tistou さん プロフィール

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tistouさん: Wild Oat Days
ハンドル名tistou さん
ブログタイトルWild Oat Days
ブログURLhttp://wild-oat.net
サイト紹介文アラフォーシングルの管理人が日々のさまざまを思うままにつづるブログ。日・英で運営しています。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供12回 / 365日(平均0.2回/週) - 参加 2014/01/08 21:18

tistou さんのブログ記事

  • なります、なりません。
  • 「〜になります」という、いわゆるバイト言葉は日本語として正しくないと指摘されて久しい。「〜に成る、為る」という表現は、主に、それまでとは違った状態や形に変わることを意味する。それなのに、「こちらコーヒーになります」と目の前にコーヒーが出されたとして、それは既に厳然たるコーヒーそのものであってコーヒー以外の何ものにもなるわけではないか! というのが指摘の主旨である。 それでも、この表現を今でもあちこ [続きを読む]
  • 花桃の季節に
  • 庭の一角で花桃が咲いていた。まだ若い桃色の花をつけた枝と紅色の花をつけた枝が交差して、そこだけが色鮮やかに華やいでいた。  私が子どもの頃、祖父母の家の庭はもっと雑多で小さな森のようだった。巴旦杏やグミの木があって、実がなると兄弟やいとこと競い合うように食べていた記憶がある。それらの木はもうない。庭は背の低い植木がすっきりと整えられ、洒落た庭石の向こう側には、いつの間にか幅を拡張してコンクリート舗 [続きを読む]
  • 先生のスープ
  • 人にものを教えるということをしていたとき、伝えたはずの大切なことが、生徒の頭の中にカケラしか残っていないとか、すっかり抜け落ちているということが少なからずあった。もちろん、私の技量の問題は無視できないけれど。 成果の乏しい授業のあと、肩を落としてため息をつく私を見て、上司が、「伝えたことのうち、生徒の頭に残るのは3パーセントなんだよ」と言い、だからこそ大切なことは繰り返し伝えなきゃだめなんだ、と教 [続きを読む]
  • 再会と後悔
  • 数年ぶりで、彼に会いに出かけた。初めて彼と会った時、私はまだ20代だった。 私はあの頃とは随分違う。当然か。だってもう四十路を超えたのだもの。体力だってずいぶん衰えた。疲れやすくなった。 けれども、彼は少しも変わっていなかった。1ミリほども。その端整な顔立ちを惚れ惚れと眺めながら、私はため息をついた。 彼は涼しげな切れ長の目でじっと一点を見据えたままだった。その額には第三の目とやらがしっかり見開かれ [続きを読む]
  • あれも鍋これも鍋
  •  クリスマスの休日、夜に友人と韓国料理屋で会う予定しか入っていなかった私は、永遠に終わらない断捨離の矛先をキッチン周りに向けた。シンク下から、蓋のない土鍋が出てきた。巣鴨の地蔵通りの縁日に、人の良さそうなおじさんの、「この鍋で調理すると遠赤外線効果でおいしくできるよ」という言葉にのせられて買った鍋だった。確かに使い勝手がよくて、カレーやら煮物やら作るのに重宝していたのだけれど、ある時、手を滑らせて [続きを読む]
  • 誤解
  •  以前から約束していた公演を見るために2ヶ月ぶりに友人と待ち合わせ場所で会ったとき、何だか気恥ずかしい気がした。向こうも同じみたいだった。というのも、この友人と出会ってから結構な頻度で飲み歩いていて、2ヶ月も会わなかったのは初めてのことだったからだ。 会って話してみれば、お互いが相手からの連絡を待っていて、連絡がないのは相手に嫌われてしまったからかもしれないと思い込んでいたのだった。まるで私たちは [続きを読む]
  • 笑う女
  • ひとり飯を喰らう人が好きである。  いつだったか、月島の店でひとり、お好み焼きを食べている青年を見かけたことがある。私は連れの肩越しに彼を見ていた。とても楽しそうだったから、ついつい目が離せなくなってしまったのだ。青年は丁寧にお好み焼きを焼き、ソース、マヨネーズ、青のりをかけて仕上げた。それから手を合わせていただきますをして、ヘラで器用に一片を切り出して口に運んだ。青年が満足げな笑みを浮かべながら [続きを読む]
  • 鯉のあらい
  •   先日、またひとつ歳をとった。  疲れがとれない。ちょっと食べたらすぐ太る。  歳上のおねえさんたちが口々にいっていたことを実感する今日この頃だ。*「おねえさん、上がっていきなさいよ」 実家に帰省中、近所のおじさんたちの宴に誘われ、断りきれず上がらせてもらうことになった。「はいよ、飲める口なんでしょ」とコップを渡され、秋田の酒をなみなみとつがれる。 おじさんたち5、6人が囲むテーブルには、和洋中の [続きを読む]
