戸松有葉 さん プロフィール

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戸松有葉さん: ショートショート1001作を目指す旅
ハンドル名戸松有葉 さん
ブログタイトルショートショート1001作を目指す旅
ブログURLhttp://tomatuariha.hatenablog.com/
サイト紹介文ショートショート掲載ブログ。ジャンルは、コメディを中心に、SF、ホラー、ほのぼの日常、なんでもあり。
自由文大手小説投稿サイト「小説家になろう」で1001作突破も果たし、無駄に有名だったようです。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供79回 / 365日(平均1.5回/週) - 参加 2015/03/01 13:54

戸松有葉 さんのブログ記事

  • 981 捨て猫に餌をやる不良がいい奴に見える心理
  •  現実的ではない上、昨今は野良猫を放置しない自治体も多いことから、その光景を見かけることはないだろう。だが演出としてはよく知られている。実際に見かけなくとも、知識は持っているのではないだろうか。 ダンボールに入れられた捨て猫に、餌をやったり、雨傘をさしてやったりする、不良生徒。 不良なのに、優しい一面を知って、好感を持つというものだ。 しかもその好感は強いものであり、例えば普段から優しい少年少女が [続きを読む]
  • 980 異世界転生したのににゃんだよ!
  •  吾輩は猫である。パロディではない。 いやこの冒頭な時点でパロディか。……まあどっちでもいい。とにかく、くそったれな状況だ。あのポンコツ女神め。* 無能と怠惰を絵に描いたような就活生の俺は、人手不足で誰でもいいから来てくれと泣きつく企業が多い中でも就職先が決まらず、「トラックに轢かれたら異世界行けないかな」などと現実逃避していた。 そんな事故は起こらなかったが、突然死という形で死に、異世界転生の機 [続きを読む]
  • 979 猫の特性を宿す能力ッ!
  •  日常が壊れたあの日から、少年は学校からの帰宅さえすんなりさせてもらえない。 今も人気のない路上で、敵の刺客が道を塞いでいた。 刺客の見た目は、背の低い中年だ。少年からすれば、普通に喧嘩すれば勝てそうである。しかし敵も少年と同様能力者、体格など何のあてにもならない。「くくく、お前、なかなかの能力を手にしたそうじゃないか。だが上には上がいるってことを教えてやるよ」 警戒を強める少年にやってきたのは… [続きを読む]
  • 978 遠泳が得意だから星の海も渡れる
  • 「俺は遠泳が得意だから、星の海だって渡れる!」 大学の友人が力強く言った。「君のバカさ加減には同情を禁じ得ないけど、そんな話を僕に聞かせてどうしたいんだい」「俺は文系だからな、理系のお前なら知恵を貸してくれるだろうと思って」 確かに彼は文系で僕は理系だ。でも僕は、星の海を渡る方法など、全人類と共通で知りはしない。さらに言えばSF好きということもない。 彼のバカさ加減には同情を禁じ得ないけど、彼だ [続きを読む]
  • 977 自称ぼっちと海水浴
  •  コミュニケーション障碍もなければ、特別人間嫌いでもない。彼女はぼっちの道を選んだだけである。 選んだというと、「本当は友達が欲しいのに出来なかったから強がっている」と思われるかもしれない。しかしそれは誤解だ。だいたい半分くらいは誤解だ。 彼女は、高校に上がって少し過ぎた辺りから、ダウナー系少女になった。同級生らには、これまでそうでもなかったのに、アクティブになった者もいる。思春期特有の情緒不安定 [続きを読む]
  • 976 海の向こう
  •  彼は、海を初めて見た。 便宜上「彼」としているが、性別はないため、雄であるわけではない。ただ、彼を知るヒトは、しばしば「彼」と呼んではいたので、彼自身もそれを受け入れている感覚だ。 海の存在自体は知識としてインプットされている。しかし見るのは初めてであるし、海を目の当たりにしてどうすればいいかという行動も定められてはいない。「海ノ向こうハどうなっているのカ」 行ってみたいと思った。何故そう思った [続きを読む]
  • 975 稼ぎの目標(140文字小説)
  •  その男は、副業とも言えない小遣い稼ぎをしていたのだが、モチベーションが上がらない。儲けの目標を定めるべきだと悟る。「飲み代賄えるかを目標にするか。そうすれば飲み代も抑えられるぞ」 しかしこれでは、「稼げてないじゃないか。ううむ、ならばアル中になるほど飲めるよう稼いで――」(了)戸松有葉ショートショート集2015年5月から2017年1月まで: 厳選集第二弾作者: 戸松有葉発売日: 2017/02/25メディア [続きを読む]
  • 974 あずき棒は砕けない(140文字小説)
  • (この暑さだ。いくら俺が疑われても、肝心の凶器が不明で、もう消えて発見もされないのだから、白を切り通してみせる) 犯人の腹の内を他所に、鑑識は淡々と告げていた。「被害者の後頭部から、被害者の血と混ざったあずきが見付かりました。あずき棒の硬さは凶器になりますし間違いないですね」(了)井村屋 あずきバー 95ml ×20個 (冷凍)メディア: その他この商品を含むブログを見る [続きを読む]
  • 973 血の止め方は(140文字小説)
