日高千湖 さん プロフィール

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日高千湖さん: 夢見月夜曲
ハンドル名日高千湖 さん
ブログタイトル夢見月夜曲
ブログURLhttp://yumemizukiyakyoku.blog.fc2.com/
サイト紹介文ようこそ日高千湖のオリジナルBL小説ブログです♪現在、『薄き袂に宿る月影』から作品を移転中です。
自由文旧ブログ『薄き袂に宿る月影』から引越して参りました!
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供305回 / 365日(平均5.8回/週) - 参加 2014/02/17 00:03

日高千湖 さんのブログ記事

  • T・57
  • 「この女は間違いなく智満子奥さまの所の使用人なんだな?」武村はタブレットを見て頷いた。「はい、間違いありません。奥さまの所に行くといつもこの人が出迎えて、見送ってくれるんです」武村は、見下したような冷たい表情で自分たちを見る女を思い出した。智満子の側近中の側近とも言える女は、いつも髪を一纏めにして黒い服を着ていた。「敬治さま」とは呼ぶが、明らかに彼女の目は彼を蔑んでいた。武村など論外で、そこにいる [続きを読む]
  • 半夏生・17
  • ★今回18歳未満閲覧禁止です。年齢に達しない方、表現がお嫌いな方は回れ右、でお願いします!! 宮嶋の身体に残っている赤い痕を、一つ一つ消し去りたかった。それは石鹸で落ちるわけがない。忌々しく思いながら、鎖骨の上を押すと宮嶋は小さく「ごめん」と謝った。シングルベッドに宮嶋の身体を寝かせたけれど、確実なのは自分のモノが昂ぶっている事だけ。実際にオトコに触れた事などない俺は、宮嶋の身体に興奮している事に [続きを読む]
  • T・56
  •  門番を担当していた男は、ガシャンという派手な音を聞き木刀を持って音のした方に走った。だが、玄関の前にアルミ製のバケツが転がっているだけだった。周囲を見回したが玄関ドアやその周辺に変化はない。「花子か?」敬治と武村が離れに住むようになって、本宅で飼われている猫の花子が遊びに来るようになった。花子は性格の穏やかな大人しい猫だが、庭木に登ったり柵から飛び降りた拍子にバケツや立てかけておいた物を倒したり [続きを読む]
  • T・55
  •  毎日のように受信していた河野からのメールが途絶えてしまった。たったそれだけの事だが、敬治は打ち捨てられたような気がしている。何かあったのか、と武村が河野本部にいる構成員に聞いたが答えてはもらえなかった。それは組長である河野政重も同じだ。その答えははぐらかされたり、「美味い菓子があるぞ」と誤魔化されたりするのだ。 敬治にはその理由に心当たりがあった。敬治の2人の祖父・加々見敏治と唯治だ。敬治は彼ら [続きを読む]
  • T・54
  •  河野が敬治を本部に預けて2ヶ月が経った。河野は毎日のように敬治と武村が住む離れにやって来ては、敬治をからかう。敬治は河野が来ると無視したり、憎まれ口を叩いていたが、最近では河野が来ないと機嫌が悪くなる。『今日は行けない』と武村のスマホにメールが来ると、敬治の表情は明らかに変わる。喜んでいいのか悲しんでいいのかわからないような、複雑な表情になるのだ。武村はその顔を見ると毎回、「素直じゃない」と思う [続きを読む]
  • 半夏生・16
  •  床に転がった宮嶋は、驚いたように俺を見上げた。酒の臭いとタバコの臭いが混ざって、俺は不快で堪らなかった。宮嶋が吸ったのではないタバコの臭いが、彼を汚しているように思える。このままバスルームまで引き摺っていってシャワーでも浴びせてやろうか。彼の頭の先から足の先まで、石鹸で綺麗に洗い流したい。この状況で俺はそんな事を考えていた。「・・・放してよ」だが、上から見下ろす宮嶋は初めて会った時の純な空気を手 [続きを読む]
  • 半夏生・15
  •  宮嶋の呼気からは酒の臭いがした。シャツや髪の毛からは吸わないはずのタバコの臭いもする。シャツから香るタバコと汗の饐えたような臭いは、宮嶋のものではない。昨日話しをした時にはなかった鎖骨の所の赤い痕は、誰かがそこを吸い上げて付けたものだ。それが見え隠れするたびに、俺は宮嶋の襟首を引っ掴んで問い質したいような気持ちになる。今まで、どこに、誰といたんだ、と。自分を抑える為に、右の手を握り込む。そういう [続きを読む]
  • 半夏生・14
  •  宮嶋は真面目だ。コンビニのバイトは夕方から朝7時まで。彼はそれが終わるとスーパーマーケットに直行して、品出しの仕事をする。10時から11時くらいまでにその仕事を終えると、俺のマンションに戻ってくる。俺は深夜までバーでアルバイトしていたから、部屋に帰る時間はまちまちだった。当然、顔を合わせる時間はほとんどなかったが、彼が同居しているだけで俺は満足していた。 バイトが終わり俺が夜中に部屋に戻ると、部 [続きを読む]
