Utaro さん プロフィール

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Utaroさん: Utaro Notes
ハンドル名Utaro さん
ブログタイトルUtaro Notes
ブログURLhttp://utaronotes.blogspot.jp/
サイト紹介文Utaroの文芸ブログ。書籍、音楽、映画、その他諸々、雑多なエッセイを不定期に投稿します。
自由文ヴォーカリストUtaroのホームページはhttp://www.dodidn.com/index.html
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供76回 / 365日(平均1.5回/週) - 参加 2014/06/03 06:04

Utaro さんのブログ記事

  • 強精カクテルいろいろ『洋酒天国』
  • 【『洋酒天国』第11号】 今年3月2日付の「ごきげんよう『洋酒天国』」を機に、私は一切合切、自身のヨーテン・ライブラリー数十冊を古書店に擲ってしまった。書棚に大きな隙間ができた。これできれいさっぱり、ヨーテンを忘れ去ろうという気でいた。昭和30年代のトリス・バーで人気を博した壽屋(現サントリー)のPR誌『洋酒天国』(洋酒天国社)の無類の面白さは永遠に――とは言え、あまりにも古びたこれらの本をずっと手元に所 [続きを読む]
  • 中野重治の「歌」
  • 【高校時代に使用していた筑摩の国語教科書より】 高校3年時の国語教科書を開く。筑摩書房の『高等学校用 国語Ⅱ二訂版』。この教科書については、当ブログ「教科書のこと」でも触れており、先日はこの教科書で知った評論家・唐木順三についても書いた。誰しも文学的出発点(文学に目覚めたという意味の)という経験譚はあるようだが、私にとっては、1990年に学んだこの筑摩の、高校国語教科書がどうやらその出発点と言い切って [続きを読む]
  • すどうへいちょうと土屋さん―『電送人間』
  • 【東宝映画『電送人間』DVD】 今年、かつて東宝映画の名俳優だった土屋嘉男さんが亡くなられ、個人的に記憶に残っている黒澤明監督の『七人の侍』での火傷を負った撮影話を想い出しつつ、土屋さんが出演した映画を何か観たいとずっと思い続けていた。脇役に徹して外連味のない名演技を残した映画の中に、1960年(昭和35年)の東宝映画『電送人間』というのがある。主演は鶴田浩二、白川由美、中丸忠雄。この映画においては、土屋 [続きを読む]
  • 唐木順三の「時代相と青年の夢」
  • 【筑摩書房『唐木順三全集』第十二巻】 一つのつまらぬ行動から文学的体臭を嗅ぎ取るに至る偶然に出くわす。 あるスマホのアプリで、カメラで写した文書を画像に起こし、自動的にテクスト化してPDFにするという事務系のたいへん便利なものを試してみた。変換の精度を試すために、偶然手に取った一冊の本が、『唐木順三全集』(筑摩書房)であった。そのうちの随筆「時代相と青年の夢」は見事に画像からテクスト化されPDFとなり、 [続きを読む]
  • 秘密を抱えた『櫻の園』
  • 【映画『櫻の園』(1990年)のビデオ版パッケージ】 先日、新聞にて、「第41回全国高校総合文化祭」(みやぎ総文2017=総文祭)で催された高校演劇の総評なるものを読んだ。普段、商業演劇しか観ない人にとっては、学生演劇というのはとかく鬼門ととらえがちである。稚拙な演技でなんだか退屈しそうと思いたがるが、実際は、ほとんどそうではない。 むしろ生々しいほどの思春期の刺々しさや倦怠感、喪失感が役柄の素性に盛り込ま [続きを読む]
  • バシェの音響彫刻修復―その経過報告
  • 【届いたPDFをプリントアウト】 去る8月23日、バシェの音響彫刻修復プロジェクトの経過報告について、東京藝大のファクトリーラボ(旧ファクトリーセンター)内のプロジェクト事務局より、メールでのPDF添付という形で、2通のプロジェクト・ニュースを送っていただいた。それは7月から8月分のプロジェクト進行状況の経過報告書となる。 当ブログ「大阪万博と音響彫刻のこと」を書いたのは今年の5月末のことである。月日の経つの [続きを読む]
  • 市民の生き方をリノベーションする
  • 【8月27日付朝日新聞朝刊より】 家事に一息ついて飲むウイスキーが美味い。風呂上がりなら尚のこと。つい昨夜、この数ヵ月間ちびりちびりと嗜んでいたスコッチ・ウイスキーのラフロイグ(Laphroaig)の10年物を、ようやく空けた。空けてしまって何か寂しいと思った。この寂しさは、他の酒のそれとは違って言葉では言い表せない慈しみがある。すぐにでもまた新しいラフロイグを買えばいい、と思ったが、それもまた情緒に欠けるよう [続きを読む]
  • 組み体操ってなんじゃらほい?
