Sva(スヴァ) さん プロフィール

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Sva(スヴァ)さん: 紛り物のダイヤ
ハンドル名Sva(スヴァ) さん
ブログタイトル紛り物のダイヤ
ブログURLhttp://fakediamond.blog.fc2.com/
サイト紹介文オリジナルダークファンタジー小説。青年たちの葛藤と苦悩を描きながら、人について考える物語です。
自由文自殺をした主人公が送られたのは、生と死の境界に存在する「狭間」であった。そこでは生き返るために他人を狩らなければならない。答えの出ない倫理と運命に主人公2人がぶつかり合うのであった。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供30回 / 365日(平均0.6回/週) - 参加 2014/04/23 15:27

Sva(スヴァ) さんのブログ記事

  • 〜22〜 記憶編 ―途切れた記憶と、血を纏う××―
  • 俺はその紙を読み終わるが否や、自分の部屋を駆け出していた。向かう先は図書館。一目散にリィナの元へと走っていた。その紙は、あの研究者に向けて書かれたであろう軍事機密文書の一部であり、軍から研究者への命令だった。『西暦●●●●年 ×月■日軍属研究者 生物研究第一指揮官 殿被験体2014番の扱いについては、これまで心理的・精神的データの算出を行って来たが十分なデータの採取に成功したため実験を中止とする。 [続きを読む]
  • 〜21〜 記憶編 ―検査と実験と、紙一重の××―
  • 俺は知っていた。研究者の部屋の前には、いつだって必ず屈強なガードマンが2人立ってその荘厳な漆塗りの扉を守っていることを。サングラスをかけ、ヘアーワックスをこれでもかと塗りたくった悪光りする金髪を携えて、何もない空間を睨み付けるようにして、今日もそびえ立つ2人のガードマンはそこにいた。(でも、俺の敵じゃない――)俺は廊下の曲がり角で身なりを整えると、何気ない足取りで彼らに歩み寄った。2人のガードマン [続きを読む]
  • 〜20〜 記憶編 ―リィナの弱音と秘密の××―
  • 俺は、その日から教官の仕事を全て断り、出来る限りメイの傍でボディーガードとしての仕事に徹することにした。俺に訓練を付けてもらうことを心待ちにしてくれていた人たちからは随分引き留められたけれど、俺は何よりも自分の命を救ってくれたメイのために生きたいと考えていた。そして、「検査」という名の何かの秘密を探るために、屋敷の中を色々と嗅ぎまわった。最近のリィナはメイに勉強を教える以外は一人で館の図書館に籠り [続きを読む]
  • 〜19〜 記憶編 ―広報の過去と××の衰弱―
  • 俺は屋敷に置いて貰う代わりに、メイとリィナのボディーガードとして鍛えてもらうことを志願した。厳しい訓練と鍛錬に毎日身体が悲鳴を上げてたね、あの頃は。まだ年端も行かない少年が、早速「殺される恐怖」を埋め込まれるんだよ。まぁ、どうやってかは内緒。で、本能的に埋め込まれた恐怖に抗うために、俺の身体は生きることへの渇望から「人を殺すこと」を覚えた。拳銃や槍、弓、剣、どんな武器でも扱えるように、厳しい教官か [続きを読む]
  • 〜18〜 記憶編 ―広報の過去に在った××な純粋―
  • #include#includemain(){printf("%f",2.0);}▼prompt> gcc a.c▼a.c:2:21: past.Recovery: No such file or directory#include▼approve俺はその後、メイとリィナの屋敷に居候することになった。俺自身行く場所も無かったし、あったとしても分からなかったんだけどね。…とは言っても、必ずしも俺は歓迎されて住まわせて貰った訳じゃなかったんだ。その屋敷で過ごしていた人物は主に3人。メイ、リィナ、そしてメイたちが「ツァン [続きを読む]
