あじろ圭 さん プロフィール

  •  
あじろ圭さん: あじろのあじと
ハンドル名あじろ圭 さん  
ブログタイトルあじろのあじと
ブログURLhttp://ajiroajito.blog.fc2.com/
サイト紹介文オリジナル小説ブログ。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供239回 / 283日(平均5.9回/週) - 参加 2013/11/23 15:13

あじろ圭 さんのブログ記事

  • 神隠しの森 1−1
  • 「いらっしゃい!」 のれんをくぐるなり、威勢のいい中年女性の声を浴びせかけられた。声の主は、定食屋“よろず”のおかみである。おかみは両腕に料理の乗った皿をいくつもかかえ、狭い店内を器用に動き回っていた。 厨房から顔をのぞかせている店主が「いいサンマが手に入ったんだ。塩焼きがうまいよ」 と言うので、スメラギは軽くうなずいてみせた。それが注文の合図だった。 “よろず”との付き合いはスメラギが中学生の頃 [続きを読む]
  • あらすじ
  • テレビ番組の生放送中、霊視によって行方不明だった子供の遺体が発見される。自称霊能者だという男の能力を疑いながらもスメラギは事件現場となった「神隠しの森」へとむかうのだった。 [続きを読む]
  • 【雑記】ありがとうございました 児童書大賞編
  • アルファポリス 児童書大賞が終了しました。参加作品「かたっぽだけの靴下」を読んでいただいた方、拍手をしていただいた方、貴重な票を投じていただいた方々にこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。児童書って難しいですね。こどもの底なしの好奇心を満たす物語を書くのは一苦労です。でも楽しかったです。こどもの目線で世界をみると、大人には何でもないものがとてもキラキラした素敵なものにみえる。今作 [続きを読む]
  • 【雑記】ダメージとブロークン
  • CSI科学捜査班というドラマの中で、サイコパスの少女について言われた台詞です。うろおぼえで申し訳ありませんが、たしか、どこかの施設の女性が言った台詞です。ダメージを受けている人格はどうにかなるけど、ブロークン、壊れてしまったものはどうにもならない、とかそんな意味合いだったかなと。その時、ああそうか、心って壊れるんだなと思った覚えがあります。でも壊れるからには、心があらかじめ存在していないとならない [続きを読む]
  • あとがき
  • 洗濯するたびに靴下が片方だけになります。ずっと不思議で仕方ありませんでした。そう思っていたのは私だけではなかったようで、ある時、テレビ通販で(好き、つい見ちゃう)、洗濯のたびに靴下が片方になるのは世界の謎(ユニバーサルミステリーとか何とか)って言って、靴下がなくならないグッズを紹介していました。っていっても、靴下をそろえて入れられるネットなんですけど(笑) おおーとおもったけど、よく考えたらただの [続きを読む]
  • かたっぽだけの靴下 最終話
  •  気がつくとちいちゃんはお布団の中で横になっていました。「ちいちゃん、はやく起きないと小学校に遅れるわよ」 洗濯物を干そうとしてベランダにむかうお母さんが起こしにきました。夜中に洗濯機の中に入ってトビーに出会ったのは、全部夢だったのでしょうか。 いいえ、夢ではありません。その証拠に、ちいちゃんはピンクの靴下と、赤と白のしましま模様の靴下をはいていました。なくなったはずのその靴下はちいちゃんが洗濯機 [続きを読む]
  • かたっぽだけの靴下 8
  • 「さあ、僕も町に帰って父さんたちに報告しなくちゃ」 トビーが家の話をしたので、ちいちゃんは急におうちが恋しくなりました。何かの拍子に洗濯機の世界へもぐりこんでしまったちいちゃんですが、どうやったらおうちに帰れるのかわかりません。お父さんやお母さんに会いたいとおもったら、もう涙が止まりませんでした。「ちいちゃん、どうしたの?」「おうちへ帰りたいけど、どうやったら帰れるかわからないの」「それは困ったな [続きを読む]