  • 【卒業アルバムで思い出す「組み体操」】 私が30年前(1987年)に卒業した中学校の、“卒業アルバム”を引っ張り出してみた。アルバムの最後の見返しの部分に、前年の秋の運動会でおこなった「組み体操」のモノクロ写真がある。懐かしい写真だ。その中央――俄に信じがたい高さに、人が立っている。いわゆる人間タワーである。てっぺんの高さを単純に計算してみたのだ。タワーは4段構造となっているから、中学生の身長を165センチ [続きを読む]
  • 劇団鴻陵座『OH MY GOD!』を観たの巻
  • 【劇団鴻陵座の旗揚げ公演『OH MY GOD!』】 ついこのあいだのこと、地元の古河公方公園を訪れた際に、中世の戦乱期における古河公方の歴史について文献を読んだ。調べていくと、江戸城を築いた太田道灌なんていう人が出てくる。あまりに複雑に人物が絡んでくるので辟易としたのだけれど、室町時代の永享の乱あたりの史実では、1478年に起こった戦で、太田道灌らが築いたとされる国府台城(千葉県市川市)の名称が出てくる。これを [続きを読む]
  • 香り高き映画『バリー・リンドン』
  • 【キューブリックの映画『バリー・リンドン』】 貴方は明日絶命します。もし最後に観たい映画があるとしたら、今夜何を観ますか? こんなことを訊かれて、真面目に答えるとするならば、私は『バリー・リンドン』と即答するだろう。スタンリー・キューブリックの『2001年宇宙の旅』を知り、『バリー・リンドン』を知らぬ者は恥と思え――というのが、したたかなキューブリック映画ファンの一つのスローガンであろうし、その企図は [続きを読む]
  • 原野の如く―佃煮と童のあとずさり
  • 【古河市・古河公方公園内の富士見塚あたり】 私が子供の頃の遊び場だった古河公方公園(古河総合公園)を先日訪れた。茨城県古河市にある古河公方公園は、初代古河公方(くぼう)の足利成氏から数えて五代目となる足利義氏の墓所がある公園で、その園内の一角が「史跡 古河公方足利義氏墓所」(徳源院跡)となっている。子供にとってそこは墓所でもなんでもない、大きな木々に囲まれて日差しを遮る屋外の休憩所的存在であって、 [続きを読む]
  • 男に異存はない。包茎の話。
  •  ずばり、「包茎」(ほうけい)をテーマにしたエッセイを書いていく。いきなりのテーマで驚かないで欲しい。「包茎」のことをあれこれ調べていたら、とても面白くなってブログでは書ききれない、と思った。さてどうしよう――。 そこで、テーマを「包茎」に絞った“個人サイト”を新たに開設した。サイト名は、[男に異存はない。包茎の話。]。https://noobjection.work/【Utaroの新サイト[男に異存はない。包茎の話。]】 と [続きを読む]
  • 映画『ミザリー』のこと
  • 【ロブ・ライナー監督の映画『ミザリー』】 若い頃に観たスティーヴン・キング原作物の映画を、何の因果か知らぬが、今頃になって頻りに好んで観ている。キング原作でロブ・ライナー監督の映画『スタンド・バイ・ミー』については既に書いた。その稿で私は映画『ミザリー』についてこう述べている。《同じロブ・ライナー監督&スティーヴン・キング原作の映画『ミザリー』(Misery)の方が映画としては好きで、その主演のキャシー [続きを読む]
  • 柳瀬尚紀のユリシーズ
  • 【柳瀬尚紀訳ジョイス著『ユリシーズ 1-12』】 今年の2月、新聞の文化面の書評記事で作家の円城塔氏がこんな書き出しをしていて思わず目に留まった。《まだまだ小さかった頃、同じ本に複数の翻訳版があることに戸惑いを覚えた記憶がある。言葉を正確に翻訳すれば、訳文は同じになるはずではないかと素朴に信じていたらしい》(朝日新聞朝刊2月5日付より引用) 《まだまだ小さかった頃》に、《複数の翻訳版があることに戸惑いを覚 [続きを読む]
  • ノヴェンバー・ステップス―腐蝕の音楽
  • 【武満徹作曲・小澤征爾指揮「ノヴェンバー・ステップス」】 前稿に引き続き、武満徹の作品評と私の個人譚。 高校卒業後、幾年か過ぎ、その筑摩の国語教科書の武満徹著「暗い河の流れに」を読んでからというもの、「ノヴェンバー・ステップス」についてはやや関心があった。しかし私はまだその時、彼の映画音楽的な、いわゆる映画の映像進行に寄り添った形での音楽として、音楽家としての評価に傾き、彼の作品を避ける傾向があっ [続きを読む]
