詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記) さん プロフィール

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詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)さん: 詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)
ハンドル名詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記) さん
ブログタイトル詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)
ブログURLhttp://blog.goo.ne.jp/shokeimoji2005
サイト紹介文日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供541回 / 365日(平均10.4回/週) - 参加 2014/10/02 10:33

詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記) さんのブログ記事

  • 藤井貞和『美しい小弓を持って』(12)
  • 藤井貞和『美しい小弓を持って』(12)(思潮社、2017年07月31日発行) 「のたうつ白馬」「冷却の音」「「この国家よ」と三篇の「回文詩」がつづいている。テーマは東日本大震災、東京電力福島第一原発の事故である。 「のたうつ白馬」の最初の連。震源は震源はのたうつ白馬 東日本大震災の「震源」は東京電力福島第一原発ではない。けれど事故が起きてしまうと、東京電力福島第一原発こそが「震源」ではないのか、と思えてく [続きを読む]
  • 藤井貞和『美しい小弓を持って』(11)
  • 藤井貞和『美しい小弓を持って』(11)(思潮社、2017年07月31日発行) 「となか−−黙示録」は、東日本大震災、東京電力福島第一原発のことを書いている、らしい。 海の炉心をだきしめよ 幼い神々 の「炉心」というようなことばがら、そう感じるであって、間違っているかもしれない。そこにはまた、叙事詩にたいせつな遺伝子情報を載せて、針の精子は斃れ、胎内で聴く母語のはて、やさしいな−− と、清水昶を追悼した「針 [続きを読む]
  • 紫圭子『豊玉姫』
  • 紫圭子『豊玉姫』(響文社、2017年05月15日発行) 紫圭子『豊玉姫』は「詩人の馨叢書」の第5弾。 私は詩を音読することはない。朗読もしない。(仕方なしにすることもあるが。)なぜかというと、書くときに声を出さないからである。声を出さずに書いたものを、声に出して読むと、まったく違ったものになる。 朗読しているひとたちは、どうやって書いているのか。 「声」を想像しながら読んでみる。 「豊玉」という詩の一連目 [続きを読む]
  • 藤井貞和『美しい小弓を持って』(10)
  • 藤井貞和『美しい小弓を持って』(10)(思潮社、2017年07月31日発行) 「冷暗室−−清水昶さん追悼」には、俳句が差し挟まれている。晩年俳句を書いていた清水をしのんでのことだろう。ゆくはさびし 山河も虹もひといろに 「虹」は七色。それが「ひといろ」になる。死に行くひとのみる風景だろうか。「ひといろ」の「ひとつ」が寂しい。それはひとりで死んでゆくしかない人間のさびしさだが、そうか、藤井は清水に「さびしい [続きを読む]
  • セスク・ゲイ監督「しあわせな人生の選択」(★★★)
  • 監督 セスク・ゲイ 出演 リカルド・ダリン、ハビエル・カマラ、トルーマン(犬) ガンを宣告された俳優と、その友人のストーリー。俳優は治療を拒否している。死期が近いとわかったら服毒自殺するつもりでいる。でも、そのまえにしたいことがある。何より気がかりなのは、愛犬の将来。飼い主を失ったら犬はどうなるのか。喪失感にとらわれるのか。獣医のところに相談にゆき、里親探しもはじめる。 それから仲違い(?)した人 [続きを読む]
  • 藤井貞和『美しい小弓を持って』(9)
  • 藤井貞和『美しい小弓を持って』(9)(思潮社、2017年07月31日発行) 「詞(ツー)」には「詞は宋代の詩」という註釈がついている。宋代の詩を参考にしてつくったということかな?みどり葉をまどさきに、にわのおもてに、日のあしに、あめあとのみずたまりに、きみのひとみに、さしかけよう、葉裏をつくろう。 葉ごとに、芯ごとに、むしのいきに、あおいきに、といきになって、きみを守ろう。 さて、どう「誤読」すればいいの [続きを読む]
  • 藤井貞和『美しい小弓を持って』(8)