  • かたっぽだけの靴下 7
  •  いよいよジャンプしようとする時でした。「そのスイッチを入れちゃダメだ!」 トビーでした。両手を交差させてふりながら、トビーは扇風機にむかって走ってきます。「トビー! 無事だったのね。やっぱりあなたもここに飛ばされてきていたのね!」 嬉しくてちいちゃんは小さなトビーの体をぎゅっと抱きしめました。「おいおい、人間の女の子。はやく扇風機のスイッチを入れてくれ。暑い、暑い」 山の上で綿ぼこりが文句を言っ [続きを読む]
  • かたっぽだけの靴下 6
  •  ちいちゃんが投げ出された場所は、洗濯物の山の上でした。ちいちゃんの体はぽんぽんと洗濯物の山の斜面を転がり、何かかたいものにぶつかってはじめて回転がとまりました。 かたいものにぶつけたおしりが痛くてなでていると、何やらうめき声のようなものが聞こえてきました。ちいちゃんが耳をすませてみると、声は洗濯物の山の上の方から聞こえてきます。はぐれてしまったトビーだろうと、ちいちゃんは大急ぎで洗濯物の山をかけ [続きを読む]
  • かたっぽだけの靴下 5
  •  山のドラゴンに会いにいくと言うと、ピーターさんとメアリーさんはものすごく反対しました。「ちいちゃん、ドラゴンはものすごく大きくて恐ろしいんだ。君の頼み事なんかきいてくれないよ。危ないからやめなさい」 大きくて恐ろしいドラゴンときいて、ちいちゃんはちょっと怖くなりました。しかし何もしないで雪に埋もれるのも嫌でした。 トビーもちいちゃんと同じ気持ちだったらしく、ちいちゃんの味方になってくれました。「 [続きを読む]
  • かたっぽだけの靴下 4
  •  トビーのおうちは、雪のまた雪の下にありました。トビーのおうちだけではありません。小人たちのおうちはすべて雪に埋もれてしまっていました。雪はどんどん降ってきます。小人たちは靴下の手袋をして一生けん命雪かきをしているのですが、とても間にあわず、すぐにおうちは雪に埋もれてしまうのです。トビーのおうちでも、おとうさんのピーターさんがせっせと雪かきをしていました。 家の中に入れば少しはあたたかいだろうとち [続きを読む]
  • かたっぽだけの靴下 3
  •  気がつくと、ちいちゃんは真っ白な世界にいました。右も左も上も下も、お洗濯したてのタオルのように真っ白です。 はっくしょん! 冷たい空気が体中を包んだのでちいちゃんはくしゃみをしてしまいました。 まわりが白いのは雪が降っているせいでした。雪の上に裸足でパジャマ姿のままで立っているちいちゃんは寒くて仕方ありません。靴下があったらはくのにとちいちゃんは残念に思いました。ここが洗濯機の中の世界なら、もし [続きを読む]
  • かたっぽだけの靴下 2
  • その日の夕方、いつものようにお母さんのお手伝いをして靴下をたたんでいたちいちゃんは、隠しておいたはずの靴下が洗われてしまったと気づきました。 あわててちいちゃんは自分の靴下だけさがしました。赤い靴下の右足と左足、緑の靴下の右足と左足はちゃんとそろっていました。でもお気に入りだったピンクの靴下だけ、どうしても片っぽみつかりません。お洗濯してしまったので、なくなってしまったのです。ちいちゃんはすごく悲 [続きを読む]
  • かたっぽだけの靴下 1
  • 「また靴下が行方不明!」 お母さんのお手伝いで洗濯物の靴下をたたんでいたちいちゃんは大きな声をあげました。ちいちゃんの右手には、赤と白のしましま模様の靴下が片方あるだけです。もうひとつあるはずの左足用の靴下はどこをさがしてもみつかりません。お父さんの靴下、お母さんの靴下、ちいちゃんの他の靴下も右足と左足両方そろっているのに、ちいちゃんのしましま模様の靴下だけ、片方しかないのです。片方だけの靴下では [続きを読む]
  • あらすじ
  • 洗濯するたびに片方だけになる靴下。不思議におもった小学一年生のちいちゃんは洗濯機をのぞきこんで、洗濯機の世界へとのみこまれてしまう。そこで知る靴下が片方だけになってしまう秘密とは。 [続きを読む]
  • 【雑記】W杯優勝物語
