はなゆめ爺や さん プロフィール

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はなゆめ爺やさん: はなとゆめ+猫の本棚
ハンドル名はなゆめ爺や さん
ブログタイトルはなとゆめ+猫の本棚
ブログURLhttp://hanayume5.blog50.fc2.com/
サイト紹介文本さえあればシアワセな爺さんの読書日記
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供699回 / 365日(平均13.4回/週) - 参加 2013/11/22 21:19

はなゆめ爺や さんのブログ記事

  • 小泉武夫    「食は胃のもの味なもの」(中公文庫)
  •  小泉の食材への好奇心は異常である。彼の本を読んでいると、およそこの世に食べられないものなど皆無ではないかと思うようになる。 小泉は福島県の山間地の小さな町、小野町に生まれる。小泉の実家は400年近く続く、造り酒屋。小泉はそのボンボンとして育った。ボンボンの小使いは他の子供たちより多くもらっている。だから、ベーゴマやメンコを買って他の子供たちにわけてやり、手なずけ、みんな子分にしてしまう。 それで彼 [続きを読む]
  • 山口敬之    「総理」(幻冬舎文庫)
  •  シリアのアサド政権が化学兵器を用いて、多くの犠牲者をだしたということに対抗してトランプ大統領はシリアを攻撃した。実は、かってオバマ政権のときにも、同様なことがあって。オバマは世界各国にシリアに攻撃をすると宣言した。(結局はしなかったが) この時、オバマは安倍首相に対し、「空爆に対し支持をするよう」求めたのだが、安倍首相はアサド政権が化学兵器を使った明確な証拠が提示されない限り指示はできないと拒否 [続きを読む]
  • 小泉武夫    「ぶっかけ飯の快感」(新潮文庫)
  •  ぶっかけ飯、どんぶり飯を3杯、4杯とかっ込む。この表現だけで、おいしさは十分伝わってくる。だけど、食を世界を回り、追及している、農学者でもあり、文才に恵まれている文筆家でもある著者に、食べるという快感が十分伝わってくる表現を期待して読むが、この作品にはそれはあまりない。 唯一、前夜の大酒飲みがたたってその対策として料理して食したイカ刺し飯の食いっぷりに際立った表現が書かれている。 「最初の一口で、 [続きを読む]
  • 宮部みゆき   「夢にも思わない」(角川文庫)
  •  島崎が田村警部から聞いた話が印象に残る。 「理解できない。どう捜査したらいいのかわからない。警部さんはそう言ってた。犯人を捕まえて検察庁に送って、そいつが起訴されて判決がおりてもまだ、警部さんには、その犯人の顔が見えないし、犯罪のくっきりとした輪郭もつかめないんだそうだ。それは、そういう犯罪が、それを犯した人間の心の中の問題だからだよ。国を揺るがす陰謀や、あるいは社会構成から生まれ出る不公平や貧 [続きを読む]
  • 池波正太郎   「江戸前通の歳時記」(集英社文庫)
  •  戦争が終わった。池波は海軍から復員してきて、母、弟と池波と3人で暮らしていた。焦土化した東京。浅草の焼け跡、その一角の焼け残った家の2階を借りての住まいだった。 「兄さん、氷を売っているよ。」と弟から二階で茫然としていた池波に声がかかる。 「そうか、よし」と言って、体を起こして、外へとでる。トタン張りの小屋の屋根の上に、白い布へ「氷」と墨で書いたのが見える。 小屋の周りに子供たちや数人の男女が氷水 [続きを読む]
  • 小泉武夫    「くさいものにフタをしない」(新潮文庫)
  •  日本人は米、麦、芋類など繊維質をよく食し、世界ではよく屁をする放屁族とされてきた。 江戸時代には「昔語花咲男」という有名な演芸人曲屁師がいた。 囃子に合わせて、最初は調子よくトッパラヒョロヒョロ、ピッピッピと、次は鶏の東天紅をブブ ブウーブウーと高音で、そして水車といってぐるぐるまわりながらブウブウブウと最後には宙返りもする。 他の曲芸師をさしおいて、この放屁師は大人気となり、「両国へ屁を嗅ぎに [続きを読む]
  • 角田光代    「ポケットに物語を入れて」(小学館文庫)
