熊野まゆ さん プロフィール

  •  
熊野まゆさん: くまの恋愛官能小説
ハンドル名熊野まゆ さん
ブログタイトルくまの恋愛官能小説
ブログURLhttp://kumano-novel.sblo.jp/
サイト紹介文糖度高めの恋愛官能小説ブログ
自由文つたない作品ばかりですがよろしくお願いします。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供160回 / 365日(平均3.1回/週) - 参加 2014/04/10 11:18

熊野まゆ さんのブログ記事

  • 秘されし、その甘やかな救済 第三章16
  • 「ふぁ、あ……っ」 口もとは押さえていても声が漏れ出てしまう。恥ずかしそうに顔を伏せるラティーシャの服をマティアスは脱がせにかかる。「すべて見たい。舐めまわすのが叶わないのならば、この目にきみのすべてを焼きつけたい」 マティアスの言葉を聞くなりラティーシャは大きく息を吸った。 ――何てことを言うの! 火がついたように全身が熱くなる。いや、マティアスによって羞恥心に火をつけられたのには違いない。 う [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 第三章15
  • 「もちろん、きみがよければ――の話だが」 ラティーシャは口を開きかけ、しかしすぐに閉じて代わりにこくりとうなずいた。「もちろんいいです」などとはっきり答えてしまうのはどうにも恥ずかしい。しかしながら、彼と触れ合いたいという欲求があるのは確かだった。「本当に?」 両の手のひらを手で覆われる。マティアスの手は熱く、その熱が伝わってきたせいかラティーシャの頬もまた温度を上げる。(うなずくだけでは、だめな [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 第三章14
  •  まばたきをした一瞬で景色が一変した。「――っ!?」 ラティーシャはきょろきょろとあたりを見まわす。足をつけているのは地面ではない。もし雲に乗ることができたなら、こういう心地なのだろう。ふわふわとした白い床は見た目には空に浮かぶ雲そのものだ。目の前には床と同じベッドらしきものがある。 ――この世のものとは思えないほど神秘的な空間だ。いや、ここはこの世ではないのかもしれない。どこまでも広がる白い雲は天 [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 第三章13
  • 「わ、わたし……っ。マティアスさまには救われてばかりだな、と――」 ぼろぼろととめどなく涙をこぼすラティーシャをマティアスはおろおろとしたようすで見守る。「俺にできることなんて……たかが知れている」「そんなことありません」 目もとを押さえたままラティーシャはぶんぶんと首を横に振る。(涙が止まらない) なにに対して涙を流しているのか自分でもわからなくなってきた。祈りの間を再建してくれたマティアスに対 [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 第三章12
  •  この世から神が消えて数週間が経った。 ラティーシャは相変わらず神殿であわただしく奉仕をする毎日だった。しかしどうしても、以前よりもやる気が出ない。神の確固たる存在を知る前と、消えてしまったことを知った今では心持ちが違う。神はいなくなってしまったとわかっているのに、巡礼者に対して「神のご加護を」と言うのが苦痛だった。「――ラティーシャ」 不意に呼びかけられ、ラティーシャは思わず持っていたフォークを [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 第三章11
  • 「いや……このようすでは、俺の助けは不要だったようだ。きみ、平気か?」 マティアスはレイヴンの足の怪我を見て眉根を寄せる。レイヴンはただうなずいただけだった。その顔色は青い。「ラティーシャは? 怪我はないか?」 立ち尽くすラティーシャの肩に触れようとして、しかしマティアスはそうしなかった。彼女の体を控えめに見まわし、怪我がないか確認する。「私は平気です。どこも怪我はしていません」 怪我は、していな [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 第三章10
  • (そうよ……。今日は神殿にほとんど人がいない) そのことを再確認して、ラティーシャは絶望した。(アドニスさまが言っていた『危ない』っていうのはこのことだったの?) いや、しかし――それならば、祈りの間にいるほうが安全だということになる。レイヴンが待ち伏せしていることには、アドニスは気がついていなかったのかもしれない。(アドニスさまは何のことを言っていたの?) だがそのことを悠長に考えている場合では [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 第三章09
  •  マティアスは瞬時に顔色を変えてルーサーに言う。「すぐに馬車を出してくれ。行き先は神殿だ」 ルーサーは工場長から手早くワインを受け取り、御者にすぐに発つよう指示を出す。 工場長はというと、満面の笑みで手を振っていた。「……神は何とおっしゃったのですか?」 向かいの入口側に座るルーサーが、押し黙るマティアスに尋ねる。マティアスは眉間にしわを刻んだまま話す。「ラティーシャが危ない、と――。それから、空 [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 第三章08
