Utaro さん プロフィール

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Utaroさん: Utaro Notes
ハンドル名Utaro さん
ブログタイトルUtaro Notes
ブログURLhttp://utaronotes.blogspot.jp/
サイト紹介文Utaroの文芸ブログ。書籍、音楽、映画、その他諸々、雑多なエッセイを不定期に投稿します。
自由文ヴォーカリストUtaroのホームページはhttp://www.dodidn.com/index.html
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供78回 / 365日(平均1.5回/週) - 参加 2014/06/03 06:04

Utaro さんのブログ記事

  • 素朴な感傷―アルルの女
  • 【幼い頃聴いていた「アルルの女」収録のレコード】 レコードが奏でる物悲しいメロディが、突如として想い出の地の記憶へといざない、可憐な少女の面影を重ね合わせる。かつて聴いていた古ぼけたレコードの「アルルの女」は、見上げるその建物の5階の、あの「部屋」の物語でもあった――。 ジョルジュ・ビゼーの「カルメン」に続き、密やかな郷愁の記憶が甦ったのは、同じビゼーの「アルルの女」(L'Arlésienne)である。厳密に [続きを読む]
  • 日下武史さんのこと―この生命は誰のもの?
  • 【演劇『この生命は誰のもの?』公演プログラムより①】 今月の15日、俳優の日下武史さんが亡くなられた――。新聞の記事によると、誤嚥性肺炎のため静養先のスペインで死去したという。86歳。 日下さんは劇団四季創設時のメンバーの一人で、演出家の浅利慶太さんとは慶應義塾の高等学校時代からの友人であり、慶應大でも文学部を二人とも中退している。彼らの演劇活動は、その大学時代から始まったのだった。 日下さんが主演し [続きを読む]
  • お菓子の「クールン」の話
  • 【日清フーズの商品「クールン」】 ある日、スーパーで買い物をしていると、懐かしい商品が目に飛び込んできた。日清フーズの“お菓子百科”「クールン レアチーズケーキ」である。これを小学生時代、年に一度ほど親に買ってきてもらい、自分で調理して食べるのが楽しみだったのだ。あの時の味と香りは、忘れることができない――。スーパーにてついに決断し、「クールン」に手が伸びた。もしかすると十数年ぶりになるのかも知れ [続きを読む]
  • 造形憧憬
  • 【『原色学習図解百科』第10巻「新しい造形と美術」】 幼児教育されているという感覚は、当の幼児にはなかった。そこに広がっていた「世界」は、視覚としての娯楽、聴覚としての豊かな娯楽であった。親から与えられたわけではなく、団地の家の中を徘徊し、片隅に設置された書棚の、何気なく美しいと思われた、ある「本」を手に取ったにすぎない。ただしそれは百科事典であった。「本」を読むというのではなく、その「世界」の閉じ [続きを読む]
  • グーグス・ダーダ―知られざる円弧の演劇
  • 【「果てとチーク」升味加耀・主宰挨拶】 初夏を感じる気持ちの良い晴天であった昨日の午後。東京・王子の花まる学習会王子小劇場にて、升味加耀主宰・脚本・演出による「果てとチーク」第2回公演 『グーグス・ダーダ なになにもなになにもない NO nothing nothing nothing』を観た。出演は江花渉(真空劇団)、川村瑞樹(劇団木霊)、高原久美子(劇団くるめるシアター)、福澤香織、升味加耀、秋谷悠太、伊佐敷尚子、島田利行、 [続きを読む]
  • 傘に隠された裸体―マーティン・ムンカッチ
  •  先稿の「フェティシズムの流儀―『奇妙な本棚』」で紹介したハンガリー出身の写真家マーティン・ムンカッチについて、ここでは掘り下げてみることにする。話の中心はもちろん、彼の有名な作品「Nude with Parasol」(1935年)。伴田良輔氏の本の装幀にもなっていたこの写真の、ある種感じられた「特異な秘匿性」について、しばし言語の幾許かを費やしてみたい。 マーティン・ムンカッチは1896年生まれ、トランシルヴァニアのコ [続きを読む]
  • 愛するカメラとは何か
  • 【玄関にあった鉢植えの花をテスト撮影①】 カメラが好きである。カメラのボディとレンズによる光学とその機構が好きである。若い時に銀塩写真の現像術を習わなかったことを、少し後悔したりもする。カメラを通じた光学と化学の関係、領域――。その両輪によって写真が生み出される過程そのものを、私は愛して已まない。 最近また、デジタルのコンパクト・カメラを買い換えたのだ。収集を繰り返してのカメラ狂だった昔はともかく [続きを読む]
  • フェティシズムの流儀―『奇妙な本棚』