  •  悲しい、切ない、泣ける、うれしい、幸せ、癒し、そんな何となく納得できる言葉で終わってしまう物語。角田は違う。その先を見つめている。切ないね、悲しいねは本当なの?いっぺんの言葉で全部をその通りと読者に思わせることに納得しない。 しかし、その先は、複雑であり迷路であり、言葉では表現できないことが多い。しかしでも小説家は、言葉によって生計を立てている。だから、その先のわからないところを言葉を紡ぎだし読 [続きを読む]
  • 小泉武夫    「くさいものにフタをしない」(新潮文庫)
  •  日本人は米、麦、芋類など繊維質をよく食し、世界ではよく屁をする放屁族とされてきた。 江戸時代には「昔語花咲男」という有名な演芸人曲屁師がいた。 囃子に合わせて、最初は調子よくトッパラヒョロヒョロ、ピッピッピと、次は鶏の東天紅をブブ ブウーブウーと高音で、そして水車といってぐるぐるまわりながらブウブウブウと最後には宙返りもする。 他の曲芸師をさしおいて、この放屁師は大人気となり、「両国へ屁を嗅ぎに [続きを読む]
  • 熊谷達也   「勘違いのサル」(PHP文芸文庫)
  •  人間に最も近いとされるチンパンジーでさえメスには発情期があり、発情期以外はオスを受け入れないそうだ。 人間だけがなぜ発情期という一定した期間がなく、いつでも性交ができるのか。それは女性からのご褒美だからだそうだ。人間が木から降りて、二本足歩行となって以来25万年の殆どは狩猟により暮らしを維持していた。 男は狩りにでると、長い間家をあける。その男が確実に家に戻ってこさせ家につなぎとめておかねばならな [続きを読む]
  • 熊谷達也    「迎え火の山」(講談社文庫)
  •  旧盆の十三夜、山形出羽三山の霊峰月山の頂から麓に連なる迎え火の祭りを取材しに帰省していた工藤。一方工藤の幼馴染の友人正志は、古来の採燈祭復活のために奔走していた。 採燈祭というのは月山の頂上の神社から麓にいたるまでにいくつも存在する神社に燈明をつけ、亡くなったひとがその燈明を伝わって麓まで降りてくるという祭りだ。 正志がこの祭りの復活を村で提案したのだが、村民はこぞって反対。そこを懸命に説得し実 [続きを読む]
  • 4月の猫の日
  • にゃんにゃん最近ベッドが新しくなりました。古いのがこれ。(はなゆめねえや購入)コメリこういうのもあるけど、爪とぎにしかならない。休めない。(はなゆめママ購入)で、新しいものがこちら。(はなゆめママ購入)今から買うならオープントップでしょ! 冬に戻ってどうする!! と思ったそこのあなた。みかんとは限らないし、良いのです。さいころから球形にした結果、出入りでぐらつきます。転がしながら入る、可愛らしい姿 [続きを読む]
  • 鹿目けい子     「相撲ガールズ」(幻冬舎文庫)
  •  大相撲の盛り上がりは今は最高潮に達している。その中心になっているのは、老人や男たちではなく、女性ファンそれも若い女性たちである。 そこで、日本相撲連盟は、相撲をオリンピック種目にしようと活動している。オリンピック種目にするためには、女子相撲の普及、大会開催が不可欠。しかし、どうも日本では女性が相撲をするのは抵抗感があり、女性相撲団体を「新相撲連盟」と96年に名付て結成しその普及に尽力してきた。 面 [続きを読む]
  • 津原泰水   「少年トレチア」(集英社文庫)
  •  学校への行きがけ、燃えないゴミの山を漁って得られた使用済みの電球を、サテライトの壁面にぶつけては、他の学童の流れに逃げ込むスリル。拾った百円ライターを思いっきり路面にたたきつける爽快感。電球内に装填された不活性ガスは、その破裂に華々しい音響を添える。ライターの底に残った液化ブタンは、外気と接触するやたちまち気化して膨れ上がり、自ら閉じ込めてきたプラスティックの衣を液体のようにまき散らす。 街にあ [続きを読む]
  • 初野晴     「漆黒の王子」(角川文庫)
  •  猫がそうだが、自分が死ぬときがわかっていて、その時になると、どこかに姿を消し亡くなってゆく。家のまわりには、たくさんの鳥たちが毎日さえずっている。事故にあって死んだ死骸はみかけることがあるが、それ以外は、全くといっていいほどその死骸を見ることは無い。 動物は食物連鎖を行わねばならないことを本能として知っている。死ぬことがわかると、自分の死んだ肉を他の動物が食べられるところを死に場所として選び、そ [続きを読む]
  • 湊かなえ    「リバース」(講談社文庫)
