熊野まゆ さん プロフィール

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熊野まゆさん: くまの恋愛官能小説
ハンドル名熊野まゆ さん
ブログタイトルくまの恋愛官能小説
ブログURLhttp://kumano-novel.sblo.jp/
サイト紹介文糖度高めの恋愛官能小説ブログ
自由文つたない作品ばかりですがよろしくお願いします。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供157回 / 365日(平均3.0回/週) - 参加 2014/04/10 11:18

熊野まゆ さんのブログ記事

  • 淫らに躍る筆先03
  •  倉庫に入るなりそんなふうに名を呼ばれ、和葉は目を丸くする。和葉のそんな反応を見て男性は怯んだようだった。彼の眉尻が悲しげに下がる。「あ、ええと……覚えてないかな。昔きみの家の隣に住んでた藤枝 龍生《ふじえだ りゅうせい》です」 ――私の家の隣? 和葉はあらためて、目の前にいる麗しい男性を見つめる。くっきりとした二重まぶた。通った鼻すじ。ほどよい厚みの唇。つややかな黒髪は蛍光灯の光でも頭に輪を作って [続きを読む]
  • 淫らに躍る筆先02
  •  まずは絵画教室を見学してみることになった和葉は金曜日の夜が待ち遠しくてたまらなかった。この年になって、翌日が楽しみすぎて眠れないなどという体験をするとは思わなかった。和葉は自室のベッドで掛布団を口もとまでかぶせて何度も寝返りを打った。 金曜日の夜はあっという間にやってきた。 期待と不安に胸をふくらませながら絵画教室へと足を運ぶ。教室の受講者は若い女性ばかりだった。(みんな私と似たような境遇なのか [続きを読む]
  • 淫らに躍る筆先01
  •  社会人になって三年。仕事にも自信がついてきたある晩秋のころ。帰りの電車の中で同僚に「趣味はなに?」と訊かれ、悠月 和葉《ゆづき かずは》はなにも答えることができなかった。(趣味かぁ……) 駅から家までの見慣れた道を歩きながら和葉は「うーん」と首をひねる。この25年間、趣味もなければこれといって他人に誇れる特技もなく平凡気ままに過ごしてきた。(お見合いとかでよくあるよね、ご趣味は――ってやつ) 大学を [続きを読む]
  • 御曹司さまの独占愛12【完】
  •  幸せそうにほほえむ彼につられて若菜もまた口もとをほころばせる。しかし、痛みがすぐに和らぐわけではなかった。和臣がぐっ、と腰を奥へ突き動かすと、つながっている部分にチリチリとした痛みがほとばしる。そうするつもりはなくても、顔をしかめてしまう。「――すまない、僕ばかり喜んでしまって」 薄暗闇の中で彼が悲痛な表情をしているのがわかった。若菜は目を見開き、彼と視線を合わせたまま何度も首を横に振った。(ち [続きを読む]
  • 御曹司さまの独占愛11
  •  和臣は若菜の中に沈めた指を四方にうごめかせて内壁を広げる。まるでそこに何とかして空間を作ろうとしているようだった。「……だいぶ、ほぐれたか?」訊かれても、答えようがない。自分自身のことだが、なにぶん経験がないゆえによくわからない。もとより彼の声はとても小さく、独り言のようだった。若菜に答えは求めていない。 和臣の指が体から抜ける。そんなときまでずぷっ、ぬちゅっと卑猥な水音がした。 若菜は息を荒く [続きを読む]
  • 御曹司さまの独占愛10
  • (ああ、こんな……こんなこと) 布団の中に潜り込んですべてを隠してしまいたい。けれど、掛け布団はどこかへ行ってしまったし和臣に両手首をつかまれたままなので身動きが取れない。もしかしたらいまならば彼の手の力が緩んでいるかもしれないと思って両手を動かそうと試みたが、そううまくはいかずピクリとも動かせなかった。(ううっ……) 心の中で嘆いて、若菜は眉尻を下げる。困り果てて恥じらう若菜を盗み見たあと、和臣 [続きを読む]
  • 御曹司さまの独占愛09
  • 「隠してはいけない。……大丈夫、薄暗いからよく見えない」「で、でも……いえ、そういう問題ではなくてっ」 見えるとか見えないとか、そういうことではない。彼が、自分の秘めたところを舐めようとしていることが大問題なのだ。「だめです、そんなところ……!」「だめだと言われても、僕はここに舌で触れたい。きみがどんな顔をするのか、見てみたい」「どんな、って……」 いまだってきっとみっともないくらい顔が赤いに決ま [続きを読む]
  • 御曹司さまの独占愛08
  • 「ぁっ、ん……ん、ンンッ!」 つまんで、引っ張って、こねて。それを繰り返されている。ただそれだけだというのに、呼吸するのを忘れてしまいそうなほど気持ちがよい。(なに……? これは、なに?) いけないこと、恥ずかしいことをされている。そういう自覚はある。踏み入れてはいけない世界に足を突っ込んでしまっているのではないかと、漠然とした不安感に襲われる。「……かわいいよ、若菜」 ぷっくりとふくらんだ淫核を [続きを読む]