  • ふわふわの夜、夏の花【後編】〜『或いは、不埒な熱情』番外編
  • 「亮輔」耳元で甘やかすような声。優しい声。花火が上がりはじめる頃には、大勢のスタッフや常連客がやって来た。花火の音、人々の歓声や笑い声から抜け出すようにして大好きな佐井さんの声が聞こえた。「・・・さ、さい、さん」「大丈夫か?」「・・・んっ」「西谷くん、大丈夫?」薫くんの声がした。僕の目は頑張っても開かない。ボンドでくっ付けたみたいだ。それを何とか抉じ開けると、目の前には心配そうな佐井さんがいた。「 [続きを読む]
  • ふわふわの夜、夏の花【前編】〜『或いは、不埒な熱情』番外編
  • ★ちょい遅れましたが、『S−five』恒例の花火大会の夜です。先日UPの綱本&山下のSSから、引き続きという感じで読んでくださいませ!!今回はちょっと目線を変えてみました。地味カプ・佐井寺と西谷ちゃん(笑)2月の投票では65票頂き、18位という目立たない位置にいる2人ですが、西谷ちゃんは結構好きなキャラです。成長したら案外、誘い受かも? 今日は『S−five』恒例の花火大会です。あっ、申し遅れましたが、僕 [続きを読む]
  • 夏の音【後編】〜『春の夜の夢の浮橋』番外編
  • ★前回の流れで今回は18歳未満閲覧禁止です。年齢に達しない方、表現がお嫌いな方は回れ右!!「ちょ、待て」俺は両手で秀人の身体を押し上げて抵抗した。「待ちません」「落ち着け」「落ち着いてます」「いや、その、浴衣脱いでくるから。シャワー浴びよう?汗掻いてるし、なっ?」秀人は真顔で言った。「明利の浴衣を脱がせるのが楽しみで着たんだぞ?どうして明利が自分で脱ぐんだよ?」俺は浴衣と風鈴の音とラムネの瓶でノス [続きを読む]
  • 夏の音【前編】〜『春の夜の夢の浮橋』番外編
  •  タンスを整理していて見つけたのは浴衣だ。何年か前の花火大会に着たっきり、クリーニングに出して仕舞いっ放しだった。あの時は、社長が急に「今年の花火大会のテーマは浴衣!」と言い出して呉服屋が飛んできたっけ。翌日には「全員分の浴衣代とクリーニング代の請求書を、俺に回したな?」と俺を睨んでいたから、さすがに懲りたらしい。翌年から「浴衣は任意で」と決まった。俺が薄紫地の細縞柄の浴衣をしまおうすると、秀人の [続きを読む]
  • 半夏生・13
  •  目の前でグッタリしていた血塗れの男の顔が、脳裏から離れない。 自分の部屋に戻って、少し腫れた右手を見て怖くなった。中・高校生の時の他校や仲間内でのいざこざに出張っていって、「まあまあ」と仲裁しながら抵抗するヤツを殴って大人しくさせる。その程度の殴り方じゃなかった。冷静になると、自分でもどうしたらいいかわからなくなった。俺は今頃になって途方に暮れていた。あれだけ怪我をさせたのだから、訴えられたって [続きを読む]
  • 半夏生・12
  •  蒸し暑い部屋に扇風機の羽音と雨の音、そして宮嶋の啜り泣く声が響く。「おい!お前は一体何をしたんだ!」俺は男の胸倉を掴んでドアに押し付けた。ドンッと音がして、玄関ドアが撓んだ。男がぶつかった衝撃で古いアパートが軋む。「す、すみません・・・」男が顔を背けた。「あんたが何もしていないと言ったって、信用出来ないんだよ!こんなに怯えてるんだぞ?あんたを怖がってるじゃないか!?」「す、すみま、せん」「あんた [続きを読む]
  • T・53
  •  敬治は行くあてもなく歩きはじめた。カラリと晴れた梅雨の晴れ間は風もなく、昨日までの蒸し暑さは感じない。 昨日泊った離れから、河野の父親が住んでいるという「本宅」とか「本家」と呼ばれている棟には足を伸ばしたが、他の建物に行ってはいない。加々見の別邸も葉山の別荘も敷地が広く、屋敷も大きく立派だった。それは敬治が観ていたドラマに出てくる幸せそうな家族が住む「家」とは程遠い「お屋敷」だったが、河野組総本 [続きを読む]
  • 半夏生・11
  •  ドアをバン、バンッと大きな音を立てて叩く者がいた。「わっ」宮嶋は怯えたような表情を見せたかと思うと、手で耳を覆った。「友だちか?」宮嶋はジリジリと部屋の隅に移動していく。ドアを開けずに『誰』であるかわかっているという事だが、少なくともご友人ではないな。俺は彼が金に困っているようだったから、もしかしたら借金取りかもしれないとも考えた。 俺は玄関ドアを開けようと腰を上げたが、宮嶋は俺の腕を掴み座らせ [続きを読む]
  • 雪にまじりて見えずとも〜エピローグ
