Sra.Preciosa さん プロフィール

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Sra.Preciosaさん: 有閑マダムと本の日々
ハンドル名Sra.Preciosa さん
ブログタイトル有閑マダムと本の日々
ブログURLhttps://blogs.yahoo.co.jp/remi002403
サイト紹介文ジャンルを問わず読んだ本の書評をどんどんアップします!
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供101回 / 365日(平均1.9回/週) - 参加 2014/06/10 14:09

Sra.Preciosa さんのブログ記事

  • 三の隣は五号室
  • 著者  長嶋 有出版社 中央公論新社   第一藤岡荘五号室。バス、トイレ、キッチンと和室二間のこの部屋は、その間取りの奇妙さで入居者たちを戸惑わせてきた。1960年から1970年代に入居した者にとっては機能的に感じられた、障子をふんだんに取り入れた間取りは、一戸建てから和室が消え、ワンルームマンションが増えるにつれ、「変な間取り」という印象を入居者に植えつける。本書は、その第一藤岡荘五号室に住んだ人たちの [続きを読む]
  • クラウドガール
  • 著者  金原 ひとみ出版社 朝日新聞出版   浮気性の彼と離れてはくっついてを繰り返す杏は、留学していた姉の理有が帰国したのを機に、以前のような姉妹2人の安定した日々が戻るのだと思っていた。一方、理有は亡き母が蒐集していた希少なぬいぐるみに惹かれて入った喫茶店で光也と知り合う。誠実で屈託のない光也と親しくなるにつれ、理有はこれまで杏に抱いていた寛容な思いが消えていくのを感じる。そんな理有の変化に気づ [続きを読む]
  • 銀の猫
  • 著者  朝井 まかて出版社 文藝春秋  口入れ屋の鳩屋の世話でお咲は介抱人>をしている。介抱人>とは、身内に代わって年寄りや病人の介抱を助ける奉公人のことで、現代でいえば訪問看護である。年老いた親の世話をするのは子の当然の務めという考えが浸透していた江戸時代、旗本や御家人には親の看病で勤めを休むことを認める「看病断」という制度も存在していた。だが、商屋や武家、さまざまな家に赴いて介護の現場に身を置く [続きを読む]
  • キャンセルされた街の案内
  • 著者 吉田 修一出版社  新潮社 さまざまな街の何気ない風景と、そこに暮らす人々を描いた短編集。表題作は1998年の作品で、一番新しい「奴ら」は2008年、約10年にわたる作品群である。 10編のなかで、表題作と「日々の春」「零下五度」が楽しめた。韓国を舞台にした男女の邂逅を切りとった「零下五度」は、著者の長編『路-ルウ-』を彷彿とさせる。「日々の春」は、同じ会社で働く先輩OLと新入男性社員の接近を描いており、そ [続きを読む]
  • 土の記
  • 著者  高村 薫出版社 新潮社  トラックとの衝突事故で16年間植物人間状態だった昭代が死んだ。女系家族の上谷の家の婿養子に入って以来40年、学生時代を東京で過ごし、奈良に来てからもサラリーマン生活を送ってきた伊佐夫も、今ではすっかり上谷家所有の田んぼに従事し、土に明け暮れする毎日だ。過疎化した集落で、朝な夕な農作物の出来を調べ、発芽のときを心待ちにする日常のなかで、伊佐夫の胸に時折去来するのは昭代の [続きを読む]
  • 去年の冬、きみと別れ
  • 著者 中村 文則出版社  幻冬舎  女性2人を焼死させた罪で死刑が確定した木原坂。彼についての本を書くため刑務所に面会に行く「僕」の取材資料や、関係者へのインタビューを織り交ぜ、事件の全貌を明らかにしていくという筋書きである。天才的カメラマンであった木原坂の生い立ち、姉との関係を追ううちに、読者には「僕」以外の人物も木原坂に接触していることが明らかにされる。やがて事件そのものも司法が裁いたものと異 [続きを読む]
  • 世界地図の下書き
  • 著者 朝井 リョウ出版社  集英社  両親を事故で失い、引き取られた伯父夫婦とうまくいかず、児童養護施設にやってきた太輔。そこには同い年の淳也と妹の麻利、一つ下の美保子、そして六歳上の佐緒里がいた。 親から虐待をうけて保護されている子もいれば、親の離婚で行き場がなく施設に入っている子もいる。本書は、小学三年生で入所した太輔が小学校を卒業するまでの3年間を描いた作品である。 太輔は小学生にしてはずい [続きを読む]
  • おばちゃんたちのいるところ
