天竺堂 さん プロフィール

  •  
天竺堂さん: 天竺堂の本棚
ハンドル名天竺堂 さん
ブログタイトル天竺堂の本棚
ブログURLhttp://blog.livedoor.jp/book_tenjikudo/
サイト紹介文読書は娯楽の最高峰。楽しい読書体験をつづります♪
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供63回 / 365日(平均1.2回/週) - 参加 2014/01/30 14:48

天竺堂 さんのブログ記事

  • ゴールデンカムイ(1〜9)
  • 明治末期の北海道を舞台にしたオタカラ争奪戦。なかなかに陰惨で血なまぐさい物語なんだけど、カラッと乾いていて、どこかトボケたような雰囲気が漂ってるところがユニーク。そのせいか、アイヌのグルメネタをはじめ、西部劇やサイコホラー、果ては「8時だョ!全員集合」まで、いろんな要素がテンコ盛りなのに、作品内で違和感なく溶け合ってる。大娯楽巨編なマンガです♪ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックス)posted wi [続きを読む]
  • すべての見えない光
  • どこか遠くから電波に乗って飛来する声や音楽を、雑音の中からすくい取るラジオ。ツマミをいじってると、ノイズが突然、耳慣れない異国語の歌に変わってビックリしたりして。このIT社会では古くさいのかも知れないけど、独特な感動を呼び起こす機械でもあると思う。そんなラジオでもって、ドラマチックな物語が展開するのが本書。第二次世界大戦が迫るヨーロッパに生きる、ドイツの孤児の少年と、フランスの盲目の少女。接点など [続きを読む]
  • プレイバック
  • こちらを見下そうとする尊大なクライアントを、鋭い皮肉でやり込めたい。拳銃を突き付けられたら、「あくびが出そうだ」と余裕カマしたい。大金の小切手をチラつかせられても、無関心に振る舞いたい。損得抜きで弱者の危機を救い、深く感謝されたい。リッチな美女から、「抱きしめて」なんて言われたい。…こんな願望を、フィリップ・マーロウは高いレベルでかなえやがるのです♪プレイバックposted with ヨメレバレイモンド チャ [続きを読む]
  • スペース金融道
  • SF版『ナニワ金融道』みたいな、宮内悠介の異色作。遠未来の植民惑星「二番街」を舞台に、「バクテリアだろうとエイリアンだろうと、返済さえしてくれるなら融資をする」という方針の惑星間企業「新生金融」の社員コンビが、「宇宙だろうと深海だろうと、核融合炉内だろうと零下190度の惑星だろうと取り立てる」というガッツでもって奔走する。物語の骨子からして面白そうなのに、実際の物語はさらにナナメ上。ガッツリとしたS [続きを読む]
  • 書楼弔堂 炎昼
  • 京極夏彦のオムニバス短編シリーズ第2弾。本が好きな人が、本が好きな人へ向けて書いてるような物語。本とは何なのか? 本を読むことで何が得られるのか? …そんなモロモロが、物語に織り込まれてる模様。舞台は明治時代だし、登場人物たちが直面してる問題も“明治的”なんだけど、ジェンダーだったりポピュラリティだったりオカルトだったり、何かと現代に通じてる。人間や社会の本質はなかなか変わらないものなんだろうし、 [続きを読む]
  • ヤマンタカ
  • 夢枕獏による、中里介山『大菩薩峠』のリブート作。薬売り時代の土方歳三が、「音無しの構え」を使う魔剣士・机龍之介との戦いを通し、剣客として成長していく物語。龍之介が虚無的な性格に育ち、恐るべき剣技を会得した、その背景に新設定が付与されており、それなりに説得力があって興味深い。真剣での立ち会いシーンは、読み手の痛覚に訴えるような、著者独特の生々しい迫力にあふれていて読ませます。殴り合いだけでなく、チャ [続きを読む]
  • 蜜蜂と遠雷
  • 恩田陸の音楽小説(?)。新人ピアニストの登竜門として知られる国際コンクールが舞台。異なる立場、異なる思惑、異なる才能を持ったコンテスタント男女4人、それぞれの挑戦を描く。ピアノが奏でる楽曲を文章で伝えようと、いろんな表現技法が駆使されていて、すっごく面白い。あの手この手の多様さは、夢枕獏の格闘シーンあたりに通じるかも。クラシック音楽業界の裏事情にも触れられてるけど、政治的・感情的ドロドロみたいな要 [続きを読む]
  • 夜行
  • 森見登美彦のオムニバス的な綺譚集。10年ぶりに集まった5人の男女が、奇妙な体験を語り合う。エピソードは多様だけど、失踪した女友達や、夭逝した銅版画家による連作「夜行」など、共通の背景がある。現実離れした怪異について、意味も理由も明示されなかったり。謎が謎を呼ぶ展開なのに、えらく唐突な幕切れが訪れたり。胸騒ぎを誘う不穏な気配が、物語全体を覆ってる。読後には、未消化なもどかしさというか、不条理感みたいな [続きを読む]