  • 御曹司さまの独占愛07
  • (力が……入らない) 脚は自分のものではなくなってしまったように、動かない。自分の意思では動かせないのに、和臣が触れている箇所だけは異様に熱を持っている。彼の手のひらが熱いのか、あるいは自分自身が過剰に意識しているせいなのか。どちらにせよ、若菜に逃げ出すという選択肢はなかった。 和臣は若菜のようすを静観していた。彼女が動かないと見るやいなや、両手をなまめかしくうごめかせる。太ももの内側を付け根に向 [続きを読む]
  • 御曹司さまの独占愛06
  • (ああ、私……どうしちゃったんだろう!) 先ほどから初めての感覚に見舞われてばかりだ。わけがわからなくなってくる。 動悸がひどい。息遣いも荒い。このまま意識を失ってしまったらどうしよう。「……嫌では、ない?」 このタイミングでふたたびそれを訊かれるなんて――。 和臣の唾液で湿ったそこに吐息が吹きかかり、瞬時にぞわりと鳥肌が立つ。 若菜は両手で自身の顔を覆い隠した。そうすることで、その質問には答えら [続きを読む]
  • 御曹司さまの独占愛05
  • 「……若菜は? 僕にこういうことをされるのは――嫌?」 そう尋ねてきた彼の声はやけに弱々しかった。いつもの――上品で控えめな雰囲気の中に見え隠れする、王者のような独特の覇気を感じない。(嫌かどうかって……それは) もしも「嫌だ」と告げたら彼はどうするのだろう。顔を上げて、互いの着物の衿を正して、何事もなかったかのように去っていくのだろうか。「わ……わかりません」 ――ああ、何てあいまいな答えなの。 [続きを読む]
  • 御曹司さまの独占愛04
  •  見られている胸の部分が焼け焦げているように熱い。そんな錯覚を覚えてしまうほど熱心に見つめられている。「ずっと、見たかった……きみの秘められたところを」 そんな告白をされればよけいにカアッと熱がこもる。今度は胸だけでなく、全身に。手足の先を火でじわりと炙られているような感覚だ。 彼の艶やかな黒髪がゆらりと揺れる。和臣は上体を低くして若菜のふくらみに顔を寄せる。「あ……、やぁっ……!」 間近でそこを見ら [続きを読む]
  • 御曹司さまの独占愛03
  •  うしろに立つ和臣との距離はほとんどゼロだ。彼の胸は背に当たるか当たらないかのところにある。「そ、それでは……これを」 若菜はどぎまぎしながら手近にあったスーツを物干しから取る。下を向いたままくるりとうしろを向き、「どうぞ」と言ってスーツ一式を手渡す。それからまた箪笥のほうへと向き直り、スーツに合うネクタイを選ぶ。そのあいだに和臣が着替えを済ませる、というのが毎朝のことである。 頃合いを見計らって [続きを読む]
  • 御曹司さまの独占愛02
  •  幸紐町《ゆきひもちょう》の東條といえばこの町の誰もが知る、古くからある家――いわゆる名家である。 幸紐の大地主だった東條家は石炭の採掘によっていっそう財を成し、現在は病院や生鮮品店、書店などを幅広く経営する財閥だ。 その八代目当主である東條 和臣は今年で二十八歳になる。彼は絵に描いたような美青年で、縁談がごまんと転がり込んでくるものの、和臣はだれとも見合いをしない。 そんな彼が住まう邸は堀に囲ま [続きを読む]
  • 御曹司さまの独占愛01
  • 「――誕生日、おめでとう。やっと僕の手に入る」 その夜、事は起こった。 若菜《わかな》は明日が18歳の誕生日だということをすっかり忘れて床に就いた。日付が変わった頃にはすっかり深い眠りに落ちていた。 午前零時を一秒だけまたいだときだった。 聞きなれた声が聞こえて、急に体が重くなった。何事だろうと思って目を開ければ、そこには仕えている主人の顔があった。「か、和臣、さま……?」 体にしっかりと掛けていた [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 番外編02【完】
  •  イザベラは浮かない顔で祈りの間へと向かう。こういうときは神頼みだ。彼に相談すれば少なくとも気は晴れる。「こんにちは、アドニス様」『やっほー、イザベラ! いらっしゃい』 神はいつも快く迎え入れてくれる。そのことに少なからず救われる。 イザベラはオズウェルとのことを包み隠さずすべて吐露した。するとアドニスはあごに手を当てて思案顔になった。『ははぁん……。潔癖なオズウェルの言い出しそうなことだな』 ア [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 番外編01
  • ※近親ものですので苦手な方はブラウザバックをお願いします。「――いけない子だ」 オズウェル・カトラーは自身の長い銀髪をうっとうしそうに背のほうへと払った。それから、ベッドに四つん這いになっている黒い髪の女にさらに激しく腰を打ち付ける。「あぁぁっ!」 彼女の喘ぎ声はたとえそこが神の居所であろうとも淫らに響く。オズウェルと同じ姓を持つイザベラは彼のそれに貫かれる悦びの声を上げた。「私にうしろから突かれ [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 第三章16
