Sra.Preciosa さん プロフィール

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Sra.Preciosaさん: 有閑マダムと本の日々
ハンドル名Sra.Preciosa さん
ブログタイトル有閑マダムと本の日々
ブログURLhttps://blogs.yahoo.co.jp/remi002403
サイト紹介文ジャンルを問わず読んだ本の書評をどんどんアップします!
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供97回 / 365日(平均1.9回/週) - 参加 2014/06/10 14:09

Sra.Preciosa さんのブログ記事

  • 妻が椎茸だったころ
  • 著 者 中島 京子出版社 講談社 表題作を含む5篇の短編集。いずれの作品にも何かに固執する人物が登場する。「リズ・イエセンスカのゆるされざる新鮮な出会い」は小粋なサスペンス仕立て。留学生の、まだ会話に不得手な事情をうまく物語にとりこんでいる。「ラフレシアナ」は食虫植物の名称。食物連鎖の世界でも特異な食虫植物の存在がストーリーの奇妙さを際立たせる。「蔵篠猿宿パラサイト [続きを読む]
  • 傷痕
  • 著者  フアン・ホセ・サエール (大西 亮 訳)出版社 水声社  親子三人で郊外にカモ狩りに出かけた帰り、男は猟銃で妻を撃ち殺す。逮捕され、聴取に連れ出された男は隙を見て飛び降り自殺する。衝撃的なこの事件に何らかの形で関与する人々の姿を通して、ペロン政権崩壊後のアルゼンチン社会の空気を浮かびあがらせたのが本書である。 事件を知り、知己の判事に掛けあって事情聴取の場に同席し、犯人であるフィオーレの [続きを読む]
  • 骸骨ビルの庭
  • 著 者  宮本 輝出版社  講談社  大阪、十三にある骸骨ビル。戦前に外国式に頑丈に建てられ、戦後しばらくはGHQに占有されていたビルの通称である。所有権をめぐっての争いで第三者の仲介役として送り込まれた八木沢が、そこでの滞在3ケ月のあいだ見聞きし、経験したことが日記の形式をとって語られる。戦後の混乱のなかで親と死に別れた幼児たち、棄てられた子供たちが住みついた骸骨ビルと、生きる気力を失いかけてい [続きを読む]
  • あなたにだけわかること
  • 著者  井上 荒野出版社 講談社  桐生駿は、母がその男の家に行くのは男の病に免疫のある母が看病しに行くのだと思っていた。男の家の2階で母が治療している間、駿は男の娘である夏と1階でおとなしく待つ。やがて母は少しずつ常軌を逸していき、駿も大きくなるにつれ、母たちの関係が不倫であったことに気づく。消し去りたい記憶と結びついている夏の存在が駿だけでなく母をも苦しめる。 つかみどころのない、真意のわか [続きを読む]
  • 残り全部バケーション
  • 著者 伊坂 幸太郎出版社 集英社 著者が得意とする、世間からずれているが人がよく、ユーモラスな男たちの物語。故意に車をぶつけて金を脅しとったり、子供を盾に土地や取引から手をひかせる裏稼業を、下請けとしてやっている溝口と岡田。業界トップの毒島から独立しようと溝口は画策し、岡田はそれを機に裏稼業から足を洗うことに。ところが事はそう簡単にはいかず、2人はコンビを解消し [続きを読む]
  • 八面体
  • 著者  フリオ・コルタサル (寺尾 隆吉 訳)出版社 水声社  アルゼンチンを代表する短篇の名手フリオ・コルタサルの作品集。『八面体』から8つの短篇と『最終ラウンド』から3つの短篇、そして短篇小説の技法について語った「短篇小説とその周辺」が収められている。 「訳者あとがき」によると、「八面体」というタイトルについてコルタサルは、「本全体に適応可能なタイトルの短篇が一つもなく」、「最終的に一つにまと [続きを読む]
  • 砂の女
  • 著者  安部 公房出版社 新潮社  本書はある男の失踪事件に端を発する。休暇をとって昆虫採集のために砂丘に出かけた男が、村人に勧められるまま民家に宿泊する。砂の崖から梯子をつたって降りる穴のなかの民家には寡婦がいて、掻いても掻いても降り注いでくる砂と格闘している。一宿の礼にと男は砂掻きを手伝うのだが・・・。 気づかないうちに捕らわれの身になり、なんとか逃れようと画策する男の様子が本書の主たるス [続きを読む]
  • 「英語公用語」は何が問題か
