Shin-Itchiro さん プロフィール

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Shin-Itchiroさん: バッハ 無伴奏チェロ組曲、校訂者注記
ハンドル名Shin-Itchiro さん
ブログタイトルバッハ 無伴奏チェロ組曲、校訂者注記
ブログURLhttp://bachmubansou.blogspot.fr/
サイト紹介文バッハ 無伴奏チェロ組曲の最新楽譜の校訂者による注記。「パリの東から」分館
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供4回 / 365日(平均0.1回/週) - 参加 2014/09/09 09:31

Shin-Itchiro さんのブログ記事

  • 過去の記事 …
  • 奇妙な和音?
  • 〜「平均律」にもマタイ受難曲にもあるこの和音のどこが奇妙なのか?〜 もういい加減にしろ!という思いから、無視されたリュート組曲 からこの項目を独立させることにした。正直言って、バッハ研究者には資格試験を施す必要があるのではないか、と思う程である。 第5組曲アルマンドの第25小節冒頭の和音は、歴代のチェロ組曲校訂者の無知によって馬鹿げた改変が今もなお続けられているのである。冒頭の和音とは次のようなものであ [続きを読む]
  • 多すぎた連桁
  • 疑惑の音同様、これもずっと気になっていた所である。連桁(れんこう)とは、複数の8分音符とか16分、32分、64分(以下、倍々になって行く)音符などを結びつける太い横棒のことである。第6組曲、アルマンドの第15小節、1拍目はパリ初版譜(1824年)以来、おそらくすべての版が次のように表記して来た。 パリ初版譜(1オクターヴ高く記譜されている): 旧バッハ全集(1879年):つまり8分音符二つに等分されて、同じ付点リズムが [続きを読む]
  • 疑惑の音
  • 第2組曲において、このところ頭に引っかかっている「疑惑の音」がある。それは、クーラント、第24小節の終わりから2番目の音である。普通これはアンナ・マグダレーナ及びC資料、D資料に従ってFで弾かれる。しかしケルナーではGなのである。 アンナ・マグダレーナ(C・D資料も同じ): ケルナー:Fでも何の問題もないように思われる。それゆえ今まで特に議論されることもなかった。しかし第24小節はそれまで調があちこちさまよった [続きを読む]
  • 新バッハ全集改訂版の「無伴奏チェロ組曲」
  • 〜早まった出版〜 つい先日、 新バッハ全集改訂版の「無伴奏チェロ組曲」 が出版されたことを知った。去年の11月に発行されたようである。旧バッハ全集や新バッハ全集が何かということは他で調べてもらいたいが、ともかく新バッハ全集刊行後のバッハ研究の進展により、改訂版を出す必要が生じたということで、2010年にその第1巻として「ロ短調ミサ曲」が発行され、その後2年ごとに1巻ずつ発行され、「無伴奏チェロ組曲」は [続きを読む]
  • 謎の「パリ初版譜」
  • 「無伴奏チェロ組曲」の最初の印刷楽譜が出版されたのは、作品が書かれたほぼ100年後の1824年、ドイツではなくフランスはパリのJanet et Cotelle社からであった。しかしJanet et Cotelle社は現存しないようだし、出版されてからどのぐらい売れたのか、いつごろまで出版されたのか不明で、この曲の歴史からは忘れられた存在になっていたようである。広く知られるようになったのは、2000年の新ベーレンライター原典版が資料の1つとし [続きを読む]
  • D資料のカラー版ファクシミリ
  • すでにアンナ・マグダレーナ・バッハ(以下AMB)及びケルナーの筆写譜、バッハ自身による第5組
    曲のリュート編曲版、C資料はカラー版ファクシミリになっていたが、ついにD資料(18世紀末の筆
    写譜)もカラー写真版になった。http://search.obvsg.at/primo_library/libweb/action/dlDisplay.do?institution=ONB&vid=O
    NB&onCampus=false&lang=ger&docId=ONB_aleph_onb06000461828(上のページ右にあるサムネイルを すると楽譜が [続きを読む]
  • 気付かれなかったA
