詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記) さん プロフィール

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詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)さん: 詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)
ハンドル名詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記) さん
ブログタイトル詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)
ブログURLhttp://blog.goo.ne.jp/shokeimoji2005
サイト紹介文日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供495回 / 365日(平均9.5回/週) - 参加 2014/10/02 10:33

詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記) さんのブログ記事

  • ダルデンヌ兄弟監督「午後8時の訪問者」(★★★★★)
  • 監督 ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ 出演 アデル・エネル、オリビエ・ボノー、ジェレミー・レニエ、オリビエ・グルメ、ファブリツィオ・ロンジョーネ 私は謎解き(犯人探し)の映画は嫌いである。「答え」がすぐわかるので、退屈してしまう。しかし、この映画は違った。ぐいぐい引き込まれていく。何が起きているのか、さっぱりわからないのである。 さっぱりわからない、と書きながら、まあ、矛盾した [続きを読む]
  • 高橋睦郎「雪しく封印」
  • 高橋睦郎「雪しく封印」(「現代詩手帖」2017年04月号) 先日高橋睦郎の朗読について書いた。聞いたときの衝撃が強すぎて(想像と違いすぎていて)、ほんとうに書きたいこととは違ったことを書いたかもしれない。書こうとしていたこととは関係のないことを書いたかもしれない。しかし、それはそれで、何らかの、私には理解できない「理由」というものがあるのかもしれない。 私はそれまで高橋の朗読を聞いたことはない。自分で高 [続きを読む]
  • 高橋睦郎の朗読
  • 高橋睦郎の朗読 私は音読(朗読)はしない。また朗読を聞くということもない。けれど、「音(音楽)」を想像するということは、ある。 04月18日に楊克『楊克詩選』についての座談会(?)があり、たまたまそこで高橋睦郎の朗読を聞いた。その朗読は、私にとっては、想像を絶するものだった。びっくりして椅子から落ちそうになった。 実際に朗読する前に、ことばと音楽という話題が出た。中国の音は豊かだ、というようなことが語 [続きを読む]
  • 楊克『楊克詩選』(竹内新編訳)
  • 楊克『楊克詩選』(竹内新編訳)(思潮社、2017年04月30日発行) 楊克『楊克詩選』はシンプルな「算数」でできている。つかう数字は1と2。数式はみっつ。①1+1=1。 答えの「1」は「一対」と「対」を補うとわかりやすい。対は「対句」の対。②半分(1/2)+半分(1/2)=1。 答えの「1」は完全。「1=半分+半分」と言い換えることができる。③1+1=2。 答えの「2」は「無限(無数)」をあらわす。中国人 [続きを読む]
  • ガース・デイビス監督「ライオン」(★★★)
  • 監督 ガース・デイビス 出演 サニー・パワール、デブ・パテル、ニコール・キッドマン インドで迷子になった5歳の少年が、25年後にグーグル・アースで故郷を探し出したという実話。 少年が登場するシーンがどれもすばらしい。 迷い込んだ回送列車に乗って大都会にたどりつく。故郷から離れてしまった。ことばがわからない。人の表情を見て状況を判断する。不安と真剣が入り交じる。親切にしてくれるひとがいい人とは限らない [続きを読む]
  • 三角みづ紀「小豆島」ほか