  • えびフライ
  •  お盆中は通勤電車もすいているなあと思ったのも束の間で、朝の電車もいつもどおりの混雑が戻ってきた。なんだかこの夏は体がいつもよりしんどくて、休日は家でゴロゴロ過ごすというのが定番になっているが、夕方近くにふと気が向いて、巣鴨へ出かけた。大雨が降りやんだあとの平日の地蔵通りには人もまばらだったが、ときわ食堂だけはひっきりなしに客が訪れ、賑わいをみせていた。わたしの目当ては、この店の名物、えびフライ定 [続きを読む]
  • プライオリティ
  •  先日、親戚であつまる機会があり、食事が終わったあとでお茶を飲んだりしながらまったりしていたときのことである。「どうしてトイレに行かないの!」と従妹が小学校1年生になる息子を叱っていた。見ると彼のズボンの股のあたりが濡れているのが見て取れた。叱られている本人はどうかというと、表情ひとつ変えずにしれっとしている。そして従妹の小言が終わるや否や、さっさと彼自身の従兄弟たちの輪の中に戻り、きゃっきゃっと [続きを読む]
  • 薄水色の空
  •  その日の夜、私は上野の焼き肉屋で友人と飲んでいた。焼酎も3杯目のおかわりをした頃、ふと脇においたバックに目をやるとケータイが光っていて着信に気づいた。母からだった。急いで出ると、祖父が亡くなったことを告げられた。詳しいことはまた後で連絡するからと言って電話は切れた。祖父は少し前に退院してしばらくは元気で意識もはっきりしていたのに、再び入院になって2日後には娘である母のことも分からなくなり、食べる [続きを読む]
  • ある朝、ダブリンバスに人生をみる
  • 今回、アイルランドではキラーニーへ行こうと決めていた。国立公園があるキラーニーは人気のスポットで、ダブリンからは列車で3時間ほどの距離だ。ナンバー175のバスに乗れば終点のヒューストン駅まで1時間くらいだと滞在先のファミリーから教えられて、出発当日、余裕を持って朝の7時過ぎに家を出た。9時の列車に乗ることができれば昼頃にはキラーニーに着く。バスの停留所に着くと同時に、向かってくる175バスが見えた。なん [続きを読む]
  • ミゼラブル、ミゼラブル
  • 久しぶりに再会した友人とワインを飲みながら軽く食事をし、サヨナラして店を出ると雨がひどく降っていた。そして、身をすくめるほどに寒かった。ミゼラブル。天気がめまぐるしく変わり、しょっちゅう雨が降るアイルランドではミゼラブル(miserable)という言葉をよく耳にする。みじめなとか哀れなという意味だが、どしゃぶりやひどい天気を指しても使われるのだ。 まったくもって気がめいるようなミゼラブルな天気だと思いつつも [続きを読む]
  • ダブリンのジャパニーズボーイ
  • ダブリンの国立装飾美術・歴史博物館を訪れた。広場を囲むように無機質な印象の建物がどっしりと構える。もとは兵舎として建てられたものだ。広場に兵士の格好をした若者たちがいて、その周りを人々が取り囲んでいた。イベントの一環らしい。アイルランドの人々にとって今年は1916年のイースター蜂起から100周年というビッグイヤーだ。街のいたるところにイースター蜂起関連のグッズやイベントの広告を見かける。博物館の中にアジ [続きを読む]
  • パブのすすめ〜O’NEILL’Sにて〜
  • アイルランドといえばギネスが有名だが、もちろんそれ以外にもたくさんのビールが飲まれている。最近はクラフトビールの人気の高まりとともに、新しい銘柄を見かける。ギネスが出したラガー HOP HOUSE 13だとか、キラーニーだとか。日本では味わえない銘柄を味わってみるのも楽しみのひとつだ。たくさんの種類を試したい人なら醸造所を兼ねているJ. W. SWEETMAN のようにテイスティングができるパブも気にいるに違いない。特に目当 [続きを読む]
  • 晴れのち雨、そして雹が降る
  • ダブリンは予想以上に寒かった。人々は冬の格好をしている。分かっていたつもりだったのにしくじってしまった私は、チワワのように震えている。こちらに来る前、偶然会ったアイリッシュにアイルランドに行くことを伝えると、2人が2人とも「知ってると思うけど、天気については謝っておくよ」と言った。アイルランドの天気は目まぐるしく変わる。晴れていたと思ったら雨が降る。降ったかと思えばまた青空が顔をのぞかせ、その10分後 [続きを読む]
  • 空港で
