Sra.Preciosa さん プロフィール

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Sra.Preciosaさん: 有閑マダムと本の日々
ハンドル名Sra.Preciosa さん
ブログタイトル有閑マダムと本の日々
ブログURLhttps://blogs.yahoo.co.jp/remi002403
サイト紹介文ジャンルを問わず読んだ本の書評をどんどんアップします!
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供97回 / 365日(平均1.9回/週) - 参加 2014/06/10 14:09

Sra.Preciosa さんのブログ記事

  • 不時着する流星たち
  • 著者  小川 洋子出版社 角川書店  エリザベス・テイラーやグレン・グールドなどの著名人、あるいは1992年のバルセロナ・オリンピックで起きた椿事やホットドッグのギネス世界記録に触発されて書かれた10の作品集。 「若草クラブ」はエリザベス・テイラーに寄せて書かれた作品である。学芸会で『若草物語』の長女エミイを演じることになった「私」は、かつてエリザベス・テイラーもエミイ役だったこと知る。足のサイズが同じ2 [続きを読む]
  • 犯罪小説集
  • 著者  吉田 修一出版社 角川書店  タイトルが示す通り、犯罪をテーマにした5作品が収められている。 よそものを受け入れることのできない集落の閉鎖性が無実の人間を追い詰めていく様子をじっくりと描いた「青田Y字路」、男を手玉にとった保険金殺人事件の犯人が元同級生だと知り、彼女より魅力的だったはずの自分に不安を覚える女性心理を衝いた「曼殊姫午睡」、人から頼みごとをされるばかりだった金持ちの御曹司がはまっ [続きを読む]
  • アンタッチャブル 不可触領域
  • 著者  前川 裕出版社 新潮社  徘徊癖のある認知症の高齢者が行方不明になったという届け出があった日から遡ること4ヶ月、とある工場跡の廃屋で三体の遺体が発見される。一見無関係に見える二つの事件の鍵を握る人物として、かつて鉄壁の防御で「アンタッチャブル」と呼ばれた元ボクサーが浮かびあがる。しかし、捜査の手が彼に迫ろうとしたとき、衝撃の出来事が起きる。 「犯罪の裏に女あり」とはよく言われることであるが、 [続きを読む]
  • 悪と仮面のルール
  • 著 者  中村 文則出版社  講談社 大財閥、久喜家は傍流として悪をはびこらせる「邪」の血筋をひそかに作り続けてきた。あらたに後継者に選ばれた少年は、自分に流れる忌まわしい血の力を、愛するひとりの少女のために断ち切ろうとする。 ある刑事の回想から始まる本書は、巨大な悪ーテロや殺人などーを扱いながらもメインテーマは純愛である。同じ屋敷で育った少女への愛が、少年が持つ悪の力を、悪の家系を抹殺することに [続きを読む]
  • 一瞬の風になれ
  • 著者 佐藤 多佳子出版社  講談社  小説をジャンル分けすれば多岐にわたる。恋愛、ミステリー、警察小説、SF・・。その中で万人に受け入れられるのは青春小説、それにスポーツものであろう。本書はまさにそのふたつをミックスしたもの、高校男子生徒が陸上部の短距離走を通して挫折と栄光を味わうという、いわば王道をいく小説である。 サッカーのスターである兄にあこがれ、ずっとサッカーをやってきた神谷新二は、自分に [続きを読む]
  • 裸の華
  • 著者  桜木 紫乃出版社 集英社  札幌の歓楽街、すすきの。ノリカは、ストリッパーの初舞台を踏んだここを再出発の場所に選んだ。正月に神奈川の小屋で左脚を骨折して以降、復帰を夢見てリハビリを続けてきたが、ボルトの入った脚では以前のようには踊れない現実をようやく受け入れた末の決断だった。デビューを飾ったストリップ劇場から目と鼻の先にある雑居ビルの二階でノリカの新規まき直しの挑戦が始まる。バーテンダーと [続きを読む]
  • 闇の奥
  • 著者 辻原 登出版社  文藝春秋  太平洋戦争末期に失踪した民族学者・三上隆は、ジャングルの奥地に隠れ住むという矮人族(ネグリト)を追っていたという。彼の足跡をたどろうと、故郷和歌山で三上隆捜索隊が結成される。 ジャングルにしかいない蝶、今だ首狩りを行う小人族など、お伽話のようなエピソードが次々と展開され、舞台もボルネオから和歌山、チベットへと移る。各章のタイトルは、三上隆が最後に姿を目撃された際 [続きを読む]
  • 騎士団長殺し
