日高千湖 さん プロフィール

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日高千湖さん: 夢見月夜曲
ハンドル名日高千湖 さん
ブログタイトル夢見月夜曲
ブログURLhttp://yumemizukiyakyoku.blog.fc2.com/
サイト紹介文ようこそ日高千湖のオリジナルBL小説ブログです♪現在、『薄き袂に宿る月影』から作品を移転中です。
自由文旧ブログ『薄き袂に宿る月影』から引越して参りました!
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供261回 / 365日(平均5.0回/週) - 参加 2014/02/17 00:03

日高千湖 さんのブログ記事

  • 大嫌いなのは、ヒーローです。【前編】
  • ★桜の時期とは外れてしまいました。すみません。同じ時期に3作同時に書き出したものですから。咲きて散りにし花ならましをに「ヒール」として出て参りました、梅田耕太(ウメちゃん)のSSです。2月に開催しましたキャラ投票所でウメちゃんを猛烈に推して下さった方がおられまして(笑)そういえばどうしてるだろう、と思った次第です。興味のない方もおられましょうが、「そういえば『ウメちゃん』っていたな」、的な感じで読 [続きを読む]
  • 春うらら、恋うらら・29〜『待つ夜ながらの有明の月』番外編
  •  三木店長が見つけてくれた桜の名所は、ある大学のキャンパス内にある公園だった。『公園』と言っても遊具があるわけではない。戦前はある皇族のお屋敷があったという場所には大学の美術館が建ち、広い庭だけが残っているという。その庭を利用して、学生たちや一般の人が自由に使える公園として開放してあるのだそうだ。「ここは穴場中の穴場だ」という三木店長の言葉を信じて、俺たちは弁当を持ってやって来たのだった。「この土 [続きを読む]
  • 春うらら、恋うらら・28〜『待つ夜ながらの有明の月』番外編
  • 「ただいま〜っ!」「お疲れ、輝也」枝野くんの明るい声が事務所に響いた。猪俣さんも上機嫌だ。 「お帰りなさい」猪俣さんたちが店に戻ってきたのは午後5時5分前。仕事中に外出しても、いつもなら余裕を持って店に戻ってくる猪俣さんだが、今日はギリギリだ。猪俣さんは朝から色々と準備していたらしく、夜の営業には差し障りはないようだ。慌てる様子もなく、悠々と着替えて厨房へと移動して行く。 枝野くんは5時までの勤務 [続きを読む]
  • 春うらら、恋うらら・27〜『待つ夜ながらの有明の月』番外編
  •  あれから、枝野くんが鶴橋さんを無視したりする事はなくなった。枝野くんは鶴橋さんがいると、ちょっとだけ緊張しているようにも見える。逆に鶴橋さんは一切遠慮なく「祥馬」と呼んで、「はい」と返事をもらえるようになり嬉しそうだ。 だが、猪俣さんだけが取り残された感じがするのか、ご機嫌が悪い。俺たちが《SUZAKU》に移動してからの事を「どうだった?」と聞かれたが、俺は「枝野くんを説得しました」としか言わな [続きを読む]
  • 春うらら、恋うらら・26〜『待つ夜ながらの有明の月』番外編
  •  店を閉めて帰宅したのは、もうすぐ日付が変わろうかという時間だった。 《SUZAKU》に寄ろうかと思ったけれど、それよりも圭介さんの夜食を準備しながら頭を冷やしたかった。胸に痞えているのは、身勝手な者たちへの怒りだと思う。枝野くんから聞いた母親の姿が、会った事もないまあちゃんの母親の姿と重なり、俺を置いて男と逃げ出した俺の母の姿と重なった。腹の中で怒りが沸々と滾っていた。枝野くんやまあちゃんの母親 [続きを読む]
  • 春うらら、恋うらら・25〜『待つ夜ながらの有明の月』番外編
  •  枝野くんは寂しそうな表情をして鶴橋さんを見つめた。今まで鶴橋さんには笑顔を向けた事がなかった彼が、微かな気持ちの変化を見せた。本当は再会してからずっと、「お兄さん」と呼んで甘えたかったんじゃないのだろうか。「ごめん、お兄ちゃん」今、笑っていいのか、怒っていいのか、枝野くん自身がわからない感じ。鶴橋さんの人柄をみれば、その父親も『優しくて良い人』という枝野くんの評価には頷ける。実直な人だろうな。「 [続きを読む]
  • 春うらら、恋うらら・24〜『待つ夜ながらの有明の月』番外編
