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- 2008/10/12 22:07[本][2008新刊][講談社BOX][B-]偽物語 上 西尾維新 B-
- 化物語シリーズ最新巻。前作『傷物語』は前日譚であったが、本書は後日談である。阿良々木暦の妹達がメインキャラとなっており、上巻の本書は勇ましくも危なっかしい阿良々木可憐が主である。後日談だけに『化物語』で楽しめた会話の妙はそのまま、前作で物足りなかった向きも大満足ではなかろうか。ただ作品としての盛り上がりは控えめ。 ... [続きを読む]
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- 2008/10/09 04:36[本][2008新刊][C+]肺魚楼の夜 谺健二 C+
- 久しぶりの谺健二、そして久しぶりの有希探偵登場作品である。作者の持ち味はそのままで、到底現実にあるとは思えない謎の提起から、震災を絡めた物語の重み、狂気の描写とまさに健在を感じさせるミステリだった。これまでの作品よりも救いが大きいのが一番の相違であろうか。 ... [続きを読む]
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- 2008/10/09 04:36[本][2008新刊][C+]犯罪小説家 雫井脩介 C+
- 雫井脩介による久しぶりのクライムノベルは質の高いサスペンス描写の楽しめる物語となっている。『犯人に告ぐ』のように華々しい展開のある作品ではなく、同作者の過去作品で例えれば『火の粉』にかなり近い印象がある。決してケレン味のある展開ではないが、読んでいると段々と不安定になるような感触は変わらぬ筆力を感じさせる。 ... [続きを読む]
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- 2008/09/25 17:25[本][2008新刊][D]訣別の森 末浦広海 D
- 第54回江戸川乱歩賞受賞作。読ませるがいかにもな乱歩賞である一方の受賞作『誘拐児』とは違い、本書は何故受賞させてしまったのかと首を傾げざるを得ない作品である。とにかく登場人物にイカれた人が多すぎて困惑しきりで読むことに。展開も唐突なものが多く、小説として単純に質が低い。 ... [続きを読む]
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- 2008/09/25 17:25[本][2008新刊][D]誘拐児 翔田寛 D
- 第54回江戸川乱歩賞受賞作。「いつもの乱歩賞」の枠を超えることのない無難にまとまった誘拐ミステリーである。作者のミステリ・フロンティアでの作品と比べると面白みもなく記憶にも残らない作品と言ってしまっていいだろう。無論乱歩賞に選ばれるだけはあってそれなりに読ませるが・・・ ... [続きを読む]
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- 2008/09/25 17:25[本][2008新刊][D]着ぐるみデパート・ジャック 水田美意子 D
- このミス大賞特別賞をわずか12歳にして受賞した水田美意子の第二作である。デビュー作は非常に評判が悪かったので見送ったが、今回は野放図なタイトルを見て思わず購入してしまった次第。根本的に文章力が足りな過ぎるのは問題であり、細部の詰めやキャラクターにも不満があるが、事件のカラクリに関しては悪くは無い。 ... [続きを読む]
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- 2008/09/23 17:25[本][2008新刊][C+]ガーディアン 石持浅海 C+
- 娘を守っていくと遺し死んだ父親はガーディアンになった――害意から身を守り自動的に反撃する守護霊(?)「ガーディアン」に守られる女性を描いた二つの中篇を収録。ひとつはガーディアンという特殊要素をルールにした本格ミステリで、ひとつはガーディアンによって強盗が翻弄されるサスペンスとなっている。 ... [続きを読む]
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- 2008/09/23 17:25[本][2008新刊][C-]耳をふさいで夜を走る 石持浅海 C-
- 連続殺人を決意した男の異常な殺人行を描いたサイコサスペンス。以前から見え隠れしていた石持浅海の持つ独特の倫理観がド派手に発揮された異様な作品である。語りは上手いので読ませることは読ませるが、過去の石持作品に違和感を抱いていた人間はほぼ間違いなく本書の人物たちの異常な心理にはついていけないだろう。 ... [続きを読む]
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- 2008/09/21 12:26[本][2008新刊][D]ひかりの剣 海堂尊 D
- 『ジェネラルルージュの凱旋』の速水、『ジーン・ワルツ』の清川という二人の強烈なキャラクターの剣道部時代を描く青春小説。しかし大仰な修辞が持ち味である海堂尊の筆はあまりに青春小説・スポーツ小説とは相性が悪い。瑞々しさは皆無かつ剣道からかけ離れた戦いが展開されてしまっている。 ... [続きを読む]
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- 2008/09/21 12:26[本][2008新刊][C+]クロク、ヌレ! 真梨幸子 C+
- 世界的作家と全くの無名画家、二人の間の事情と彼らを取り巻く人々の愛と憎悪の物語。読み終わってから考えるとなんとも説明のし難い物語なのだが、小説としてのまとまりは悪くなく、なかなか読ませる。ただ結局最後まで焦点がどこにあったのかは分からなかったのは欠点と言えるだろう。 ... [続きを読む]
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- 2008/09/20 12:26[本][2008新刊][C]紙の碑に泪を 倉阪鬼一郎 C