  • 「ふぁ、あ……っ」 口もとは押さえていても声が漏れ出てしまう。恥ずかしそうに顔を伏せるラティーシャの服をマティアスは脱がせにかかる。「すべて見たい。舐めまわすのが叶わないのならば、この目にきみのすべてを焼きつけたい」 マティアスの言葉を聞くなりラティーシャは大きく息を吸った。 ――何てことを言うの! 火がついたように全身が熱くなる。いや、マティアスによって羞恥心に火をつけられたのには違いない。 う [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 第三章15
  • 「もちろん、きみがよければ――の話だが」 ラティーシャは口を開きかけ、しかしすぐに閉じて代わりにこくりとうなずいた。「もちろんいいです」などとはっきり答えてしまうのはどうにも恥ずかしい。しかしながら、彼と触れ合いたいという欲求があるのは確かだった。「本当に?」 両の手のひらを手で覆われる。マティアスの手は熱く、その熱が伝わってきたせいかラティーシャの頬もまた温度を上げる。(うなずくだけでは、だめな [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 第三章14
  •  まばたきをした一瞬で景色が一変した。「――っ!?」 ラティーシャはきょろきょろとあたりを見まわす。足をつけているのは地面ではない。もし雲に乗ることができたなら、こういう心地なのだろう。ふわふわとした白い床は見た目には空に浮かぶ雲そのものだ。目の前には床と同じベッドらしきものがある。 ――この世のものとは思えないほど神秘的な空間だ。いや、ここはこの世ではないのかもしれない。どこまでも広がる白い雲は天 [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 第三章13
  • 「わ、わたし……っ。マティアスさまには救われてばかりだな、と――」 ぼろぼろととめどなく涙をこぼすラティーシャをマティアスはおろおろとしたようすで見守る。「俺にできることなんて……たかが知れている」「そんなことありません」 目もとを押さえたままラティーシャはぶんぶんと首を横に振る。(涙が止まらない) なにに対して涙を流しているのか自分でもわからなくなってきた。祈りの間を再建してくれたマティアスに対 [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 第三章12
  •  この世から神が消えて数週間が経った。 ラティーシャは相変わらず神殿であわただしく奉仕をする毎日だった。しかしどうしても、以前よりもやる気が出ない。神の確固たる存在を知る前と、消えてしまったことを知った今では心持ちが違う。神はいなくなってしまったとわかっているのに、巡礼者に対して「神のご加護を」と言うのが苦痛だった。「――ラティーシャ」 不意に呼びかけられ、ラティーシャは思わず持っていたフォークを [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 第三章11
  • 「いや……このようすでは、俺の助けは不要だったようだ。きみ、平気か?」 マティアスはレイヴンの足の怪我を見て眉根を寄せる。レイヴンはただうなずいただけだった。その顔色は青い。「ラティーシャは? 怪我はないか?」 立ち尽くすラティーシャの肩に触れようとして、しかしマティアスはそうしなかった。彼女の体を控えめに見まわし、怪我がないか確認する。「私は平気です。どこも怪我はしていません」 怪我は、していな [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 第三章10
  • (そうよ……。今日は神殿にほとんど人がいない) そのことを再確認して、ラティーシャは絶望した。(アドニスさまが言っていた『危ない』っていうのはこのことだったの?) いや、しかし――それならば、祈りの間にいるほうが安全だということになる。レイヴンが待ち伏せしていることには、アドニスは気がついていなかったのかもしれない。(アドニスさまは何のことを言っていたの?) だがそのことを悠長に考えている場合では [続きを読む]
  • 秘されし、その甘やかな救済 第三章09
  •  マティアスは瞬時に顔色を変えてルーサーに言う。「すぐに馬車を出してくれ。行き先は神殿だ」 ルーサーは工場長から手早くワインを受け取り、御者にすぐに発つよう指示を出す。 工場長はというと、満面の笑みで手を振っていた。「……神は何とおっしゃったのですか?」 向かいの入口側に座るルーサーが、押し黙るマティアスに尋ねる。マティアスは眉間にしわを刻んだまま話す。「ラティーシャが危ない、と――。それから、空 [続きを読む]