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  • 長沢哲+山田衛子@不動前Permian

    不動前のPermian(2024/4/15)。TetsuNagasawa長沢哲(ds)EikoYamada山田衛子(recorder)はじまると楽器の響きがPermianというハコの響きと相似形なのだという印象を受ける。テナーリコーダーの内部の共鳴からも、またドラムの打音からも伝わる硬質な反響。それがひとつひとつの音をクリアで明確なものとしており、聴く者の集中力を高めてくれる。長沢さんが細かな打音で世界を組み上げてゆく一方で、山田さんの驚異的なタンギングとその連なりによる大きな流れ。シンバルの上に異物を乗せて残響の周波数のプロファイルがぎざぎざの広めになると、山田さんはマージナルな音に移行し、濁りを共有した。セカンドセットで山田さんが使ったのはバスリコーダーとソプラノリコーダー。バスでは豊かな倍音を活かし...長沢哲+山田衛子@不動前Permian

  • BIG FOOT@秋葉原GOODMAN

    秋葉原のCLUBGOODMAN(2024/4/14)。TatsuyaNakamura中村達也(ds)YoshimitsuIchiraku一楽儀光(modularsynth,ds)BIGFOOT:AkiraSakata坂田明(as)YongYandsen(ts)TakashiSeo瀬尾高志(b)DarrenMoore(ds)中村さんと一楽さんの対決というのか大はしゃぎというのか、わけのわからなさが爆発していて楽しかった。自動制御を取り入れつつ自らそれを踏んづけているようなハチャメチャ感覚。BIGFOOTはさすがの全員攻めメンバー。瀬尾さんのアタックは実に強靭であり、ダレンさんの上から下までバランスよいドラミングは痛快。サックスふたりは悠然とヘンな作業を取り行っていた。FujiX-E2,7Artisans12...BIGFOOT@秋葉原GOODMAN

  • 大友良英+イヌイジュン+西村雄介@大久保ひかりのうま

    大久保のひかりのうま(2024/4/9)。YoshihideOtomo大友良英(g)JunInuiイヌイジュン(ds)YusukeNishimura西村雄介(b)三者ががんがん攻める中でも音がそれぞれ美しいほどに分離しているのはさすが。アイラーの<SpiritualUnity>には驚かされた。そして、よしジャズバラッドだと西村さんが宣言してから、イヌイさんがポール・モチアンの真似をはじめたのは愉快だった。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8●大友良英大友良英@水道橋Ftarri(2024年)大友良英X田中鮎美"session"@公園通りクラシックス(2024年)TRYANGLE/大友良英+川島誠+山崎比呂志@なってるハウス(2022年)大友良英+川島誠『DUO』(JazzRightNow)...大友良英+イヌイジュン+西村雄介@大久保ひかりのうま

  • The Bass Collective『瞬く森』(JazzTokyo)

    #2308『TheBassCollective/瞬く森』–JazzTokyo●田嶋真佐雄TheBassCollective@神保町試聴室(2023年)TheBassCollective@渋谷公園通りクラシックス(2023年)徹の部屋ふたたび不在の在~『齋藤徹の芸術コントラバスが描く運動体』出版記念@いずるば(JazzTokyo)(2023年)やみのうつつvol.1@神保町試聴室(2022年)齋藤徹生誕祭@横濱エアジン(2022年)TheBassCollectivemeetsJean&Bénédicte@山猫軒(2022年)森田志保『徹さんの不在』(DanceVision2021feat.齋藤徹)@アトリエ第Q藝術(2021年)齋藤徹生誕祭@横濱エアジン(2021年)ベースアンサンブル~Travessiad...TheBassCollective『瞬く森』(JazzTokyo)

  • KARM日本ツアー・関東編(JazzTokyo)

    #1296KARM日本ツアー・関東編–JazzTokyoKARM日本ツアー・関東編(JazzTokyo)

  • インプロヴァイザーの立脚地 vol.18 石田幹雄(JazzTokyo)

    インプロヴァイザーの立脚地vol.18石田幹雄–JazzTokyo●石田幹雄石田幹雄@公園通りクラシックス(2024年)BEYOND@新宿ピットイン(2024年)zekatsumaカルテット@新宿ピットイン(2023年)永田利樹+石田幹雄+外山明@なってるハウス(2022年)松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2022年)石田幹雄トリオ@稲毛Candy(2020年)松風鉱一+上村勝正+石田幹雄@本八幡cooljojo(2020年)松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2020年)松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2019年)松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2019年)後藤篤@アケタの店(2019年)松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2018年)松風鉱...インプロヴァイザーの立脚地vol.18石田幹雄(JazzTokyo)

  • 山内桂+今西紅雪@東北沢OTOOTO

    東北沢のOTOOTO(2024/4/5)。KatsuraYamauchi山内桂(sopraninosax,as)KohsetsuImanishi今西紅雪(koto)前回の共演では、山内さんの演奏から相とその変貌のプロセス(相転移)を感じ取った。もしかするとPermianの内壁がよく響くものであったからかもしれない。空間が演奏者と一体となることも相の創出にひと役買っているかもしれないからだ。この日のOTOOTOの響きはどちらかといえばデッド。それが影響したのかわからないが、演奏のありようはこの場ならではのものだった。ふたりは擦れるような音から演奏空間の外枠を描きはじめる。箏のあざやかな音がその円環のなかに飛散し、一方でサックスが外枠の円環そのものをずらしたり破いたりするようなうごき。倍音とノイズがゆっくりと...山内桂+今西紅雪@東北沢OTOOTO

  • 杉原達『越境する民 近代大阪の朝鮮人史』

    杉原達『越境する民近代大阪の朝鮮人史』(岩波現代文庫、1998/2023年)を読む。1922年に済州島と大阪を結ぶ定期航路ができ、「君ヶ代丸」が就航した。釜山~下関はおもに日本人が使い、君ヶ代丸はおもに済州島の者が使った。つまり安い労働力だ。それにより大阪に住む済州島出身者は急増し、住民の1割くらいを占めるようになった。このあたりの歴史や厳しい生活水準については、金賛汀『異邦人は君ヶ代丸に乗って―朝鮮人街猪飼野の形成史―』にも書かれている。本書の独特な点は、それを生活圏の目線で描いていること。だから日韓併合、強制労働の開始、日本の敗戦など大きな歴史的事件があるとしても、「生活をつなぐネットワークは、国家の暴力に屈服したり、すり抜けたり、拮抗したりしながら、1920年代以降から数十年以上にわたって、さまざま...杉原達『越境する民近代大阪の朝鮮人史』

  • 坂田明 with TRAVISANO TRIO@千駄木Bar Isshee

    千駄木のBarIsshee(2024/4/2)。AkiraSakata坂田明(as,cl,vo,etc.)TRAVISANOTRIO:ChrisCorsano(ds)JarvisEarnshaw(sitar)TrevorDunn(b)クリス・コルサーノは2017年にメテ・ラスムセンと一緒に来日して以来、もう7年近くになる。あいかわらず切れ味が群を抜いていて、日本刀をもって高速で舞っているよう。それゆえか、強くも柔らかくも受け止めるトレヴァー・ダンとのコンビネーションもまたいい。ジャーヴィス・アーンショーはシタールとペダルを使って音階のあいだで旅をする。坂田さんはこのような無定形のサウンドに駆動力を与えていてみごと。聴いていてずっとむずむずしていた。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,Le...坂田明withTRAVISANOTRIO@千駄木BarIsshee

  • 山田衛子+山㟁直人+秋山徹次@水道橋Ftarri

    水道橋のFtarri(2024/4/1)。EikoYamada山田衛子(recorder)NaotoYamagishi山㟁直人(perc)TetuziAkiyama秋山徹次(g)山田衛子さんのリコーダーにまずは驚いた。弱い息遣いから管の共鳴までのダイナミクスだけではない。サブトーンを出し、循環呼吸で長いフレーズを吹き、リズムも創出。この豊かな音と打楽器の音、弦の音が交錯し、誰のものとも思えないさらに豊かな音。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,LeicaElmarit90mmF2.8(M)●山㟁直人山田光+大藏雅彦+山㟁直人+遠藤ふみ+柳沢耕吉@水道橋Ftarri(2024年)矢部優子+山㟁直人+広瀬淳二@アトリエ第Q藝術(2023年)「響む其の六」@東北沢OTOOTO(2023年)qu...山田衛子+山㟁直人+秋山徹次@水道橋Ftarri

  • 木庭顕『ポスト戦後日本の知的状況』

    木庭顕『ポスト戦後日本の知的状況』(講談社選書メチエ、2024年)。時空を超え姿を変えて登場するのは、夏目漱石『三四郎』の与次郎。一見知的で活動的な批判精神を持つ存在だが、実のところこちらを借りてあちらをけなす野次馬的態度にすぎない。たとえばアジア侵略時代の大陸浪人、そのロマン主義的・周辺的な分子に過ぎない与次郎は中枢に向かってテロルを行使する。そしてユスリタカリだったはずの与次郎が権力自体と化してしまう。戦後期も然り。本丸の丸山眞男も藤田省三も竹内好もクリティックたりえなかった。かれらの周りには与次郎ばかり。「畢竟彼らは、裾野に広がる広大なニッチの闇(を問題とすべきであったにもかかわらず、その意識さえなく、そ)の中からそのまま抜き出してきたにすぎなかった。だからしばしば、文字通りその闇の中に棲息する分子...木庭顕『ポスト戦後日本の知的状況』

  • 毎日の曲線@ウェスタ川越

    ウェスタ川越の音楽室1(2024/3/30)。NaokoSaito齋藤直子(as)NaotoNishizawa西沢直人(perc)MakotoKawashima川島誠(as,harm)齋藤直子さんの演奏を観るのは久しぶりで、ずいぶん変化があったように思えた。それはすなわち楽器を演奏することへの信頼感か。同じアルトでも川島誠さんはまったく異なり、楽器と並列にあるものすべてに責任を負っているようにみえる。西沢直人さんは金属音の響きに向き合っていること自体を表現の一部とした。FujiX-E2,LeicaElmarit90mmF2.8(M)●齋藤直子齋藤直子トリオ@壱岐坂ボンクラージュ(2020年)『点字呼吸の領域』(2019年)毒食@阿佐ヶ谷YellowVision(2017年)●川島誠TRYANGLE/大友良...毎日の曲線@ウェスタ川越

  • 中平卓馬『火|氾濫』@東京国立近代美術館

    竹橋の近代美術館。アレ・ブレ・ボケのコンポラ写真。ことばの世界から写真の世界に入った人。いちどは昏倒して記憶を失い、最後はデジタルでただ撮るだけだった人。晩年の奇妙さにはひっかかるものがあったけれど、なにかこちらの精神を揺らすようなものはいちども感じたことがない。そして今日も感じるものは皆無だった(それなら行かなければいいようなものだけれど)。そりゃことばで自らアイデンティティをあやういものにし、身体を張って「生きる」ということを表現の相にまで強引にもってくるなら、いま見ても迫りくるものはあるだろうよ、なんて思う程度。けれども、それは安っぽい物語にしかならない。大竹昭子さんの随想録『私、写真を放棄することは、全く不可能です』がおもしろい。「病後の彼は損壊してなお残った脳細胞をフル稼働させて現実に対処する状...中平卓馬『火|氾濫』@東京国立近代美術館