  •  枝野くんは、鶴橋さんとはとことん接触したくないようだ。《SUZAKU》の新メニューにサンドウィッチを採用したい圭介さんの要望に応えて、鶴橋さんはアボカドのサンドウィッチを提案したわけだけど・・・。《ビストロ・325》の枝野くんが焼いたパンを《SUZAKU》で使う、という提案を枝野くんが承知してくれない。しまいには、俺が一番危惧していた事を言い出したのだ。「僕、辞めます」プイッとそっぽを向いた枝野 [続きを読む]
  • 春うらら、恋うらら・23〜『待つ夜ながらの有明の月』番外編
  •  圭介さんは俺にウィンクしてからソファーに座った。長い足を組んで、三木店長が淹れてくれるコーヒーを待っている。フラスコの中にコーヒーが落ち、香りがゆっくりと広がっていく。静かな時間が過ぎていくのを感じながら、俺は《銀香》を思い出していた。「三木くんのコーヒー、久し振りだな」「今日のはドミニカのだよ。香りが甘い」「コーヒーは苦味がいいのに」コーヒーは頭の中のゴチャゴチャが吹っ飛ぶくらい苦いのが好き、 [続きを読む]
  • 春うらら、恋うらら・20〜『待つ夜ながらの有明の月』番外編
  •  《ビストロ・325》のスタッフは、休憩中に使うカップを各自で準備して置いている。枝野くんのカップは、白地に黄色いインコと青いインコが並んでいる可愛らしいデザインだ。インコは枝野くんのマイブームのようだ。出勤して来た枝野くんのカップに、俺はいつものように淹れたてのコーヒーを注いだ。 昨夜、俺と別れてからどうしたのか、聞きたいけど聞けない。猪俣さんなら軽い感じで「昨日のおデートはどうだった?」って聞 [続きを読む]
  • 春うらら、恋うらら・19〜『待つ夜ながらの有明の月』番外編
  •  枝野くんは店を閉めるまで事務所にいて、夜のまかないも俺たちと一緒に食った。店が忙しいから俺も猪俣さんも彼を完全に放置していたが、鶴橋さんに言ったような買いたい物はないようだった。嘘も方便ってやつか。俺は時々、本社からのメールのチェックや電話の為に事務所に戻っていたが、枝野くんはその間ずっと大人しく本を読んでいた。ミステリーが大好きだという枝野くんは、靴を脱ぎソファーの隅で足を抱え込むようにして本 [続きを読む]
  • 春うらら、恋うらら・18〜『待つ夜ながらの有明の月』番外編
  • 「父が再婚して、義母に連れられてやって来た祥馬はまだ小学生で。可愛いらしかったんですよ。あっ、今でも可愛いですけどね。男なのに可愛いとか、可笑しいですかね?大きな瞳が愛らしくて」鶴橋さんは小学生時代の枝野くんを思い出したのか、懐かしそうに言った。「可愛らしかったんですよ」と言った時なんか、自慢げでもあった。「祥馬は父にはなかなか馴染めなかったようですが、俺にはすぐに懐いて『お兄ちゃん、お兄ちゃん』 [続きを読む]
  • 春うらら、恋うらら・17〜『待つ夜ながらの有明の月』番外編
  •  翌日からなぜか、鶴橋さんが《ビストロ・325》に来るようになった。「お客さまとして」ではなく、『S−five』の社員として、ね。正確にはまだ『社員』ではない。通常3ヶ月の試用期間を経てから正社員として採用されるから、鶴橋さんは山下店長から『研修』というお墨付きをもらってきたのだ。 翌朝、山下店長に連れられてやって来た鶴橋さんを、枝野くんは無表情で迎えた。「祥馬、昨日はありがとう」「いいえ、どう致しま [続きを読む]
  • 春うらら、恋うらら・16〜『待つ夜ながらの有明の月』番外編
  •  猪俣さんと枝野くんが店先で話しをしている。いい感じだ。猪俣さんの手が枝野くんの頭にさりげなく触れ、ニット帽の位置を整えた。「帽子、曲がってるぞ」、「ありがとう」、なんて、会話が聞こえてきそうな感じ。2人とも良い表情で、まるで恋人にするような猪俣さんの行動を受け入れている枝野くんを見て、俺はホッと胸を撫で下ろした。「このままくっ付いちゃえばいいのに」、と思わず口に出してしまったくらいだ。毎日のよう [続きを読む]
  • Love eternal【後編】
  •  観桜会の当日は、比呂人の日頃の行いが良かったのか悪かったのか快晴の予報だ。雨が降ろうが、風が吹こうが、観桜会には差し障りはないとはいえ、晴天の下で咲き誇る桜を観る方が楽しいに決まっている。出来れば満開の桜をね。 『井上家』と一口に言っても、比呂人の兄弟姉妹だけでも7人いるわけだ。井上家は代々子沢山の家系なのか、親族が多い。先々代総帥の兄弟姉妹の家族は今でも、『円井グループ』傘下の会社や系列企業で [続きを読む]
  • Love eternal【前編】
