あじろ圭 さん プロフィール

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あじろ圭さん: あじろのあじと
ハンドル名あじろ圭 さん
ブログタイトルあじろのあじと
ブログURLhttp://ajiroajito.blog.fc2.com/
サイト紹介文オリジナル小説ブログ。恋愛小説「なのなのな」更新中。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供103回 / 364日(平均2.0回/週) - 参加 2013/11/23 15:13

あじろ圭 さんのブログ記事

  • キャッチアップ 12
  • 誠の熱は翌朝になってもひかなかった。発疹があったので、医者へ連れて行ってくれと母に頼み、朝一番に診察券だけを置いて自分は学校へとむかった。その日から前期の試験が始まる予定になっていた。「誠くん、どう?」 帰りは修一の運転するバスだった。「発疹が出たから、今朝、母に頼んで近くのお医者さまに診てもらってる」「発疹か。もしかしたらはしかかな」「初めてのお祭りで、疲れたんだと思う。子どもってちょっとしたこ [続きを読む]
  • キャッチアップ 11
  • 「そういうことかよ」 開口一番、克弥は吐き捨てた。「そういう事って何」「ごまかすなよ。他の男と遊んでたんだろ」 克弥の語気が一層荒くなった。涼子はケータイを耳から遠ざけた。祭りから戻って誠を寝かしつけるなり、克弥に電話をかけた。すぐには繋がらず、夜中近くになってやっと電話に出たかと思ったら、克弥は真っ先に自分の怒りをぶつけてきた。 会って話そうかと思っていたが、考え直してケータイを手にしてよかった [続きを読む]
  • キャッチアップ 10
  •  けばけばしい佇まいの夜店が軒先をぶつけるようにして居並び、どこからともなく漂ってくる醤油の焦げるにおいに食欲は誘惑される。行き交う人々の笑い声と、客引きの声とが星のまたたく夜空に響き渡る。 生まれて初めての祭りに、誠は興奮していた。人混みの中を走り抜けていこうとして危なっかしいので涼子と修一とで誠の手を握っているのだが、誠はお構いなしに二人を引きずるようにして前へ前へと進んでいく。 何も知らない [続きを読む]
  • キャッチアップ 9
  •  それまで夜中近くまで帰ってこなかった母親が、夕方、自分が起きている間に帰ってくるようになったとあって、誠は大はしゃぎだった。帰ってくるなり、膝にまとわりついて離れない。土日も部屋にこもって勉強しようものなら、ドアの付近を行ったり来たりして、集中力がそがれた。それでも愛おしさが勝った。 誠は一分、一秒の速さで成長を遂げていく。昨日できなかったことが、今日には出来ている。不安定だった足取りも、この頃 [続きを読む]
  • キャッチアップ 8
  •  「今度、ブーブーをあげるからな」 別れ際、修一はバスを降りたがらない誠をそう言ってなだめた。その約束は一週間後に果された。 涼子は五時のバスに乗った。ステップを上がっていきながら、運転席の修一と目があった。言葉は交わさず、会釈だけをして席に着いた。降りる時、修一から紙袋を渡された。紙袋はずしりと重かった。「これ、この間、誠くんに約束した車のおもちゃ。俺が子どもの頃に使っていたものなんだけどさ。気 [続きを読む]
  • キャッチアップ 7
  •  間に合うかな―― バス停にむかって小走りにかけながら涼子は腕時計を確かめた。長針の先が12の間にかかっている。五時ちょうどのバスの時刻まで一分もない。このバスを逃すと、次は一時間後だ。つるべ落としの秋の日が落ちるとたちまち肌寒くなる。そんな中で一時間もバスを待ちたくはない。 涼子はスピードをあげた。走りながら腕時計に目をやる。針はさほど移動していない。時計に顔をむけるたびに足のスピードが落ちるの [続きを読む]
  • キャッチアップ 6
  •  白いシーツの上に投げ出された克弥の脚を眺めていると唾がこみあげてきた。ぷっくらとした脹脛はさぞかし食べごたえがあるだろう。窓から漏れ入る夕日はまるでオレンジソースのようだ。 口の中にわいてきた唾を飲み込み、涼子は克弥の引き締まった足首をつかんで脹脛にかじりついた。甘噛みした歯に、肉が反発した。肌に触れた舌先が塩気を感じとり、肌の奥から香草のような青臭いにおいがたちのぼってきた。「何してんだよ」  [続きを読む]