  • 著者  鳥飼 玖美子出版社 角川書店  ストレートな問題提起のタイトルを冠した本書は、2010年にユニクロと楽天という日本を代表する会社が海外展開を加速させるため、社内の公用語を英語にする方針を打ち出したことを機に書かれたものである。著者は長年、国際会議の同時通訳や英語教育番組の講師を務める英語界の第一人者。そんな彼女が「英語公用語化」に疑問を呈するのはなぜか。 外国人の知り合いのいる日本人なら、 [続きを読む]
  • 文士の友情 −吉行淳之介の事など
  • 著者 安岡 章太郎出版社  新潮社  2013年1月に92歳で亡くなった安岡章太郎の、単行本化されていない文章や講演、座談会などの未刊作を集めた一冊である。「第三の新人」として騒がれた仲間たちとの交流、安岡の考える戦後の日本、そして晩年に入信したカトリックと日本の関係など、テーマは多岐にわたり、戦前に深い教養を身につけた知識人ならではの考え方がどっしりと据えられている。  [続きを読む]
  • 文士の友情 −吉行淳之介の事など
  • 著者 安岡 章太郎出版社  新潮社  2013年1月に92歳で亡くなった安岡章太郎の、単行本化されていない文章や講演、座談会などの未刊作を集めた一冊である。「第三の新人」として騒がれた仲間たちとの交流、安岡の考える戦後の日本、そして晩年に入信したカトリックと日本の関係など、テーマは多岐にわたり、戦前に深い教養を身につけた知識人ならではの考え方がどっしりと据えられている。  [続きを読む]
  • 天使のゲーム
  • 著者 カルロス・ルイス・サフォン (木村 裕美 訳)出版社 集英社 『風の影』で本国スペインのみならず世界中の読者をうならせた著者の最新作は、『風の影』以前を描いたシリーズものということもあり随分話題になったようだ。「忘れられた本の墓場」というミステリアスなキーワードと、バルセロナの街を縦横無尽にかけめぐる展開は著者の名前にちなんだサフォンマニアという言葉 [続きを読む]
  • 天使のゲーム
  • 著者 カルロス・ルイス・サフォン (木村 裕美 訳)出版社 集英社 『風の影』で本国スペインのみならず世界中の読者をうならせた著者の最新作は、『風の影』以前を描いたシリーズものということもあり随分話題になったようだ。「忘れられた本の墓場」というミステリアスなキーワードと、バルセロナの街を縦横無尽にかけめぐる展開は著者の名前にちなんだサフォンマニアという言葉 [続きを読む]
  • 戦後短篇小説再発見⑤ 生と死の光景
  • 著者  講談社文芸文庫編出版社 講談社  戦後に書かれた短篇小説のアンソロジーシリーズのなかの一巻。本書は「生と死」がテーマである。 正宗白鳥の「今年の秋」は、10人兄弟のなかで一番気心のしれた弟の死にまつわる回想である。故郷で長年教鞭をとってきた弟のもとには、死の床にある今も教え子たちが足繁く通ってくる。その姿を見て、語り手である兄は、受勲などの名誉とひきかえに瑣末な事柄に煩わされることが予測 [続きを読む]
  • 戦後短篇小説再発見⑤ 生と死の光景
  • 著者  講談社文芸文庫編出版社 講談社  戦後に書かれた短篇小説のアンソロジーシリーズのなかの一巻。本書は「生と死」がテーマである。 正宗白鳥の「今年の秋」は、10人兄弟のなかで一番気心のしれた弟の死にまつわる回想である。故郷で長年教鞭をとってきた弟のもとには、死の床にある今も教え子たちが足繁く通ってくる。その姿を見て、語り手である兄は、受勲などの名誉とひきかえに瑣末な事柄に煩わされることが予測 [続きを読む]
  • ミスターオレンジ
  • 著者  トゥルース・マティ (野坂 悦子 訳)出版社 朔北社  1943年、ニューヨーク。志願兵としてヨーロッパ戦線に赴いた長兄に代わり、家業の八百屋の配達を手伝うことになったライナス少年は一風変わった客に出会う。木箱いっぱいのオレンジを注文する、こなれない英語を話すその男は、ライナスの兄とは反対に、戦争から逃れるためにヨーロッパからアメリカにやってきたという。戦時下の重苦しい空気が漂うなか、ライナ [続きを読む]
  • ミスターオレンジ
  • 著者  トゥルース・マティ (野坂 悦子 訳)出版社 朔北社  1943年、ニューヨーク。志願兵としてヨーロッパ戦線に赴いた長兄に代わり、家業の八百屋の配達を手伝うことになったライナス少年は一風変わった客に出会う。木箱いっぱいのオレンジを注文する、こなれない英語を話すその男は、ライナスの兄とは反対に、戦争から逃れるためにヨーロッパからアメリカにやってきたという。戦時下の重苦しい空気が漂うなか、ライナ [続きを読む]
  • マル暴総監