  • ヨアヒム・バーデンホルスト、潮田雄一@渋谷Bar Subterraneans

    渋谷のBarSubterraneans(2024/3/29)。YuichiUshioda潮田雄一(g)JoachimBadenhorst(cl,bcl)潮田雄一、ヨアヒム・バーデンホルスト、それぞれのソロ。潮田さんは自身のルーツでもあるのか、強靭なブルース。ヨアヒムはリヌス・ヴァン・デ・ヴェルデ(RinusVandeVelde)のフィルムを流しつつバスクラとクラを吹いた。すべてあらたに手作りされたコーヒーカップやレコードなどを使った奇妙かつ魅力的なフィルム、まったく自己顕示的でないのに存在感のあるいつものヨアヒム。FujiX-E2、LeicaElmarit90mmF2.8(M)●ヨアヒム・バーデンホルストヨアヒム・バーデンホルスト+井野信義+安田芙充央@稲毛Candy(2023年)ZeroYearsKid...ヨアヒム・バーデンホルスト、潮田雄一@渋谷BarSubterraneans

  • 溝入敬三@横濱エアジン

    横濱エアジン(2024/3/28)。KeizoMizoiri溝入敬三(b)4年ぶりに同じ場所で聴く溝入さんのコントラバスソロ。名オリジナル<小吉の夢>日英版、バッハ、林光、クセナキス。クセナキス!本を書くために2時間くらいお話を聴いたことがあって、その語り口が音楽にもなっていることを実感。やさしくもあり包まれるようでもあり、素晴らしかった。せっかくなのでご著書『こんとらばすの虎の巻』とCD『ContrabassPlayhouse』にサインをいただいた。ちなみにコントラバスの項にはこのように書いてある。これが反転してコントラバスの魅力になる。「たまにソロを弾かされることもあるが、情けないメロディーを少しでも上手に弾くことができれば、チェロのようだヴァイオリンのようだと言われる。誰もコントラバスなんかに期待し...溝入敬三@横濱エアジン

  • MIYA+中村としまる@千駄木Bar Isshee

    千駄木のBarIssheeで、「月刊MIYA」(2024/3/27)。MIYA(modularfl)ToshimaruNakamura中村としまる(no-inputmixingboard)混沌や洪水というよりもそれぞれの個性的な音が制御されていて、間近で観るとなおさらおもしろい。MIYAさんはフルートを使うこともあってか、アンビエント的でもあり、時空間にただようものに刺激を与え、ときに色付けをするような印象。一方の中村としまるさんは驚くにあたいしないとばかりに淡々と事件を引き起こしている(その変化を視て愉しそう)。演奏をいきなり終えるのが中村さんであるのも、そのちがいによるものか。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,LeicaElmarit90mmF2.8(M)●MiyaMIYA+田中悠...MIYA+中村としまる@千駄木BarIsshee

  • 「じゃフリージャズやろう」@神保町試聴室

    神保町試聴室(2024/3/25)。Shibatetsuしばてつ(p)HikaruYamada山田光(as)KotaArai荒井康太(ds)MasatakeAbe阿部真武(b)ManabuKitada北田学(cl)耳に馴染み親しんでいるはずの「フリージャズ」がとても新鮮。メタ的なものでもなく真正面からのアプローチであるから、方法論が意図的に際立たされたわけではない。「らしい」コード(音楽のchordではなく様式としてのcode)はありそうだ。その場に出された音を自身にフィードバックし演奏に反映するプロセスが極めて短時間とならざるを得ず、それを30分以上続けうることが求められる。聴く者のそれへの一体化が「フリージャズ」としてのおもしろさか。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,LeicaEl...「じゃフリージャズやろう」@神保町試聴室

  • 秋山徹次+林頼我+遠藤ふみ@水道橋Ftarri

    水道橋のFtarri(2024/3/24)。TetuziAkiyama秋山徹次(g)RaigaHayashi林頼我(perc)FumiEndo遠藤ふみ(p)静かにリラックスした即興演奏。秋山さんは時間の創出、林さんは時間の駆動、遠藤さんは進む時間のなかでの佇まい。●林頼我渋さ知らズ@なってるハウス(2023年)大谷能生+高橋保行+阿部真武+林頼我@稲毛Candy(2023年)纐纈雅代+松丸契+落合康介+林頼我@荻窪ベルベットサン(2019年)WaoiL@下北沢Apollo(2019年)永武幹子+加藤一平+瀬尾高志+林ライガ@セロニアス(2018年)林ライガvs.のなか悟空@なってるハウス(2017年)森順治+高橋佑成+瀬尾高志+林ライガ@下北沢APOLLO(2016年)●秋山徹次エリック・ティーレマンス+...秋山徹次+林頼我+遠藤ふみ@水道橋Ftarri

  • 『N/KOSMOS』@東京芸術劇場

    お招きいただいて、東京芸術劇場で『N/KOSMOS』を観劇。ヴィトルド・ゴンブローヴィッチの『コスモス』を小池博史さんが演出したもの。さてあの饒舌な狂った独白のような文章がどうなるのかと思ったら、息つく間もなくことばとアクションと映像とが次々に転換される。観る者を呑みこみ出られなくする狂った脳は、個人のものでもあり、集団のものでもあった。伸び縮みするヴァツワフ・ジンペルのクラリネットは、あの者たちを此岸に引き寄せるようでみごと。『N/KOSMOS』@東京芸術劇場

  • KARM@東北沢OTOOTO

    東北沢のOTOOTO(2024/3/16)。MichalWróblewski(as,cl)fromPragueTorstenPapenheim(g,objects)fromBerlinCalLyall(g)YasumuneMorishige森重靖宗(b)プラハのミハル・ヴルブレフスキ(altosax,clarinet)とベルリンのトルステン・パペンハイム(guitar,objects)によるKARM。音が創出されるプロセスをアコースティックでアンプリファイした感覚。クラに吹き込む息、運指の音、そういったものが管の共鳴と同次元で展開されている。ギターもまた、弦を鳴らすとはどういうことかを注視しているよう。対バンのデュオ(カル・ライアルさん、森重靖宗さん)は、より創出されたあとの音の振幅を提示するもので、また...KARM@東北沢OTOOTO

  • ヴィム・ヴェンダース『PERFECT DAYS』

    ヴィム・ヴェンダース『PERFECTDAYS』(2023年)。毎日上げ下ろしする布団のように自分の世界を整える人。そうか、平山はこれまでなんどもヴェンダース映画で接してきた人たちでもあったのか。『パリ、テキサス』のトラヴィス、『都会のアリス』のヴィンター。もちろんそれは自分自身でもあることに気付かされ、スクリーンの前で追い詰められる。平山が言うように、世界は無数に分断されている。眠りながら平山が視るヴィジョンは「界」のすがた。死ぬまでにいくつ視るんだろうな、まあ、覚悟を決めるしかない。ところで・カメラ屋の店主が柴田元幸さんだった。・最近中古カメラ屋でオリンパスミューの人気が高いとどこかで読んで不思議に思っていたのだが、平山のせいだった。・ヴェンダースの東京について小津安二郎や『東京画』のことを言及する人は...ヴィム・ヴェンダース『PERFECTDAYS』

  • イトクリトリオ@神保町試聴室

    神保町試聴室(2024/3/12)。イトクリトリオ:TomohideMidoriミドリトモヒデ(as)TaekoKurita栗田妙子(p)Itokenイトケン(ds)サックスというヘンな楽器から自然体で生み出されるヘンな生き物たちが、決してがっちりと手をつなぐでもなく、ふにゃふにゃふわふわとそのあたりに浮かび遊ぶ。ピアノ、ドラムスも自然体で遊ぶ。オーネット・コールマンの曲がこんなふうに別次元の集団で提示されるとはなんて愉快な。ミドリさんが松風鉱一さんのお弟子さんだという説は間違いだった。しかし、松風さん、宮野裕司さん、ミドリさんの3人が「弱気サックス三羽烏」と呼ばれたことがあったそうである。あまりにもオリジナルな世界がそこにある。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,LeicaElmari...イトクリトリオ@神保町試聴室

  • 大友良英@水道橋Ftarri

    水道橋のFtarri(2024/3/10)。YoshihideOtomo大友良英(turntable,g)大友良英さんの演奏をターンテーブル時代にはじめて観た自分にとってはやはり特別。かつてのコラージュ的なサウンド作りではない。紙を使った衝撃音は持続音にもなり、柔らかくも重くもある。『革命京劇』を想起させる瞬間もある。そしてセカンドセットは驚いたことにクリスチャン・マークレー『RecordWithoutACover』を2枚(オリジナル盤と再発盤)、左と右のターンテーブルで使うものだった。大友さんは「紙いいな」と口にして、マークレーの『Ghost(IDon'tLiveToday)』のジャケットさえも使った。●大友良英大友良英X田中鮎美"session"@公園通りクラシックス(2024年)TRYANGLE/大...大友良英@水道橋Ftarri

  • 義江彰夫『神仏習合』、村山修一『本地垂迹』

    義江彰夫『神仏習合』(1996年)を再読。出てすぐに読んだ記憶があるから数十年ぶりか。やはり物語のように読めてしまうのは、マルクス主義史観というのか進歩史観というのか、特定の階層が社会的・経済的な要請を受けて行動するという図式化があるからだろう。たとえば、地域の神々が仏になりたがったのは王権の納税システム機能のためであり、共同体の呪術的な神々では権力を成立させるために役不足であったから。支配の側が仏教を普遍的な力として使うならば、反権力もまた神仏習合を前提とせざるを得ない。巨大な存在から有象無象の存在までをカバーした密教が社会統合に使われ、怨霊信仰もそれなしには力を持たなかった。権力の側からすれば、密教を取り込む一方で、基層信仰たる神祇祭祀を仏教に比すべきものにするため清浄化しなければならなかった、とする...義江彰夫『神仏習合』、村山修一『本地垂迹』

  • クレイグ・ペデルセン+マーク・モルナー+坂田明@千駄木Bar Isshee

    千駄木のBarIsshee(2024/3/5)。CraigPedersen(tp)MarkMolner(cello)AkiraSakata坂田明(as,cl,vo)2018年10月以来だから5年半ぶりの来日となるクレイグ・ペデルセン。その間に子供が生まれ、モントリオールからパースへの引っ越しがあった。ちょっと懐かしのパース話。お子さんはギャラリーPICAが大好きだそうで、自分も2008年に観た3スクリーンの動画作品《OOTTHEROONGOO(YOURCOUNTRY)》(ジュリー・ドーリング)が忘れられない。そして俳優の林優枝さんもいらしていて、林さんと坂田さんが共演なさった映画『野ゆき山ゆき海べゆき』(大林宣彦)などのおもしろいお話。https://www.youtube.com/watch?v=ci2...クレイグ・ペデルセン+マーク・モルナー+坂田明@千駄木BarIsshee

  • I-I(内橋和久+山本達久+坂口光央)@代々木上原Hako Gallery

    代々木上原のHakoGallery(2024/3/1)。I-I:KazuhisaUchihashi内橋和久(daxophone,g)TatsuhisaYamamoto山本達久(ds)MitsuhisaSakaguchi坂口光央(syn)いや素晴らしかった。痙攣とずれとを孕みながら疾走して独特極まりないグルーヴを生み出すドラミング、人の声でも感情無しの機械の音でもあるシンセとダクソフォン。信頼と技能の即興演奏、みごとのひとこと。FujiX-E2,XF35mmF1.4●内橋和久内橋和久+謝明諺@千駄木BarIsshee(2023年)内橋和久+とうめいロボ@千駄木BarIsshee(2023年)天鼓+内橋和久「天ノ橋地獄巡」@秋葉原ClubGoodman(2023年)内橋和久+カール・ストーン@千駄木BarIs...I-I(内橋和久+山本達久+坂口光央)@代々木上原HakoGallery