  • 武満徹―暗い河の流れに
  • 【武満徹の随筆「暗い河の流れに」】 先月末の当ブログ「大阪万博と音響彫刻のこと」で記した、1970年大阪万博・鉄鋼館におけるフランソワ・バシェの「音響彫刻」に関して、あらためてここでご報告したいことがある。「音響彫刻」復元に向けてのクラウドファンディングの資金総額が先日、なんと目標金額200万円を上回ったとのこと(※現時点で300万円を超えた)。その急報を受け、復元実現への大きな一歩となることに安堵を覚え、 [続きを読む]
  • 僕は一角獣
  • 【WWF会報誌『地球のこと』「いきもの徒然草」】 ちょうど30年前の中学時代、山下達郎氏のアルバム『Melodies』(1986年)を学校に持参してきた友の、母親の闘病生活とそれに付随する経験について、4年前のブログに書いた(当ブログ「非常階段クラブ」参照)。友はその頃、山下達郎氏の音楽が好きだった。私もその影響を受けて、いつしか山下達郎を聴くようになった。このことはしばらく、私の心の中では遠い過去の風景として、小 [続きを読む]
  • 眠る人―ニュートンの『Pola Woman』
  • 【ヘルムート・ニュートンのポラ写真集『Pola Woman』】 ニュートンと言っても、アイザック・ニュートンのことではない。ベルリン出身の写真家ヘルムート・ニュートン(Helmut Newton)のことである。彼は1950年代後半以降、ファッション雑誌『ヴォーグ』(Vogue)などでセンセーショナルなフォトグラフを発表し続け活躍した。世界の著名なフォトグラファーの一人でもあり、私は彼の作品が好きである。当ブログ「フェティシズムの [続きを読む]
  • 音楽というパラダイム
  • 【丸善PR誌『學鐙』夏号】 もともと――という表現がこの場合好ましくないのを承知で、敢えて誤解を怖れずに書くけれども、もともと、ジェリー藤尾さんが1960年代に歌っていた永六輔作詞、中村八大作曲の「遠くへ行きたい」が、この55年もの間、変貌に変貌を遂げ、今も、日曜の朝の旅番組の主題歌としてそこで“歌われ続けている”ことを、私はたいへん幸せな心持ちで慈しむ。そういう毎週日曜の朝を迎えている。実によく、ここま [続きを読む]
  • スペース・シアター―大阪万博・鉄鋼館の記録
  • 【アルバム『スペース・シアター:EXPO'70 鉄鋼館の記録』】 かつて秋田の高校が“大阪万博”へと向かった修学旅行の話「高校生の万国博読本」とは少し趣を変えて、ここでは再び「大阪万博と音響彫刻のこと」に関連し、鉄鋼館の話に立ち返りたいと思う。 1970年“大阪万博”で前川国男設計の鉄鋼館だった建物は、今もその跡地、つまり万博記念公園のまったく同じ場所に現存している。現在は「EXPO’70パビリオン」と称し、“大阪 [続きを読む]
  • 高校生の万国博読本
  • 【『高校生の万国博読本』の表紙】 バシェの「音響彫刻」修復プロジェクト(当ブログ「大阪万博と音響彫刻のこと」参照)に鑑み、1970年の“大阪万博”関連の話題を増やしていきたい(※その他の万博関連の記事については、当ブログのカテゴリー・ラベル「万博」を参照していただきたい)。 5年前だったか、1冊の古本をオークションで入手した。日本万国博覧会教育研究会編『高校生の万国博読本』という小冊子。この本の発行年は [続きを読む]
  • 大阪万博と音響彫刻のこと
  • 【朝日新聞朝刊5月27日付より】 久方ぶりに個人的な“大阪万博”熱が再燃するような、そんな興味深い新聞記事に出合い、そのクラウドファンディングの主旨に賛同し、些かの支援の企てをウェブ上で取り計らった。このネット出資が功を奏するかどうかは現時点では分からない――。しかし、“大阪万博”に対する憧憬と抽象音楽への深い関心の交差は、紛れもなく私自身を一瞬にして突き動かした。このプロジェクトが無事に成功してく [続きを読む]
  • 素朴な感傷―アルルの女
  • 【幼い頃聴いていた「アルルの女」収録のレコード】 レコードが奏でる物悲しいメロディが、突如として想い出の地の記憶へといざない、可憐な少女の面影を重ね合わせる。かつて聴いていた古ぼけたレコードの「アルルの女」は、見上げるその建物の5階の、あの「部屋」の物語でもあった――。 ジョルジュ・ビゼーの「カルメン」に続き、密やかな郷愁の記憶が甦ったのは、同じビゼーの「アルルの女」(L'Arlésienne)である。厳密に [続きを読む]