  • ダブリンまでの乗り換えには1時間。手荷物のチェックを終えてゲートについた頃には、搭乗時間まであと20分ほどになっていた。そこで私は小さなリベンジを図ることにした。前回ダブリンを訪れた2年前、日頃の疲れが出たのか体調が戻らないまま滞在を終えた。帰りにフランクフルトで乗り換えだったのに、待ち時間の間ドイツビールを飲む気にもなれなかった。そのことをちょっぴり悔やんでいたのだ。グラスの生ビールを買って席を探す [続きを読む]
  • とりどりみどり〜アイルランド旅行記エピローグ〜
  • 久しぶりに会った友人と飲んでいたら、「なんだか、緑色ですね」と言う。なんのことかと思ったら、その日の服装の色使いのことらしかった。確かに私は緑色のスカートを穿いていて、トップスのボーダーにも濃いグリーンが入っていた。「あらっ、ネイルまでグリーンが入ってる!」グラスを持つ私の手を見て、彼女は少々驚いたように言った。「癒しを求めてるのよ、たぶん」私は笑って答えた。 それを言われたのは初めてではない。 「 [続きを読む]
  • 喉元すぎた熱さを思い出す
  •  ある日、外国人の名でFacebookの友達申請が送られてきた。知らない人から送られてくることもたまにあるからスルーしようかと思った矢先、その名前に思いあたった。もう20年近くも連絡が途絶えていたアイルランドの友人イーファだった。懐かしさとともに、ある思い出が蘇った。 1年の予定でアイルランドのダブリンにやってきた当初、部屋探しに苦労した。あの頃から誰かと一緒に暮らすのは無理そうだと思っていて、少なくとも個 [続きを読む]
  • ノルウェイの森とNorwegian Wood
  • 代々木にあるノルウェイ発のカフェ、フグレントウキョウで友だちと待ち合わせをした。ウッディな印象で、外壁に密着したベンチと小さなテーブルが等間隔で置かれていてテラス席のようになっている。平日の昼間だというのに、雑談にふける人たちやパソコンを持ち込んでなにやら作業をしている人たちで込み合っていた。なかなか洒落たカフェだった。友だちとサヨナラしたあと、ノルウェイつながりでビートルズの曲「ノルウェイの森 [続きを読む]
  • ノルウェイの森とNorwegian Wood
  • 代々木にあるノルウェイ発のカフェ、フグレントウキョウで友だちと待ち合わせをした。ウッディな印象で、外壁に密着したベンチと小さなテーブルが等間隔で置かれていてテラス席のようになっている。平日の昼間だというのに、雑談にふける人たちやパソコンを持ち込んでなにやら作業をしている人たちで込み合っていた。なかなか洒落たカフェだった。友だちとサヨナラしたあと、ノルウェイつながりでビートルズの曲「ノルウェイの森 [続きを読む]
  • ももちゃん
  •  従妹の娘に、ももちゃんという子がいる。生まれたての頃に見たきり時間が経って、次に会った時は2歳になっていた。「こんにちは」と挨拶すると、「ねえ、私、かわいいでしょ?」というのが、ももちゃんの第一声であった。確かにももちゃんは目がぱっちりして、しっかりしたまつ毛も長くてかわいかったが、白雪姫の継母ばりのうぬぼれの強さに驚いた。近頃の子どもはやっぱり違うんだなぁと舌を巻いた。 先日福島に帰省したと [続きを読む]
  • おばちゃん問題
  •  ある休日、用事が早めにすんで家の最寄り駅についた。春めいてきて暖かかったのでそのまま近くの公園に足を向け、ベンチに腰をおろしてグラウンドで遊んでいる子どもたちを眺めていた。 目の前に、キャッチボールをしている男の子2人組がいた。小学4〜5年生ぐらいだと思う。ひとりはキャッチャーミットを持っていた。そのうちもうひとりがピッチャーが投げ込むような体勢でボールを投げ出したので、バッテリーを組んでいるん [続きを読む]
  • 思わぬ共感 
  •  ちょっとした知り合いに、食いしん坊の幼い女の子がいる。口ぐせは「お腹がすいた」である。出会ったばかりの頃はぽっちゃり具合がかわいらしかった。私も食い意地のはった子どもだったので初めは微笑ましく思っていたが、見かけるたびに少しずつふくらんでいるので心配になってきた。しかも、他の子と分けるんだよ、と大人からもらったお菓子をためらいもなくひとりでたいらげてしまう始末。次第に彼女が繰り返す「お腹がすいた [続きを読む]
  • ある日、変態について考える
  •  あるとき、あるひとがお茶をすすりながら言った。「そうは言っても、君も実は変態でしょう? うん、変態だと思うよ」 分かるんだよ、なぜなら僕も変態だからね、とそのひとは自信ありげに続けた。それから数週間後、知人たちと歓談中に、なかのひとりから至極カジュアルな感じで、「そうは言っても、そういう自分、変態やんか」と指摘を受けた。そのひとも、分かるさあ、俺も変態やからな、と続けた。私はごく短期間に、繰り返 [続きを読む]