  • 石当あゆみ+神田綾子+加藤一平@渋谷Bar Subterraneans

    渋谷のBarSubterraneans(2024/2/25)。AyumiIshito石当あゆみ(ts)AtakoKanda神田綾子(voice)IppeiKato加藤一平(g)各々の力能を相互に前提とした、即興という大きな船。天井の高い地下空間という場の力もあり、どこを向いても音が届き、聴く者も同じ船の中にいることを意識させられる。三者ともに淡々と個人作業をおこないつつ、その延長で他の音を感知してまたブーストしたり別の貌を身体の前に掲げたり。FujiX-E2,XF35mmF1.4●石当あゆみ石当あゆみバンド@なってるハウス(2024年)EntropicHop/日本ツアー・関東の陣(JazzTokyo)(2023年)ストロング・スイマーズ『BeneathMyFingernails/Swing+AMiss』(...石当あゆみ+神田綾子+加藤一平@渋谷BarSubterraneans

  • AccentGrave@千駄木Bar Isshee

    千駄木のBarIsshee(2024/2/27)。AccentGraveTeruyukiOshima大島輝之(g)MasatakeAbe阿部真武(b)TetsuroFujimaki藤巻鉄郎(ds)これと決断したらとにかく同じ音で急発進と爆走、始まりも終わりも集団意思。そのような形とはいえレールはないから、あさっての方向に走り始めたらそれに付き合わなければならない。これが伸るか反るか、飛ぶか死ぬかの麻痺=グルーヴを生み出しているようだ。FujiX-E2,XF35mmF1.4,LeicaElmarit90mmF2.8(M)●大島輝之遠藤ふみ+潮田雄一、AccentGrave@七針(2023年)AccentGrave、鈴木彩文@神田Polaris(2023年)『《《》》/Relay』(2015年)『《《》》』(...AccentGrave@千駄木BarIsshee

  • 大藏雅彦+遠藤ふみ@水道橋Ftarri

    水道橋のFtarri(2024/2/26)。MasahikoOkura大藏雅彦(b,p,cl,contrabasscl)FumiEndo遠藤ふみ(p)大藏ソロ。手が届く範囲にピアノ、ベース、クラリネットがある。そのいずれかから音を出し、残響が聴こえるうちに別のいずれかから音を出す。かならずしも和音ではなく、むしろ驚いてしまう重なりがある。ピアノとベースからは減衰音、そしてピアノはペダルを使って別の楽器を響かせる共鳴箱としても機能している。なにかの実践のひとつひとつが事件であり、それを観客(と演者)がなすすべなく観察することもまた事件であるように感じられる。事件が前とつながりのないものとして断続的に引き起こされるからこそその過程の全体的な把握ができず、それを観客(と演者)が受け容れている。遠藤ソロ。はじめは...大藏雅彦+遠藤ふみ@水道橋Ftarri

  • 石田幹雄@公園通りクラシックス

    渋谷の公園通りクラシックス(2024/2/24、マチネ)。MikioIshida石田幹雄(p)石田幹雄さんのピアノソロをこうして聴くのははじめてだ。世界が拡がり、もとに戻ったりもして、ずっと呑まれたようになりつつ堪能した。半端ない強度の表現。FujiX-E2,LeicaElmarit90mmF2.8(M)●石田幹雄BEYOND@新宿ピットイン(2024年)zekatsumaカルテット@新宿ピットイン(2023年)永田利樹+石田幹雄+外山明@なってるハウス(2022年)松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2022年)石田幹雄トリオ@稲毛Candy(2020年)松風鉱一+上村勝正+石田幹雄@本八幡cooljojo(2020年)松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2020年)松風鉱一カルテッ...石田幹雄@公園通りクラシックス

  • 石当あゆみバンド@なってるハウス

    入谷のなってるハウス(2024/2/23)。AyumiIshito石当あゆみ(ts)HajimeYoshida吉田孟(g)YoshikiYamada山田吉輝(b)CarterBales(ds)キメキメではなく個々の音のキャラが立っていて、バンドサウンドとして多幸感をもって進んでゆくけれど自由度も高い。サックスの音が全体に融けたり離脱したりするさまが快感。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,LeicaElmarit90mmF2.8(M)●石当あゆみEntropicHop/日本ツアー・関東の陣(JazzTokyo)(2023年)ストロング・スイマーズ『BeneathMyFingernails/Swing+AMiss』(JazzTokyo)(-2021年)ダニエル・カーター+石当あゆみ+エリッ...石当あゆみバンド@なってるハウス

  • 武田理沙@大塚bar地底

    大塚のbar地底(2024/2/22)。RisaTakeda武田理沙(p,synth,modular)ソロとなると濃密で、次々に仮想のキャラが登場してきては躍ったり暴れたり戦いあったりする感覚。武田さんは有象無象のかれらを飼いならしているようで。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,LeicaElmmarit90mmF2.8(M)●武田理沙武田理沙@神田錦町Polaris(2024年)謝明諺+武田理沙+T.美川@渋谷BarSubterraneans(JazzTokyo)(2023年)高橋保行+潮田雄一+武田理沙@四谷三丁目CONTONTONVIVO(2023年)武田理沙+アキオ・ジェイムス@公園通りクラシックス(2023年)天鼓+内橋和久「天ノ橋地獄巡」@秋葉原ClubGoodman(20...武田理沙@大塚bar地底

  • トリオ座@阿佐ヶ谷Yellow Vision

    阿佐ヶ谷のYellowVision(2024/2/21)。トリオ座:EiichiHayashi林栄一(as)KastuoKuninaka國仲勝男(b)ShotaKoyama小山彰太(ds)三者からこれまでとは違った印象を受けるのも音に向かう覚悟のゆえにちがいない。國仲さんのベースにはアンビエント性がある。小山彰太さんのドラムスは垂直構築型のように感じていたが、それが崩れてもなんら問題ないと言わんばかりの迫力。そして林さん、最後のブルースなんてすべてを塗りつぶすようなのに尖ってもいて、文字通り痺れた。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,LeicaElmarit90mmF2.8(M)●林栄一林栄一+吉田達也+神田綾子@公園通りクラシックス(2023年)東京国際バリトンサックス・フェスティバル...トリオ座@阿佐ヶ谷YellowVision

  • 潮田雄一+瀬尾高志+藤巻鉄郎@なってるハウス

    入谷のなってるハウス(2024/2/20)。YuichiUshioda潮田雄一(g)TakashiSeo瀬尾高志(b)TetsuroFujimaki藤巻鉄郎(ds)重低音を持ち上げてその場を力強く駆動させる過程自体が瀬尾さんの音楽。藤巻さんは自身のビートを決して手放さない。潮田さんの時間の流れかたはまた別で、共同作業と個人作業との間を脱力して往還するありように惹かれる。このトリオは驚くほどのなにかを生み出すものだと思えた。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,LeicaElmarit90mmF2.8(M)●潮田雄一高橋保行+潮田雄一+武田理沙@四谷三丁目CONTONTONVIVO(2023年)遠藤ふみ+潮田雄一、AccentGrave@七針(2023年)●瀬尾高志BORDERSvol.1@...潮田雄一+瀬尾高志+藤巻鉄郎@なってるハウス

  • 山田光+大藏雅彦+山㟁直人+遠藤ふみ+柳沢耕吉@水道橋Ftarri

    水道橋のFtarri(2024/2/17)。HikaruYamada山田光(as,sopraninosax)MasahikoOkura大藏雅彦(bcl,cl)NaotoYamagishi山㟁直人(perc)FumiEndo遠藤ふみ(melodica,p)KokichiYanagisawa柳沢耕吉(g,accordion)おそらく2023/4/2にPermianで行われた集団即興の続編としての位置づけであり、メンバーはチューバの坂本光太さんからギターの柳沢耕吉さんに変わったのみ。とはいえサウンドから受ける印象はそれ以上に変化があった。思いつく主な要因は、大藏さんがバスクラの低音を持ち込んだこと(チューバの代わり、というわけではない)、遠藤さんがピアノも使ったこと、そして減衰楽器がピアノとギターのふたりに増え...山田光+大藏雅彦+山㟁直人+遠藤ふみ+柳沢耕吉@水道橋Ftarri

  • BEYOND@新宿ピットイン

    新宿ピットイン(2024/2/17)。HanSato佐藤帆(ts)MikioIshida石田幹雄(p)NoboruAndo安東昇(b)AkiraSotoyama外山明(ds)ベルリン在住の佐藤帆さんのテナーを直に観たくて、ようやく機会を得た。佐藤さん自身も、この付き合いの長いメンバーとの共演を渇望していたと口にした。フレーズに迷いがなく、濁りも深さもあるテナー。幼少期、母親からセロニアス・モンクとグレン・グールドを聴かされて育ったという佐藤さんのオリジナル<Kid'sMonk>が愉快で、骨太の安東さんも<AprilinParis>なんかを引用したりする遊びモード。<Perdido>での石田さんのソロの飛翔もすばらしい。その石田さんオリジナル<真夏の昼寝>、ファラオ・サンダースの<HealingSong>、...BEYOND@新宿ピットイン

  • 閑喜弦介+甲斐正樹@本駒込Juhla Tokyo

    本駒込のJuhlaTokyo(2024/2/14)。気になっていたけれど初めて入るフィンランドカフェ。GensukeKanki閑喜弦介(g)MasakiKai甲斐正樹(b)Guest:AtsushiFukuroku福録篤志(g)初めて聴く閑喜弦介さんのギターは独特だ。楽器の内部か近傍で共鳴空間があるような雰囲気で、その周波数は幅広く、ときに濁り、ときに前面に出てくる。幅広さは受け手の意識を拡張させもする。途中でシットインした福録篤志さんは対照的で、粒立った音をさまざまに配置してカラフルなつながりを創出する。そして甲斐さんは明に押すことも引くこともせず、広がりの中に立って平衡を保ちながらサウンドを牽引していた。オランダに住む福録さんから現地のシーンについて少しお話をうかがうことができた。当然だろうけれどBI...閑喜弦介+甲斐正樹@本駒込JuhlaTokyo

  • ミシェル・ンデゲオチェロ@ビルボードライブ東京

    ビルボードライブ東京(2024/2/13、1st)。MeshellNdegeocello(b,vo)JustinHicks(vo)JebinBruni(key)ChristopherBruce(g)AbrahamRounds(ds)KyleMiles(b)CAN<VitaminC>、そして『TheOmnichordRealBook』の曲。必ずしもバンドとしてまとまっていたわけではない(ジャスティンに歌わせすぎる一方で、叩きすぎるエイブラハムを抑えたり)。しかしそんなことはどうでもよいほど、声のマチエール、テクスチャ、深さ。そっと心臓にひんやりとした手が入ってきて触られたような。観に行ってよかった。●ミシェル・ンデゲオチェロラケシア・ベンジャミン『Pursuance:TheColtranes』(-2020年...ミシェル・ンデゲオチェロ@ビルボードライブ東京

  • 蒼波花音+遠藤ふみ+西嶋徹+沼尾翔子@公園通りクラシックス

    渋谷の公園通りクラシックス(2024/2/11)。KanonAonami蒼波花音(as)FumiEndo遠藤ふみ(p)ToruNishijima西嶋徹(b)ShokoNumao沼尾翔子(vo)おもに沼尾さんの作品を中心として、「うた」の世界をつくりだすグループ。「幽けき刻」ともずいぶんと異なる。全員が「うた」を大事に撫で育てているようで、気持ちよく入ることができた。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,LeicaElmarit90mmF2.8(M)●沼尾翔子弾き語りの夜@Ftarri(2023年)Uquwa@神保町試聴室(2023年)遠藤ふみ+沼尾翔子+荻野やすよし@柏Nardis(2023年)詩與歌的靈魂夜ASoulfulNightofPoetryandSongs(JazzTokyo)(...蒼波花音+遠藤ふみ+西嶋徹+沼尾翔子@公園通りクラシックス