  •  平凡な小さな事務機販売会社の営業をしている主人公深瀬は、「クローバー・コーヒー」なる喫茶店で、客としてきていた美穂子と知り合い、恋におちる。 この「クローバル・コーヒー」では、マスターがコーヒー豆に拘るだけでなく、砂糖は使わず、その代わりに蜂蜜を使い、独特の風味を提供するコーヒーに醸しださせていた。 その蜂蜜は非常にめずらしく蕎麦の花から採取したものだった。 3年前の大学時代の夏休み、深瀬は、ゼ [続きを読む]
  • 堀江敏幸    「バン・マリーへの手紙」(中公文庫)
  •  堀江の思考の変転は面白い。 堀江がある日商店が並ぶアーケード街を歩いていると、屋台のような売店で、男が街ゆく人によびかけている「四角いゆで卵はいらんかね」と。普通は四角いゆで卵とはいったい何なのだと興味が沸き、堀江もそう思うのだが、そこから思考が飛翔して、「四角い卵」と「四角な卵」の言い回しはどこが違うのだろうかとなる。 そして「四角い」のほうは、庶民的で普通言葉。「四角な」は古風で、高尚的で文 [続きを読む]
  • 熊谷達也    「相剋の森」(集英社文庫)
  •  熊谷の代表作である森シリーズの第一巻として出版された作品。直木賞、山本周五郎賞受賞作品「邂逅の森」はシリーズ2巻目の作品である。 「邂逅の森」は「相剋の森」の主人公である美佐子とマタギの頭領である滝沢の曾祖父である松橋富治の大正時代のマタギ人生を扱っているが、この作品は現代の自然環境保護の高まりとマタギを生業にしている村、人との葛藤を扱う。 カメラマンの吉木と同棲している熊の専門家の小山田玲子を [続きを読む]
  • 熊谷達也    「モビィ・ドール」(集英社文庫)
  •  タイトルはかの傑作ハーマン・メルヴィルの「白鯨」に登場するマッコウクジラの名前「モビィ・ディック」を思い描いてつけている。 ときどき日本の海辺でも起きるが、クジラやイルカが砂浜に打ち上げられることがある。どうして打ち上げられるのか、研究はされているが、いまだ解明されていない。テレビにとりあげられその姿をみて、可哀想なんとかしてと皆は思うが、打ち上げられたクジラやイルカを海にかえしても、数日間で死 [続きを読む]
  • 熊谷達也   「いつかX橋で」(新潮文庫)
  • とっかかりの仙台空襲の場面描写はよく書けていて、ぐいぐい引っ張られ胸に響いた。しかし、その後がよくない。 靴磨きをしながらでも、真面目に堅実に生きようとする祐輔と、特攻くずれで不良の道を行こうとする彰太との出会いから親友となるまでの過程に納得感が起きない。真面目さと不良を対比しながら物語をクライマックスまで持っていくという概念だけが先行しているから、それに引きずられて、2人の心情、行為が作為的で少 [続きを読む]
  • 熊谷達也    「光降る丘」(角川文庫)
  •  東日本大震災により、私たちは忘れているが、それより数年前、2008年6月14日に岩手県の栗駒山脈付近で「岩手・宮城内陸地震」が発生。大規模な土砂崩れが起き、多くの犠牲者がでた。この地震を扱った「河北新報のいちばん長い日」という本が出版されたくさん売れた。 熊谷はこの時のことを綿密に取材し、小説にして雑誌「家の光」に連載していた。その最中東日本大震災にあい、連載をやめようかと思った。しかし、被害の状況を [続きを読む]
  • 熊谷達也    「荒蝦夷」(集英社文庫)
  •  大化改新を成しえた朝廷は、未征服だった東国征服に力を入れはじめる。淳足柵や磐舟柵を築き、奥羽、出羽国を設立しながら原住民蝦夷の征伐に乗り出す。そして724年には支配の象徴である多賀城の建設にまでこぎつける。しかし、一旦は朝廷に帰依していた宇屈波宇が770年に反逆の乱をおこし、蝦夷地域は動揺する。そして、それが大きな波となり起こったのが780年この作品の主人公砦麻呂の乱であった。砦麻呂は多賀城を焼き払い蝦 [続きを読む]
  • 熊谷達也   「七夕しぐれ」(光文社文庫)
  • この作品熊谷の体験をもとに書いているのか。 主人公の小学5年の和也は、田舎の学校から仙台の学校に転校してきた。父が学習塾経営に失敗しての転校だったため、住まいは小さく少し汚い5軒長屋のひとつ。この長屋から同じ学校に通うユキヒロとナオミがいて、すぐ和也は彼らと仲良くなった。 長屋では一緒に遊んでくれるのだが、学校にゆくと彼らはよそよそしくなり、声をかけあうこともできなくなった。クラスの大将をきどるノリ [続きを読む]