  •  神殿に赴く機会は多々あったが、ラティーシャのことはいつも遠くから眺めるばかりだった。悶々とした日々が酒をすすませる。そうして、あのような愚行に出たわけだ。(ラティーシャは、道端で倒れている俺を助けてくれた) 情けない接触の仕方だったが、きっかけにはなった。ラティーシャの人となりを知り、ますます彼女に惚れ込んだ。(ずっと想ってきたんだ。あせって無下にはしたくない。困らせたくもない――) みずみずし [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 第三章07
  •  遠方での視察を終えて邸に戻ったのは深夜だった。 マティアス・エルフォードは自室ではなく、ゲストルームへと急ぐ。明かりの消えた部屋を、返事は期待せずにノックする。案の定、中から「どうぞ」という声は返ってこない。合鍵を使ってゲストルームの中へ忍び込み、そこで眠る彼女の顔を見下ろした。 ラティーシャはあどけない顔ですやすやと眠っている。マティアスは窓際から椅子を持ってきてベッド脇に置き、そこへ腰かけた [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 第三章06
  •  巫女に昇格して数日が経ったある日。その日は朝から雨が降りしきっていた。しとしとと降り続く雨は神殿内を陰鬱な雰囲気にさせるのと同時に、巡礼者の足も遠のかせる。したがって巫女や巫女見習いも、雨の日には休みを取ることが多い。神殿の中はふだんよりも閑散としていた。「こんにちは、アドニスさま」 ラティーシャは祈りの間にいた。いまも、巫女見習いだったころと同じで神殿内の清掃や護符の配布を行う。巫女になってな [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 第三章05
  • 「このビスケット、シュバルツ公爵さまからいただいたのよ。機会があればラティーシャにも食べさせてあげて、って」「えっ!?」 マティアスとイザベラに面識があったことにまず驚いた。「お姉さまは公爵さまとお知り合いだったのですね」「ええ。シュバルツ公爵はいつも神殿に便宜を図ってくださるから、巫女ならみんな会う機会が多いわね」「そうだったのですね……」 だから彼は神殿の内情にも詳しいのかもしれない、とラティー [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 第三章04
  •  祈りの間をあとにしたラティーシャはあれやこれやと考えを巡らせながら早歩きをしていた。向かう先はイザベラのいる巫女の控室だ。巫女見習いの控室は大部屋だが、巫女に昇格すれば個室が与えられる。(まさか神様が実在していたなんて) 神とは人々の憧れであり、願望の対象でもある。それがあのような――こう言っては何だが、想像していた神とはかけ離れていたせいでラティーシャはますます迷いが深くなった。これからの自分 [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 第三章03
  • 「さて、きみの名前を教えて?」 アドニスはうしろで手を組んでラティーシャの顔をのぞき込んだ。彼が身に着けているのは巫女が着ているものと同じ長衣だ。しかし妙なことに、彼が腕を動かしても袖がまったく揺れない。もしかしたら彼は実体がないのかもしれない。疑問に思ったものの、それを口に出して尋ねるほど気安い関係ではない。ラティーシャはひとまず名乗ることにした。「ラティーシャ・カトラーと申します」「うんうん、 [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 第三章02
  • 「どこに触れればよいのですか?」「どこでもいいわよ。しいて言えば花びらかしら。茎は棘があって痛いから」「わかりました」 あまり強く触れては花びらが落ちてしまうので、慎重に、そっと花弁に手を伸ばす。指先が、ほんの少しだが花びらに触れた、そのとき。「――!」 どこからともなく強い風が吹いた。ラティーシャの長い銀髪をひらひらと揺らす。巻き起こった強風に驚いてラティーシャはとっさに目を閉じた。風がおさまっ [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 第三章01
  •  機は熟し、その日がやってきた。(私……こんな状態で昇格試験を受けてもいいの?) 心の中には迷いしかなかった。公爵邸での出来事を思い出し、奉仕中にもかかわらず頬が熱くなる。ラティーシャは神殿の奥の間へと歩いていた。「緊張してるの? ラティーシャ」「は、はい……」 前を行くのは母親違いの姉であるイザベラ・カトラーだ。彼女は先輩の巫女でもある。イザベラは黄みを帯びた肌に黒い髪の毛、とラティーシャとはま [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 第二章12