  • 藤井貞和『美しい小弓を持って』(8)(思潮社、2017年07月31日発行) 「spirited away (神隠す)−−回文詩1」は、全文を引用しないと「姿」が見えない。むなしく、ここに来ず、いたましく 神か、かつ、この新月、雲に舞い、楚国(そこく)よ、つと、ふるさとに、かず知れぬ、からき泪羅(べきら)か、濡れ、しずかにと去る、ふと、つよくこそ、いまにも屈原(くつげん)、詩の国家、神隠し また、いずこに故国死なむ。 「 [続きを読む]
  • 藤井貞和『美しい小弓を持って』(7)
  • 藤井貞和『美しい小弓を持って』(7)(思潮社、2017年07月31日発行) 「ひとのさえずり」も「書き方(形式)」に特徴がある。まがつびのあさ 禍つ火の朝こうしてほろぶ 斯うして滅ぶことのはじまり 言の始まりおごりのためし 傲りのためしひにもえさかり 火に燃えさかりのたうつからす 輾転つ烏さけぶにわとり 叫ぶ鶏 上段にひらがなが書かれ、下段には漢字まじりで書き直されている。漢詩の書き下し文みたいだ。ひらが [続きを読む]
  • 加計学園「獣医学部」問題
  • 加計学園「獣医学部」問題            自民党憲法改正草案を読む/番外113(情報の読み方) 加計学園「獣医学部」問題を、少し違った視点で見つめなおしてみる。獣医学部新設には「石破4条件」がクリアすることが不可欠と言われている。そのことと関係する。 いま、大学の獣医学部はどうなっているのか。 加計学園が問題になったころ、2017年04月22日の読売新聞(西部版・14版)には、鹿児島大学と山口大学 [続きを読む]
  • 藤井貞和『美しい小弓を持って』(6)
  • 藤井貞和『美しい小弓を持って』(6)(思潮社、2017年07月31日発行) 「うたあわせ−−詩とは何か」は「うたあわせ」の形式で書かれている。でも、藤井は「左」「右」という形式を守っているだけで「短歌」が書かれているわけではない。こんな感じ。  一番 左アトム大使。回し読みする 少年のわれら、御用学者になる六十年    右詩はどうして書けなくなるのだろうか。われらのうたに詩はあるのだろうか。うたならばいつ [続きを読む]
  • 藤井貞和『美しい小弓を持って』(5)
  • 藤井貞和『美しい小弓を持って』(5)(思潮社、2017年07月31日発行) 「鳥虫(ちょうちゅう)戯歌から」と「鳥獣戯画」は関係があるか。まあ、あるのだろう。でも、どんな関係か、私にはわからない。「鳥獣戯画」は教科書で見た程度で、具体的な感想がない。動物が人間のように遊んでいる。人間の遊びを動物で描いてみせたのかな? でも、こんな「ちょっとした印象」が、どういうわけか詩を読むときに影響してくるからおそろし [続きを読む]
  • 藤井貞和『美しい小弓を持って』(4)
  • 藤井貞和『美しい小弓を持って』(4)(思潮社、2017年07月31日発行) 「葉裏のキーボード」は風にゆれる草の葉(あるいは木の葉)を見ているのだろうか。葉裏のキーボードを、かぜがさわります。なんだか通信したそうにして、メールがやってくる。葉裏のパソコンが、かたかたと打っている、それが、ここから見える。 風が吹くと、葉が小刻みに裏返る。それがキーボードの動きに見える。 私は木の葉(草の葉)が風に吹かれて裏 [続きを読む]
  • 小笠原真『父の配慮』
  • 小笠原真『父の配慮』(ふらんす堂、2017年04月07日発行) 小笠原真『父の配慮』。 たんたんと書かれている。エッセイのようにも読むことができる。こういう詩について感想を書くのはむずかしい。 「哀しい眸」はガン患者を手術したときのことが書かれている。何度目かの大出血の時流石にもう助からないと直感したのかいつもシャイで無口なAさんがにっこりとほほ笑んで両手を拝むように合わせ今生の別れを告げられたのであった [続きを読む]
  • 藤井貞和『美しい小弓を持って』(3)
  • 藤井貞和『美しい小弓を持って』(3)(思潮社、2017年07月31日発行) 「口寄せ」はとても変な詩である。駅 / ビルの柱に凭れて、口寄せしていたらば、と ぼくは書いた。いなく / なってからのぼくは、荻の花咲く飲みのこしの水が、真っ青な顔 / を映す大理石のまえで、ちいさな声になる。 聞こえる? 何が書いてあるか、あいかわらずわからない。でも、はっきりわかることもある。 ネット(ブログ)では横書き表示 [続きを読む]
  • 藤井貞和『美しい小弓を持って』(2)
  • 藤井貞和『美しい小弓を持って』(2)(思潮社、2017年07月31日発行) 藤井貞和『美しい小弓を持って』を読みながら、「結論」を出さないように(?)感想を書いてみる。その二回目。 「野遊び」の一連目。歌うひとのメモから、かたちが消える日は近いか。かたちのあとから、草原のおとはのこるか。あたらしいおとには輪郭があるか。泥炭のうえを風はこするか。 何を書いているのか、「意味」はわからない。「ストーリー」がわ [続きを読む]