  • キャッチアップ 5
  • 同窓会に行くと言って出かけた先で涼子が会っていたのは、広田真紀だった。真紀とは中学からの幼なじみで、同じ高校に進学した仲だった。とある事情で真紀が高校一年で中退して以来、疎遠になってしまっていたが、実家に戻るとなった時、思い切って連絡を取って、それからは何かと会って話すようになった。何か資格の勉強をしたらどうかと言って涼子の背中を押したのは真紀だった。真紀もまた、シングルマザーだ。「デートか何かの [続きを読む]
  • キャッチアップ 4
  • 「ママ!」 克弥の車が完全に視界から消えてなくなるのを確認してから玄関のドアを開けると、パジャマ姿の誠が転がり出てきた。「ごめんね、遅くなっちゃったね。さびしかったね」 涼子は誠を抱き上げ、玄関を上がった。誠は涼子の胸にすがるように抱きついて離れなかった。シャンプーのかおりにまじって、ミルク風味のやわらかい誠の体臭が鼻先をくすぐった。「マコちゃん、いいにおいがする」 涼子は誠の首筋に顔をうずめた。 [続きを読む]
  • キャッチアップ 3
  •  栄養士の資格を得るには、大学や短大、専門学校といった施設で必要となる勉強をしなければならない。卒業と同時に資格は取得できる。一日も早く就職したい涼子は、専門学校の二年制を選んだ。最初の一年は、体と栄養の関係、公衆衛生などの基礎分野を学ぶ。二年目には栄養について専門的な知識を勉強する。 授業は朝早くから始まって夕方に終わる。忙しいスケジュールをぬってアルバイトをしているクラスメートもいて、涼子もパ [続きを読む]
  • キャッチアップ 2
  •  玄関の戸を開けるなり、転がり出てきたのは誠だった。短い両腕を車輪のようにグルグルまわしながら駆けてきて、涼子の膝に突進した。「ママ! ママ!」 舌足らずな口ぶりでくりかえし、涼子に靴を脱ぐ暇も与えずに誠は涼子の足元にまとわりついた。「ただいま。誠、いい子にしてた?」「うん、いい子にしてた」 誠を抱き上げ、居間に入っていくと、玄関でかすかに嗅いだ栗の香りが強くなった。「おかえり。今日は栗ごはんよ」 [続きを読む]
  • キャッチアップ 1
  •  視線は感じるものらしい。 それも痛く、熱く。 頬から顎、首筋から胸元へと男の視線は滑り落ちていく。男に見られている間中、涼子はまるで絵のモデルをしているかのように、窓の外を見つめるというポーズをとり続ける。 信号が青に変わり、バスは再び走り始めた。車窓を、見慣れた景色が流れ去っていく。 見られていると気づいたのは、つい一か月前だ。いつものようにバスに揺られながら膝の上に広げた教科書を読みふけって [続きを読む]
  • あらすじ
  • 周囲がようやく結婚しはじめる三十代になって離婚、子供を連れて実家へと戻ってきた涼子。独身という意味では幼なじみたちと同じ立ち位置にいるものの、その実態は周回遅れ。再婚するにも就職するにしても、何倍ものスピードで駆け抜けていかないとならない涼子――はたして周回遅れは取り戻せるのか? R−18エロシーンはありません。が、そういうことについて語るシーンがあるので指定しました。 [続きを読む]
  • 【雑記】2015年の目標見直し
  • ……えっと……半年過ぎまして、もう8月。後半始まってますけども。。。年頭にたてた目標を振り返ってみたいとおもいます。1.恋愛ものを公開する去年書いたもの2本を公開する予定。「なのなのな」は公開しました。残り1本は近日公開予定です。2.ミステリーを書く少なくとも1作品は仕上げたい。書いたよ、書いたよ、書き上げたよ!この作品のせいで、他にはなーんも書けなかったのだ。なんと半年もかかちゃった。しかもこれ [続きを読む]
  • 【雑記】芥川賞
  • ピース又吉さん、芥川賞受賞おめでとうございます!どなたが存知あげませんけど(苦笑)、んでもって受賞作も読んでませんけど(苦笑)ニュースをにぎわしているので、何々と調べたら、芸人さんなんですねー。(すいません、浦島花子なもので)私、こんなブログで駄文を披露していますが、純文学好きなんです。太宰も芥川も好き。三島由紀夫が大好きですが、彼は純文学の範疇に入るのかな?いやいや、大衆だとか純だとか区別するの [続きを読む]