- あらゆるところに仕掛けがつまっている非常に倉阪鬼一郎らしいミステリ。倉阪らしい、ので当然好みは激しく分かれるであろう作風なのは間違いない。作中作にしても、主人公(?)の上小野田警部にしても非常にオカシイので、全体的によりバカミスっぽい味わいになっている。 ... [続きを読む]
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- 2008/09/20 12:26[本][2008新刊][C+]ジョーカー・ゲーム 柳広司 C+
- 戦前の日本陸軍に籍を置くスパイ機関、D機関のスパイ活動を追う連作短編集。かなりテーマが重く読み口もまた重い柳広司の作品としては、異例の読みやすさを誇りスパイという存在の持つ怪しい魅力と相まってリーダビリティが非常に高い。読みやすく面白いだけではなく、帝国軍人の抱える宿痾とスパイ達の抱える異常さを浮き彫りにしているのも見逃せない。 ... [続きを読む]
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- 2008/09/19 07:18[本][2008新刊][B]告白 湊かなえ B
- 小説推理新人賞受賞作を連作化した短編集。淡々とした独白型の文章とそれぞれの章におけるイヤ〜な落ちのギャップがたまらない驚きのデビュー作。善悪を超越して読書の面白さに耽溺させてくれるという意味において、本年度の新刊の中でも有数のエンターテイメント作品だと言えるのではないか。 ... [続きを読む]
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- 2008/06/03 11:24[本][2007新刊][C]ランナー あさのあつこ C
- 『バッテリー』という児童小説の金字塔を打ち立てたあさのあつこの書く長距離ランナーの少年を主人公とした小説。記録がどうとかという部活の描写はほとんど無くて、児童虐待を絡めた少年・家族の心に迫る重めの小説だったのは意外。どうも足早で終盤解決があっさりしてしまうなど、全体的に物足りないが、特に少年の心情描写が独特で読み応えは割りにある。 ... [続きを読む]
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- 2008/06/02 13:05[本][2008新刊][C+]銀河不動産の超越 森博嗣 C+
- 文芸春秋に連載された短編をまとめた連作集。本当にほんわかとした作品で、どこか怜悧さを持った森作品しか読んだことのなかった僕としてはかなり驚かされた。のんびりと薄味に流れ行く日々が心地よく、今までこういう作品を大量生産していなかったことが意外に思えるほど文章とマッチしている。さすがに薄味過ぎるところもあるがさっくり楽しい。 ... [続きを読む]
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- 2008/06/02 13:05[本][2008新刊][B-]腕貫探偵 残業中 西澤保彦 B-
- 好評だった『腕貫探偵』シリーズの二作目。残業中と銘打たれている通り探偵さんは役所にはおらず、外で(もしくは別の人間が)事件を解決する。相変わらず扱われる事件は人のちょっとした闇を抉り出すビターなものであるのだが、今回はシリーズキャラクターがかなり明るいので読み口は結構陰鬱だった前作よりは良くなっている。短編それぞれの切れ味もよく秀作揃い。 ... [続きを読む]
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- 2008/06/02 13:05[本][B]最上階の殺人 アントニイ・バークリー B
- 迷探偵シェリンガムの妄想が目まぐるしく横溢するユーモア本格。とにかく被害者の姪御ステラとの掛け合いが秀逸で笑ってしまうこと必至。結末もその延長線上にあり、鮮烈な笑いを提供することだろう。本格としてはシンプルな事柄からシェリンガムが何重もの解決を捻り出すバークリー特有の手法がこれまでで最も色濃く出ていて推理の醍醐味を味わえる。 ... [続きを読む]
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- 2008/05/29 15:38[本][ミステリー・リーグ][C]グラン・ギニョール城 芦辺拓 C
- ミステリー・リーグ。作中作『グラン・ギニョール城』が次第に現実とリンクしていくという本格ミステリ。後書きにして安易なメタ・ミステリを批判しているだけあって、現実と作中作を交差させる手法は丁寧かつ面白いもので一読の価値がある。しかしミステリとしてのトリックは芦辺作品の中でも最低水準の適当さなのが残念。 ... [続きを読む]
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- 2008/05/29 15:38[本][2007新刊][B]有頂天家族 森見登美彦 B
- 京都に住まう狸のある家族七転八倒を描いた作者の新境地(?)。森見節は健在だが、主人公が狸になったからか登場人物のダメ人間力というのは大分減じている。代わりに一瞬ハっとさせるような残酷さと感動系の話が投入され、一筋縄ではいかない読み心地が演出されている。すっきりしていて物足りなさは残るが基本的に楽しい作品。 ... [続きを読む]
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- 2008/05/29 15:38[本][C-]輝くもの天より墜ち J・ティプトリー・ジュニア C-
- 『たったひとつの冴えたやりかた』を書いた作者の二つしかない長編のひとつが初邦訳。文庫で600ページとかなり長い中で物語のトーンが激しく移り変わっていく。ひとつひとつの文章における迫力はあるのだが、その激しさに若干付いていけなかった。妙に冗長な部分が多く、それらが肝腎の部分を阻害しているのも気になる。 ... [続きを読む]
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