さらん さん プロフィール

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さらんさん: 信義(シンイ)二次創作物
ハンドル名さらん さん
ブログタイトル信義(シンイ)二次創作物
ブログURLhttps://ameblo.jp/1987sarang/
サイト紹介文ドはまりした韓国フュージョン史劇、信義(シンイ)の二次創作物の部屋
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供387回 / 365日(平均7.4回/週) - 参加 2014/07/29 07:53

さらん さんのブログ記事

  • 2016再開祭 | 竹秋・参
  • 大護軍の声に頷いて、医仙は意気揚々と繰り返す。 「そうなんです。竹なんです、問題は。ね?トギ」 医仙に呼ばれたトギの顔をみんながじっと見てる。 トギは心底居心地悪そうに、困った顔で俺を見る。 大丈夫だ。俺には全部聞こえてる。 俺がその目を見て頷くと、トギは安心したように指で話し出す。 「竹を全部切れば、新しい竹林が出来るって」 トギの声をみんなに伝えると、みんなはうんうん頷いた。 「だけど竹が多 [続きを読む]
  • 2016再開祭 | 竹秋・弐
  • 「トギーーい」 駄目だ、あの呼び方の時は碌な事を考えてない。 私だって分かってる。ウンスはそういう人だってこと。 「トーギヤーー」 何!! 声が近づいて来るのに辛抱しきれず、薬室の部屋の戸を乱暴に開けて廊下に駆け出る。 指で尋ねると、廊下の先から近付いて来てたウンスは目を丸くした。 「どうしてそんなに怒ってるの?」 だって、返事できないのにずっと大声で呼び続けてるから! 「だからって怒らないでよ、 [続きを読む]
  • 2016再開祭 | 竹秋・壱
  • 【 竹秋 】 「食、べ、たいなー」 謳うような節をつけ、あなたはねだるように一同を見渡した。 ようやく寒の緩んだ春の宵、水刺房の軒下の灯篭が照らす朧月の影。 シウルは困ったように俺を見る。 チホは興味津々でこの方を見つめ返す。 ヒドは関わるのは御免とばかりそっぽを向く。 そしてテマンが律儀に俺の横のこの方へ問い掛ける。 「何をですか、医仙」 その手に乗るから馬鹿を見るんだと、思わず怒鳴りそうになる [続きを読む]
  • 2016再開祭 | 黄楊・廿(終)
  • 長い無言の後の返答に、もう一度胸に戻る温かさ。 顔を埋め直したあなたが安堵に吐いた深い息。 「但しあなたも約束を」 胸へと視線を落として言うと、その両腕が胴に廻る。 「うん」 「二度と俺の拳の前を塞がず」 「だーかーらー」 「芝居など考えず」 「どっちも悪いと思ってる。ちゃんと謝ったでしょ?」 「謝罪ではなく、約束を」 「それは出来ないわ」 腕の中から返る拗ねた声。俺には約束をねだって、自分は出来ない [続きを読む]
  • 2016再開祭 | 黄楊・拾玖
  • 居間の仄かな灯も届かぬ庭の端まで並んだままで無言で歩く。 薬木の葉影で漸く足を止めた俺の横、小さく尋ねる声がした。 「・・・ヨンア、怒ってる?」 「はい」 「飛び出したのはゴメンね。あれしか止める方法が思いつかなくて。 だけどよく言うでしょ?大切な人を殴ったら殴られたチュンソク隊長より殴ったあなたの方が痛いの。だから・・・」 「はい」 己の判断は間違っていないと今でも信じる。 幾度問われてもお返しする答 [続きを読む]
  • 2016再開祭 | 黄楊・拾捌