  • スローターハウス5
  • カート・ヴォネガットの自伝的SF小説(?)。時間の流れから解き放たれた主人公が、みずからの数奇にして陳腐な人生(戦場で猛爆撃に遭ったり、大富豪になったり、異星人に拉致されたり)を、冷めた目で俯瞰する。「そういうものだ」との言葉が全体に散りばめられ、諸行無常の諦念にあふれてる。シニカルでユーモラスで淡々としていてバカバカしい、なのにドップリひたってしまう。これまで何度も読み返してきたし、これから何度 [続きを読む]
  • 脳男
  • 連続爆破事件の爆弾魔を追い詰めていた警官隊の前に、突如現れた青年・鈴木一郎をめぐるサスペンス。何ともバランスの悪い小説で、脇役が不自然なほどに個性的だったり、設定や描写の細かいところと雑なところの落差が大きかったり。でも、それらを補って余りあるのが、感情が欠落してるという“脳男”、鈴木一郎の奇妙な魅力。謎めいた過去や、超人的な能力(特異体質?)が明らかになっていく過程で、グイグイ読ませます♪脳男 ( [続きを読む]
  • バーナード嬢曰く。(3)
  • 読む手間を最低限にしつつ、読書家として認められたい、見栄っ張りな女子高校生が主人公。のはずなんだけど、3巻では読書量が増えつつある模様。「叙述トリックものミステリとの出会い方」とか「へー/こんな表紙なんだ/私/芥川賞とか獲るずっと前の『文學界』掲載時に読んだから/知らなかったー」とか「帯で思いっきりネタバレされてる」とか「表紙カッコよくなったら/中身がおんなじ本/買い直したりしてるよね」とか。そん [続きを読む]
  • 池袋ウエストゲートパーク(1〜5)
  • 石田衣良の人気シリーズ。主人公は東京・池袋にある果物屋の一人息子。健気な弱者を助けずにはいられない義侠心があり、ボランティア的なトラブルシューターとして、さまざまな社会問題に巻き込まれてしまう。機知と行動力に富み、街の裏事情に通じ、ストリートギャングやヤクザ、警察に強力な人脈を持つ。有力者に気に入られることもあるけど、当人は大金や名声には興味を示さず、地域に密着した気楽な庶民生活に満足してる。…と [続きを読む]
  • ひとはなぜ戦争をするのか
  • アインシュタインとフロイトの往復書簡をまとめた本。時は1932年、第一次世界大戦は終わったけど、ヨーロッパにナチズムが台頭し始めてるころ。国際連盟から「もっとも大切と思える命題について、相手を好きに選んで意見交換せよ」との依頼を受けたアインシュタインが、「人間を戦争というくびきから解き放つことはできるのか?」との問いを、フロイトに投げかける。国家間の戦争を無くすためには、権力のある国際機関の設立が必要 [続きを読む]
  • 航空宇宙軍史・完全版(二)
  • 谷甲州のSF作品群「航空宇宙軍史シリーズ」の総集編第2巻。短編集2冊の合本。前巻で開戦時のエピソードが語られた第一次外惑星動乱、その大戦の輪郭を、太陽系各所での大小さまざまな戦いを通して浮き彫りにする。人類初の宇宙戦争なんだけど、派手なドンパチが展開する訳じゃない。互いが見えない遠距離からセンサー類を駆使したり、敵艦の軌道を予測しながら武器を放ったり…潜水艦の戦いにも似た緊張感や閉塞感があって、む [続きを読む]
  • 世代間交流施設の挑戦
  • 高齢者と児童の交流を進めてる福祉施設の事例集。ひとつの建物に特養と保育園が同居してる例や、保育園児たちが近隣の福祉施設を訪問してる例など、多様な8施設を紹介。世代間の触れ合いが双方に良い刺激となる、交流の利点・意義が、丁寧な取材によって良く分かる。支援する職員たちには苦労もあるそうだけど、それ以上に、お年寄りや子供らの笑顔が見られる喜びが大きいらしい。介護と保育が混在することから、公的制度が未整備 [続きを読む]
  • コロンビア・ゼロ
  • 谷甲州による「航空宇宙軍史」シリーズ22年ぶりの新作。地球-月連合と外惑星連合が戦った第一次外惑星動乱から40年後を描いた、オムニバス短編集。外惑星連合諸国が敗戦から復興し、戦勝国との摩擦が再び高まる中、太陽系の端々で起こるキナくさい出来事。これらは根底で関連しており、新たな動乱の引き金になる。このシリーズ独特の、渋い魅力で読ませます。実は戦争って、派手に“勃発”するものではなく、知らないところでいろ [続きを読む]
  • 幻魔大戦 Rebirth(1〜3)