  • 著者  村上 春樹出版社 新潮社  『1Q84』以来の長編作品として、今年2月の発売日以前から各方面で話題となっていた村上春樹の最新作である。 ある日突然妻から別れ話を突きつけられた「私」は、あてもない旅に出る。やがて戻ってきた「私」は、友人の父の所有する小田原の山の上の家に住むことになる。その家の屋根裏部屋で「騎士団長殺し」と題された絵を見つけてから、「私」のまわりで不思議なことが起き始める。 井戸を [続きを読む]
  • 検証捜査
  • 著者: 堂場 瞬一出版社: 集英社文庫 警視庁捜査一課刑事の神谷は、行き過ぎた捜査の責任を負わされ伊豆大島に左遷された。大きな事件のない島で、すっかり本土から忘れ去られたと思っていたある日、特命捜査の命令を受ける。しかし、本庁刑事部長からの電話は謎に満ちたものであった。 やり手の刑事が出世コースからはずれ、アウトロー的な立場でめざましい活躍をするというのは警察小説の王道であろう。本書もそれをきっ [続きを読む]
  • それもまたちいさな光
  • 著 者 角田 光代出版社 文春文庫 TBS開局60周年を記念して刊行されたラジオ小説。 月曜から土曜の朝8時から11時までのラジオ番組「モーニングサンシャイン」をバックに、主人公の仁絵と幼なじみの雄大のゆるやかな恋愛が描かれる。そこに、仁絵の友人、珠子や鹿ノ子の恋愛のゆくえや「モーニングサンシャイン」のDJ竜胆美帆子のエピソードが加わり、抜群のハーモニーを奏でながらクライマックスを迎える。鹿ノ子が不治の病 [続きを読む]
  • 壁の男
  • 著者  貫井 徳郎出版社 文藝春秋  情報番組で紹介されたのをきっかけに、ある小さな町が注目され始める。ごく普通の日本の田舎の風景に突如、原色の壁画を施した数々の民家が現れる町。遠近法などを無視した人や車、キリンなど、子どもの落書きのような絵が普通の家の壁や塀を彩る特異な風景はSNSで拡散し、今やその町はちょっとした観光のメッカとなっている。フリールポライターの「私」は、それらの絵を手掛けた伊苅を取材 [続きを読む]
  • きなりの雲
  • 著者  石田 千出版社 講談社  一人住まいのアパートで深入りしない人間関係を築き、いつかは芽が出るだろうとアボカドを育てるさみ子。「好きなひとができた」とじろうくんが去っていったのは半年前のこと。別れのあとは、食べることも人と関わることも拒んで、体も壊れそうになる手前だった。ようやく別れの傷も癒え、少しずつ自分らしい生活を取り戻しかけていたとき、じろうくんから連絡が入る。ふたたびじろうくんに会う [続きを読む]
  • カブールの園
  • 著者  宮内 悠介出版社 文藝春秋  表題作「カブールの園」は、幼少期のトラウマ克服の治療を受けている日系三世の女性が、自分のルーツに触れることによって回復していく過程を描いている。もう1篇の「半地下」は、父親に捨てられた姉弟が異国アメリカで生き抜くために負った運命の物語。いずれもアイデンティティについて考えさせる作品である。 「カブールの園」のレイは、外見は日本人でありながら日本語を話すこと [続きを読む]
  • 氷の轍
  • 著者  桜木 紫乃出版社 小学館  二人デ居タレドマダ淋シ、 一人ニナツタラナホ淋シ、 シンジツ二人ハ遣瀬ナシ、 シンジツ一人ハ堪ヘガタシ  北原白秋の「他ト我」を冒頭のエピグラフに掲げた本書は、釧路を舞台に運命に流されるまま生きていく女たちの切ない物語である。 釧路の海に高齢男性の遺体が打ち上げられる。捜査にあたる大門真由は、七月でも20度に届かない日の多い道東で、麻の半袖シャツ一枚という [続きを読む]
  • 妻が椎茸だったころ
  • 著 者 中島 京子出版社 講談社 表題作を含む5篇の短編集。いずれの作品にも何かに固執する人物が登場する。「リズ・イエセンスカのゆるされざる新鮮な出会い」は小粋なサスペンス仕立て。留学生の、まだ会話に不得手な事情をうまく物語にとりこんでいる。「ラフレシアナ」は食虫植物の名称。食物連鎖の世界でも特異な食虫植物の存在がストーリーの奇妙さを際立たせる。「蔵篠猿宿パラサイト [続きを読む]
  • 傷痕
  • 著者  フアン・ホセ・サエール (大西 亮 訳)出版社 水声社  親子三人で郊外にカモ狩りに出かけた帰り、男は猟銃で妻を撃ち殺す。逮捕され、聴取に連れ出された男は隙を見て飛び降り自殺する。衝撃的なこの事件に何らかの形で関与する人々の姿を通して、ペロン政権崩壊後のアルゼンチン社会の空気を浮かびあがらせたのが本書である。 事件を知り、知己の判事に掛けあって事情聴取の場に同席し、犯人であるフィオーレの [続きを読む]
  • 骸骨ビルの庭
