MARIA さん プロフィール

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MARIAさん: 永久(とこしえ)の想い
ハンドル名MARIA さん
ブログタイトル永久(とこしえ)の想い
ブログURLhttp://fmana2000.blog.fc2.com/
サイト紹介文信義・シンイの二次小説です。 ウンスを待つ空白の4年間から、書き綴っています。
自由文「永久の想い」は、ウンスを待つ4年間から結ばれる迄を書き綴り完結しています。
「インソンの懸想」は「永久の想い」のビハインドストーリーとして、オリキャラ目線で書いています。
現在はふたりのヨンが登場する「花信風」を連載中です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供66回 / 365日(平均1.3回/週) - 参加 2014/10/31 14:22

MARIA さんのブログ記事

  • 憂悶・壱
  • 「判吏部事(パニブサ)も御史大夫(オサデブ)も、息女を大護軍の側室にと──、先達て王様に申し入れてきた」 王妃は憂わしげに大息を吐くと、傍に控えるチェ尚宮に視線を合わせた。「甥は既に医仙を正室として迎えており、側室程度では然程有益とは思いませぬが……」「王様の覚えめでたい大護軍だ。側室であろうと、充分家門繁栄に繋がると踏んでおるのだろう」 苛立ちにも似た感情が、王妃の語気を強める。「医仙は子を孕ん [続きを読む]
  • 出逢うまえのふたり
  • こんにちは、MARIAです。いつもお立ち寄り頂き、ありがとうございます。ウンスを待つ空白の四年間からスタートした「永久の想い」ですが、それだけでなく色々な時間軸を切り取って、本編とは別に書いたりしてきました。ドラマの隙間を埋めるように書いた「回顧編」、出逢う前のふたりから始まり時間軸に沿って再編集した「月に恋」。わたしはどちらかというと(いえ、絶対的に)女子力が低いので、話しの流れを決めるときは、大抵 [続きを読む]
  • 法雨
  •  ぱらぱらと軒に弾ける雨音で、ヨンは目を覚ました。 褥に妻の温もりはとうになく、軽くなった腕に寂しさを覚える。凝り固まった腕を緩りと戻し、ヨンは指先で目頭を擦った。 まだ眠気の残る顔で寝台をおり、肩に手を当て頸を回しながら扉に向かう。両開きの扉を勢いよく開けると、雨の匂いを含んだ風がヨンの頬を撫でていく。しっとりとした空気を大きく吸い込んで、ヨンは中程に置かれた卓子にやってきた。椅子に腰をおろし、 [続きを読む]
  • 花信風の始まり
  • 現在連載中の「花信風」ですが、ある話を書いたときにストーリーが浮かびました。その話のなかで、ヨンはウンスのいない世界に紛れ込んでしまいます。でもそれは現実ではなく、うたた寝中に見たヨンの夢、ということで話は終わります。その夢の部分を書いているときに、「花信風」は生まれました。このシーンから物語を進め、こんなふうに展開して、こんな感じで締めくくろう、驚くほどあっという間に出来上がりました。如何せんわ [続きを読む]
  • 童男
  •  狼狽の色を顔に漲らせ、ウンスは言葉を失っている。雷に打たれたように眼を見開いて、凍り付いたように少年を見ている。 咎めるような厳しい眼差しをウォラに向け、カビは棒のように突っ立っていた。無言の声が見えない矢のように突き刺さり、ウォラは唇を噛み締めたまま俯いている。 ふと視界の端に絶句するウンスが見え、カビはゆっくりと視線を移した。驚きと懐かしさが綯交ぜになった感情を眸に浮かべ、まじろぎもせず少年 [続きを読む]
  • 正体
  • 「お前さんたち、相当クッパが好きだね」 度々やって来るふたりに、マンボ妹は苦々しい声を出す。相変わらず椀の置き方は乱暴だが、ウンスに向ける眼差しはどことなく優しげだ。「ウンス──。お前さんじゃなくて、ウンスって呼んでください。それと、この子はウォラ」 出されたクッパを頬張りながら、ウンスはにっこりと眼で笑う。マンボ妹は、ふん、と鼻を鳴らし、盆を小脇に抱え去っていく。 大鍋の傍に戻ってから、言われた [続きを読む]
  • あのときのヨンの心情と、単発へ続く話
  • こんにちは、MARIAです。いつもお立ち寄り頂き、ありがとうございます。ヨンとウンスが結ばれるまでを書き綴った「永久の想い」、実は心情を詳しく書かないまま物語を先に進めたことがあります。わたしの頭のなかでは話していたのですが、そこまで詳しく書く必要はないだろうと思いその時は割愛しました。ですが、本編終了後もその事が気に掛かり、後日改めて別カテゴリで書きました。本編:「庶幾」   ヨンside.:「佳月」本編 [続きを読む]