  • 〜スコルダトゥーラはややこしい〜今日久しぶりに第5組曲をスコルダトゥーラで弾いていて、ふと「この音はひょっとして、、、」と思いつき、どうやらこれまで誰も気付いていなかったことに気付いたようである。しかしこれは今までの楽譜校訂者が悪いとは言い切れない。スコルダトゥーラのせいである。スコルダトゥーラとは通常の調弦とは異なる変則調弦のことであり、第5組曲では一番高いA弦を2度低いGに調弦する。これによってD弦 [続きを読む]
  • 第3番ジーグについて
  • 第3組曲のジーグには2つ問題の場所がある。ひとつは第19小節で、ケルナー(C・D資料も同じ)とアンナ・マグダレーナ・バッハ(以下AMB )とで異なっている。 ケルナー(及びC・D資料): AMB:大方の出版譜はAMBのはミスだと考えてケルナーを採用しているが、フルニエ、トルトゥリエ、ジャンドロンといったフランス系の楽譜はAMBの音形を採用している。さて、以下は多少屁理屈に聞こえるかもしれないが、ぼくはバッハは最初ケルナ [続きを読む]
  • 無視された半小節、追記
  • 第1組曲ジーグの「無視された半小節」は、ぼくが「無伴奏チェロ組曲」の自分の版を作るきっかけであったし、またもっとも反響の大きいものでもあるので(→ブログ本館の旧記事)、ここに説明を追加しようと思う。ぼくが一番感じるのは「半小節」への偏見である。差別と言い換えてもいいかもしれない。半分の小節なんておかしい、というわけである。これが20世紀以降の音楽だったら誰もそんなことは言わないだろう。だったらどうし [続きを読む]
  • 無視された7度
  •  〜200年近くもの放置〜これはぼくの発見ではない。すでにヘンレ版、そしてあまり知られていないバズレール(フランスのチェリスト、1886?1958)の版には書かれている。しかしそれ以外の多分すべての版では、この7度は無視されて来たのである。これを読んだら直ちに手持ちの楽譜を修正していただきたい。これほどの重要な音が修正されずに200年近くも放置されたままであることに、怒りさえ覚えるのである。第6組曲、プレリュ [続きを読む]
  • 無視されたリュート組曲
  •  〜せっかくの自筆譜なのに〜 バッハのリュート組曲ト短調(BWV 995)は「無伴奏チェロ組曲」第5番ハ短調のバッハ自身による編曲であり、これには自筆譜が残っている。http://imslp.org/wiki/Suite_in_G_minor,_BWV_995_%28Bach,_Johann_Sebastian%29自筆譜が失われた「無伴奏チェロ組曲」にとって、これはまたとない貴重な資料である、、、はずなのだが、、どういうわけか、これが全然活用されていないのである。例えば、プ [続きを読む]
  • 早すぎたフラット
  •  〜段の変わり目は注意〜第4番は多少問題の箇所がある。特にプレリュードの「早すぎたフラット」は全く信じられないことに、カザルス、フルニエ、トルトゥリエ、シュタルケル、ロストロポーヴィチ、ビルスマといった20世紀の大家から最近の名手に至るまで、実に多くのチェリストによって弾かれており、唖然とせざるを得ない。これはアンナ・マグダレーナ・バッハ(以下AMB)の凡ミスに過ぎないのである。それがなぜこんなに広 [続きを読む]
  • 2つのシャープ
  •  〜画竜点睛〜  このシャープはバッハの自筆譜の紛失以来250年以上も忘れられていたもので、楽譜として採用したのは横山版が世界最初ではないだろうか? イッキング版やヘンレ版でさえ採用していないのである。第6組曲、サラバンドの終わりから2小節目(第31小節)の最初の低音はGではなくG#(ト長調版ではC#)である。ケルナーの筆写譜に明確に記されている。 ケルナー(一番左の小節はアルト記号)アンナ・マグダレー [続きを読む]
  • 奇妙な音形
  • バッハ「無伴奏チェロ組曲」にはC資料、D資料と呼ばれる18世紀後半の筆写譜があるが、それらの第1組曲のプレリュードを見ていると、第27小節の後半に奇妙な音形があるのに気付く。 C資料 D資料パリ初版譜(1824年)も同様。また2000年に出版された、ウィーン原典版(赤い表紙でおなじみ)もこの音形を採用している。おそらくそれ(と新バッハ全集の2番目の楽譜)だけが例外で、通常はアンナ・マグダレーナ・バッハ(ケルナーも同 [続きを読む]
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