  • 著 者  宮本 輝出版社  講談社  大阪、十三にある骸骨ビル。戦前に外国式に頑丈に建てられ、戦後しばらくはGHQに占有されていたビルの通称である。所有権をめぐっての争いで第三者の仲介役として送り込まれた八木沢が、そこでの滞在3ケ月のあいだ見聞きし、経験したことが日記の形式をとって語られる。戦後の混乱のなかで親と死に別れた幼児たち、棄てられた子供たちが住みついた骸骨ビルと、生きる気力を失いかけてい [続きを読む]
  • あなたにだけわかること
  • 著者  井上 荒野出版社 講談社  桐生駿は、母がその男の家に行くのは男の病に免疫のある母が看病しに行くのだと思っていた。男の家の2階で母が治療している間、駿は男の娘である夏と1階でおとなしく待つ。やがて母は少しずつ常軌を逸していき、駿も大きくなるにつれ、母たちの関係が不倫であったことに気づく。消し去りたい記憶と結びついている夏の存在が駿だけでなく母をも苦しめる。 つかみどころのない、真意のわか [続きを読む]
  • 残り全部バケーション
  • 著者 伊坂 幸太郎出版社 集英社 著者が得意とする、世間からずれているが人がよく、ユーモラスな男たちの物語。故意に車をぶつけて金を脅しとったり、子供を盾に土地や取引から手をひかせる裏稼業を、下請けとしてやっている溝口と岡田。業界トップの毒島から独立しようと溝口は画策し、岡田はそれを機に裏稼業から足を洗うことに。ところが事はそう簡単にはいかず、2人はコンビを解消し [続きを読む]
  • 八面体
  • 著者  フリオ・コルタサル (寺尾 隆吉 訳)出版社 水声社  アルゼンチンを代表する短篇の名手フリオ・コルタサルの作品集。『八面体』から8つの短篇と『最終ラウンド』から3つの短篇、そして短篇小説の技法について語った「短篇小説とその周辺」が収められている。 「訳者あとがき」によると、「八面体」というタイトルについてコルタサルは、「本全体に適応可能なタイトルの短篇が一つもなく」、「最終的に一つにまと [続きを読む]
  • 砂の女
  • 著者  安部 公房出版社 新潮社  本書はある男の失踪事件に端を発する。休暇をとって昆虫採集のために砂丘に出かけた男が、村人に勧められるまま民家に宿泊する。砂の崖から梯子をつたって降りる穴のなかの民家には寡婦がいて、掻いても掻いても降り注いでくる砂と格闘している。一宿の礼にと男は砂掻きを手伝うのだが・・・。 気づかないうちに捕らわれの身になり、なんとか逃れようと画策する男の様子が本書の主たるス [続きを読む]
  • 「英語公用語」は何が問題か
  • 著者  鳥飼 玖美子出版社 角川書店  ストレートな問題提起のタイトルを冠した本書は、2010年にユニクロと楽天という日本を代表する会社が海外展開を加速させるため、社内の公用語を英語にする方針を打ち出したことを機に書かれたものである。著者は長年、国際会議の同時通訳や英語教育番組の講師を務める英語界の第一人者。そんな彼女が「英語公用語化」に疑問を呈するのはなぜか。 外国人の知り合いのいる日本人なら、 [続きを読む]
  • 文士の友情 −吉行淳之介の事など
  • 著者 安岡 章太郎出版社  新潮社  2013年1月に92歳で亡くなった安岡章太郎の、単行本化されていない文章や講演、座談会などの未刊作を集めた一冊である。「第三の新人」として騒がれた仲間たちとの交流、安岡の考える戦後の日本、そして晩年に入信したカトリックと日本の関係など、テーマは多岐にわたり、戦前に深い教養を身につけた知識人ならではの考え方がどっしりと据えられている。  [続きを読む]
  • 文士の友情 −吉行淳之介の事など
  • 著者 安岡 章太郎出版社  新潮社  2013年1月に92歳で亡くなった安岡章太郎の、単行本化されていない文章や講演、座談会などの未刊作を集めた一冊である。「第三の新人」として騒がれた仲間たちとの交流、安岡の考える戦後の日本、そして晩年に入信したカトリックと日本の関係など、テーマは多岐にわたり、戦前に深い教養を身につけた知識人ならではの考え方がどっしりと据えられている。  [続きを読む]
  • 天使のゲーム
  • 著者 カルロス・ルイス・サフォン (木村 裕美 訳)出版社 集英社 『風の影』で本国スペインのみならず世界中の読者をうならせた著者の最新作は、『風の影』以前を描いたシリーズものということもあり随分話題になったようだ。「忘れられた本の墓場」というミステリアスなキーワードと、バルセロナの街を縦横無尽にかけめぐる展開は著者の名前にちなんだサフォンマニアという言葉 [続きを読む]