  • 当たったか掠ったか。影に気付くと同時に拳は避けた。 握ったままの指にも節にも、厭な感触は残っていない。 「イ」 「・・・DV反対っっ!!」 俺とチュンソクの間、泥にへたり込んだ影は声を掛ける前に横倒れたままで叫んだ。 雨上がりの泥中に膝を着いた俺に向かい、真剣な顔で。 「家族だからって手を上げていいわけないでしょ?!」 「怪我は」 「当たってない。泥で足が滑っただけ」 居間からの灯が当たるよう両手で包み [続きを読む]
  • 2016再開祭 | 黄楊・拾柒
  • 一体何人いるのか、入密法の耳を持たぬ俺には判らん。 判るのは別口の馬鹿共が大挙して押し掛けて来た事だ。 同じ気配に気付いたタウンが、楽し気に笑って頭を下げた。「大護軍、夕餉が足りぬようです。もう少し多く拵えて来ても宜しいですか」 「追い返す」 「あーーっ、ダメ!」 その叫び声と共に、背後の厨への扉が音高く開く。 厨内にもあの騒々しさが届いたらしい。 隠れていたのも忘れたか、あなたは其処から俺を睨み [続きを読む]
  • 2016再開祭 | 黄楊・拾陸
  • 「王妃媽媽には問題無いか」 「恐らくは・・・」 御部屋外から聞こえて来る、あ奴と衛の武閣氏の交わす声。 それなりに切羽詰まっておるのだろう。あの慎重な男が低いとはいえ王妃媽媽の御部屋前で、中まで届く声を上げるなど。 「・・・参りました」 私の声に王妃媽媽とウンスが頷く。「じゃあ媽媽、セリフは一言だけで結構です。あとはそれぞれ」 ウンスは目を輝かせ何処か楽し気に言うと、拳を上げてみせた。 「打ち合わせ通 [続きを読む]
  • 2016再開祭 | 黄楊・拾伍
  • 「本当にそうか。戯言なのか」 大きく吐いた息の後で叔母上が低く呟いた。 俺の方は一切見ず、その両の目は暗い庭を見ている。 「今までなら一笑に付した。王様がどれ程お主を重用しようと、御寵愛を賜ろうと。大護軍という立場だけでも過分と思っておった」 「ああ」 「しかし此度の件、強ち鼻で笑ってばかりもいられぬと思い知った。 まさか上護軍とはな」 「だからって全て信じるのか」 「信じぬわけにはいかん。逆に疑う [続きを読む]
  • 2016再開祭 | 黄楊・拾肆
  • 朝からの霧雨もすっかり上がった夕刻。 宅の門でチュホンの背から降りると同時に、チュホンの手綱を預けたコムが母屋の方を目で示した。 「チェ尚宮様が、先程からヨンさんを待って」 「・・・用件は」 思わず眉間に深い皺を刻んだ俺に、コムも戸惑ったよう首を傾げた。 「詳しくは伺えませんでした。今はタウンがお相手を」 「判った」 続いてこの方の小さな手を握り下馬を手伝いつつ頷くと、危なげなく鞍を降りたこの方が困 [続きを読む]
  • すすみません ※更新アリ
  • ※8/16夜 【黄楊】が終わったので、切れ目に上げておきます。 お時間がある時に、記事の下のそれぞれのリンクよりお話の再確認をして頂けると嬉しいです? そしてお気づきの方もいらっしゃるとは思いますが、ブログヘッダーの愛すべき二人の手のスライドショーの表示位置が狂うので、一旦消しました。アメブロの常時SSL化の影響かとは思うのですが・・・。 どうしても自分好みのブログにしたい欲に勝てない私(端から端までヨンで [続きを読む]
  • 2016再開祭 | 黄楊・拾参
  • 「焦らなくても大丈夫です。この人は王様と一緒に、うんと成功する人ですから。今はきっと時期じゃないんです。私も年号をハッキリと暗記してるわけじゃないから」 「天の記録ですか、医仙」 この方の自信ありげな声に、王様が尋ねられる。 「はい。この人は絶対王様から離れません。それは国史の授業で証明済みです。それにどんなに離れたってケンカしたって大丈夫です」 「医仙」 王様に向けて言葉が過ぎるだろう。 黙って [続きを読む]