  • 三角みづ紀「小豆島」ほか(「別冊 詩の発見」2017年03月22日発行) 三角みづ紀「小豆島」には「男性」がまじっていない。こう書くと「差別的」に聞こえるかもしれないけれど、私は「男性」がまじっている詩が嫌いだ。それが男性が書いたものであるにしろ。「男性」を「頭」と言い換えるといいのかもしれない。 「小豆島」の最初の二連。まだ夜の残る朝寒気が肌へしみこむおおきく手足を伸ばした青いままのオリーブの実に触れて [続きを読む]
  • 山田兼士「すみよっさん」、和田まさ子「語ることは」
  • 山田兼士「すみよっさん」、和田まさ子「語ることは」(「別冊 詩の発見」2017年03月22日発行) きのう読んだ山田兼士「すみよっさん」について、青木由弥子さんが「娘をお嫁さんに出す母親の視点かな〜と思いながら、読みました。男性が女性視点で書く、ある種の惑乱の心地よさ。」と指摘してくれました。(フェイスブック) 作者の山田が「青木さん、ありがとうございます。みごとな解説ですね。」と返信している。 あ、そう [続きを読む]
  • 山田兼士「すみよっさん」
  • 山田兼士「すみよっさん」(「別冊 詩の発見」2017年03月22日発行) 山田兼士「すみよっさん」を読みながら、これはどういうことだろう、と何度も首をかしげた。「住吉大社」に「何度も行った」ことを書いている。住吉大社には何度も行った七五三には父に手を引かれて数年後には幼い弟の手を引いた人混みのなか太鼓橋をこわごわ渡った彼と初詣に行ったのは結婚後間もない頃だった不安と期待が入り混じるなかわれ知らず心から祈っ [続きを読む]
  • 大岡信「夏のおもひに」「地名論」
  • 大岡信「夏のおもひに」「地名論」(現代詩文庫24、大岡信詩集)(思潮社、1969年07月15日第一刷、1973年07月01日第七刷)「現代詩文庫24、大岡信詩集」の巻頭の作品が「夏のおもひに」。大岡の代表作というわけではないだろうけれど、大岡がどうしても収録したかった作品なのだと思う。このゆふべ海べの岩に身をもたれ。ゆるく流れるしほの香にゆふべの諧調は海をすべり。いそぎんちゃくのかよわい触手はひそかに流れ。とほく東に [続きを読む]
  • マット・ロス監督「はじまりへの旅」(★)
  • 監督 マット・ロス 出演 ビゴ・モーテンセン はじまった瞬間、ぞっとする映画がある。この作品が、それ。 森が映し出されるのだが、その緑が人工的。アメリカ映画の緑の色に私はいつもついていけない。この映画のはじまりの緑はいつもの「汚い緑(水分のない緑)」ではないのだが、まるでペンキを塗ったような緑。「フィールド・オブ・ドリームス」よりもあくどい。「美しいでしょ」と強引に迫ってくるのだが、私には全然美し [続きを読む]
  • 「ピカソ、その芸術と素顔」
  • 「ピカソ、その芸術と素顔」(みぞえ画廊、福岡市中央区、2017年04月04日)   「ピカソ、その芸術と素顔」はみぞえ画廊のリニューアルオープン記念で開かれてる。絵は「静物」と「男の顔」の2点。あとはロベルト・オテロの撮影したピカソの写真。 絵は、私は「男の顔」が好き。ピカソの作品には、なんといってもスピードがある。見るスピードが、他の画家よりもはるかに速い。速く対象をとらえてしまう。だから速く描ける。そ [続きを読む]
  • 葉山美玖『スパイラル』
  • 葉山美玖『スパイラル』(モノクローム・プロジェクト、2017年04月20日発行) 葉山美玖『スパイラル』は前半と後半でことばの「調子」が異なる。前半はことばに「希望」のようなものをこめている。ことばが「現実」を別の次元へ連れて行ってくれることを願っているような詩だ。読者に、一緒に「異次元」(詩の世界)へ行こうと呼びかける作品。たとえば「終電」。六本木のバーで偶然彼女に遭った彼女は相変わらず化粧っ気のない顔 [続きを読む]
  • バリー・ジェンキンス監督「ムーンライト」(★★★★★)
  • 監督 バリー・ジェンキンス 出演 トレバンテ・ローズシャロン、アシュトン・サンダース、ジャハール・ジェローム、アンドレ・ホランド、マハーシャラ・アリ 「ラビング」を見たとき、あまりに静かな映画で驚いたが、この「ムーンライト」もとても静かな映画だ。カーステレオから流れる音楽は大音響だが。 この映画の驚きはいくつもあるが、何といっても驚いたのは、主人公を助けるドラッグの売人が最初の三分の一でさっと消え [続きを読む]
  • 藤井晴美『下剤の彼方、爆発する幼稚園』(2)