  • あなたでなければ
  • あなたでなければならない理由なんて他人にしてみたらとるにたらないことなのだけれどあなたでなければならないんだ私が欲しいのは あなたなんだ私はたくさんのものに囲まれているでもそのなかに私が望んで手に入れたものは一つもないすべて誰かに与えてもらったもの他人が羨むものばかりだけどそれは私の望んだものじゃない望んだものはいつだって手に入らない泣いても喚いてもだだをこねても それだけが手に入らないいい子にし [続きを読む]
  • 【雑記】久しぶり
  • やや、2015年後半が始まってしまった(汗)昨日で忙しさに区切りがつきました。ほっとした一面もありながら、ちょっと複雑な気分。なんていうか……言葉悪いですが、やり逃げされたって感じ?気分切り替えていこうと思うんですけどね、むずかしいな。く〇きりさんの気持ちがちょっとわかる(苦笑)前向きたいけどなかなか向けないっていうね。もう少しだけ沈んでおきます。気持ちがあがってきたら、何か書くかもしれません。で [続きを読む]
  • 【雑記】ここのところ
  • え? もう5月も下旬に突入なの? はやっ!そしてまたしても広告が出てしまった(汗)忙しくしてます。ゆっくりお風呂にはいってる暇もないくらい(シャワーはあびてます)この一週間、頭痛に悩まされ、薬漬けになってました。あまりに薬を飲み過ぎて、こんどは胃がやられてダウン。一日最低一行の心構えでいるんですが、ほんとに一行しか書けない日が続いてます。6月いっぱいまで、ブログに手をかけられそうもありません。。ア [続きを読む]
  • 【雑記】カタカナ
  • カタカナが苦手です。世界の地名とか人名を表記するのにカタカナを使わないといけないのはわかるんですが、最近は、翻訳がめんどくさい(?)のか、かっこいいとおもっているのか、外来語表記をそのままカタカナにしてしまっているパターンが多い気が。このあいだ、「スポンサードリンク」という表記をネットでみかけて、「スポンサー」と「ドリンク」かとおもったことがありました。飲料の広告?とおもったら、ちがった。sponsore [続きを読む]
  • 【雑記】生まれ変わったら
  • 来世は男に生まれたい。なんか、男は楽しそうだ。なーんていうと、男性から、いろいろ言われそうですけど。隣の芝は青くみえるのさ♪男に生まれたら、いろいろやんちゃしたい!女の子なのに!って言われて育ったからさー。まずはサッカーしたいな。私はサッカー観戦も好きですが、プレイするほうが好きなの。でも、私が子どもの頃は、女の子がサッカーだなんて、って時代でした。今は女子サッカーが人気出てますけどね。なんで、サ [続きを読む]
  • 【雑記】夢を見ている夢を見た
  • 夢を見ている夢をみました。それも夢だったという。本当に目が覚めてもしばらく現実なのかどうか、わからなくてぼーっとしてました。また夢だったりしてって。午前中よりは大分ましになりましたが、まだぼんやりしてます。朝焼けがすごくて、起きた時の窓の外が昼間みたいに明るかったのもいけなかった。時間の感覚もおかしくなってます。見てた夢が全部悪夢だったので、最悪の気分です。思い出すまいと封じ込めていた記憶が全部よ [続きを読む]
  • あとがき
  • 優柔不断です。選択肢が2つ以上ある時は、「どちらにー」で決定します。*バリエーションが地方によっていろいろあると知って驚きました!「なのなのな」ではそんな自分をちょっぴり投影させてみました。桃子みたいに、すっぱり決められる人がうらやましい。結局、亮平が付き合うと決めたのは誰だったのか。そこは謎にしました。ご想像にお任せします。最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました。 [続きを読む]
  • なのなのな 最終話
  • 「うん。私も嫌。私たちのどちらと付き合うか、選んで」 桃子はこれ以上ない魅惑的な笑顔を作ってみせた。「選ばないとダメ? どうしても?」 亮平は食い下がったが、共同戦線をはった桃子と彩花はゆずらなかった。「しょうがねえなあ」 ぶつくさ文句を言いながら、人差し指をたて、桃子と彩花との間で降り始めた。「どちらにしようかな 天の……」「ちょっと待って、そんなことで決めるの?!」 彩花が亮平の人差し指をつか [続きを読む]