  • 【伴田良輔著『奇妙な本棚』より】 ハンガリーの写真家マーティン・ムンカッチ(Martin Munkacsi)の写真「Nude with Parasol」が美しく綺麗にソラリゼーション化されて装幀になった本、伴田良輔著『奇妙な本棚』(芸文社・1993年刊)を何故自分が所有しているのか、よく憶えていない。にもかかわらず、この本の影響はとてつもなく大きい。本の帯を見ると、こう記されている。《世にも怪しい白昼夢 限りなく ピクチュアレスクな [続きを読む]
  • 銅鐸と勾玉―東京国立博物館
  • 【東京国立博物館・平成館の考古展示室】 去る4月4日。すっかり青空が広がり、上野の恩賜公園の桜の花がほぼ満開に咲き乱れたその日、私はなんとも久しぶりに東京国立博物館(略して東博)を訪れた。確か昨年訪れたのは8月の特別展『古代ギリシャ―時空を超えた旅―』で、そこで古代オリンピアの“競技者像”などを観たのだった。それ以来となるのだから半年以上、東博観覧から離れていたことになるのだが、私にとってそれはきわ [続きを読む]
  • 人生の明暗と描かれる夢―『星に願いを、そして手を。』
  • 【青羽悠著『星に願いを、そして手を。』】 先月、ちょうど私の手元に、青羽悠著『星に願いを、そして手を。』(集英社)の分厚い単行本が届いた頃、集英社のPR誌『青春と読書』3月号にて、青羽悠と朝井リョウの対談が掲載されているのを知った。この同社編集部が企画した、ある意味において残酷な、また別の意味では「愚直」そのものにも思える生身の若者同士の対面は、まさしく新旧青春作家の“最年少”対決であり、そういう言 [続きを読む]
  • グレース・バンブリーのカルメン
  • 【グレース・バンブリーによる歌劇「カルメン」】 私のカルメン狂、カルメン愛――。 先日、東京・上野駅の不忍口を出てすぐのスペイン料理店Vinuls(アトレ上野1階)を訪れようとしたところ、あいにく手持ちの“時間”の余裕がなく、入ることができずに午後の空腹を満たせず去ったのは、まことに嘆かわしい悲劇だと自ら思った。ああ、カルメン!闘牛場前のドン・ホセの最後の場面を思い浮かべる。次回は必ずあそこで食事を…と [続きを読む]
  • perrot第4回公演の過剰でとてもおいしい演劇
  • 【演劇『今日は砂糖の雨が降るから』】 観た演劇の面白さや感動を文章にして書くことは、とても難しい。難しい作業である。昨日観たばかりの演劇を、どう書いたらよいか。どう文字を連ねてよいだろうか。 外はしきりに雨が降っている。ともかく、適切な言葉が思い浮かばないのだ。そう、こんなのはどうだろう。「とてもおいしい演劇」。サクマのいちごみるくキャンディーを口に放り込んで、次第にそのイチゴ味が口いっぱいに広が [続きを読む]
  • ラフロイグのスコッチ
  • 【ラフロイグの10年物】 とある英字新聞で、“like a dog with a bone”という慣用句を知った。根気強い、粘り強い、という意。その新聞では、ある映画を紹介していて、“like a dog with a bone”はその映画の中の台詞である。“fuck you around”などという慣用句も出てきて、日常会話の英語を習うには、映画は最適な教材であろうと思った。 イングランド北東部の町で暮らす主人公の男。彼が失業手当を受給するため行政を相手 [続きを読む]
  • N響の歌劇「カルメン」
  • 【N響歌劇「カルメン」のフライヤー】 N響の歌劇「カルメン」の第1幕と第2幕をテレビで鑑賞して1週間後、第3幕と第4幕が同番組(Eテレ「クラシック音楽館」)で放送された。第3幕と第4幕はてっきり番組の都合上割愛してしまったのかと思っていたが、2週に分けて放送という形で、結局のところ演奏のすべてを観ることができた。 前回(「歌劇『カルメン』とその女」)のおさらいをざっとしておこう。NHKで放送されたのは、昨年12月 [続きを読む]
  • トリックスターとマウイの話
  • WWFジャパン『地球のこと』2017年春号 WWFジャパン(公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン)の会報誌『地球のこと』2017年春号「いきもの徒然草」のコラムで、「創造と混沌の使者」を読んだ。単に動物絡みのコヨーテの話かと思いきや、そうではなかった。なかなか奥が深い、そのコヨーテに悪戯をして生活を一変させてしまった“トリックスター”の話である。それって何者?――私はこれを読んで初めて“トリックスター”という [続きを読む]
  • 歌劇「カルメン」とその女
  • 【本の中の歌劇「カルメン」についての解説】 3月8日は“国際女性デー”だそうで、朝から各々のメディアでその文字を拾っている。バレンタインデーのようなキュートさを装ったごろつきの商売っ気ではなくして、真の意味において、フェミニンという既成の価値観を取り払う記念日となることを期待する。今回はほんの少し、そういうことと関わりがあるのかないのか――。 とは言え、好きな音楽の話にもっていく。つい先日、「ごきげ [続きを読む]
  • おはようパソコン通信
