ましろ さん

ましろさん: まっしろな気持ち
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今日の読書日記絵本(えほん)、創作、童話、絵童話、児童書、児童文学書評、レビュー
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プロフィール

ハンドル名ましろ さん
ブログタイトルまっしろな気持ち
サイト紹介文まだ乙女。ましろの読書レビューと猫写真。気の向くままに紡いでおります!
参加カテゴリー
更新頻度情報提供553回 / 1111日(平均3.5回/週) - 参加 2005/05/29 20:29

ましろ さんのブログ記事

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  • 2008/05/14 21:27宇宙の片隅で―石垣りん詩集
  •  心を射るような、つんざく言葉がある。生々しい現実を包み隠さない、潔い言葉がある。生きるということに寄り添う、やわらかなまなざしの言葉がある。そうして、そんな言葉たちに寄り添うようにして生きたのが、石垣りんという一人の女性なのかも知れない。だからこそ、読み手の心にすとんと届く。読み継がれてゆく。石垣りん著、伊藤香澄絵、水内喜久雄選・著『宇宙の片隅で―石垣りん詩集』(理論社)。太陽のほとり、挨拶、表 [続きを読む]
  •   関連キーワード
  • 宇宙
  • 2008/05/14 11:21夕闇の川のざくろ
  •  ぐるぐると渦巻く嘘の中で思う。わたしはこの嘘の世界がとても好きだと。そうして、嘘の中に埋もれて、いつまでもいつまでも浸っていたいのだと気づく。嘘の世界。それは虚構。あるいは物語。けれど、そこに見え隠れする物事の本質は、わたしの暮らす現実よりもより真に迫ってくるようにも思えるから不思議だ。江國香織著、守屋恵子絵『夕闇の川のざくろ』(ポプラ文庫)に描かれる嘘は、孤独な一人の女性・しおんの姿を浮き彫り [続きを読む]
  • 2008/05/11 14:44レモン・ドロップス
  •  ゆらぎ出す日常。変わり始めるわたし。淡々と繰り返しているように思える日々だって、少しずつ変化している。いつだって同じわたしはいない。いつだって同じ誰かもいない。いつだって同じ景色もない。だからこそ、毎日は新鮮な驚きや喜びが潜んでいて、ときどきわたしたちをはらはらさせる。石井睦美著『レモン・ドロップス』(講談社)は、思春期の少女の繊細な心模様を描いている。周囲より一歩引いた視点で物事を考える少女は [続きを読む]
  • 2008/05/09 19:53ヨハネスブルクへの旅
  •  学ぼうとしなければ知り得ないことが、この世界にはあふれている。もちろん、知りたくても知り得ないこともあふれている。知らなければならない、目を背けてはいけない事柄はたくさんあるのに、ちっぽけなわたしはその多くを知らないまま日々をのらりくらりと生きてしまっているような気がする。ビヴァリー・ナイヴァー作、もりうちすみこ訳、橋本礼奈画『ヨハネスブルクへの旅』(さ・え・ら書房)に描かれるアパルトヘイト体制 [続きを読む]
  • 2008/05/08 11:23天の鹿
  •  気がつけば、あちら側へ足をとられている。淡くも儚いその魅惑的な世界は、おいでおいでと手招きするのだ。あちらとこちら。その境界に立つことは、危険ながらやみつきになる。どうかすると、もう戻れなくなるかも知れない。そんな思いを抱きつつも、許される限りに浸りきりたいわたしがいる。安房直子の描く独特のそんな世界は、安房直子作、スズキコージ絵『天の鹿』(ブッキング)でも耽読できる。危うい幻想的な世界に浸らせ [続きを読む]
  • 2008/05/05 10:54風花
  •  考えるべきことは先送りに。時ばかりを早送りに。そうやって曖昧な状況に安住するわたしがいる。どうしたって日々は過ぎてゆく。そのことに甘えるように。ずっと続いてゆくから。たぶん、この先も。けれど、そのままでいいわけじゃない。そのまま過ぎてゆくはずもないのに、今と向き合うことができない。わたしと向き合うことができない。誰かと向き合うことなどできるはずもない。川上弘美著『風花』(集英社)の主人公・のゆり [続きを読む]
  • 2008/05/02 11:32転身
  •  息をするように。流れるように。何事にもいつかは慣れてゆく。だからゆうらりと身を委ねて、次々と訪れる転機に身も心もあずけてゆく。まるで擬態のごとくかたちを変え、その色に染まる。ああ、この人と生きてきたような気がする。そうして目の前にいる人を好きになる。好きにならずにはいられない。無意識のうちに変化を遂げてゆく一人の女性の物語、蜂飼耳著『転身』(集英社)。バイト先の友人に誘われるまま北の島へ来た琉々 [続きを読む]
  • 2008/05/01 13:59いまにもうるおっていく陣地
