポスター [続きを読む]
  • 桜木柴乃      「凍原」(小学館文庫)
  •  第二次世界戦争で、ソ連が参戦後の昭和20年8月12日、樺太で生まれ育った長部キクの家にやってきた耕太郎に促され、女性、子供、老人を日本へ帰す脱出船に乗るため、キクは大泊港まで逃走することになる。すでに母、妹は、ソ連の爆撃により死んでいた。耕太郎は24歳。たとえ港に無事到着しても、船には搭乗できない。それなのに何故?不信に思っていると、耕太郎に急に抱き寄せられ、体を奪われる。 耕太郎と鉄道駅まで、獣道を [続きを読む]