  • 「ゃっ、あぁ……!」 ラティーシャの両手が所在なげに空を切る。(こんな……) 触れ合う、というのはこういうことなのか。 ――なんてふしだらなの! 頭の中で、されるがままではいけない、と誰かが警告してくる。しかしそのいっぽうで、確かな快感を覚えて腰がひとりでに揺れてしまう。 ラティーシャの豊かなふくらみがふにゃふにゃとなまめかしく形を変えるさまを見てマティアスは深く息を吐く。「きみの薄桃色はじつに蠱 [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 第二章11
  • 「……柔らかい。それに、温かい」 唇が離れて開口一番がそれだ。早くマティアスを押しのけなければと思うのに、そんなことを言われては妙な羞恥に見舞われてうまく両手を動かせない。 ラティーシャがそうしてまごついているあいだにマティアスは彼女のネグリジェの裾をつかんでするすると引っ張り上げていく。「ゃっ、公爵さま……!」「マティアス、だ。そう呼ぶようにさっき頼んだじゃないか。もう忘れてしまったのか?」「い [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 第二章10
  •  彼の片手がネグリジェの上をゆるりゆるりと伝い落ちていく。「……っ」 マティアスの指がネグリジェ越しに肌を押す。その感覚は何ともむずがゆい。 くすぐったそうにしているラティーシャを見下ろし、マティアスは指先をさらに下降させてふくらみにのぼらせた。「ぁ……」 酒に酔っているせいかいまは判断力を欠いている。ふくらんだ部分に触れられることよいのか悪いのか、わからない。 マティアスの指は慎重にネグリジェの [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 第二章09
  •  なにもかもがふわふわとしていて、すべてが夢見心地だった。「出会って間もない俺の言うことなんて、信じられないか?」 ラティーシャはふるふると首を横に振る。「信じて、います……」「それは……俺の妻になってくれるのだと曲解してしまうな」「いえ……それは……まだ……」 マティアスのことを信頼はしているが、自分自身が彼を愛することができるのか自信がない。(どれだけ厭わしくても……私はあの父の子だもの、血は [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 第二章08
  • 「ラティーシャ、こっちの果実酒はどうだ? 甘くて飲みやすいぞ」「いいえ、私は本当にけっこうですから」「なんだ、そんなに酒グセが悪いのか?」「……わかりません。お酒を飲んだことがないので」「では試してみよう。きみは酒グセがよいのか悪いのか、俺はとても興味がある」 ――もし酒グセが悪かったら、彼は求婚を取り下げるだろうか。(いやだ、私……なにを考えているんだろう) 結婚したくないのなら酒グセが悪いふり [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 第二章07
  • 「え、っ……!?」 ラティーシャはわけがわからない。 マティアスの肉茎から噴き出した白濁液がラティーシャの胸を――透けた乳頭を濡らした。 いまだに手の中にある雄の象徴はわずかにしぼんだものの、つかんだままでいたせいかまたふくらみ始める。「……ありがとう、ラティーシャ。もう、じゅうぶんだ」 マティアスは口もとを隠して頬を赤らめている。(ええと……終わり、でいいのよね?) 彼の一物を手放す。 マティアス [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 第二章06
  •  しかしそうしていつまでも無遠慮に見つめているだけでは埒があかない。「ど……、どうすればよろしいのですか?」「――え」 ラティーシャがなにかしなければ、彼の昂りはおさまらないのだろう。ラティーシャは義務感を覚えてマティアスに迫る。「その……どうすれば公爵さまのそれは落ち着かれるのですか?」「いや……無理はしなくていい」「いいえ、私にできることなら、いたします。公爵さまには恩がありますから」 マティ [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 第二章05
  • 「きみは……そうだな、バスローブに着替えるといい。あちらの部屋を使ってくれ。俺はそのあいだに浴室へ入っておく」「はい」 マティアスが指し示した続き間の扉を開けると、そこは衣装部屋だった。バスローブも置いてある。ラティーシャは手早く着替えを済ませた。 すでに彼がいる浴室に足を踏み入れる。中は蒸し暑かった。緊張もあいまってすぐに汗ばむ。 浴室の椅子に腰掛けていたマティアスはラティーシャを見るなり固まっ [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 第二章04
  • 「この邸に滞在するからといって無理に結婚を迫ったりはしない。あくまできみの身の安全を考慮した上での提案だ。……まあ、下心が少しもないわけではないが。あの男ほど俺は下劣ではないつもりだ」 マティアスが苦笑いを浮かべる。「……宿舎へ帰ってもいいが……護衛をつけさせてくれ。十人は必要だな」「そっ、そこまでしていただくわけには」「そうだろう? だからこの邸に留まってくれ。そのほうが護りやすい」「……っ」  [続きを読む]