  •  言葉をかきわけてゆく快感にはたと気づく。文字の波間。その連なりに、骨の髄までひたひたと染み入ってくる。容易にはわからないからこそ何度も噛みしめる言葉があり、容易に理解できてしまうからこそあっさりと流れてゆく言葉がある。そうして、いつしか脳裏に浮かんでくる光景は言葉という制限をこえて、伸びやかなまでにわたしたちを導く。蜂飼耳著『いまにもうるおっていく陣地』(紫陽社)。独特の豊かなリズムで紡がれる、 [続きを読む]
  • 2008/04/28 19:48平成大家族
  •  すれ違い、すれ違う。近しいようで意外と遠い、家族という存在。よくよく知っているようで知らない。だからといって訊きたくても訊けない、その内情。家族だけれど、家族だからこそ思いは届かず、差し伸べた手は空回りすることだって少なくない。例えば一つ屋根の下に暮らしているということに安堵して、例えば血のつながりに甘えて、まるごとすっかり解り合えた気になること、しばしば。言葉にしなくちゃ伝わらないことは山ほど [続きを読む]
  •   関連キーワード
  • 屋根
  • 2008/04/24 23:31ほんたにちゃん
  •  ひりつく脳内を抱えながら、ふと“わたし”という在り方について考えてみる。どうかすると過剰なまでに反応する自意識に、我ながら恥ずかしさを覚えつつ、それでも一生つき合うしかないわたしという存在を、自分自身でただただ抱きしめてやる。本谷有希子著『ほんたにちゃん』(太田出版)に描かれる、ひりひりと痛いまでの自意識過剰な勘違いの数々は、もはやある意味あっぱれといった感じである。もう何というべきか、読み手は [続きを読む]
  • 2008/04/24 13:50壜の中の鳥
  •  人は、ひとところには留まっていられない。時の流れと共に、その心も身体も変化するものだ。生きるほどに悲しみは積み重なり、何かを得るほどに大事なものをひとつ、またひとつと失ってゆこうとも。とめどなくあふれる悲しみを目の前に、意欲をなくすわたしがいようとも。俯き、ため息をつき、そうして何もかもを諦めようとも。わたしは止まることを知らない。無意識のうちに動き出す。前を見据えて、新たな一歩を踏み出している [続きを読む]
  • 2008/04/21 22:41ババ、バサラ、サラバ
  •  気がつくと言葉を求めている。どんな言葉でもいい。生身の、血のかよった言葉なら、なおのこといい。小池昌代著『ババ、バサラ、サラバ』(本阿弥書店)という現代詩集を読みながら、そんな心持ちになっていた。タイトルの意味は不明だ。だが、不明ながら濁音の言葉の響きが、ことさらあたたかなやさしさに満ちていることを教えてくれる。ババ、バサラ、サラバ。呪文のように、早口言葉のように声に出して、何度も何度も言ってみ... [続きを読む]
  • 2008/04/18 16:23乳と卵
  •  疼く下腹を抱えながら毎回思う。何故わたしはこの痛みに耐えているのだろう、と。耐える必要性を感じないまま、もはや見慣れた赤をさらにじっと見つめる。いや、見つめざるを得ない。そうして見つめるほどに赤は増し、声なき声として再び下腹を重苦しく疼かせる。女性という器を与えられたときから終始つきまとう嫌悪感は、子を産む予定のない身にとってただただ募ってゆくものとして奥底に横たわっている。川上未映子著『乳と卵... [続きを読む]
  • 2008/04/16 15:14緋の城
  •  死に侵食されてゆく。死者に腕をつかまれる。そうしていつしか、ここには二人のわたしがいる。生にあるわたしと、死者に寄り添いたがるわたし。両方に属することなどできるはずがないのに。その腕を、脚を、自ら浸らせてしまう。まるで情熱に突き動かされるように。或いは、ただ傍観することで。矛盾した思いは、やがて“わたし”というひとつのかたちを全く別の色に染めてゆく。始終表面の意識を働かせていようとも、うごめく奥... [続きを読む]
  • 2008/04/15 06:26死者の贈り物
  •  もう何年前になるだろうか。突然にぽっかり空いた席が、いつしか自然に埋まるのを見たとき、“忘れゆく”という意味をほんの少しだけ意識したのを覚えている。昨日までいた。でも、今はもういない。“死”は、それだけの事実を目の前にぽんと差し出して、残された者を呆然とさせる。同時に、生という得体の知れないうごめきを、恐ろしいとすら思わせる。長田弘著『死者の贈り物』(みすず書房)。あとがきによれば、ここには“誰... [続きを読む]
  • 2008/04/12 15:56記憶のつくり方
  •  こぼれ落ちゆく幾多の記憶たち。わたしの中に残ってゆくのは、ほんの一握りの記憶でしかないのだろう。それでも、今ここに在るわたしという土壌をつくったのは、その一握りの記憶である。過ぎ去ったものではなく、過ぎ去らなかったもの。そこにとどまったもの。それが記憶というものだと、長田弘著『記憶のつくり方』(晶文社)で著者は語る。つまりは、わたしという人間をつくったのは、そういう過ぎ去らなかった記憶たちなので... [続きを読む]