  • すずえり『移動について』@トーキョーアーツアンドスペース本郷

    トーキョーアーツアンドスペース本郷(2024/2/11)において、すずえり『移動について』。遠いところに生きる人たちの記憶と声。距離的にも時間的にも近づけないことを奇貨として、極端にプリミティブな入口からかれらに接するありようが素晴らしかった。●すずえりインプロヴァイザーの立脚地vol.13すずえり(JazzTokyo)(2023年)すずえり+中村としまる@水道橋Ftarri(2023年)「ジョン・ラッセルを追悼する」@下北沢アレイホール(2022年)秋山徹次+すずえり@水道橋Ftarri(2020年)エレクトロニクスとヴィオラ、ピアノの夕べ@Ftarri(2019年)すずえり@Ftarri(2019年)すずえり+大城真『Duo』(2018年)ジョン・ラッセル、ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ、すずえり...すずえり『移動について』@トーキョーアーツアンドスペース本郷

  • ドグラ・マグラ

    鶴見俊輔『ドグラ・マグラの世界/夢野久作迷宮の住人』(講談社文芸文庫)。「世界に世界意識が生れたのは、いつからか」という鶴見の問題設定に刺激される。『ドグラ・マグラ』もまたただの怪作ではなく、その文脈の中にあった。孤独な想像の精神が世界といかにつながりうるものか。久作の父は頭山満ともつるむアジア主義者、ただ久作は父から大きな影響を受けつつも国家至上主義者ではなかった。それに加え、雲水として放浪し、東京文壇に身を置くことを拒否して福岡で農園経営をしていたスタンスも、久作の作品が世界につながり続けたことと無縁ではない。そして、久作がこの世から姿を消したあとの戦時中にあって、その狂気は戦争という狂気とはまったく異なるものとして、たとえば学徒出陣の命令で兵士となっていた中井英夫にも影響を与えた(戦後、『虚無への供...ドグラ・マグラ

  • 春の気たつを以て也@成城学園前アトリエ第Q藝術

    成城学園前のアトリエ第Q藝術(2024/2/4)。KiyoshiShimizu清水きよし(pantomime)KazutokiUmezu梅津和時(as,cl,bcl)YukoYabe矢部優子(p)KiyomiSakuma佐久間雪(photos)ピアノの横にはマチエールの写真が表面に貼られた梅の木、その影。あたかも何かがその場にあるように動くパントマイムもそれに通じるものがあるようで、虚と実のあわいがさまざまなありようで提示された。清水さんの動きには、決して過剰にならず、また抽象的な虚の表現にも身体運動自体の実の表現にも極端に振れることがない、微妙なおもむきがあった。音風景は梅津さんの手にする楽器によって大きくさまがわりする。クラにはクラの、バスクラにはバスクラの呼び出す世界がある。そして矢部さんは気配の霧...春の気たつを以て也@成城学園前アトリエ第Q藝術

  • おひるね(細井徳太郎+梅井美咲+外山明)@公園通りクラシックス

    渋谷の公園通りクラシックス(2024/2/7)。TokutaroHosoi細井徳太郎(g)MisakiUmei梅井美咲(p)AkiraSotoyama外山明(ds)三者がそれぞれ自然に流れ、感情の発露を自然に音に変える。それがあまりにも気持ちいい。最後に細井さんの<ホコリヲハイタラ>、こうなるのかとやはりおもしろい。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8●細井徳太郎謝明諺&スガダイローanewlittleone『OurWaningLove』(JazzTokyo)(2023年)インプロヴァイザーの立脚地vol.4細井徳太郎(JazzTokyo)(2023年)細井徳太郎+阿部真武@水道橋Ftarri(2022年)吉田達也+神田綾子+細井徳太郎@公園通りクラシックス(2021年)神田綾子+細井徳太...おひるね(細井徳太郎+梅井美咲+外山明)@公園通りクラシックス

  • カーステン・キャリー+神田綾子@千駄木Bar Isshee

    千駄木のBarIsshee(2024/2/2)。KirstenCarey(g)AyakoKanda神田綾子(voice)カーステン、久しぶりの日本とあって嬉しそう。ギタープレイの特徴は連続的にではなくひとまとまりの分節で音風景を変えてゆくことで、彼女の愛好するアニメにも通じるものかもしれないと思った。そうするとデュオでもやりやすそうで、一緒に跳躍する局面もあった。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,LeicaElmarit90mmF2.8(M)●カーステン・キャリーやみのうつつvol.1@神保町試聴室(2022年)●神田綾子北神田@渋谷BarSubterraneans(2024年)イェーナ・チャング+神田綾子@千駄木BarIsshee(2024年)神田綾子+田村夏樹+藤井郷子+アンドリュ...カーステン・キャリー+神田綾子@千駄木BarIsshee

  • 『「前衛」写真の精神:なんでもないものの変容 瀧口修造・阿部展也・大辻清司・牛腸茂雄』@松濤美術館

    松濤美術館での展示の最終日。大辻清司の作品をいくつも観る良い機会だった。大辻が、アヴァンギャルドとは特定のスタイルに固定しないことだと言ったことと、コンセプト、オブジェ撮影、ルポルタージュを同じところに持ってきたこととの矛盾をどう捉えるべきなのか、ちょっと整理できないでいる。ただ、牛腸茂雄の「スタイル」が極めて情緒的なもので、それは徹底的に個人に引き寄せているからこそ外部の「スタイル」ではないことは納得できる。それにしても大辻の撮ったアヴァンギャルドの中に、勅使川原蒼風を見つけて嬉しくなってしまう。自分も、十代から二十代のころ、安部公房『壁』の安部真知による挿絵、蒼風の息子・宏による安部作品の映画化、そのあたりの世界に惹かれていた。『「前衛」写真の精神:なんでもないものの変容瀧口修造・阿部展也・大辻清司・牛腸茂雄』@松濤美術館

  • インプロヴァイザーの立脚地 vol.16 マクイーン時田深山(JazzTokyo)

    インプロヴァイザーの立脚地vol.16マクイーン時田深山–JazzTokyo●マクイーン時田深山現代音楽レクチャーシリーズ最終回「今日の音楽作曲家山本和智自作を語る」@浦安市文化会館(2023年)『私の城』(2022年)喜多直毅+マクイーン時田深山@松本弦楽器(2020年)マクイーン時田深山+池田陽子+池上秀夫―弦弦弦@喫茶茶会記(JazzTokyo)(2020年)マクイーン時田深山@下北沢Apolloその2(2020年)マクイーン時田深山@下北沢Apollo(2020年)アンノウン・ミラーズ『YourTenIsMyTwelve』(-2020年)『今・ここ・私。ドイツ×日本2019/即興パフォーマンスinいずるば』(JazzTokyo)(2019年)喜多直毅+マクイーン時田深山@松本弦楽器(2017年)インプロヴァイザーの立脚地vol.16マクイーン時田深山(JazzTokyo)

  • 李松+趙叢+朱文博@水道橋Ftarri(JazzTokyo)

    #1285李松+趙叢+朱文博–JazzTokyo●趙叢、朱文博のっぽのグーニー+竹下勇馬、阿部薫没有未来@大崎l-e(2019年)ZhuWenbo、ZhaoCong、浦裕幸、石原雄治、竹下勇馬、増渕顕史、徳永将豪@Ftarri(2018年)ZhaoCong、すずえり、滝沢朋恵@Ftarri(2018年)『Ftarri福袋2018』(2017年)●李松リ・ソン、アンガラッド・デイヴィス、スティーヴ・ベレスフォードら@ロンドンCafeOTO(2023年)People,PlacesandThings×Ex@小岩BUSHBASH(2022年)李松+趙叢+朱文博@水道橋Ftarri(JazzTokyo)

  • ケン・ヴァンダーマーク+ポール・ニルセン・ラヴ 2024年日本ツアー(関東編)(JazzTokyo)

    #1286ケン・ヴァンダーマーク+ポール・ニルセン・ラヴ2024年日本ツアー(関東編)–JazzTokyo●ケン・ヴァンダーマークポール・ニルセン・ラヴ+ケン・ヴァンダーマーク+坂田明@渋谷SuperDommune(2024年)ケン・ヴァンダーマーク+ポール・ニルセン・ラヴ@稲毛Candy(2日目)(2019年)ケン・ヴァンダーマーク+ポール・ニルセン・ラヴ@稲毛Candy(2019年)ネイト・ウーリー+ケン・ヴァンダーマーク『EastbyNorthwest』、『AllDirectionsHome』(2015年)ポール・ニルセン・ラヴ+ケン・ヴァンダーマーク@新宿ピットイン(2011年)ペーター・ブロッツマンの映像『ConcertforFukushima/Wels2011』(2011年)ペーター・ブロッツ...ケン・ヴァンダーマーク+ポール・ニルセン・ラヴ2024年日本ツアー(関東編)(JazzTokyo)

  • 武田理沙@神田錦町Polaris

    神田錦町のPolaris(2024/2/1)。RisaTakeda武田理沙(p,synth,modular)絶望と悦楽が同時にドバドバと放出されるソロステージ。壮大でありながら個人作業というギャップもたぶんサウンドの全体性と関係ありそう。ピアノを弾くとはっと覚醒させられるのもおもしろい。FujiX-E2,LeicaElmarit90mmF2.8●武田理沙謝明諺+武田理沙+T.美川@渋谷BarSubterraneans(JazzTokyo)(2023年)高橋保行+潮田雄一+武田理沙@四谷三丁目CONTONTONVIVO(2023年)武田理沙+アキオ・ジェイムス@公園通りクラシックス(2023年)天鼓+内橋和久「天ノ橋地獄巡」@秋葉原ClubGoodman(2023年)武田理沙+渡邉茜@本八幡cooljojo...武田理沙@神田錦町Polaris

  • 池田謙+山本達久@代々木上原Hako Gallery

    代々木上原のHakoGallery(2024/1/31)。KenIkeda池田謙(electronics)TatsuhisaYamamoto山本達久(ds)場を作るというよりも場になる池田謙さんのサウンドは、場じたいが脈動しているよう。この日山本達久さんは擦音による残響的な効果よりも先端による叩きを優先した。やはりそれは独創的なもので、繰り返しによる痙攣とずれによる覚醒とが並走するものだった。ふたりの音の重なりにより、意思が場にあるのか奏者にあるのか、異種のものが混交するスリルが発生した。●池田謙カール・ストーン+池田謙『DAM』(JazzTokyo)(2023年)ロジャー・ターナー+池田謙@Ftarri(2023年)阿部真武+池田謙+遠藤ふみ@公園通りクラシックス(2023年)「ジョン・ラッセルを追悼す...池田謙+山本達久@代々木上原HakoGallery

  • 大友良英 X 田中鮎美 "session"@公園通りクラシックス

    渋谷の公園通りクラシックス、大友良英X田中鮎美2daysの2日目(2024/1/16)。YoshihideOtomo大友良英(g)AyumiTanaka田中鮎美(p)KeiMatsumaru松丸契(as)AmiYamasaki山崎阿弥(voice)KosukeOchiai落合康介(b,馬頭琴,口琴)美しいむらのある手漉きの紙を重ね合わせているようで、それぞれの作業と社会の構築がみごとの一言。大友さんの音は溶け込むことがなく独立して聴こえる。FujiX-E2、7Artisans12mmF2.8●大友良英TRYANGLE/大友良英+川島誠+山崎比呂志@なってるハウス(2022年)大友良英+川島誠『DUO』(JazzRightNow)(2021年)大友良英+川島誠@山猫軒(2021年)リューダス・モツクーナス+...大友良英X田中鮎美"session"@公園通りクラシックス