  • ★お話は現代に戻ってまいります。 梅雨の終わりの大雨は台風並みの強風を伴って、滝山家の庭の奥深く、古くからそこにあるお稲荷さんのお社の屋根瓦を何枚か吹き飛ばした。屋根を修理するついでにお社も補修する事になり、神主を呼んで工事の無事を祈願する事になった。 使用人や雇いの庭師たちは総出で池の中を浚い、滝を一時堰き止めて滝壺の中に溜ったゴミや澱を掬い出していた。「信ちゃんと怜二くんはお稲荷さんの周りの落 [続きを読む]
  • 雪にまじりて見えずとも・31【最終回】
  • ★この作品はフィクションです。あくまでも、素人の創作物としてお読み頂ける方のみ、お進み下さい。今回最終回となりますが、エピローグがございます。 2年振りの東京は一面焼け野原。激しい空襲の爪跡は日本各地に残っていた。 本宅は運良く空襲にも遭わずそのまま残っていたが、家族はまだ疎開先の軽井沢から戻っていなかった。家令の岩沢と留守番の使用人が数人残っているだけだ。父は頑固にここに残っていたが東京大空襲の [続きを読む]
  • T・52
  •  午後から、河野は高井を連れて槌屋と大川を見舞った。槌屋の傷も日に日に良くなっており、河野の顔を見た途端に「今すぐに退院させてください」と懇願する。大川はすっかり元気になったというのに、槌屋に付き合う形で入院させられ迷惑そうだ。「明後日、退院して良いそうだ」と言うと、大川は飛び上がって喜び、槌屋は「明後日も今日も同じ事でしょう、頼みます!」と河野の腕に縋った。槌屋もいない、飯坂もいない。となると、 [続きを読む]
  • 雪にまじりて見えずとも・30
  • ★この作品はフィクションです。あくまでも素人の創作物である事をご了承頂ける方のみお進み下さい。戦争に関する記述がございます。詳しい記述はございませんので、ご了承下さいませ。   満州に取り残された我々は『赤羽隊』の積み残しであり、関東軍からは厄介者とされていた。僕は元々、「赤羽参謀の太鼓持ち」などと陰口を叩かれていた。更に、急に殿下の帰国が決まり、まるで『逃げるように』満州を去った人々に対して冷や [続きを読む]
  • 雪にまじりて見えずとも・29
  • ★この話はフィクションです。戦争に関する記述がありますが、あくまでも素人の創作物である事、フィクションである事をご了解頂ける方のみお進み下さい! 「清喬ーーー!」「なんて事だ!清喬さま!」茶色い泥水の表面は波立っていたが、2人が浮かび上がる気配はない。時々泡がゴボッと音をたてて上がってくる。飛行機の離発着時の事故に備えた防火池は、穴を掘っただけの貯水池だ。僕は軍服を脱ぎ捨て、重い銃や軍靴を脱ぎ躊躇 [続きを読む]
  • 雪にまじりて見えずとも・28
  • ★この話はフィクションです。戦争に関する記述がありますが、あくまでも素人の創作物と御理解頂ける方、「フィクション」としてお読み頂ける方のみお進み下さいませ!ご都合主義で話は進んでおります。  奉天まではここから夜通し車を走らせても、最低8時間は掛かる。途中で休憩する事を考えれば、出発の時間にはギリギリだ。「どうして、急に?」「『赤羽隊』に帰国命令だ。明日の正午に奉天から編隊を組んで飛び立つんだ」「 [続きを読む]
  • 雪にまじりて見えずとも・27
  • ★この作品はフィクションです。 昭和17年初頭から、マニラ、シンガポールと次々と占領し快進撃を続けていた日本軍だったが、徐々に戦力の衰えが見え始めていた。南方戦線は補給路を絶たれれば、戦況は一気に悪化してしまう。昭和17年6月、日本軍はミッドウェー海戦に敗北した。 坂を転がり始めた石は止まらない。8月、米軍はガダルカナル島に上陸。12月 ニューギニア島バサプアの日本軍は全滅した。翌年2月には死守し [続きを読む]
  • 雪にまじりて見えずとも・26
  •  清喬の肌は乾燥した満州の地にあっても、張り付くようなしっとりとした手触りを失ってはいなかった。上質の絹のような手触り、肌理細かな泡に触れた時のような弾力。陽に晒していない部分は抜けるような白さだ。それを飽かずに撫でていると、清喬から不満の声が漏れる。「太一郎、もうやめて」「どうして?こんなに長い時間、君に触れずにいられた自分が信じられないよ」そう言うと、清喬は恥ずかしそうに身体の向きを変えうつ伏 [続きを読む]
  • 雪にまじりて見えずとも・25
  • ★今回、後半部分は軽く18歳未満閲覧禁止となります。年齢に達しない方、表現がお嫌いな方は回避願います。 12年。長い間、恋焦がれた清喬が目の前にいる。それだけで僕の心は昂ぶり、心も身体も捩れるほどにもどかしい。「清喬・・・僕は・・・僕は、君に謝らなければならない・・・」「なにを?」「僕は・・・南美子を妻に迎えて」「もう、おっしゃらないで下さい。僕は知っています。野口さんにも聞きました。お可愛い女の [続きを読む]