  • 【懐かしい雑誌『UTAN』1995年11月号】 たまたま最近入手した、古い学研の科学雑誌『UTAN』の“パソコン通信”の特集記事を読んで、その言葉の甘美なる響きと共に、まだ20代であった淡い「90年代」を走馬灯のように――私は走馬灯という実物を一度も見たことがないが――思い返してみたりした。 そもそも小学生の頃、8ビット・パソコンを愛玩していた私は、パーソナル・コンピュータなるものに対する愛着は少なからず残り香とし [続きを読む]
  • ごきげんよう『洋酒天国』
  • 【これが当ブログ最後の『洋酒天国』第13号】 当ブログ2011年7月12日付「開高健と『洋酒天国』」で初めて私がヨーテンについて触れたのをきっかけに、それから1年以上経過した2013年9月26日「『洋酒天国』と三行案内」から不定期という形で始まって、我がライブラリーのヨーテンをこれまで3年にわたって紹介してきた。私の大好きな小冊子である。まったくどの号も読み応えがあって、当ブログでは、ほんの触り程度しかその魅力を伝 [続きを読む]
  • ヘルマン・ヘッセと中学国語教科書〈2〉
  • ヘルマン・ヘッセ「少年の日の思い出」 前回からの続き。私はいったいいつ大人になったか――。 その光村図書の中学国語教科書は全7章あって、第7章の標題は「少年の日々」となっている。第7章で取り上げられている課題作品は、井上靖の「赤い実」とヘルマン・ヘッセの「少年の日の思い出」だけだ。第7章の標題が掲げてある表紙には、次のような言葉が附されている。《人はみな、少年や少女の「とき」をもつ。それはまるでみずみ [続きを読む]
  • ヘルマン・ヘッセと中学国語教科書〈1〉
  • 中学国語教科書(光村図書) 私はいったいいつ、大人になったのだろうか。少年としての子供が、大人として振る舞う少年となり、そして大人としての大人に成長していく過程のそれぞれの兆しは、いったいいつ、どのようにして顕れたのであろうか。 そんなことを思うのは、大人としての大人になりきれない、少年としての大人のわだかまりが、私の身体に未だ燻っているからである。成長とは、育って成熟すること。しかしその成熟とい [続きを読む]
  • 『洋酒天国』と温泉お風呂の話〈2〉
  • 前回から引き続き『洋酒天国』第57号 前回に引き続き、昭和38年5月発行の『洋酒天国』(洋酒天国社)第57号の紹介。今号は「温泉」&「風呂」大特集。 この特集とは直接関係ないコラム、巻末の「東西バー通信」を読んでまず時代のノスタルジーに浸る。ここでは仙台市の会員制バーのサントリー・クラブだとか、横浜の港近くの小さなバー“H”が、ほとんどジョーク抜きで(半ば生真面目に)紹介されている。もう一つの店、新宿二幸 [続きを読む]
  • 『洋酒天国』と温泉お風呂の話〈1〉
  • 『洋酒天国』第57号 今宵はヨーテン、洋酒天国。 平素何事にも驚かず、世界の良からぬ事態にそわそわした素振りを見せない21世紀忠誠型タイプの学生、政治家、大富豪でも、昭和のこの“奇作・珍品・珍芸術”には唖然とするであろう。今宵はヨーテン、「温泉」&「風呂」大特集である。 昭和38年5月発行の『洋酒天国』(洋酒天国社)第57号は、たっぷりと充実していてどれもこれも面白い。お伝えしたい内容を取捨選択してコンパ [続きを読む]
  • 続・FMラジオ音楽悦楽主義
  • 番組8回分をCD-Rにして送っていただいた 連夜、1980年のラジオ番組「ゴールデン・ジャズ・フラッシュ」の録音を聴いている。DJはジャズ評論家・いソノてルヲ先生である。いま私の中で盛んにジャズが鳴り響いている。何故このような“至福”なる連夜と成り得たか。事の発端は昨年末の当ブログ「FMラジオ音楽悦楽主義」であり、とどのつまりこれはその後日談となる。起死回生のジャズ乱舞は以下の通りである――。 いソノてルヲ先 [続きを読む]
  • My Love Is Your Love
  • ホイットニー・ヒューストン『My Love Is Your Love』 アメリカのヒップホップ系のミュージシャンであるワイクリフ・ジョン(Wyclef Jean)が、私と同い年の1972年生まれであるということを露程も知らなかったのは、恥じらいをもって深く省みるべきだ――と自分自身に警告して、私は彼のリリース間もない『J'ouvert』が届くのを心待ちしてこれを書いている。 実はホイットニー・ヒューストンの命日(2月11日)の折に触れ、ワイク [続きを読む]
  • 茨城の銘菓「水戸の梅」のこと
  • 水戸銘菓「水戸の梅」 たまらなく和菓子が食べたくなって、駅ビル内の菓子店に駆け込んだ。茨城名産の和菓子が並んでいる。迷うことなく「水戸の梅」を手に取った。「水戸の梅」は私の大好物の和菓子である。 和菓子で好きな品を3つ挙げるとすれば、「水戸の梅」「吉原殿中」(この2つは水戸の銘菓)、そして山梨の名産「信玄餅」であろう。どれもこれも幼年の頃に初めて食べたのをきっかけに、すっかり大好物になってしまったの [続きを読む]