  • 〜17〜 記憶編 ―繰り返す××と、広報の過去―
  • ズッキーニのベルから流れ出した旋律は、穏やかながら激しく聴く者の心を溶かした。Johnはステファニーのすぐ傍までその刃を迫らせつつも、あと一歩のところで見えない何かに阻まれるように動きを止めていた。そしてその顔は自分の中の何かと戦うように苦痛に歪み、耐え忍ぶように朱い目がチカチカと瞬いた。xもその旋律を浴び、気持ちが悪いほどの罪悪感と自戒の責、そしてとてつもない安寧と幸福感を感じていた。まさにそれ [続きを読む]
  • 〜16〜 記憶編 ―リカバリーの正体と××―
  • ミヤシロとスヴァは、1階の廊下をひたすら走っていた。目指すは、カップを回した際に地響きの音がした部屋。最初に菊華刀を手に入れた場所だ。ミヤシロは右耳に当てていたスマートフォンを左手に持ち直した。コーヒーカップを回した後から、突然電話が通じるようになったのだ。それはウルフ曰く、ゲームクリアが近い証だという。ミヤシロの走りと共に、懐中電灯の明かりが右に左に揺れ動く。しかし、幽霊を倒す毎に古い屋敷は薄明 [続きを読む]
  • 〜15〜 記憶編 ―××に捧げるレクイエム―
  • xは、その感覚を知っていた。まだxが、Johnという男に微塵も危機感を覚えたことの無い頃の話であった。Johnの中に眠る獣が涎に濡れる牙を剥き出したあの日と、同じ感覚を痛感していた。それは、まさしく白い毛皮を着た怪物。赤く燃え滾る瞳は熱く獰猛に光り、見る物全てを呑み込まんばかりに激しく、そして美しかった。「こいつぁ…やべぇな。Johnのパートナーのリミッター切れか」ゴリクスが舌打ちをする。John [続きを読む]
  • 〜14〜 記憶編 ―ツンデレとツンデレと、××する狂犬―
  • 「お、またやってんぞ、TDのニュース」「最近TDの話題しかやってねーもんな。でもなんつーか、ここまでぐちゃぐちゃにされるとなんか、ちょっと可哀相っつーか…」「は?お前マジか?ルカワも言ってたけどさ、TDなんて殺戮集団じゃん。むしろ今回あれだけ痛めつけられてせいせいしたよ。俺らとやってること変わらないのに自分たちだけ安全な場所で管理人から寵愛を受けちゃってさ。ルカワ様もなかなか粋なことしてくれるぜ」 [続きを読む]
  • 〜13〜 記憶編 ―終焉の××―
  • 「…俺は、確かにあんたから見れば度胸無しでいつまでもぐずぐずあいつらとの生ぬるい日常を貪っているダメ男さ…。でも、あんた間違ってる…間違ってるよ。俺が自分の計画を実行に移さないのは、今はもはや、あんたの言う理由じゃ時代遅れなんだよ…」「…へぇ?」コカゲは薄く目を開けて広報を見る。それは今までの涼しい顔での笑いではなく、少しだけ苛立ちを見せるような微笑みだった。広報にとっては、その事実だけでも何故か [続きを読む]
  • 〜12〜 記憶編 ―説教という名の××―
  • 広報は、とあるバーで一人で飲んでいた。店の窓の外はどんよりとした雨雲で満ちていて、針のように雨が降り注いでいた。アルコールを胃に入れるには遅すぎる時間だ。店内には広報の他に2人客が来ていたが、各々店の端の方でおしのように黙り込んで、ほとんど空になったボトルを傾けているだけであった。喉を鳴らして飲み込んだのは、オレンジジュース。広報はアルコールを受け付けない人間だった。空になったグラスをカウンターに [続きを読む]