  • ジョナス・メカス、イン・ビトウィーン

    埼玉県立近代美術館の『イン・ビトウィーン』展。展覧会が目指すものは「個の身体を拠りどころとして思索を重ねる/重ねた作家たちの複数の声(ポリフォニー)を掬い出し、現代の鑑賞者とともに見直すこと」とある。シュルレアリスト福沢一郎のもとで学んだ早瀬龍江の作品も興味深く観たのだけれど、自分の目当てはジョナス・メカス。30年ちかく前に六本木にあったシネ・ヴィヴァンで『リトアニアへの旅の追憶』を観たとき、人生が狂うくらい驚いた。それは鈍痛にも似ていて、まだ続いている。今回の展示(16ミリからのブローアップした版画と写真)でも知識として驚くことはないけれど、感覚としては驚く。16ミリの濁りと滲み、それが彼岸と此岸との境界にある。2005年にメカスが来日したとき絵を描いてくれた。しまい込んでいないで飾ろうかな。●参照ジョ...ジョナス・メカス、イン・ビトウィーン

  • 北神田@渋谷Bar Subterraneans

    渋谷のBarSubterraneans(2024/1/13)。AyakoKanda神田綾子(voice)Manabu"Gaku"Kitada北田学(bcl,cl)北田+神田=北神田の初共演は2020年4月、同じ場所で。ちょうどコロナ禍に入り無観客での動画配信が行われた。デュオでの共演はそれ以来である(その間にコントラバスの西嶋徹さんが入ったトリオがあった)。初回の演奏については、雑誌『Voyage』第7号に次のように書いた。「自由即興の実験的なギグの醍醐味は、いかに各々の持つ音世界をその場に展開し、いかに間合いをはかりながら相手との関係を短時間で構築していくかにある。北田はしなやかで粘るバスクラの音をエフェクターによって散布し、神田は広い音領域の中で跳躍する粒子のような自由運動をみせ、さらにお互いに音に呼...北神田@渋谷BarSubterraneans

  • シヴァン・ペルウェル@埼玉会館

    埼玉会館(2024/1/4)。ŞivanPerwer(vo,saz)HakanAkay(saz)RenasYunus(saz)AbdurrahmanGülbeyaz(perc)JunKawasaki河崎純(b)Fuji(saz)KenMatsuo松尾賢(oud)Mizuho瑞穂(vln)JunzoTateiwa立岩潤三(perc)YumiIto伊藤結美(perc)ErikaUeda上田恵利加(cho)クルド人歌手シヴァン・ペルウェルの活動50周年記念コンサート。川口や蕨に多くのクルド人が住んでいるからこそ、この場所で開かれたのだろう。みたところホールの客席数千数百の6、7割が埋まっていた。日本人はせいぜい3パーセントくらいではなかったか。たぶん日本でペルウェルの紹介はほとんどなされてこなかった(ドキュメ...シヴァン・ペルウェル@埼玉会館

  • そらの下、わらの家@公園通りクラシックス

    渋谷の公園通りクラシックス(2024/1/12)。YoshihikoHogyoku寳玉義彦(詩)Miya(Modfl)AkiraSakata坂田明(as)AkioJeimusアキオ・ジェイムス(ds)穴、ハナクソ、彼岸、此岸、アストンマーチン、・・・。寳玉義彦さんの朗読することばが浮かび上がってはどこかに去ってゆく。おそらく声という音が音楽となっているというよりも、ことばをそこに抑えて置こうとする力、その響きに内在する思索の過程、場に表出させることへのためらい、そうしたものが独特な磁場を創出していた。音楽家のありようは三者三様。Miyaさんは時間のコントロールによりことばの記憶領域への遡行にも立ち入った(寳玉さんの声さえも拾い上げてみせた)。アキオさんは時間を動かすとともに響きの共犯者にもなった。坂田さん...そらの下、わらの家@公園通りクラシックス

  • BORDERS vol.1@神保町試聴室

    神保町試聴室(2024/1/11)。TakashiSeo瀬尾高志(b)NaojiKondo近藤直司(bs,ts)KeisukeSaito斉藤圭祐(as)TakutoSakaibara堺原拓人(as,bs)最初に斉藤・堺原デュオ。運動の斉藤に構造の堺原というべきか、まったく指向性の異なるふたりが共存する音世界は奇妙でおもしろい。とはいえそのコントラストは固定されていない。堺原さんはなにかを組み上げながら表出のしかたを次第に変えてゆき、また、繰り返すこと自体とその蓄積がリアルタイムの音にも影響しているように思えた。斉藤さんは激しい飛翔でありながら、ギアチェンジを次々に行い、落ちるのではないかと冷や冷やさせられる。つぎに近藤・瀬尾デュオ。シベリウスとカザルスの曲を核にしつつジャズのアドリブにとどまらない即興。イ...BORDERSvol.1@神保町試聴室

  • イェーナ・チャング+神田綾子@千駄木Bar Isshee

    千駄木のBarIsshee(2024/1/7)。JenaJang(voice)AyakoKanda神田綾子(voice)イェーナ・チャングはソウル出身、プラハ在住。最初のソロでは、ヴォイスを素材のひとつとして使い、エフェクター、ハウリング、さらにはマイクを床に接触させることによる衝撃音と歪みを使った。イェーナがヴォイス・パフォーマンスを始めたのはわずか3年前(手の動きが不調となり、アニメーションの表現活動を断念せざるを得なかったという)。マイクに関しては、昨年不意に落としたところサウンドが歪み、それを奇貨として表現の一手段とした。そのような背景ゆえか、鮮烈さが際立っている。セカンドセットは神田綾子さん。完全ソロは珍しい。ここでは対照的にヴォイスのみによるひとつながりの物語を描き出してみせた。そしてデュオで...イェーナ・チャング+神田綾子@千駄木BarIsshee

  • ポール・ニルセン・ラヴ+ケン・ヴァンダーマーク+坂田明@渋谷Super Dommune

    渋谷のSuperDommune(2024/1/9)。KenVandermark(ts,cl)PaalNilssen-Love(ds)AkiraSakata坂田明(as,cl)ポール・ニルセン・ラヴとケン・ヴァンダーマークの日本ツアー、4年ぶり。初日のゲストは坂田明さん。渋谷のスーパードミューンでインタビューをしてきました。もの凄い演奏の後に流したアルバムは以下の通りです(お三方になにか関係があるもの。ただしオーネット・コールマンはこの日ケンさんが夢を見たと聞いて持っていきました)。それにしてもドミューンの音は素晴らしかった。KaoruAbe/彗星PartitasFredAnderson+DKVTrioPaalNilssen-Love/NewJapaneseNoiseJazz非常階段/MadeinJapan...ポール・ニルセン・ラヴ+ケン・ヴァンダーマーク+坂田明@渋谷SuperDommune

  • 森山威男『ライヴ・アット・ラブリー』(JazzTokyo)

    #06『森山威男/ライヴ・アット・ラブリー』–JazzTokyoTakeoMoriyama森山威男(drums)FumioItabashi板橋文夫(piano)ToshihikoInoue井上淑彦(tenorsax)HideakiMochizuki望月英明(bass)●森山威男森山威男NEWYEARSPECIAL2019その2@新宿ピットイン(2019年)森山威男NEWYEARSPECIAL2019その1@新宿ピットイン(2019年)森山威男3Days@新宿ピットイン(2017年)森山威男@新宿ピットイン(2016年)ペーター・ブロッツマン+佐藤允彦+森山威男@新宿ピットイン(2014年)森山・板橋クインテット『STRAIGHTEDGE』(2014年)ペーター・ブロッツマン+佐藤允彦+森山威男『YATAG...森山威男『ライヴ・アット・ラブリー』(JazzTokyo)

  • カール・ストーン+池田謙『DAM』(JazzTokyo)

    #05『カール・ストーン+池田謙/DAM』–JazzTokyoCarlStone(electronics)KenIkeda池田謙(electronics)●カール・ストーン東京現音計画#19@杉並公会堂(2023年)内橋和久+カール・ストーン@千駄木BarIsshee(2023年)カール・ストーン『WeJazzReworksVol.2』(JazzTokyo)(2022年)カール・ストーン+吉田達也+神田綾子with小林径@落合Soup(JazzTokyo)(2022年)SignalsDown@落合soup(2019年)●池田謙ロジャー・ターナー+池田謙@Ftarri(2023年)阿部真武+池田謙+遠藤ふみ@公園通りクラシックス(2023年)「ジョン・ラッセルを追悼する」@下北沢アレイホール(2022年)池...カール・ストーン+池田謙『DAM』(JazzTokyo)

  • 謝明諺+武田理沙+T. 美川@渋谷Bar Subterraneans(JazzTokyo)

    #04謝明諺+武田理沙+T.美川–JazzTokyoMinYen“Terry”Hsieh謝明諺(ts,ss)RisaTakeda武田理沙(synthesizer,drums)T.MikawaT.美川(electronics)●謝明諺謝明諺+熊坂路得子@上尾BarberFuji(2023年)内橋和久+謝明諺@千駄木BarIsshee(2023年)謝明諺&スガダイローanewlittleone『OurWaningLove』(JazzTokyo)(2023年)詩與歌的靈魂夜ASoulfulNightofPoetryandSongs(JazzTokyo)(2023年)melodies@新宿ピットイン(2023年)謝明諺+永武幹子+高橋陸+大村亘@壱岐坂ボンクラージュ(2023年)高橋佑成+謝明諺+荒悠平@荻窪ベル...謝明諺+武田理沙+T.美川@渋谷BarSubterraneans(JazzTokyo)

  • Trio San『Hibiki』(JazzTokyo)

    #2295『TrioSan/Hibiki』–JazzTokyoSatokoFujii藤井郷子(piano)TaikoSaito齊藤易子(vibraphone)YukoOshima大島祐子(drums)●藤井郷子神田綾子+田村夏樹+藤井郷子+アンドリュー・ドルーリー@公園通りクラシックス(2023年)藤井郷子ストリングスプロジェクト-GEN2023@公園通りクラシックス(2023年)まだまだまだまだ@新宿ピットイン(2023年)まだまだまだまだ@公園通りクラシックス(2023年)藤井郷子オーケストラ東京@公園通りクラシックス(2023年)JunkBox@荻窪velvetsun(2023年)藤井郷子+田村夏樹@山猫軒(2022年)ThisisIt!『MOSAIC』(JazzTokyo)(2021年)Futar...TrioSan『Hibiki』(JazzTokyo)

  • #1281 「悠々自適」悠雅彦さん追悼コンサート(JazzTokyo)

    #1281「悠々自適」悠雅彦さん追悼コンサート–JazzTokyo出演者:CANNONBALLEXPLOSIONENSEMBLE(砲弾爆発合奏団)[TeruhitoYamazawa山澤輝人(ts,fl)TakeshiGoda剛田武(vln,fl)LouisInageルイス稲毛(b)]GeilaZilkhaギラ・ジルカ(vo)KatsunoriFukai深井克則(p)NatsukiTamura田村夏樹(tp)SatokoFujii藤井郷子(p)YoshihitoFukumoto福本佳仁(tp)MakiNakano仲野麻紀(sax)AkikoFujimoto藤本昭子(地歌)TomokoYazawa矢沢朋子(p)MichiyoYagi八木美知依(エレクトリック21絃箏)AoiKato加藤葵(vo,p)#1281「悠々自適」悠雅彦さん追悼コンサート(JazzTokyo)