  • 2016再開祭 | 黄楊・拾弐
  • 坤成殿の入口扉。再び顔を合わせる武閣氏は、どんな顔をして良いか判らんのだろう。何しろ此度は王様までいらっしゃる。 いつもであれば扉を守るチェ尚宮、叔母上の姿はやはり見えない。 王様もすぐにそれを察されたか、内官長へ御目を投げる。 「チェ尚宮様は」 内官長は王様の御声を代弁し、扉横の武閣氏に問い掛ける。 「王妃媽媽と御部屋にいらっしゃいます。医仙様もご一緒に」 役目を辞すと言っていた叔母上と、御拝 [続きを読む]
  • 2016再開祭 | 黄楊・拾壱
  • すぐに私たちの前まで歩いて来たあなたはそこで足を止めて、媽媽の前をふさがないように一歩横へ避けると静かに頭を下げる。 媽媽もこの人がここに来たのを見て安心したんだろう。ゆっくり頷いてあなたに声をかけた。 「大護軍、よう来てくれました」 「は」 「王様がお待ちです。お行きなさい」 「・・・某は」 歯切れの悪いあなたに向けて、媽媽が説得するようにお声を重ねる。 「妾のお姉さまのお相手は、王様のお義兄さまだ [続きを読む]
  • 2016再開祭 | 黄楊・拾
  • 呑んだ息は天界の方のお耳に届く程、思った以上に大きな音だったらしい。 しかし王様も、その御心は同様だったようだ。 内官としてあるまじき無礼をお咎めになる事もなく、見開いた御目で王妃媽媽だけをご覧になり、平静を装った御声で静かに問われる。 「・・・何があったのです王妃。何故、これ程急に」 「全ては妾が至らぬせいです。チェ尚宮の心中を慮る事が出来ず」 その御答に王様は御首を横に振る。「それでは判らぬ。 [続きを読む]
  • 2016再開祭 | 黄楊・玖
  • 「・・・まだお戻りではないですよ、チェ・ヨン殿」 この男の呆れ顔にはもう慣れた。 霧雨の中、薬草を摘む後姿。 濡れた足音に気付き振り返る侍医が、あの方の私室の棟を目で示す。 「先刻から慌ただしそうですが。何かありましたか」 「・・・いや」 弾んだ息を整えて、それだけ言って首を振る。 チュンソクにすら伝えぬ委細をこの男に伝える気など毛頭ない。 「典医寺にも坤成殿にもいらっしゃらぬのなら、あとは・・・」 侍医は [続きを読む]
  • 2016再開祭 | 黄楊・捌
  • 「・・・どういうことだ」 まさかの宣言に唖然とする俺を尻目に、叔母上は淡々と声を続ける。 「お前と同じだ。志半ばで断腸の思いだが、これ以上御傍に居ては王妃媽媽の足手纏いになる」 「待て、叔母上」 考えもしなかった。叔母上は盤石の礎として皇宮に残り、あの方を守って下さるとばかり思い込んでいた。俺の分まで。それでこそ安心して出て行ける。野に在っても国を思い、一介の民と して王様の御力となれるように自由に [続きを読む]
  • 2016再開祭 | 黄楊・柒
  • 「チェ尚宮は」 白い霧雨の中、坤成殿の朱柱と壁の胡風の彩壁が霞んでいる。 全速で走り抜けた回廊の先。 殿の扉を守っているとばかり思っていた叔母上の姿が見当たらん。 この顔を見て一斉に頭を垂れる武閣氏に向かって問うと、そのうちの一人が不安そうに王妃媽媽の御部屋の入口を目で示した。 此処で再び無駄足を踏むのでは敵わん。息を整え頷いて 「呼んで欲しい」 そう伝えると武閣氏は困った様子で俺へと視線を戻す。 [続きを読む]
  • 2016再開祭 | 黄楊・陸