  • 渇望
  •  月さえ眠りはじめた夜のなかに紛れ、誰にも知られずあなたに逢いに行く。 砂糖菓子よりも甘く囁かれ、か細い指先が触れるだけで、淫らな夢へと誘われる。 『目を閉じて、感じて』 首筋を這う熱い唇と、胸に流れる絹糸のような髪。 暗闇のなかで、小さな舌先を感じるたびに、躰があなたを求め、張り裂けそうになる。『逃げられないわ、わたしの口づけから』 どくどくと脈打つものを舐めあげて、婀娜っぽく笑うあなたがまぶた [続きを読む]
  • 故友
  •  茶寮をさがしながら、ウンスとウォラは大路を歩いていた。 路の左右には様々な店が立ち並び、多くの人が行き交っている。手当たり次第に声をかける商人、一瞥もくれず過ぎゆく人々。都城は人で溢れていた。 その昔、ヨンと歩いたときと店の並びは違っているが、街並みに然程の違いは感じられなかった。一年振りに見る都城の風景は、着なれた着物に手を通すような懐かしさが感じられた。「おすすめのお店ってある?」 辺りをき [続きを読む]
  • 御礼・周年記事 目次 ※追記あり(三周年)
  • こんにちは、MARIAです。いつもお立ち寄り頂き、ありがとうございます。わたしのブログの本拠地はアメブロで、ここ「永久の想い」は、二次小説を置く専用ブログとなっています。二次を書き始めたとき、日々のつぶやきブログに置くのが恥ずかしく、こちらの部屋を作りました。アメブロのなかで二次創作を始めるきっかけがありましたので、こちらに投稿する度に、日々のつぶやきと共に、拍手御礼記事、周年記念記事等々、お知らせし [続きを読む]
  • 陶酔
  •  月明かり滴る閨で、 脱ぎ散らかした夜着が淫らに浮かび、視界の隅に映るだけで熱くなる。縫い止めた手に指先を絡め、呼気を奪うほどに口づける。 熱い吐息で柔肌を濡らし、しなやかな躰に指先を這わせ、焦らしながら、遊びながら、秘密の場所を探りあてる。 甘い蜜を滴らせ誘う花に指を沈め、熟れた場所を刺激する。 揺れる声に吐息がまざり、瞑っていた瞼があがれば、艶めいた眸が俺を見つめ視線が絡み合う。「淫らな姿を感 [続きを読む]
  • 首途
  •  寺で世話になってから、七日が過ぎようとしていた。 敷地の外れにある庵だけあって、最初の三日はカビ以外の誰とも逢う事がなかった。とは言っても言葉を交わしたのは一度きり、あとは行器を置く音を扉越しに聞くだけだった。 四日目の朝、祠の前で大師とばったり顔を合わせた。他愛ないことを話しているうちに、仏様のお声を聞きに毎朝足を運んでいることを知った。 自分以外であれば誰でもいい。誰かと触れ合って気を紛らわ [続きを読む]
  • チェ家のぽっぽ焼き
  • バレンタインデーの朝、ウンスが作るぽっぽ焼き。わたし地方で、主に祭りや縁日、花見、朝市の会場などの屋台で売られています。一般の小売店などで目にすることは滅多にありませんが、人気が高くて屋台の定番になっています。茶褐色で細長く、やや扁平な形状をしていて、温かい状態で販売され、もちもちとした食感と黒砂糖の素朴な風味が味わえます。韓国語の「ポッポ(軽いキス)」と響きが同じということ、そして高麗時代でも作 [続きを読む]
  • 懐旧
  • 「はい、どうぞ」 半分にちぎったぽっぽ焼きを、ウンスは息子に差し出した。「ありがと──」 可愛らしい声でお礼を言って、チェ・ダンはぽっぽ焼きを手に取った。ぽっちゃりとした手で菓子を握りしめ、直ぐに口へと持っていく。 小さな乳歯でかぶりつき、ぷくぷくとした頬を何度も動かした。「タナァ、美味しい?」 ウンスの問いかけに、タンはこっくりと頷いた。頷きながらも口は休まず、手の中のぽっぽ焼きはあっという間に [続きを読む]
  • 思惑
  •  三つになったチェ・ヨンビは、四つ離れた兄のすることを、何でも真似たがるようになってきた。  兄が剣術の稽古に励んでいれば、その脇で小さな手に棒を握りよろよろと振り下ろす。また別の日に小学(ソハク)を諳んじていれば、たどたどしい口調で聞こえたままを口にする。何から何まで真似をする。 チェ・ダンはそんな妹をわずらわしく感じるよりも、むしろ可愛らしく思えて仕方なかった。 仲睦まじく過ごす兄妹を、ヨンと [続きを読む]
  • 御礼、50,000拍手
  • いつも「永久の想い」にお立ち寄り頂き、ありがとうございます。週一更新という、亀の歩みの様な当ブログ。新しい話がないにも関わらず、立ち寄って読み返してくださり、そして拍手を残してくださる。感謝に堪えません。そんな皆様のおかげで、先日総拍手数が、とうとう50,000を超えました♪───O(≧∇≦)O────♪本当にありがとうございます。後日改めて、御礼の話をお届けする予定でいます。取り急ぎ気持ちをお伝えした [続きを読む]