  • インプロヴァイザーの立脚地 vol.15 池田陽子(JazzTokyo)

    インプロヴァイザーの立脚地vol.15池田陽子–JazzTokyo●池田陽子池田陽子、大蔵雅彦@Ftarri(2023年)Ensemble響む@入間市文化創造アトリエ・アミーゴホール(2023年)りら~雲を吐き、星を喰うhomagestoTetsu~@山猫軒(JazzTokyo)(2022年)池田陽子+阿部真武+岡川怜央@Ftarri(2021年)池田陽子+遠藤ふみ@Ftarri(2021年)asinusauris@Ftarri(2020年)秋分の午後@喫茶茶会記(2020年)マクイーン時田深山+池田陽子+池上秀夫―弦弦弦@喫茶茶会記(JazzTokyo)(2020年)815展でのパフォーマンス(広瀬淳二、池田陽子、渡辺隆雄、遠藤昭)@好文画廊(2020年)ヨアヒム・バーデンホルスト+大上流一+南ちほ+池...インプロヴァイザーの立脚地vol.15池田陽子(JazzTokyo)

  • 岡真理『ガザとは何か』、臼杵陽『世界史の中のパレスチナ問題』

    岡真理『ガザとは何か』(大和書房、2023年)。ここまで簡潔にまとめてわかりやすいメッセージとして出すのは緊急性のゆえだけれど、複雑な問題を考える際には基本書に戻るべきということもまた真実で、臼杵陽『世界史の中のパレスチナ問題』(講談社現代新書、2013年)を引っ張り出してきた。臼杵さんの本からは、1993年のオスロ合意がその後なぜいい形に進まなかったのかを把握することができる。なによりアメリカが交渉の埒外に置かれていたことは重要で(ラビンとアラファトの間にクリントンが立って「大きなアメリカ」を演出していたけれど)、すでにその段階で力を失いつつあったアメリカが「9・11」を経てまた奇怪な姿になってきたことの捉え方も変わろうというものだ。岡さんの本では、去年10月のハマースによるイスラエル攻撃について、ハマ...岡真理『ガザとは何か』、臼杵陽『世界史の中のパレスチナ問題』

  • MIYA+田中悠美子@千駄木Bar Isshee

    千駄木のBarIsshee(2024/1/6)。Miya(ModularFlute)YumikoTanaka田中悠美子(大正琴、義太夫三味線)「月刊MIYA」の第1回。Miyaさんのようにモジュラーとフルートとを組み合わせるコンセプトの人が他にいるのかどうか。フルートの息遣いや速度を体現する音が、リアルタイムで現れ、時間を記憶するかのように追いかけて現れ、また時間の進み方に摩擦をかけるように歪む。オリジンが点でなく線(それも濃淡のある)であることも独創性の源か。田中さんは前半は大正琴で、Miyaさんと自身のエフェクトの目が眩む流れの中で独特の撥音を放つ。ふたりの持続音と事件として出てくる個々の音とが、櫛の歯どうしのように噛み合っては離れてゆく。後半の三味線は音域がちがうせいか、時間の制御への働きかけもまた...MIYA+田中悠美子@千駄木BarIsshee

  • 大谷能生『<ツイッター>にとって美とはなにか』

    大谷能生『<ツイッター>にとって美とはなにかSNS以後に「書く」ということ』(フィルムアート社、2023年)。出版される前に大谷さんに聞かされて笑い、「すごいですね」を連発してしまった。もちろんそのタイトルが吉本隆明の『言語にとって美とはなにか』のパロディだからである。吉本は言語のありようを「自己表出」と「指示表出」の二軸で分析してみせたわけだけれど、それはわかりやすくもないし、おそらくは二軸は必ずしも独立していない。ただ「自己表出」として敢えて生み出された書き言葉が「疎外」の対象となることは確かで(日本語の「疎外感」のような、除け者のニュアンスではない)、だからこそ書き言葉は永遠に奇妙なものであり続ける。本書がおもしろいのは、「自己表出」と「指示表出」の背後に広く深い共同体の歴史、ロゴスのようなもの、動...大谷能生『<ツイッター>にとって美とはなにか』

  • ざやえんどう、浦裕幸@水道橋Ftarri

    水道橋のFtarri(2024/1/2)。前座:浦裕幸(p,electronics)ざやえんどう:沼田佳命子(cl),間部賢(sax),川松桐子(tb),toumeg(altohorn),植野隆司(g),田中充(太鼓),関春彦(perc)ざやえんどうの、楽器を鳴らし、音を世の中に出すというところが自然に拡張された快感。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8●浦裕幸People,PlacesandThings×Ex@小岩BUSHBASH(2022年)ZhuWenbo、ZhaoCong、浦裕幸、石原雄治、竹下勇馬、増渕顕史、徳永将豪@Ftarri(2018年)徳永将豪+中村ゆい+浦裕幸@Ftarri(2017年)ざやえんどう、浦裕幸@水道橋Ftarri

  • ポール・オースター『Baumgartner』

    ポール・オースター『Baumgartner』(2023年)。オースターの新作を読むのは久しぶりだ。92年の『リヴァイアサン』あたりからは待ちきれず原書で読んでいて、そうすると柴田元幸の名訳で世界を再体験できる愉しみがある。(2017年の『4321』はあまりの分厚さに断念した。)この人はだんだん視線が内面に向かっているようだ(けれども、『インヴィジブル』や『サンセット・パーク』にあった過激な性描写が姿を消してほっとした)。前は奇妙な偶然が現実となってゆく感覚があった。いまは奇妙な心象風景と現実との交差点が物語をひっぱってゆくおもしろさがある。大学教員のサイ・バウムガートナーは10年前にパートナーのアンナを亡くしてしまい、喪失感とともに生きている。その一方でアンナの遺した詩を出版し、アンナの存在を心の中にとど...ポール・オースター『Baumgartner』

  • 渋さ知らズ@なってるハウス

    入谷のなってるハウス(2023/12/28)。KeisukeSaito斉藤圭祐(as)IppeiKato加藤一平(g)KoichiYamaguchi山口コーイチ(p)DaisukeFuwa不破大輔(ukuleleb)RaigaHayashi林頼我(ds)HidekiTachibana立花秀輝(ts)YoshiyukiKawaguchi川口義之(as)TakuyaMatsumoto松本卓也(as)YoichiroKita北陽一郎(tp)MisakiIshiwata石渡岬(tp)YasuyukiTakahashi高橋保行(tb)年末を締めくくるにふさわしく、最高に愉快だった。FujiX-E2,7Artisans12mmF2.8,LeicaElmarit90mmF2.8(M)●不破大輔渋さチビズ@なってるハウス...渋さ知らズ@なってるハウス

  • 神田綾子+田村夏樹+藤井郷子+アンドリュー・ドルーリー@公園通りクラシックス

    渋谷の公園通りクラシックス(2023/12/25)。AyakoKanda神田綾子(voice)NatsukiTamura田村夏樹(tp)SatokoFujii藤井郷子(p)AndrewDrury(ds)明鏡止水ということばがある。もちろんこのようなフリー・インプロヴィゼーションはダイナミックなものであり(静的に対する動的という意味で)、事前に展開を決めているわけでもないから、当てはめるにはふさわしくないかもしれない。だが、演奏に臨む佇まいはやはりそれを感じさせるもので、馴れ合いでも過剰な反応でもない、そのあわいにあって静かさと共通する緊張感。演奏上のコミュニケーションは点ではなく線分でなされているように思えた。誰かが特有の音を出すと、それに対して、短時間で即応するのではなく、ゆったりとした時間を持って共振...神田綾子+田村夏樹+藤井郷子+アンドリュー・ドルーリー@公園通りクラシックス

  • 謝明諺+熊坂路得子@上尾Barber Fuji

    上尾のBarberFuji(2023/12/18)。Minyen”Terry”Hsieh謝明諺(ts,ss)RutsukoKumasaka熊坂路得子(acc)アコーディオンのもつ濁りと和音をエモーショナルなものに重ね合わせ、熊坂さんは驚くほど大きなスケールでサウンドを展開する。この音にはテナーの濁りがふさわしいようで、テリーさんもまた幅広くうたを提示。ソプラノではマージナルな音でサウンドの雲に刺激を加えた。FujiX-E2,MIR-20M20mmF3.5(M42),EBCFujinon50mmF1.4(M42)●謝明諺内橋和久+謝明諺@千駄木BarIsshee(2023年)謝明諺&スガダイローanewlittleone『OurWaningLove』(JazzTokyo)(2023年)詩與歌的靈魂夜ASou...謝明諺+熊坂路得子@上尾BarberFuji

  • 塚本真一+小宮勝昭、ROW(柳川芳命+臼井康浩+野々山玲子)@入谷なってるハウス

    入谷のなってるハウス(2023/12/15)。ShinichiTsukamoto塚本真一(p)KatsuakiKomiya小宮勝昭(ds)ROW:HomeiYanagawa柳川芳命(as)YasuhiroUsui臼井康浩(g)ReikoNonoyama野々山玲子(ds)臼井さんが時空間を歪ませる。ギターをマテリアルとして使い、叩き、擦り、それを淡々と続けるさまは確信犯。そして柳川さんが足場のないところで吹くアプローチなんてさすがなのだ。野々山さんのドラミングが時々刻々と展開する縦型のエネルギー放出だとすれば、小宮さんのそれは重力場の中心で、大小さまざまな音とその執拗な蓄積でサウンドのマッスを形成してゆくよう。塚本さんは途切れない演奏で大きな川の流れをみせてくれた(キース・ジャレットの『Deathadthe...塚本真一+小宮勝昭、ROW(柳川芳命+臼井康浩+野々山玲子)@入谷なってるハウス

  • 内橋和久+謝明諺@千駄木Bar Isshee

    千駄木のBarIsshee(2023/12/17)。KazuhisaUchihashi内橋和久(g,daxophone)Minyen"Terry"Hsieh謝明諺(ts,ss)インプロでありつつ曲を演っているような歌心満開のふたり。謝明諺さんはソプラノを持つと、パーカッシブなプレイも、声とミックスした音も出し、遊んでいるようで愉しい。内橋さんの彩りはいうまでもなくみごと。FujiX-E2,MIR-20M20mmF3.5(M42)●内橋和久内橋和久+とうめいロボ@千駄木BarIsshee(2023年)天鼓+内橋和久「天ノ橋地獄巡」@秋葉原ClubGoodman(2023年)内橋和久+カール・ストーン@千駄木BarIsshee(2023年)内橋和久+田中悠美子@千駄木BarIsshee(2023年)高瀬アキ+...内橋和久+謝明諺@千駄木BarIsshee

  • 坂田明+香村かをり@千駄木Bar Isshee

    千駄木のBarIsshee(2023/12/10)。AkiraSakata坂田明(as,cl,vo)KaoriKomura香村かをり(Koreanpercussions)いつも異なり、なにが出てくるかわからないというのが坂田明さんの底知れぬ凄さであり、香村さんの演奏もまた多様なものにならざるを得ない。この日は連続性ある大きなうねりよりも、むしろ単発の強い音波の繰り出し方がおもしろい。とくにここぞとばかりに攻め、金属音をチャンゴの響きと重ねるところなんて迫りくるものがあった。鐘の長い残響と坂田さんの喉との並走が、場の緊張感を保っていた。FujiX-E2,MIR-20M20mmF3.5(M42),EBCFujinon50mmF1.4(M42)●坂田明フィールド–ダイクマン–フローリン/Dragittotheb...坂田明+香村かをり@千駄木BarIsshee