  • 平井和正と石森章太郎が手がけた『幻魔大戦』の続編。平井は小説として書き継いだものの袋小路に入り、石森によるマンガの新章は中断してしまった。それら数々の前作を踏まえながら、すべてが過去にさかのぼって再度(再々度?)リセットされた“平行世界”という設定で、大風呂敷を畳みなおす力技に出てる。こーゆーのは大好き。小説版みたいに主人公の内面へと縮小していくことのない、石川賢『虚無戦記』みたいに作者の手に負え [続きを読む]
  • 航空宇宙軍史・完全版(一)
  • 谷甲州のSF作品群「航空宇宙軍史シリーズ」の総集編。その第1巻は、長編2本がまとめられた、お得な一冊。人類が太陽系へ進出してる未来世界を舞台にした、連作の戦記モノ。なんだけど、“スペースオペラ”からは程遠く、美形の少年少女キャラとは無縁だし、最終兵器も異星人も超光速航法も出てこない。1作目「カリスト−開戦前夜−」では木星の衛星国家で、2作目「タナトス戦闘団」では月面都市で、現在の延長線上に現れそう [続きを読む]
  • いま世界の哲学者が考えていること
  • 現代社会の難題について、哲学方面からのアプローチを紹介した本。予想を超えて進展する科学技術とか、既存の価値観を揺るがす事件・現象とか、そーゆーモノゴトに直面する時こそ哲学が有効らしい。なぜなら、俯瞰的な視点から「これはそもそもどのような意味なのか?」「これは最終的に何をもたらすのか?」と問い、考える学問が哲学だから。人工知能や遺伝子工学、宗教対立、環境破壊などについての、世界の識者たちによる最先端 [続きを読む]
  • デューン砂丘の子供たち (1〜3)
  • 名高い大河SFの3作目。石森章太郎が挿画を手がける旧版を読みました。皇帝&救世主の血を受け継ぎ、人類すべての遺伝的記憶を持ってるという異能の双子が主人公。銀河帝国の覇権をめぐっての、双子と政敵たちの陰謀・暗闘が描かれる。思弁的にして難解な会話が多く、場面や状況がなかなか頭に入ってくれない。それでも無理矢理にページをめくるうち、壮大な物語が何となく把握できるように。小難しい語らいは“味付け”というこ [続きを読む]
  • 不登校という生き方
  • 不登校児童らのためのフリースクールを運営してきた著者が、自身の経験から、教育制度の改善を提言してる本。学校という枠組みに合わせられない子供たちが、拒絶反応を示した結果が不登校。その対策として行政側が設けてるスクールカウンセラーや適応指導教室は、基本的に“学校復帰”を促すものであり、つまりは「不登校は(学校に通えない)子供側の問題」。これに対し、著者は「不登校は(子供が通わない)学校側の問題」として [続きを読む]
  • なるほどデザイン
  • 印刷媒体というか2次元媒体向けの、デザインの指南本。ボンヤリとした構想を媒体に具現化させていく、企画から仕上げまでの各プロセスで必要とされる判断・作業の数々を紹介。テクニックやパターンの羅列ではなく、作り手の「こんな効果を出したい」「こんな印象を抱かせたい」という意向に基づいてるところが特徴的。本書自体、とても見やすくて分かりやすく、そして面白い、デザインの良質なお手本になってます。初心者からプロ [続きを読む]
  • 学歴の経済学
  • 教育制度の“不都合な真実”が分かりやすく書いてある本。巷にはびこる「中卒より高卒・高卒より大卒。同じ高校、大学だったら偏差値が高い学校に進学することが将来の豊かさを約束する」という学歴モデルの、現状との乖離や、人生を狂わせる危険性などを、数々のデータや実例でもって説明。奨学金を使って大学へ進学することは、不動産投資で高収入を目論むことと、構造的には同じらしいぞ。そこで著者は、学歴モデルの中で競争す [続きを読む]
  • 希望荘
  • 宮部みゆきの連作短編集。甘くはないけど胃腸に優しいプレーンヨーグルトみたいな主人公・杉村三郎が事件に巻き込まれる、社会派ミステリシリーズの一冊。前話で“逆玉の輿”からドロップアウトした主人公は、帰省先で奇妙な人物に見込まれたり、不気味な出来事に遭遇するうち、いつしか探偵稼業へ。男子が理想とする職業のひとつが探偵なんだろうけど、就業方法がよく分からない。だから、探偵という職業へ運命的に引き寄せられて [続きを読む]
  • 学校へ行く意味・休む意味
  • 不登校の原因をマクロな視点で考察した本。不登校が年々増加してる背景には、この社会の「子供が学校にかようのは当たり前」という“大前提”あるいは“自明性”みたいなものが、崩壊しかかってる実態があるらしい。かつて学校は、教師という“聖職者”がいる厳粛な空間であり、人生を豊かにする教養を身に付ける場であり、立身出世に欠かせないステップでもあった。ところが現在では、教師や学舎から威厳が消え、受験向けの知識が [続きを読む]