  • 藤井晴美『下剤の彼方、爆発する幼稚園』(2)(七月堂、2017年04月01日発行) 藤井晴美『下剤の彼方、爆発する幼稚園』の「その友人」という詩の全行。 十何年ぶりかで自宅にやって来た友人が、酒を飲みながら萩原朔太郎の「沼沢地方」を朗読した。友人は聞いたこともないような訛りで、あるいは節でもつけているのか、それを朗読した。するとぼくは、無性に泣けて涙が出てしまった。その抑揚は、その友人や萩原朔太郎の出身地 [続きを読む]
  • 藤井晴美『下剤の彼方、爆発する幼稚園』
  • 藤井晴美『下剤の彼方、爆発する幼稚園』(七月堂、2017年04月01日発行) 藤井晴美『下剤の彼方、爆発する幼稚園』に限らず、藤井の詩の感想を書くのはむずかしい。「意味」を書いてもしようがないのだが……。 詩集の最後の詩「夜の日常」の最後の方に、 あなたとはもう二度と会うことはないだろう。しかし、それでいいのだ。私だってもう二度とこの私ではないのだから。 ということばがある。 まさにこの通りなのだと思う。 [続きを読む]
  • 千人のオフィーリア(メモ36)
  • 千人のオフィーリア(メモ36)耳のなかに風の音がするドアを開けたとき、いっしょに入ってきた風の音がまだ耳のなかで動いている愛は残酷と笑った、川を渡り木の間を通ってきたあの日の風あの日、透明な匂いを残して出ていったけれど、春がはじまる日、また戻ってきた遠い鉄橋を見ているうさぎの聞いた風、愛は美しいと嘘をついて病院で生まれた赤ちゃんの泣き声が弾き飛ばした音、風の音を追いかけて図書館の活字が並び順をかえる [続きを読む]
  • ルキノ・ビスコンティ監督「若者のすべて」(★★★★★)
  • 監督 ルキノ・ビスコンティ 出演 アラン・ドロン 私は、昔、アラン・ドロンが大嫌いだった。「美形の男」が嫌いだったと言った方がいいのかもしれない。 でも。 「山猫」「若者のすべて」とビスコンティの作品でアラン・ドロンを見直して、うーん、おもしろいなあと感心した。好きになった。 ビスコンティは美男子をつかうのがうまい。ビスコンティは美男子を「超美男子」に育て上げる天才である。 「若者のすべて」では、 [続きを読む]
  • 坂多瑩子「へいすけ」、颯木あやこ「深海の奏楽者」
  • 坂多瑩子「へいすけ」、颯木あやこ「深海の奏楽者」(「狼」30、2017年03月発行) 坂多瑩子「へいすけ」を読みながら、「へいすけ」って誰?と思う。男? それとも猫? あるいは猫は「あたし」?へいすけは真っ白なハンカチで手をふきながら歩いているへいすけは看板を見上げて腕時計を見たそれからあたしの方に向かって歩いてきた これは男の描写に見える。小説なら、そうなる。 これが、こうつづく。へいすけとあたしが知り [続きを読む]
  • 平林敏彦「叛旗はきょうも」
  • 平林敏彦「叛旗はきょうも」(「交野が原」82、2017年04月01日発行) 平林敏彦「叛旗はきょうも」は風景にたんたんと自己を重ねていく。おお あれに見えるは浚渫船か世界はけだし激動のさなかにあるがあの船は日がな一日水の底にたまっている土砂や老廃物をさらっては掻き出し またさらいながらただ一度の生涯を終えるのだおれっち人間もしばしば赤恥をさらしまた逆に居直ったりしてずたずたな一生を送りあとは野末の石の下とい [続きを読む]
  • 白島真『死水晶』
  • 白島真『死水晶』(七月堂、2017年03月07日発行) 白島真『死水晶』には1970年代に書かれた作品から最近書かれた作品までが収録されている。2016年に書かれた「雪豹」。机の上の青白い囲みのなかに閉じ込められた雪豹をみる書きかけた詩篇のなかで原野に放たれ都市の肉を引き裂くおまえを見たかった 「書きかけた詩篇のなかで」という一行が白島を特徴づけている。「詩篇」は「ことば」と言い換えることができる。実際の雪豹では [続きを読む]
  • 米田憲三「長崎さるく」
  • 米田憲三「長崎さるく」(「原型富山」173 、2017年03月12日発行) 米田憲三の短歌は現実を描いてもどこか虚構性というか、演劇性があって、そこに私は「青春」を感じるのだが。 「長崎さるく」は、旅そのものが一種の非日常なので、虚構・演劇性が薄れる。そこにもうひとりの米田がいる。聞き慣れぬ「さるく」の語意を訊ぬれば気儘な散歩かと老師は応う さっと読んでしまう歌だが、その「さっと読める」リズムが気持ちがいい。 [続きを読む]