  • 藤井貞和『美しい小弓を持って』
  • 藤井貞和『美しい小弓を持って』(思潮社、2017年07月31日発行) 藤井貞和『美しい小弓を持って』を読みながら、「現代詩は難解である」という定義、あるいは批判(非難)を思い出した。私は「難解」というようなむずかしいことばは苦手で、うーん、わからない、と言うのだが。 で、その「わからない」ということから藤井の詩を読んでみるとどうなるか。 何が書いてあるかわからないというとき、私は「意味」をさがしている。「 [続きを読む]
  • 自衛隊日報
  • 自衛隊日報            自民党憲法改正草案を読む/番外112(情報の読み方) 2017年08月11日朝日新聞(西部版・14版)の1面。相田氏関与認めず/日報再調査は拒否/防衛省答弁 監察結果なぞる という見出しで、衆参委の閉会中審査の記事が出ている。そのなかにこんな部分がある。 小野寺氏(防衛相)は、防衛観察本部の聴取結果を踏まえ、「(稲田氏に)報告したかどうかは意見が分かれた」と答弁。「(報告し [続きを読む]
  • 二宮清隆『消失点』
  • 二宮清隆『消失点』(私家版、2017年07月05日発行) 二宮清隆『消失点』は「地図がない」で始まり「消失点」で閉じられる。「予定調和」である。これは個々の作品にもあてはまるかもしれない。 「地図がない」は「大きな鏡の前で/地図を持って立って」いる自画像を書いている。「その地図には/何も画かれていない」。それにしても引き返すには遠すぎるほどぼくはぼくの出発点を見失っていただから地図を描いておけばよかったの [続きを読む]
  • 沼田真佑「影裏」
  • 沼田真佑「影裏」(「文藝春秋」2017年09月号) 沼田真佑「影裏」は第百五十七回芥川賞受賞作。書き出しは、最近の芥川賞の受賞作とは印象がまるっきり違う。文章が美しい。(引用ページは「文芸春秋」) 勢いよく夏草の茂る川沿いの小道。一歩踏み出すごとに尖った葉先がはね返してくる。かなり離れたところからでも、はっきりそれとわかるくらいに太く、明快な円網をむすんだ蜘蛛の巣が丈高い草花のあいだに燦めいている。( 3 [続きを読む]
  • 添田馨『非=戦(非族)』
  • 添田馨『非=戦(非族)』(響文社、2017年07月20日発行) 添田馨『非=戦(非族)』の帯にこう書いてある。「非族」とは誰か?「非=戦」とはいかなる戦いなのか?歴史の闇に葬られた幾多の〈声〉が、いま言葉の殻をつき破り一千行の奔流となって溢れ出る……。 うーん、かっこいいなあ。 昨日読んだ青木の詩が「母親になること(母親として生まれなおすこと)」の書き直しならば、添田の詩集は「戦争を企む為政者と戦争を拒む [続きを読む]
  • 青木由弥子『星を産んだ日』
  • 青木由弥子『星を産んだ日』(土曜美術社出版販売、2017年06月30日発行) 青木由弥子『星を産んだ日』の表題作は出産体験を書いたもの。火の塊が私の中を降りる押し開く力に息をあわせ覚悟という言葉を押し出す引き裂かれる痛みが全身の骨を走りあふれこぼれて皮膚の内に張り詰める全ての緊張が一息に流れ出した瞬間心臓をむき出したような赤い産声が響いた すでに多くの女性が書いてきたことかもしれない。書かないまでも語って [続きを読む]
  • 清岳こう『つらつら椿』
  • 清岳こう『つらつら椿』(土曜美術社出版販売、2017年07月06日発行) 清岳こう『つらつら椿』の詩篇は「椿の名前」をタイトルにしている。私は椿のことは知らない。名前をきいても花を思い出せないし、花を見比べても違いがわかるかどうか見当もつかない。 あ、困った、と思いながら読むのだが。 詩は、椿の花について書いているわけではない。たとえば「紅神楽」という作品は、こんな感じ。日曜・祭日は産土神社の神主平日は桑 [続きを読む]
  • 天皇制の行方
  • 天皇制の行方            自民党憲法改正草案を読む/番外111(情報の読み方) 2017年08月08日読売新聞(西部版・14版)の3面。陛下「お言葉」1年/新たな皇室像 模索中 という見出しで、ビデオメッセージから1年を振り返っている。 そのなかに、おもしろい記述が3か所あった。(1)改元時期や新元号をめぐる準備も、政権の支持率低下を受けて不透明な状況だ。(2)天皇陛下が4月24日、皇居・宮殿で臨ま [続きを読む]
  • 仲田有里『マヨネーズ』
  • 仲田有里『マヨネーズ』(思潮社、2017年03月10日発行) 仲田有里『マヨネーズ』には、まいってしまった。 本の表紙には「歌集」と書かれているから歌集なのだろう。「短歌」なのだろう。けれど、どこまで読んでも「歌」が聞こえてこない。「リズム」と「メロディー」がない。私は古い人間なので、耳が退化してしまったのだろう。 他の人には、どう聞こえているのだろう。田中庸介が「押しつけがましくなくうっすらと」という文 [続きを読む]