  • アレホ・カルペンティエール『バロック狂騒曲』

    アレホ・カルペンティエール『バロック狂騒曲』(水声社、原著1979年)。かつてサンリオSF文庫で出ていたもので、この水声社版も基本的には同じ鼓直の名訳。コンサートが始まる前にあらためて読んだ。やはりくらくらする。傑作『失われた足跡』は河を遡上しながら時間も遡ってゆくものだったが、これはヨーロッパとアメリカの間で時空間が錯綜する。最後にイタリアの劇場に天才ルイ・アームストロングが現れ、〈GoDownMoses〉を吹き始めるシーンなんて圧巻。うわあ。「この曲が真鍮の朝顔を伝いながら昇っていく劇場の天井には、おそらくティエポロの明るい筆になる、妙なる歌を唱する薔薇色の肌の楽人たちが飛んでいる姿が描かれていた。」G・G・マルケス『戒厳令下チリ潜入記』、ドキュメンタリー『将軍を追いつめた判事』アレホ・カルペンティエ...アレホ・カルペンティエール『バロック狂騒曲』

  • Tam Thi Pham, Dong Zhou, elisELIS, Daria Geske - TRYPTOPHYLIA@若葉町ウォーフ

    若葉町ウォーフにて、YPAMフリンジのプログラム(2023/12/9)。ドイツ在住のアーティストたちによる素晴らしいステージ。始まるとその場に紐を張り巡らせ、がんじがらめの中で、ドン・ジョーさんは自ら編んだニットで自分の目や口を不自由にする。エリスエリスさんも自縄自縛、現代社会そのものだ。タム・ティ・ファムさんは出身国ヴェトナムの弦楽器ダン・バウを使うが、シンプルであるだけに持ち歩き、横臥して抱え上げ、その使い方は一様ではない。そして三者の愛の交感がある。このステージは今日(2023/12/10)も昼夜公演があり、タムさんは翌12/11に水道橋のFtarriにも登場する。インプロヴァイザーとしてのタムさんにも要注目。.FujiX-E2,MIR-20M20mmF3.5(M42),LeicaElmarit-M...TamThiPham,DongZhou,elisELIS,DariaGeske-TRYPTOPHYLIA@若葉町ウォーフ

  • マタナ・ロバーツ『Coin Coin Chapter Five: In The Garden…』(JazzTokyo)

    #2289『マタナ・ロバーツ/CoinCoinChapterFive:InTheGarden…』–JazzTokyo●マタナ・ロバーツMyPick2019(JazzTokyo)(2019年)マタナ・ロバーツへのインタビュー(JazzTokyo)(2019年)2018年ベスト(JazzTokyo)マタナ・ロバーツ@スーパーデラックス(2018年)マタナ・ロバーツ「breathe...」@Roulette(2017年)マタナ・ロバーツ『CoinCoinChapterThree:RiverRunThee』(2015年)マタナ・ロバーツ『Always.』(2014年)マタナ・ロバーツ+サム・シャラビ+ニコラス・カロイア『Feldspar』(2011年)マタナ・ロバーツ『TheChicagoProject』(-20...マタナ・ロバーツ『CoinCoinChapterFive:InTheGarden…』(JazzTokyo)

  • インプロヴァイザーの立脚地 vol.14 長沢哲(JazzTokyo)

    インプロヴァイザーの立脚地vol.14長沢哲–JazzTokyoFujiX-E2,PentaxSMCTakumar50mmF1.4(M42)●長沢哲長沢哲+阿部真武@Ftarri(2023年)長沢哲+遠藤ふみ@神保町試聴室(2023年)長沢哲+阿部真武@Ftarri(2023年)長沢哲+遠藤ふみ@神保町試聴室(2023年)長沢哲+矢萩竜太郎+木村由+かみむら泰一+いずるばワークショップ@いずるば(2022年)長沢哲+遠藤ふみ@神保町試聴室(2022年)長沢哲+かみむら泰一@東北沢OTOOTO(2019年)長沢哲ソロ~齋藤徹さんに捧ぐ@本八幡cooljojo(2019年)長沢哲+清水一登+向島ゆり子@入谷なってるハウス(2019年)蓮見令麻+長沢哲@福岡NewCombo(2019年)長沢哲+齋藤徹@ながさき...インプロヴァイザーの立脚地vol.14長沢哲(JazzTokyo)

  • 神田綾子+楠直孝@池袋Flat Five

    池袋のFlatFive(2023/12/2)。NaotakaKusunoki楠直孝(p)AyakoKanda神田綾子(vo)スタンダードナンバーとクリスマスソング。ためらいなく歌のイメージをかたちにする神田さんの喉はいつもの通りだが、この日は楠さんのとどまるところを知らない独創的なフレーズに驚いた。もうやりたい放題、しかも相性は最高。FujiX-E2,MIR-20M20mmF3.5(M42),EBCFujinon50mmF1.4(M42)●楠直孝神田綾子+楠直孝@池袋FlatFive(2023年)NK3@池袋Independence(2021年)村上寛@池袋Independence(2018年)●神田綾子吉田達也+神田綾子+伊藤志宏@東中野セロニアス(2023年)神田綾子+楠直孝@池袋FlatFive(2...神田綾子+楠直孝@池袋FlatFive

  • 永井晶子+神田綾子+アキオ・ジェイムス@神保町試聴室

    神保町試聴室(2023/12/1)。ShokoNagai永井晶子(p,NintendoDS)AyakoKanda神田綾子(voice)AkioJeimusアキオ・ジェイムス(ds)永井さんのタッチが強力でまずは驚かされる。グランドピアノならではの響きも相まって、ここと決めた領域に強靭な音楽的バネで斬り込んでゆく。サウンドにさらに拡がりを与えているのは内部に置いたニンテンドーDSであり、リアルタイムで取り込んだ音を下に置いたアンプで増幅して四方に放つ。長いニューヨークでどのような表現を展開しているのだろう。アキオ・ジェイムスの反応力と瞬発力は沈思黙考と組み合わされているようで、ふたりの音を注意深く観察しては周波数幅の広い擦音や激しい打音を繰り出す。神田綾子さんはいつも以上に全体を通じてシームレスで、表現のコ...永井晶子+神田綾子+アキオ・ジェイムス@神保町試聴室

  • ヨルダン・コストフの2023年冬のツアー

    ヨルダン・コストフの2023年冬のツアー(2023/11/27-12/3)。Photobym.yoshihisa2023/11/27(月)千駄木BarIssheeにてwithGanesha(electronics)ヨルダン・コストフ+Ganesha@千駄木BarIsshee2023/11/28(火)渋谷BarSubterraneansにてYordanKostov(accordion)KohsetsuImanishi今西紅雪(koto)箏のような楽器は静かに反芻する時間にその響きをたしかめるようなところがあろうかと思うが、この手合わせは必ずしもそうではなかった。静寂や間を次につなげるというよりも、ふたりの指使いが櫛の歯をスムーズにかみ合わせるようにして千変万化。ヨルダンが日本の音階に近づき、<さくらさくら>...ヨルダン・コストフの2023年冬のツアー

  • ヨルダン・コストフ+Genesha@千駄木Bar Isshee

    千駄木のBarIsshee(2023/11/27)。YordanKostov(accordion,vo)Genesha(electronics,vo)ふたりともマケドニア出身。Geneshaさんの音はちょっと不思議なもので、ヴォイスも加えて雑踏のよう。背景にはバルカンからインド、東南アジアまでの音の記憶があるはずだ。その雑踏をヨルダンさんが歩き回り、立ち止まり、弾いて音風景を成している。定形が記憶だとして、そこから不定形との間を往還するありようが魅力的。FujiX-E2,MIR-20M20mmF3.5(M42),Pentax-A50mmF1.2(PK)(※お客さんとして来た写真家のGan極楽商会さんのレンズを借りた)ヨルダン・コストフ+Genesha@千駄木BarIsshee

  • Eri Liao 家族会議 presents 台湾原住民族タイヤル族・リムイ アキ著『懐郷』読書会+ミニライヴ@渋谷Li-Po

    渋谷のLi-Po(2023/11/26、マチネ)。台湾原住民・タイヤル族のリムイ・アキが書いた小説『懐郷』(台湾では先住民族のことを原住民と称する)。ここに登場する男たちは救いようがないほど乱暴で、酒に溺れ、妻を人間でないかのように扱う。男性としては我が身を責められているようでつらい―――そんな行動はしていないとしても。その「許してくれない」感覚こそが、これまでマイノリティ文学が女性目線で書かれてこなかったことの裏返し。在日コリアン文学にもそのようなところがある、梁石日とか、というコメントがあった(そういえば、李恢成だってそうだ)。以前、エリ・リャオさんがアントニオ・カルロス・ジョビンのボサノヴァをタイヤル語で歌ったときには驚いた。それは外部での表現であり、「当事者」を代表しているわけでも背負っているわけ...EriLiao家族会議presents台湾原住民族タイヤル族・リムイアキ著『懐郷』読書会+ミニライヴ@渋谷Li-Po

  • 影山朋子@恵比寿KATA

    恵比寿のKATA(2023/11/24)。TomokoKageyama影山朋子(marimba,vo)kissthegambler(key,vo)KeiTainaka田井中圭(sitar,g)KazukiWatanabe渡邊一毅(cl)影山朋子さんのアルバム『Tampopo*2〇2●』のレコ発ライヴ。4年前(2019年)に台北に行ったとき、サックスの謝明諺(シェ・ミンイェン)さんに誘われてレコーディングに立ち会い、リーダーのギタリスト・陳穎達(チェン・インダー)さんを知ることとなった。かれがいまNYに住んでおり、やはりNYで活動するパートナーのヴァイブ奏者・蘇郁涵(スー・ユーハン)さんを紹介してもらい、新アルバムのレビューを書いた。するとそれが縁になってユーハンさんと仲が良いという影山さんと知り合うことが...影山朋子@恵比寿KATA

  • 甲斐正樹+遠藤ふみ+則武諒@神保町試聴室

    神保町試聴室(2023/11/23)。MasakiKai甲斐正樹(b)FumiEndo遠藤ふみ(p)RyoNoritake則武諒(ds)甲斐さんのサウンドは好きで、これ見よがしなアタックも雰囲気づくりもないのに、余計な力をぬきつつ全体性を作り出すような感覚。<無題>で最初は何の気もなさそうにコードをぽつんぽつんと弾き、そのうちにうたの世界があらわれた。則武さんのドラムスもまたアタックよりもアタッチ。「ジャズを愉しそうに弾く遠藤ふみさん」もおもしろいのだけれど、<WhereorWhen>の途中でジャズピアニストなら旋律を目立たせるであろうところ、静かに抑えて弾いていた。そのために旋律に耳が引き寄せられて、やはり独特なんだなと思った。FujiX-E2,MIR-20M20mmF3.5(M42),LeicaElm...甲斐正樹+遠藤ふみ+則武諒@神保町試聴室

  • 塙正貴+遠藤ふみ@成城学園前Cafe Beulmans

    成城学園前のCafeBeulmans(2023/11/23、マチネ)。MasakiHanawa塙正貴(as)FumiEndo遠藤ふみ(p)塙さんを前回観たときも、アルバム『Silence』からも、その場の空気に馴染むようなサウンドという印象を受けていて、今回、間近で観てそのおもしろさを実感した。つねにシャギーな音を出しており、管を共鳴させるとずいぶん柔軟に現れたりまた姿を消したりする。鳴らしきったときには金属的な感覚もあったりして、やはりおもしろい。今回はインプロが多く、遠藤さんは分散的に近づきながら次第にインプロ=曲に収斂させるようで、愉しい音遊び。FujiX-E2,MIR-20M20mmF3.5(M42),LeicaElmarit90mmF2.8(LeicaM)●塙正貴野津昌太郎+塙正貴+甲斐正樹@池...塙正貴+遠藤ふみ@成城学園前CafeBeulmans