  • 〜11〜 記憶編 ―××の欠片―
  • 『俺は、迷っている。裏切ったことを見せ付ければ、スヴァは俺を狩る。そしてスヴァは俺の仮名を手に入れて、願いを叶える。スヴァがTDにいる理由が無くなれば、総じてTD全体の拘束力は弱まるはず。でも、そのために俺は何をする?嘘の裏切りだって悟らせないようにするために、仲間をどれだけ傷付ければいい?スヴァに本気で戦わせるために、俺はどれだけスヴァに刃を向ければいい?俺は昔から、スヴァを守ることが仕事だった [続きを読む]
  • 〜10〜 記憶編―くりかえす××―
  • ハッとして瞬きを繰り返すと、ミヤシロは再びあの恐怖の館に舞い戻ってきていることに気が付いた。先ほどまで、目の前で広報の記憶を見ていたようだった。そしてそれはスヴァも同じだったようで、ミヤシロの目の前で狐に化かされたように、キョトンとしているスヴァがいた。「スヴァも見た?今の…」「シロ、君もか」二人は顔を見合わせる。「…どうやら、幽霊を倒すと広報の記憶が再生されるみたいだね。この調子でどんどん幽霊を [続きを読む]
  • 〜9〜
  • さっさと部屋を出たスヴァの後を追いかけると、廊下の曲がり角を右に曲がった先にスヴァはいた。仁王立ちをしてブンブンと毛の逆立った尻尾を振っている。落ち着いて見えるがどうやら興奮しているようだった。声をかけようとして、ミヤシロは彼の先にゆらゆらと蠢く人影を目にした。後から追いついたリィナの懐中電灯の明かりの中に浮かび上がった人影を見て、ミヤシロはあることに気が付いた。「あれ?子どもだ…それも、何となく [続きを読む]
  • 〜8〜
  • 人が死んで悲しいのはその人を失った自分がかわいそうだから?「うそ…だろ?そんな……何で、リカバリー…」ミヤシロの横で伸ばされたスヴァの指先は震えていた。それは、彼女に触れたくて、でも触れてしまうと消えていなくなってしまうのではないか、自分は幻覚を見ているのではないのかと恐れているかのようだった。しばらくの沈黙の後、スヴァの揺らぐ瞳の中でリカバリーと呼ばれた女性は微笑んだ。「リカバリー?って、何のこ [続きを読む]
  • 長期休載のお知らせ
  • 皆さまこんにちは。平素はこの『紛り物のダイヤ』をご愛読くださいまして、誠にありがとうございます。誠に勝手ながら、サイトの管理人であり執筆者でもある私スヴァは、就職活動と卒業研究のために執筆の十分な時間を確保することが叶わず、このたび小説の長期休載をいただくことを決断いたしました。就職活動中も、隙間時間などを利用して小説の執筆を進めたいと考えておりますが、次の更新は就職先が決定してからを予定しており [続きを読む]
  • 〜7〜
  • 「おはようございます…」目の下に黒い隈を何重にも重ねて、ウルフはフラフラとスヴァの病室に入って来た。ベッドの上でうつらうつら朝の二度寝を貪っていたスヴァは、驚いて目を見開いた。黒縁の眼鏡と隈が相まって、まるで黒い眼鏡を二つかけているようにも見える。ウルフはスヴァのベッドの横にあるパイプ椅子に腰掛けようとして、バランスを崩して床に倒れこんだ。「お、おい大丈夫か?」「ええ、まぁ何とか生きてます。それよ [続きを読む]
  • 〜6〜
  • 真実を知ることにいったいどれだけの価値があるというのだろう時は穏やかな昼下がり、スヴァはそっと広報の病室の扉を開けた。そしてそっと中を覗き込むと、中にいたシルプリと目が合った。「おや、スヴァ。だめじゃないですか、まだ病み上がりなんですからベッドの上で大人しくしていてください」「いや、もういいんだ。広報に少し用があって来た。……が、これはいったいどういう状況なんだ?」見れば、ベッドの上で不機嫌そうに [続きを読む]