  • 肯定
  •  張り詰めていた心の糸が切れ、ウンスはぼんやりと虚空を見ていた。抱えた膝に頤をのせ、生気に抜けたような面持ちをしている。時が微風のように流れ、差し込む光の色が少しずつ変わっていく。 ことん―、戸口の向こう側で何かを置く音がした。ウンスの肩がびくんと跳ねる。宙に飛んでいた魂が慌てて戻り、驚きと恐怖で顔が強張った。膝を抱える腕におのずと力がこもる。 音がしたのはいち度きり、扉の開く気配はまったくない。 [続きを読む]
  • 記念
  • 「今日は何の日か覚えてる?」 何の前触れもなく問われ、ヨンはウンスに眼を向けた。期待に眼を潤ませて、じっとこちらを見据えている。   これまでも同じような事を問われたことがあった。 最初に問われたときは、何ぞ大切なことを忘れていたのかと、酷く真剣に考えた。 生まれた日だとか婚姻した日だとか、拘りそうな日を幾つか思い浮かべてみたりした。だが思いつくそのどれもが、当てはまらなかった。 考えあぐねるも答 [続きを読む]
  • 明暗
  •  足跡ひとつない銀雪のなかを、ヨンは真っ直ぐに歩いていた。 広い歩幅でつけられた足跡を、ウンスは踏み込むようにして辿っている。聞こえる息遣いからも懸命さが感じられ、ヨンの頬に自然と笑みがのぼる。 ふと悪戯心がむくむくと沸き起こり、ヨンはわざと歩幅を広げ歩き始めた。 ヨンの悪戯に全く気付かないウンスは、チマの裾を大きくたくしあげ、離れた足跡に勢いつけて足を踏みだした。 ― よっ、とっ、 調子をとる声 [続きを読む]
  • 煢然
  •  雲の端から漏れる光線の柱が、名峰・松嶽山に向かって放射線状に降り注いでいる。深い静寂を割る僧侶たちの諷経(ふうぎん)が仏殿から聞こえ、山門を抜けた先は朝の荘厳な雰囲気に包まれていた。 親指の先で数珠を回しながら、大師は朝露に濡れる境内を歩いていた。 広大な敷地内には数十もの堂宇や石塔が点在し、古刹だけあって信仰の厚い信者が、早朝にもかかわらず本尊の前で跪いている。 仏殿の前で恭しく合掌し、大師は [続きを読む]
  • 最初
  •  眠りから覚めたウンスは、腹を擦りながらのそりと寝台から起き上がった。「ふぅ……。幾分楽になったわ」「いつにも増して食い過ぎだ」 広げた書物を静かに閉じて、ヨンは些か呆れた声を出す。「大晦日だから──って、エジャさんがお酒に御菜に、あれこれ用意してくれたんだもの。食べ残すなんて出来ないじゃない……」(たらふく食うのは、いつものことだろう) 言い訳がましく答えるウンスを、ヨンは薄笑いを浮かべながら見 [続きを読む]
  • 抵抗
  •  俺にとって寝床とは、疲れた身体を横たえ眠りに落ちる場所か、愛しいひとと睦みあう場所だ。 だがイムジャにとって寝床とは、談笑の場でもあるらしい。先程から他愛ないことを、絶え間なく話し続けている。「今日ね、インソンさんが典医寺に寄ってくれたの。久し振りだったからシム先生の喜びようと言ったら―。沈毅な態度が一変して、満面の笑みで歩み寄って行ったわ」 寝床で他の男の話を聞かすなど、このひとは何を考えてい [続きを読む]
  • 衷心
  • 「アンシムが、兄上にこれを―」 胸元から綺麗にたたまれた手巾を取り出すと、インソンは兄の前に差し出した。差し出された手巾を手に取り、インドンは戸惑った眼差しを弟に返す。「私に…?」「はい。兄上にと、アンシムから預かって参りました」 受け取った手巾を掌のうえで、インドンはゆっくりと広げ見た。青くみずみずしい葉の間から、ふたつ並んで咲く白いスイカズラ(忍冬)の花が、四角い布の中で息づいている。 素馨( [続きを読む]
  • 恋語・参
  •  はぁ……。  凍てつくほど寒い東屋のなかで、ウンスはかじかむ指先に息を吹き掛ける。 石造りの床からは冷気が迫りあがり、足元から背筋に抜けて体の芯まで冷えていく。 凛とした空気は氷のように肌にしみ、寒さを通り越して痛みさえ感じるようだ。(今日は来ないのかな) ウンスは手を擦り合わせ、足踏みをしながら石橋の先を見つめている。 約束の一食頃を少しだけ過ぎた頃、待ち望んだ影が後苑のなかに現れた。胸の袷か [続きを読む]
  • 恋語・弐
  • 「何度言えば分かるのです」「だって美味しそうな匂いがしたから…」 マンボの店でクッパを食べながら、ヨンは小言を言い始めた。匙を運ぶ手を止めて、ウンスはぼそぼそと言い返す。「あれ程、ふらふらしてはいけないと―」「分かってる。でも、つい足が向いてしまって…」「つい、では済まされません」「……小言はもう沢山!」 持っていた匙を卓の上にばしっと置き、ウンスはぷいと横を向く。そのまま席を立つと、ずんずんと足 [続きを読む]