  • ★ちょっと時期外れです、すみません。お読み頂ければわかるかと思いますが、思いっきり4月上旬のお話です。 昨夜はバラバラと雹が降った。風も強く、4月だというのに気温は10度を下回った。前日の天気予報では「雪の恐れもあります」と報じていたが、新入社員の門出を祝うかのごとく、今にも雨を降らせそうな曇天はなんとか午前中だけもってくれた。執務室の窓には打ち付ける雨。この風では、桜も散ってしまうな。 僕は、黒 [続きを読む]
  • 春うらら、恋うらら・15〜『待つ夜ながらの有明の月』番外編
  •  ランチ営業が終わり店を閉めた瞬間には溜息しか出なかった。営業時間に集中力を欠いてしまい、反省。事務所に戻れば、スタッフがいるから溜息は吐けない。 鶴橋さんは牛の頬肉の煮込みとレンズ豆のサラダ、クリームブリュレとコーヒーを食べ終えた後、厨房を見学した。気さくに猪俣さんや他のスタッフに話し掛ける鶴橋さんの堂々とした態度には風格すら感じた俺。俺は思い上がっていたかな?店長を任されて、好い気になってたん [続きを読む]
  • 春うらら、恋うらら・14〜『待つ夜ながらの有明の月』番外編
  • 「おはようございま〜す!」翌朝、事務所で着替えていると、枝野くんの声が聞こえてきた。枝野くんはパンの仕込みがあるから、他のスタッフよりも早く出勤するのだ。「おはようございます、枝野くん」開け放しておいた事務所のドアからヒョコッと顔を出した枝野くんは、いつもと変わらずニコニコしながら、「福原店長、おはようございます」と挨拶した。「枝野くん、おはようございます」「今日もよろしくお願いします」傍に来た枝 [続きを読む]
  • 真樹とヒロオミの場合〜僕の鬼門は歯医者さん【後編】
  •  『親知らず』って何だよ?名前が嫌いだ。「親知らずって、僕みたいに親がいない人にだけ生えてくるの?」そう聞くと、ヒロオミさんはハッとした顔をした。それまでちょっと怒っていたのに、急に優しい瞳になる。僕の右頬に手が伸びてきて、ふわっと触れた。「痛むか?」「うん」「我慢してる真樹は可愛くないぞ」「・・・そうかな?」頬を膨らますとヒロオミさんは、「どんな真樹も可愛いけどな」と微笑んだ。鏡を見れば、明らか [続きを読む]
  • 真樹とヒロオミの場合〜僕の鬼門は歯医者さん【前編】
  • ★今夜は、まあちゃんの病院シリーズです♪ 歯が痛い。ズンズンする。右上の一番奥の歯が痛むのだ。最初は我慢していたけど、仏頂面は仕事柄良くないと思って痛み止めを飲んだ。ドラッグストアの店員さんお勧めの痛み止めは確かに効いたけど、時間が経てばまた痛み出す。先週から痛み出した虫歯は、かなりの頑固さだ。 今朝は目が覚めた瞬間からズキズキして、ご飯も噛めないから適当に噛んで飲み込んだ。電気歯ブラシの振動さえ [続きを読む]
  • 春うらら、恋うらら・13〜『待つ夜ながらの有明の月』番外編
  •  《325》の営業を終えて《SUZAKU》に寄った。裏から入ると、ちょうどカンタさんが休憩中だった。「こんばんは」「お疲れ」カンタさんは靴を脱ぎ、ソファーに横になっていた。そのままの格好で、カンタさんはヒラヒラと手を振った。「店の方はどうですか?」「うん、暇。歓迎会も落ち着いたかな、って感じ。定時に帰れそうだよ」3月の半ばから4月に掛けては歓送迎会の二次会の利用が多かったが、それも落ち着いたようだ [続きを読む]
  • 春うらら、恋うらら・12〜『待つ夜ながらの有明の月』番外編
  •  圭介さんが出勤して来たのは、午後5時30分を過ぎていた。圭介さんは《有明の月》のランチ営業を終えるとこちらへ移動してくるのだが、いつも真っ先に《325》に顔を出す。事務所でコーヒーを飲みながら俺の手が空くのを待っている事もあれば、作業中の俺に張り付いて離れない事もある。いつもより遅くやって来た圭介さんは、《325》の入り口から大きな声で俺を呼んだ。「テールーッ!」「はーいっ!」開店準備に追われて [続きを読む]
  • 春うらら、恋うらら・11〜『待つ夜ながらの有明の月』番外編
  •  鯵の刺身が運ばれて来た。「生ビールください」と注文した圭介さんは、鯵の刺身をつまみにジョッキを空にした。「美味い」釣れたての鯵は身が締まっている。キラキラと銀色に輝く鯵は感動の美味さだ。圭介さんの手元の生ビールが羨ましい。「帰りの運転、俺だよ。いいの?」「首都高は却下」「ジムには寄らないの?」夕方からパーソナルトレーナーを予約しているのに。「これ一杯だけだから、行く」「わかった」「テルが釣った鯵 [続きを読む]