  • 2008/04/10 15:00ツアー1989
  •  そこには、わたしかも知れない誰かがいる。わたしの知らないわたしがいる。積み重なる記憶は、次から次へと止めどなく書き換えられてしまう。過ぎ去ってゆくものは皆、確かには刻まれない。それはあまりにも頼りなく、曖昧である。そう、だから記憶はときとして嘘をつく。刻まれたはずの記憶を甦らせるたびに、色を添え、意思を用いる。そうしてつくられた都合の良い記憶は、わたしたちの中でときどき取り出されては、また脚色さ... [続きを読む]
  • 2008/04/08 20:24イトウの恋
  •  生涯一度の出会いというのがあるとして、それを叶えられる人はどれだけいるのだろうか。悲恋に終わるか、結ばれるか、どちらにしても人生における一大事であることに変わりはない。何しろ、見逃してはならない、生涯一度きりの出会いである。最愛の人と“出会えた”ということが、ただただ奇跡なのである。それはいつの時代においても、変わることがない。中島京子著『イトウの恋』(講談社文庫)に描かれる、年上の英国人旅行者... [続きを読む]
  • 2008/04/05 17:25わがままなやつら
  •  荒れ野をかきわけ、かきわけ踏みしめて。そうして見え隠れする煌めきに、はっと息を呑む。読み進めるほどに思うのは、なんて寂しいのだろうということ。けれど、同時にやわらかな優しさにも包まれる。なんとも不思議な心地がするのだった。現実と空想の世界の歪みの中で展開される奇跡のような物語は、鮮やかに人々の営みを映し出し、生も死も、痛みも、深い愛情で包んでくれているかのようである。エイミー・ベンダー著、管啓次... [続きを読む]
  • 2008/03/30 16:08ネコを撮る
  •  愛猫のあまりの可愛さに日々を支えられ、その瞬時に魅せる姿を確かに記憶に刻みたくて、猫写真を下手ながら撮っている。切り取られた瞬間は、どれもこれもその魅力を伝えるに不充分で、何とも悔しい限りである。こんなにも愛くるしいのに。こんなにも愛おしいのに…そんなわたしが、少しでも猫写真の腕を上げるべく手にした、岩合光昭著『ネコを撮る』(朝日新書)は、長年猫写真を撮り続けてきた著者ならではの、モデル猫の探し [続きを読む]
  • 2008/03/26 10:09夜を着る
  •  ざわざわ。心がざわつく。湿り気を帯びながらもざわつく心は、戸惑いを隠せない。こんなにも誰かの心のうちを知ってしまってもいいのだろうか、と。こんなにも誰かの心に踏み込んでもいいのだろうか、と。次々と吐き出される内面の吐露の数々は、どうしようもなく戸惑う思いをよそにぐいぐいと引き込み、読み手であるわたしまでもが、その心情を顕わにしたくなってくる。井上荒野著『夜を着る』(文藝春秋)に収録された旅にまつ... [続きを読む]
  • 2008/03/24 16:33サイゴン・タンゴ・カフェ
  •  絡みつく情熱に突き動かされる。濃密に流れる時間の中で、わたしはひどくゆれていた。どこか懐かしい闇さえも呼び起こして、心を締めつけるそれ。封じ込めていた痛みは再びその熱を帯び、わたしのこころを激しく突き動かすのだ。生きるために。この先もずっと、生きるために。こころに傷を抱えながらも強く生きる女性たちが印象的な、中山可穂著『サイゴン・タンゴ・カフェ』(角川書店)は、タイトルにもあるとおり、タンゴをモ... [続きを読む]
  • 2008/03/23 10:53島の夜
  •  束の間、一人旅をした気になる。旅嫌いなわたしは、物語のページをめくりながら、あまりの心地よさにうつらうつらしながらも、遠くの行ったこともない離島のことを思った。見たこともない色をした空のこと、ただ静けさの中に響く波の音のこと、頭上を仰げば広がる満天の星のこと。そうして、一人旅をする人々の心持ちを思いめぐらす。旅する者... [続きを読む]
  • 2008/03/18 17:32人はかつて樹だった
  •  立ちつくす。ただじっと立ちつくす。言葉もなく、音もなく、沈黙のうちに在るように。ただじっと立ちつくす。そうして思うことは、ただ此処に在ることが、わたしにできるすべてだということ。けれど、こうして此処に在ることは、決して不自由ではない。むしろ、此処にいられる自由を感じている。いつかどこまでも根をのばして、確かなものをし... [続きを読む]
  • 2008/03/12 23:58オブ・ザ・ベースボール
  •  いつ果てるとも知れぬ倦怠感に眩暈を覚えながら、ただひたすらに活字の渦に向かい合う。呑まれるということは、こういうことを言うのだろうか。明確な解説の与えられないまま、ナンセンスといくつもの疑問を抱かせるにまかせて展開する、開かない物語を追いかけてゆくうちに、わたしは“忍耐”という意味を理解した気すらした。円城塔著『オブ... [続きを読む]
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