  • 著者  松田 青子出版社 中央公論新社  好きな人に会いたい一心で放火した「八百屋お七」や、割った皿の責任をとらされて死んだお菊の「番町皿屋敷」。人間の怨念をテーマにした物語は怪談や説話となって長く語り継がれてきた。だが、怨念を残して死んだのが若くてか弱い女性ではなく、バイタリティあふれる関西のおばちゃんだったら? 一時の気の迷いで自殺したけれど、「あほなことしたわ」と現世に蘇ってきたとしたら? 怖 [続きを読む]
  • 通天閣
  • 著者 西 加奈子出版社  筑摩書房  通天閣のそばで一人暮らしをする男と女。男は100円ショップの懐中電灯などを作る工場で働き、帰りに行きつけの中華そば屋で食事をして、家賃のやたら安い、通天閣が見えることだけが取り柄のぼろアパートに戻る。女は、同棲していた恋人が夢を追ってニューヨークに旅立ち、いつになるかわからない彼の帰りを待ちながら、あてつけのように夜の仕事を始める。ミナミにある、ごてごてした装 [続きを読む]
  • マザーズ
  • 著者  金原 ひとみ出版社 新潮社 作家のユカとモデルの五月、そして専業主婦の涼子。3人は各々の子供を同じ保育園にあずける母親である。自らも仕事をもつ母として活躍する著者が、自分の体験や気持ちを、そして現代の日本の社会の中で子を育てるというのはどういうことなのかを主人公たちに託して問うた力作である。著者の等身大に近い登場人物のユカは、かなりエキセントリックな性格で夫との関係もあやうく、薬に現実逃避 [続きを読む]
  • 月魚
  • 著者  三浦 しをん出版社 角川書店  老舗の古書店「無窮堂」の三代目、本田真志喜と、古書業界で『せどり屋』と蔑まれる父をもつ瀬名垣太一。『せどり屋』とは、廃棄本や十把一絡げに買った古書のなかから値打ちのありそうなものを別の古本屋に売りつけるヤクザ者を指す。だが、太一の父はなぜか「無窮堂」の創始者で古書界の重鎮である真志喜の祖父に目をかけられていた。それが縁で、太一と真志喜は幼いころから無二の親友 [続きを読む]
  • 悟浄出立
  • 著者  万城目 学出版社 新潮社  三蔵法師のお供をして西天の地を目指す悟浄は、仲間の八戒がかつて天界で名を轟かせた戦の名将だったと知り驚く。無策で危機に陥っては悟空に助けられ、旅路の邪魔ばかりしている今の八戒の姿からは想像できない輝かしい過去。本当のことかと問いただす悟浄に八戒はそうだとあっさり答える。八戒の語る思いに悟浄は触発され、翌日、悟空に今日は道行きの先頭に立ってもいいかと申し出る。八戒 [続きを読む]
  • 灰色の虹
  • 著 者  貫井 徳郎出版社  新潮社  冤罪が生み出される内情をつぶさに描いた長編ミステリー。 職場の嫌われ者の上司の突然の死で、たまたま当日公衆の面前で彼にくってかかった江木雅司に嫌疑の目が向けられる。生まれつき顔にあざがあり、人にはっきりものを言えない雅司が、我慢しきれず生まれて初めて上司にたてついたのだった。ずっと自分の勘で犯人をおとしてきた昔気質の刑事、自分の仕事に絶対的な自信を持ち曖昧な [続きを読む]
  • 不時着する流星たち
  • 著者  小川 洋子出版社 角川書店  エリザベス・テイラーやグレン・グールドなどの著名人、あるいは1992年のバルセロナ・オリンピックで起きた椿事やホットドッグのギネス世界記録に触発されて書かれた10の作品集。 「若草クラブ」はエリザベス・テイラーに寄せて書かれた作品である。学芸会で『若草物語』の長女エミイを演じることになった「私」は、かつてエリザベス・テイラーもエミイ役だったこと知る。足のサイズが同じ2 [続きを読む]
  • 犯罪小説集
  • 著者  吉田 修一出版社 角川書店  タイトルが示す通り、犯罪をテーマにした5作品が収められている。 よそものを受け入れることのできない集落の閉鎖性が無実の人間を追い詰めていく様子をじっくりと描いた「青田Y字路」、男を手玉にとった保険金殺人事件の犯人が元同級生だと知り、彼女より魅力的だったはずの自分に不安を覚える女性心理を衝いた「曼殊姫午睡」、人から頼みごとをされるばかりだった金持ちの御曹司がはまっ [続きを読む]
  • アンタッチャブル 不可触領域
  • 著者  前川 裕出版社 新潮社  徘徊癖のある認知症の高齢者が行方不明になったという届け出があった日から遡ること4ヶ月、とある工場跡の廃屋で三体の遺体が発見される。一見無関係に見える二つの事件の鍵を握る人物として、かつて鉄壁の防御で「アンタッチャブル」と呼ばれた元ボクサーが浮かびあがる。しかし、捜査の手が彼に迫ろうとしたとき、衝撃の出来事が起きる。 「犯罪の裏に女あり」とはよく言われることであるが、 [続きを読む]
  • 悪と仮面のルール