  • 雨粒の伝い落ちる眸の前の扉を叩く。返答はない。 軒下から首を反らし、雫で曇る窓越しの暗い部屋内を確かめる。 其処から笑いかける瞳も、跳ねるように舞う亜麻色の髪もない。 扉を静かに押し開く。雨で冷たく湿った空気が漂う無人の部屋。 俺を呼ぶ明るい声も、脈を読もうと伸ばされる温かな指もない。 あなたの不在がこれ程淋しい。 いつもなら王妃媽媽の御拝診を終え、戻っている筈の刻だ。 あの方に残るように言い聞 [続きを読む]
  • 2016再開祭 | 黄楊・伍
  • 「隊長」 「チェ尚宮殿、今お会いしに行くところでした!」 薄暗い迂達赤兵舎に踏み込んだ途端、土床の吹抜の奥から走り出て来た隊長との正面衝突を寸での処で避ける。 その一言で判る。この男も知らぬ。 互いに同じ事を知りたかった筈だ。 あの厄介ばかり起こす男に此度は何が起きたか。己に何が出来るか。 「あ奴と話したか」 「役目を辞すとだけ。御邸も引き払うと飛び出されました」 「邸を」 「はい。早晩引き払うので [続きを読む]
  • 2016再開祭 | 黄楊・肆
  • 迂達赤の私室の中を見渡して、最後に様子を確かめる。 三和土に積んだ行李の内にも私物など入れてはいない。 寧ろこの後に始める宅の整理の方が骨が折れるだろう。 そしてタウンとコム。あの二人の次の勤め先も見つけねばならん。 夫婦者なのだ。離れ離れにするわけにも、次の勤め先が確実に決まる前に放り出すわけにもいかん。 間に立った叔母上とマンボの顔もある。此方の身勝手で出て行けと、 一言の許に勤めを解くな [続きを読む]
  • 2016再開祭 | 黄楊・参
  • 「私にも皆目見当がつかないのです、チェ尚宮殿」 早朝の回廊の隅。呼び出したドチ殿は、雨の庭を背景に声を落とした。 「昨日確かに大護軍は王様のお召しでご拝謁を」 「大護軍から率先してご拝謁に伺ったわけではないのですね」 「はい。私が迂達赤まで伺い、大護軍の在所を確かめた上で康安殿へお連れしました」 奴が臣下にあるまじき自由さで康安殿に伺っているのは知っている。 そして王様が寛大な御心でそれをお許し [続きを読む]
  • 2016再開祭 | 黄楊・弐
  • 縁側に無言で座り込み、無言のままで夜空を仰ぐ。 せめて月でも浮かんでいれば、多少は気も紛れるだろうに。 この方も何処かがおかしいと判っているのだろう。 いつもなら膝に抱く俺がそれもせず、端座のまま黒い空を仰ぐ真横に黙って添っている。 星すらもない空の許、無言で並ぶ夜の縁側。 この方なら判ってくれる筈だ。 他人の口から知られるよりは、己の声で伝えたい。 「イムジャ」 待ち続けていたのだろう。この方は [続きを読む]
  • 2016再開祭 | 黄楊・壱
  • 【 黄楊 】 「チェ・ヨン」 向かい合う王様の御背越しの窓外は、梅雨の合間の青い空。 重なる葉を薄黄に染めた見事な黄楊が緩い風に揺れている。 そよぐ黄の波に眸を遣って、息と返答とを同時に吐き出す。 「は」 チュンソクも内官長も人払いし、二人きりで向かい合う卓。 康安殿の玉座から、答えぬ俺へと向けて再び御声が掛かる。 「忌憚なき答が知りたいのだ、チェ・ヨン」 御心の裡の腹立たしさを抑えておられるの [続きを読む]
  • 2016再開祭 | 花簪・拾壱(終)
  • 「勝手に出歩いてごめんなさい。だけどこれ以外の方法は私には見つからない。精神状態を知るにはカウ・・・直接、話すしかなかったから。話して分かった。心が疲れてる人が多いわ。心的外傷後ストレス障害は、私の世界の心理学を学ぶ人間なら誰でも知ってるけど、判断基準があるの。でも乗り越えるにはまず患者の努力が必要よ。心理士側は訓練が。少しでも早く始めた方がいい。戦が始まれば、それどころじゃなくなる。でしょ?」 [続きを読む]