  • 石川高+香村かをり@不動前Permian

    不動前のPermian(2023/11/22)。KoIshikawa石川高(笙)KaoriKomura香村かをり(Koreanpercussion)記憶にある香村さんの演奏よりも格段に素晴らしく、驚いてしまった。鐘の音は多層的で、楽器を変えるときにサウンドの断絶がない。ひとつひとつの音色やリズムの変化によりうねるグルーヴが創出されており、これは韓国音楽でいうところの「長短」でもあった。石川さんの和音は静かに平面的に広がってゆくようであり、時間軸も含めて三次元的。聴いていて陶然とさせられる。FujiX-E2,MIR-20M20mmF3.5(M42),LeicaElmarit90mmF2.8(LeicaM)●石川高高橋アキ+石川高@神保町試聴室(2023年)山㟁直人+石川高+アンドレ・ヴァン・レンズバーグ『翠...石川高+香村かをり@不動前Permian

  • ムジカについての雑談義 No. 9 ドン・チェリー、ソニー・ロリンズ、DG (齊藤聡から福地史人さんへ)

    齊藤聡vs福地史人「ムジカについての雑談義」 茶会記クリフサイド・綜合藝術茶房喫茶茶会記archive(modalbeats.com)ムジカについての雑談義No.9ドン・チェリー、ソニー・ロリンズ、DG(齊藤聡から福地史人さんへ)

  • 弾き語りの夜@Ftarri

    水道橋のFtarri(2023/11/20)。ShokoNumao沼尾翔子(go,vo)AoiTagami田上碧(g,vo)うたへのアプローチが異なるふたりのソロ対バンなんておもしろい。沼尾さんは声の発出過程に焦点を当て、その発出された声に責任を持ってリアルタイムでうたをたどってゆく感覚。田上さんはうた世界のスノードームを作っては提示する。うたの着地点も信じているような魅力がある。そして驚くほどの振れ幅。FujiX-E2,LeicaElmarit90mmF2.8(LeicaM)●沼尾翔子Uquwa@神保町試聴室(2023年)遠藤ふみ+沼尾翔子+荻野やすよし@柏Nardis(2023年)詩與歌的靈魂夜ASoulfulNightofPoetryandSongs(JazzTokyo)(2023年)ガラグア、沼尾...弾き語りの夜@Ftarri

  • 下町、鄙、水

    川田順造さんの『母の声、川の匂い』(筑摩書房、2006年)というエッセイ集。このアフリカ研究で有名な人類学者が東京の下町のことを書いているなんて驚きだった。小名木川についての話がおもしろい。もともと、西の隅田川から東の旧中川までを東西に結ぶ運河であり、行徳の塩などの物流のために徳川家康が開削させたのがはじまりだ。川田さんの記憶には、毎朝、伝馬船が行徳から「あねさんかぶりの女八百屋の一行」を乗せてきたり、自分自身も七輪を持って浦安に潮干狩に行ったりした風景がある。だから深川には行徳出身者が多く住んでいたらしい。もっとも便利なだけではなかった。たしか行徳の地域史には、上りは3時間、下りは6時間を要した時代もあったと書いてあった。山本周五郎が浦安橋のたもとに住んだのは1928-29年のこと、そんなもので都内に通...下町、鄙、水

  • 矢部優子+山㟁直人+広瀬淳二@アトリエ第Q藝術

    成城学園前のアトリエ第Q藝術(2023//11/18)。YukoYabe矢部優子(p,melodica)NaotoYamagishi山㟁直人(perc)JunjiHirose広瀬淳二(ts)『影向』という墨絵と写真の展示にあわせたライヴ。小山康博さんの墨絵は透明なアクリル板にレーザーで焼き付けられてもいて、角度によって鏡のようにも見えて、墨絵の領域を超えている。佐久間雪さんの写真はつや消しの印画紙にプリントされており、それだけでも眼が吸い込まれるようなのに、暗闇に置かれてさらに存在が奇妙なものになっている。音楽もまた闇の中でかれらの世界と交感しあうものだった。空間に広がり重なるありようから、特有の音を見出しそれが闇の中で浮かび上がってくるように変化していった。FujiX-E2,MCMIR-20M20mmF...矢部優子+山㟁直人+広瀬淳二@アトリエ第Q藝術

  • 酒井俊+馬場孝喜@浦安Bar Seagull

    浦安のBarSeagull(2023/11/17)。ShunSakai酒井俊(vo)TakayoshiBaba馬場孝喜(g)酒井俊さんが浦安に来るということ自体が意外で、そのブッキングをしたのがドラマーの岡山晃久さんで、前によく浦安で呑んでNY・Smallsの絵描きの話なんかで盛り上がった人。俊さんとは子どもの頃からの知り合いだそうで不思議な感覚。お店はやはり以前にときどき足を運んだロックバー・SpeakEasyのあとに作られたところだった。ギターとのデュオだとみんなで歌の世界を盛り上げるというよりもじっくり、しっとり。<BothSidesNow>も<ナーダム>も<回想>も<思ひで>も、それから<とんかつの唄>もよかった。●酒井俊酒井俊+田中信正+ファルコン+落合康介@本八幡cooljojo(2023年)...酒井俊+馬場孝喜@浦安BarSeagull

  • mn+マーティン・エスカランテ@高円寺Oriental Force

    高円寺のOrientalForce(2023/11/12)。mn:T.MikawaT.美川(electronics)JunNumata沼田順(g,electronics)MartínEscalante(as)ノイズの濁流に身を任せることの愉しさ。とはいえただの濁流ではなく、美川さんはきらめく音、沼田さんはギターの音、そしてマーティンは高音で、常に濁りの中に道を強引に開いており、こちらも覚醒させられる。マーティンにサックスについて訊いた。ネックを取り去ってマウスピースを直付しているようにみえるが、実は間にメタルのピースがある。この奏法はマーティン自身が2008年ころに考案して開始した。マウスの穴のさらに内部にネックを接続すると穴が狭くなってしまう。マウスピースとサックス本体を外側から接続するなら穴は狭くなら...mn+マーティン・エスカランテ@高円寺OrientalForce

  • 『個人的な大江健三郎』

    ETV特集の「個人的な大江健三郎」。心の危機に直面したときに読んだ大江健三郎というテーマ、共感するところが多かった。自分にとっては二十代のころに読んだ『「雨の木」を聴く女たち』と『人生の親戚』、それから何年か前にあらためて紐解いた『同時代ゲーム』。漫画のこうの史代さんが、『ヒロシマ・ノート』について語っている。当事者ではない者が苛烈な事象にいかに相対するのか、大きな示唆が得られた、と。それが大江にとって「広島的」すなわち「真に人間的」という表現に象徴されたのだ、と。いま大江健三郎の「同時代論集」が岩波書店から刊行されていて、まずは第4巻の『沖縄経験』を読んでいる。半分は『沖縄ノート』で読んだものだけれど、やはり発見が多い。「当事者性」ということでいえば、それは日本人たる自身に向けられたものであって、たとえ...『個人的な大江健三郎』

  • 遠藤ふみ+野津昌太郎+阿部真武@神保町試聴室

    神保町試聴室(2023/11/5)。FumiEndo遠藤ふみ(p)ShotaroNozu野津昌太郎(g)MasatakeAbe阿部真武(b)遠藤さんは「る゛る゛る゛」など野津さんのプレイを2回聴き惹かれていた。また阿部さんは「る゛る゛る゛」で栗田妙子さんの代わりにサックスの塙正貴さんが入ったときに観て大きなインパクトを覚えた(そのとき池袋のFlatFiveでは野津フィーバーが起きていた)。そんなわけで全員初の手合わせだというが、モンク曲でも、<It'sOnlyAPaperMoon>でも、各々のオリジナルでも、あまりにも自然で驚く。しかし野津さんはよくわからない和音やリズムを繰り出し、そのギャップを全員が淡々と愉しそうに受け止めていて、聴くほうは時間が止まったような不思議な感覚。遠藤さんの<雨音>であんな乾...遠藤ふみ+野津昌太郎+阿部真武@神保町試聴室

  • ジェームス・ブランドン・ルイス – レッド・リリー・クインテット『For Mahalia, With Love』(JazzTokyo)

    #2279『ジェームス・ブランドン・ルイス–レッド・リリー・クインテット/ForMahalia,WithLove』–JazzTokyo●ジェームス・ブランドン・ルイスジェームス・ブランドン・ルイス+チャド・テイラー『LiveinWillisau』(2019年)ジェームス・ブランドン・ルイス『AnUnRulyManifesto』(JazzTokyo)(2018年)ジェームス・ブランドン・ルイス+チャド・テイラー『RadiantImprints』(JazzTokyo)(-2018年)ジェームス・ブランドン・ルイス『NoFilter』(JazzTokyo)(-2017年)ジェームス・ブランドン・ルイス–レッド・リリー・クインテット『ForMahalia,WithLove』(JazzTokyo)

  • インプロヴァイザーの立脚地 vol.13 すずえり(JazzTokyo)

    インプロヴァイザーの立脚地vol.13すずえり–JazzTokyoFujiX-E2,XF35mmF1.4●すずえりすずえり+中村としまる@水道橋Ftarri(2023年)「ジョン・ラッセルを追悼する」@下北沢アレイホール(2022年)秋山徹次+すずえり@水道橋Ftarri(2020年)エレクトロニクスとヴィオラ、ピアノの夕べ@Ftarri(2019年)すずえり@Ftarri(2019年)すずえり+大城真『Duo』(2018年)ジョン・ラッセル、ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ、すずえり、大上流一、石川高、山崎阿弥@Ftarri(2018年)角銅真実+横手ありさ、田中悠美子+清田裕美子、すずえり+大城真@Ftarri(2018年)フタリのさとがえり@Ftarri(2018年)ZhaoCong、すずえり、滝...インプロヴァイザーの立脚地vol.13すずえり(JazzTokyo)

  • クリフォード・アレン『Singularity Codex – Matthew Shipp on RogueArt』(JazzTokyo)

    #127クリフォード・アレン『SingularityCodex–MatthewShipponRogueArt』–JazzTokyo●クリフォード・アレン「JazzTokyo」のNY特集(2018/8/5)「JazzTokyo」のNY特集(2018/1/1)マタナ・ロバーツ「breathe...」@Roulette(2017年)「JazzTokyo」のNY特集(2017/4/1)「JazzTokyo」のNY特集(2016/9/1)クリフォード・アレン『SingularityCodex–MatthewShipponRogueArt』(JazzTokyo)

  • FESTIVAL de FRUE 2023@つま恋リゾート彩の郷

    掛川市のつま恋リゾート彩の郷(2023/11-3-4)。ここではじめて目にする人たちも多い。TheHallのラインナップ2023/11/3CHOCOPACOCHOCOQUINQUINFabianoDoNascimentoceroAngelBadDawidGEZANClownCoreAcidPauli×VikenArman2023/11/4小林うてな角銅真実TimBernardesSamWilkes(soloandwithstrings)中村佳穂HermetoPascoalEGrupoBlakeMillsエンジェル・バット・ダヴィドがまとってきた空気には気圧された。サム・ウィルクスのプロジェクトはすばらしく、ビバップからバッハまで。ストリングスにはチェロが多くて、それもおもしろかった。ファビアーノ・ド・ナシ...FESTIVALdeFRUE2023@つま恋リゾート彩の郷

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