  • 〜5〜
  • スヴァ達が部屋で話し込んでいる間、ステファニーは自分の病室で療養していた。枕元に置かれた机にある目覚まし時計が静かに刻を刻む音だけが古びた病院に鳴っていた。広報が意識を取り戻したことは良かったが、あれほど動揺した彼を見るのは初めてだった。かねてよりステファニーは、クールで落ち着いていて、常に感情を表に出さない広報しか知らなかったのだ。「ステファニー、リエナからお見舞いにパイナップルケーキを貰ったん [続きを読む]
  • 〜4〜
  • スヴァの病室は静かだった。心音が機械音に姿を変えて、一定のリズムを刻んでいた。点滴から音も無く落ちた滴がビニール製の袋の中にある泉に絶え間なく沈んでいた。そしてその沈黙の中に一人眠れる少年として、スヴァがベッドの上に横たわっていた。あれほど酷かった怪我は跡形もなく消えており、ゴリクスの必死の治療が元の彼の美しい姿を取り戻していた。しかし、まだ身体の至る所に巻き付いた白い包帯がスヴァを完全に人間には [続きを読む]
  • 〜3〜
  • 「気分はどう?ステファニー」「うん、ありがとぉ。もう大丈夫だよぉ。身体も色々痛いところがあるけれど、ほとんど平気」ベッドの上で身体を起こしたステファニーは、パジャマ姿の肩にカーディガンをかけて微笑んでいた。耳の損傷が激しかったにも関わらず、比較的元気そうにも見える。これもゴリクスのお陰だ。「良かったよ本当に。このままステファニーが目を覚まさなかったらどうしようと思ってた」「本当にその通りよォ!!っ [続きを読む]
  • 〜2〜
  • ミヤシロは闇の中にいた。足元が粘着性の高い液体に浸かっているように重い。ふと目の前に、一人の人間が現れる。彼も粘着質な液体に浸かっているのか、足元はぼんやりとして霞んでいる。と、彼がミヤシロに向かってじわりとにじり寄った。そしてまた一歩、じわり。黒ずんだ隈をその下に引きつらせ、虚ろな目を剥き出しにこちらへこちらへと向かって来るのだ。ミヤシロは背筋を何かが駆け上がるような恐怖感を覚えた。じわり、彼が [続きを読む]
  • 〜1〜
  • それから自分たちがどうやってTDスペースへと帰ったのか、どうやって極限まで負傷して動けない仲間達を運んだのか、詳しいことまでは覚えていない。ただ安全なTDスペースに帰還したミヤシロの頭には漠然とした虚無感のような、喪失感のような、大きな暗い感情が両手を広げて寝そべっていた。誰も、何も失わなかった。しかし、この胸の中に押し寄せるひたすらに巨大な喪失感は何なのか、ミヤシロには理解できなかった。ただ後に [続きを読む]
  • 〜22〜
  • 全ての音が止んだ。世界の全てが凍りついた。落ちてくる巨大なコンクリートの塊が、リエナとクライダーの焦りの表情が、ルカワの不敵な高笑いが、ミヤシロとステファニーの周りで時を止めていた。「…皆、ウチのこと大事に想ってくれているのぉ?」「そうだよ、ステファニーは大事な仲間だもん」「でも、ウチ…料理もできないし、戦えないし、頭は悪いし、ドジだしぃ……」「……うん、知ってるよ」「ウチなんて、生きていても仕方 [続きを読む]
  • 〜21〜
  • 哀しそうに揺らいだ瞳がまるで自分のようだと思った「ステファニー…?ステファニー!!!」何度もその名前を叫ぶが、自分の声は彼女の周りに見えない壁があるかのように虚しく地面に落ちた。ステファニーは光を失った目でただ前だけを見つめ、ゆっくりと舞台をまっすぐに歩いて来た。いつもは朗らかに彼女の周囲に浮遊する花も、どす黒く萎れた花びらが風も無いのに薄気味悪くたなびいているだけであった。「無駄やミヤシロ。ステ [続きを読む]