  • ドイツが優勝してくれて、気分は最高! まだ余韻にひたって頭がぼーっとしてます。レーブ監督が就任以来、ドイツを見守っていたので、今回の優勝はとてもとても嬉しい!しかも今回の優勝に至るまでがまるで大河ドラマをみているようでもあり、物書きのはしくれとしてはそのストーリーにも胸が熱くなるのです。ラーム、ポドルスキー、シュバインシュタイガー。彼らが代表に加わったばかりのころ、若さゆえに不安定になるときもあり [続きを読む]
  • あとがき
  • 買うと高いので野菜を育てています。水と太陽と土。これらが何より重要な野菜づくり。堆肥づくりからはじめます。この堆肥があるとなしとでは野菜の出来がまるっきり違います。その堆肥。いろいろな作り方があるようですが、私は落ち葉や野菜の切りくずなどを混ぜて作っています。たまにウシのンコをまぜたりします。人間が手をかけるとこうなるけど、自然界では落ち葉に動物の死骸などがいりまざってよい土となります。人間も動物 [続きを読む]
  • 有機野菜 最終話
  •  加山の息子、加山武彦が再婚したらしいと聞いたのは静香からだった。夏休みが始まったばかりの頃だった。この先1か月、昼食を用意し続けないとならないのかと憂鬱な思いで夕食の買い物をしていた時である。静香の方から話しかけてきて、夏休みが憂鬱でという話から、加山の再婚話になった。「そういえば、加山さんとこの息子さん、再婚したらしいわよ」「離婚していたんですか」「単身赴任だなんていってたけど、本当は外に女を [続きを読む]
  • 有機野菜 5
  • 「片岡さんじゃないの。お久しぶり」 鮮魚売り場で夕食のおかずをみつくろっていると、声をかけてきたのは近所に住む主婦の志村静香だった。渉と同じ年の男の子と1つ上の女の子との二児の母親で、恵子たちが引っ越してきたばかりのころ、何かと世話になった。恵子同様、専業主婦で気があったのだが、パートの仕事をみつけた最近では会うことも少なくなった。どうやら仕事帰りにスーパーに寄ったようで、静香のカゴには出来合いの [続きを読む]
  • 有機野菜 4
  • 春になった。冬の間、閑散としていた販売所に再び野菜が並び始めた。秋植えの新玉ねぎである。甘味が強いのでサラダにでもするかと恵子は一袋買った。 さっそく調理しようと包丁を入れたところで、恵子は悲鳴をあげ、台所を逃げ出した。「何だよ」 切り裂くような悲鳴を聞いて、航一がソファーの端から顔をのぞかせた。日曜のこの日、航一は家に居、ゴルフ中継を見るうちにうたた寝していた。恵子は唇をわなわな震わせるばかりで [続きを読む]
  • 有機野菜 3
  • 「友達と遊んでくる!」 そう言うなり、渉はもう玄関を飛び出していた。 食卓にはおやつに出したトウモロコシの軸が転がる皿があるばかりである。 すっかり野菜嫌いでなくなった渉に、恵子は茹でたトウモロコシを与えた。ゆでて塩を軽くふるだけの手軽なおやつである。旬をむかえたのでスーパーでも販売所でも安く手に入る。販売所で大量のトウモロコシを買ったので、渉のおやつにまわした残りは実をそいで冷凍にしてしまった。 [続きを読む]
  • 有機野菜 2
  •  旬をむかえたのか、販売所には袋詰めにされたインゲンが山積みになっていた。一袋が赤ん坊の頭はありそうな量で100円の値がついている。 胡麻和えにするか味噌汁の具にするくらいしか使い勝手のなさそうなインゲンだが、量があれば立派なおかずになる。恵子は迷わず手を伸ばし、傍らの箱に100円玉を入れた。 帰宅するなり、恵子は夕食の支度にとりかかった。買ってきたインゲンをざるにあけ、軽く水洗いする。ベレー帽を [続きを読む]
  • 有機野菜 1
  •  まず頭を切る。それからひげ根のついた尻を切り落とす。胴体を起こし、平らになった頭頂部に包丁をあて、繊維に沿って一気に刃を入れる。 玉ねぎは身二つに割れ、まな板の上に転がった。あとは切れ込みを入れ、みじん切りにするだけなのだが、横たわる半身に恵子の目は釘づけになった。 身の中心には丸や長方形といった見慣れぬ形のものが詰まっていた。どうやら芽が出始めたものを手にしてしまったらしい。芽となる部分―萌芽 [続きを読む]