  • 著者  今野 敏出版社 実業之日本社  暴力団を担当する組織犯罪対策係、こわもての多い通称マル暴でありながら、およそマル暴らしくない刑事、甘糟が活躍するシリーズの第2弾である。前作『マル暴甘糟』ですっかりお馴染みになった甘糟の上司、郡原やヤクザのアキラなども登場して、殺伐とした刑事事件のストーリーが甘糟の放つ飄々とした雰囲気に包まれる。 ヤクザよりも凄味のある怖い上司、郡原の命令で、甘糟はチン [続きを読む]
  • マル暴総監
  • 著者  今野 敏出版社 実業之日本社  暴力団を担当する組織犯罪対策係、こわもての多い通称マル暴でありながら、およそマル暴らしくない刑事、甘糟が活躍するシリーズの第2弾である。前作『マル暴甘糟』ですっかりお馴染みになった甘糟の上司、郡原やヤクザのアキラなども登場して、殺伐とした刑事事件のストーリーが甘糟の放つ飄々とした雰囲気に包まれる。 ヤクザよりも凄味のある怖い上司、郡原の命令で、甘糟はチン [続きを読む]
  • 戦後短篇小説再発見① 青春の光と影
  • 著者  講談社文芸文庫編出版社 講談社  戦後に書かれた短篇小説のなかから「青春」をテーマにした作品を収めたアンソロジーである。いずれ劣らぬ名作家たちの珠玉の短篇が収められている。 冒頭を飾る『眉山』は数多い太宰治作品のなかでも忘れがたい印象を残す短篇。いきつけの飲み屋の若い女中をさんざんからかってきた大人たちが、彼女と会えなくなって初めて気づかされる寂寥感がいつまでも心に残る。 特に印象的だ [続きを読む]
  • 戦後短篇小説再発見① 青春の光と影
  • 著者  講談社文芸文庫編出版社 講談社  戦後に書かれた短篇小説のなかから「青春」をテーマにした作品を収めたアンソロジーである。いずれ劣らぬ名作家たちの珠玉の短篇が収められている。 冒頭を飾る『眉山』は数多い太宰治作品のなかでも忘れがたい印象を残す短篇。いきつけの飲み屋の若い女中をさんざんからかってきた大人たちが、彼女と会えなくなって初めて気づかされる寂寥感がいつまでも心に残る。 特に印象的だ [続きを読む]
  • 十二人の死にたい子どもたち
  • 著者  冲方 丁出版社 文藝春秋  著者の代表作である『天地明察』は江戸時代に大和歴を確立した希代の天文学者、安井算哲の生涯を描いた歴史もので、吉川英治文学新人賞、本屋大賞などを受賞し、映画化もされた。本書はうってかわって自殺志望の少年少女たちをめぐるミステリーである。漫画の原作やゲームの脚本などの分野でも活躍している著者のマルチタレントぶりを期待しながら読んだ。 もとは産婦人科や小児科のある [続きを読む]
  • 十二人の死にたい子どもたち
  • 著者  冲方 丁出版社 文藝春秋  著者の代表作である『天地明察』は江戸時代に大和歴を確立した希代の天文学者、安井算哲の生涯を描いた歴史もので、吉川英治文学新人賞、本屋大賞などを受賞し、映画化もされた。本書はうってかわって自殺志望の少年少女たちをめぐるミステリーである。漫画の原作やゲームの脚本などの分野でも活躍している著者のマルチタレントぶりを期待しながら読んだ。 もとは産婦人科や小児科のある [続きを読む]
  • 岸辺の旅
  • 著 者  湯本 香樹実出版社  文藝春秋  三年前に失踪した夫がある日ふいに帰ってくる。好物だった白玉を食べ、伸びたひげを剃って妻と旅に出る。夫は失踪したのではなく、水底で蟹に喰われてしまったのだと言う。どうやって家に戻ってきたのかわからないが、戻ってきた道のりを一緒にたどってみよう。 いわば死者の魂が成仏するための道連れの旅をする妻だが、旅の途中で様々な人と出会い、彼女自身の人生や夫と過ごし [続きを読む]
  • 岸辺の旅
  • 著 者  湯本 香樹実出版社  文藝春秋  三年前に失踪した夫がある日ふいに帰ってくる。好物だった白玉を食べ、伸びたひげを剃って妻と旅に出る。夫は失踪したのではなく、水底で蟹に喰われてしまったのだと言う。どうやって家に戻ってきたのかわからないが、戻ってきた道のりを一緒にたどってみよう。 いわば死者の魂が成仏するための道連れの旅をする妻だが、旅の途中で様々な人と出会い、彼女自身の人生や夫と過ごし [続きを読む]
  • バラカ
  • 著者  桐野 夏生出版社 集英社  未曽有の大震災によって原発から放射能が漏れ、東京以北が麻痺してしまった日本。着の身着のままで避難した人々が残したペットを救うボランティアで放射能危険地域に入った豊田は、犬の群れのなかに幼い女の子を発見する。だが少女が口にするのは「ばらか」という謎の言葉だけだった。 原発事故後の日本を舞台にひとりの少女がたどる数奇な運命。そこに、日本に出稼ぎにきた日系ブラジル [続きを読む]