  • 著 者  中村 文則出版社  講談社 大財閥、久喜家は傍流として悪をはびこらせる「邪」の血筋をひそかに作り続けてきた。あらたに後継者に選ばれた少年は、自分に流れる忌まわしい血の力を、愛するひとりの少女のために断ち切ろうとする。 ある刑事の回想から始まる本書は、巨大な悪ーテロや殺人などーを扱いながらもメインテーマは純愛である。同じ屋敷で育った少女への愛が、少年が持つ悪の力を、悪の家系を抹殺することに [続きを読む]
  • 一瞬の風になれ
  • 著者 佐藤 多佳子出版社  講談社  小説をジャンル分けすれば多岐にわたる。恋愛、ミステリー、警察小説、SF・・。その中で万人に受け入れられるのは青春小説、それにスポーツものであろう。本書はまさにそのふたつをミックスしたもの、高校男子生徒が陸上部の短距離走を通して挫折と栄光を味わうという、いわば王道をいく小説である。 サッカーのスターである兄にあこがれ、ずっとサッカーをやってきた神谷新二は、自分に [続きを読む]
  • 裸の華
  • 著者  桜木 紫乃出版社 集英社  札幌の歓楽街、すすきの。ノリカは、ストリッパーの初舞台を踏んだここを再出発の場所に選んだ。正月に神奈川の小屋で左脚を骨折して以降、復帰を夢見てリハビリを続けてきたが、ボルトの入った脚では以前のようには踊れない現実をようやく受け入れた末の決断だった。デビューを飾ったストリップ劇場から目と鼻の先にある雑居ビルの二階でノリカの新規まき直しの挑戦が始まる。バーテンダーと [続きを読む]
  • 闇の奥
  • 著者 辻原 登出版社  文藝春秋  太平洋戦争末期に失踪した民族学者・三上隆は、ジャングルの奥地に隠れ住むという矮人族(ネグリト)を追っていたという。彼の足跡をたどろうと、故郷和歌山で三上隆捜索隊が結成される。 ジャングルにしかいない蝶、今だ首狩りを行う小人族など、お伽話のようなエピソードが次々と展開され、舞台もボルネオから和歌山、チベットへと移る。各章のタイトルは、三上隆が最後に姿を目撃された際 [続きを読む]
  • 騎士団長殺し
  • 著者  村上 春樹出版社 新潮社  『1Q84』以来の長編作品として、今年2月の発売日以前から各方面で話題となっていた村上春樹の最新作である。 ある日突然妻から別れ話を突きつけられた「私」は、あてもない旅に出る。やがて戻ってきた「私」は、友人の父の所有する小田原の山の上の家に住むことになる。その家の屋根裏部屋で「騎士団長殺し」と題された絵を見つけてから、「私」のまわりで不思議なことが起き始める。 井戸を [続きを読む]
  • 検証捜査
  • 著者: 堂場 瞬一出版社: 集英社文庫 警視庁捜査一課刑事の神谷は、行き過ぎた捜査の責任を負わされ伊豆大島に左遷された。大きな事件のない島で、すっかり本土から忘れ去られたと思っていたある日、特命捜査の命令を受ける。しかし、本庁刑事部長からの電話は謎に満ちたものであった。 やり手の刑事が出世コースからはずれ、アウトロー的な立場でめざましい活躍をするというのは警察小説の王道であろう。本書もそれをきっ [続きを読む]
  • それもまたちいさな光
  • 著 者 角田 光代出版社 文春文庫 TBS開局60周年を記念して刊行されたラジオ小説。 月曜から土曜の朝8時から11時までのラジオ番組「モーニングサンシャイン」をバックに、主人公の仁絵と幼なじみの雄大のゆるやかな恋愛が描かれる。そこに、仁絵の友人、珠子や鹿ノ子の恋愛のゆくえや「モーニングサンシャイン」のDJ竜胆美帆子のエピソードが加わり、抜群のハーモニーを奏でながらクライマックスを迎える。鹿ノ子が不治の病 [続きを読む]
  • 壁の男
  • 著者  貫井 徳郎出版社 文藝春秋  情報番組で紹介されたのをきっかけに、ある小さな町が注目され始める。ごく普通の日本の田舎の風景に突如、原色の壁画を施した数々の民家が現れる町。遠近法などを無視した人や車、キリンなど、子どもの落書きのような絵が普通の家の壁や塀を彩る特異な風景はSNSで拡散し、今やその町はちょっとした観光のメッカとなっている。フリールポライターの「私」は、それらの絵を手掛けた伊苅を取材 [続きを読む]
  • きなりの雲
  • 著者  石田 千出版社 講談社  一人住まいのアパートで深入りしない人間関係を築き、いつかは芽が出るだろうとアボカドを育てるさみ子。「好きなひとができた」とじろうくんが去っていったのは半年前のこと。別れのあとは、食べることも人と関わることも拒んで、体も壊れそうになる手前だった。ようやく別れの傷も癒え、少しずつ自分らしい生活を取り戻しかけていたとき、じろうくんから連絡が入る。ふたたびじろうくんに会う [続きを読む]