  •  事故で運転手の男性が出血をした。無事だった助手席の女性は血を止めようと必死だ。「確か止血は、心臓に近いところを縛って」 だが止まらない。ここは冷静になるべきだ。そもそも何故患部より心臓に近いところを処置しようとするのか。「そうか、元を断てば!」 血を送り出す心臓を――。(了)戸松有葉ショートショート集2015年5月から2017年1月まで: 厳選集第二弾作者: 戸松有葉発売日: 2017/02/25メディア: [続きを読む]
  • 972 音楽で事足りる
  •  この時代、猫も杓子も、音楽を聴いていた。 人類は古代からそうだったといえばそうだが、昨今のものは事情が異なる。 音楽大勝利の時代に突入していたのだから。* 文明が発達すると、世の中には様々な娯楽・芸術・実用技術が溢れた。音楽はその内の一つであり、また、音楽自身これ以上画期的な進歩はないだろうというところまで来ていた。 しかし、ある「気付き」が、状況を一変させることになる。 音楽は、聴いて楽しむの [続きを読む]
  • 971 妹と音楽(140文字小説)
  •  小五の妹が、リコーダーのテストがあるからと家で練習しているのだが。「はあ、こんなの全然音楽じゃない」「お前下手だからな」「違う! ほら、雷って光ってから遅れて音鳴るでしょ。音が楽してるから。こんなに必死に音出してたら音楽じゃないって!」 とりあえず雷を音楽とは言わねぇ。(了)小五妹SS集その1作者: 戸松有葉発売日: 2015/02/21メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る [続きを読む]
  • 970 死の宣告
  •  着実に死へ近付いている音楽家があった。死神はその魂を回収する気なのだが、困ったことに、この音楽家のような才覚と実績を備えた者の魂は、扱いが難しい。端的にいえば、強いのだ。逆らわれでもしたら死神でも手こずる。しかしそうした魂こそ上玉であり、是非とも欲しい。 そこで死神は一計を案じることにした。「お前は一年後に必ず死ぬ。死神による超常の力だ、他のいかなる手段をもってしても覆ることはない。もう一度言う [続きを読む]
  • 969 このクラスで一番要らない人間は誰か
  •  このクラスで一番要らない人間は誰か――。 ある公立中学の教室で、この議題が話し合われていた。一度のホームルームでは時間が足りないため、連日続いている格好だ。 要らない人間認定されれば高確率でいじめの標的になる。お墨付きを得られたいじめほどやりやすいものはない。仮にいじめが発生しなかったとしても、この議題を提示した担任教師からは、「最も要らない人間」として見られ続ける。 だから生徒たちは、自己アピ [続きを読む]
  • 968 野球バカになるな
  •  彼は、父から野球の英才教育を受けていた。就学前はずっと野球の練習、就学しても休日は特に練習に費やされる。他の遊びなどしている暇はない。 金も手間も惜しみなく使われ、家には専用のバッティング練習器具があったほどだ。野球は道具を揃えねばならないスポーツだが、それらも最高級のものを用意された。更には、栄養面も重要だからと、子供であろうともいい食べ物を与えられていた。 勘違いしてはならないのは、決して甘 [続きを読む]
  • 967 恋人との過ごし方
  •  彼には、恋愛感情もあれば、性欲もある。それらが薄く標準以下という事実もない。 しかしどうしてもわからないことがあった。 休日は恋人と過ごすのが当たり前、という常識。 彼には現在、同じ大学で付き合っている彼女もいるが、その彼女からもはっきり聞いた見解だった。休日に会わない意味がわからないとまで言っていた。 彼女には、脳機能障碍もなければ、虐待を受けた経験もなく、その他大勢の人々と同様の感性だと判明 [続きを読む]
  • 966 休日なにしていますか? 忙しいですか? 救いないですか?
  • 『あなたは休日に何をしていますか?』 私はこんなアンケートを実施してみた。 とてもありきたりな質問だ。 では、有意義な回答や面白い回答、問題が浮き彫りになる回答が得られないかと言えば、それは違うと思う。だからこそ私は実施したのだ。 そうは言っても、もちろん普通な回答が主だ。趣味に費やす、友人恋人家族と出かける、など。 しかし、やはりと言うべきか、珍回答も得られた。それも、先の普通な回答と同等数かそ [続きを読む]
  • 965 最強の剣(140文字小説)
  •  剣は消耗品だ。すぐ補充が必要になる。そこで技術班は、絶対に折れず刃こぼれもしない剣を開発して、支給した。そのような頑丈な剣は、攻撃力という面でも優秀だ。 扱う兵士らは戦場で活躍し……たが、「そんな性質持たせられるなら防具にしてくれれば無敵だったのに!」 割とよく殺された。(了) [続きを読む]
  • 964 鉄道好きの子供が何か言っていて邪魔だ
  •  別段、正義感溢れる青年ではなかったという。今の時代、どういった青年を標準とすればいいかわからないが、普通の青年だったというのが周囲の評価だった。 その彼が、遮断器の降りた踏切内にいる高齢者を助け、自らは命を失ってしまった。 この件に絡み、世の中では様々な声が飛び交っている。「あのー」 様々な声がある。が、今の声はその一つではない。子供がうるさいだけだ。子供だから意見を言うな、などということではな [続きを読む]
  • 963 誇大広告禁止
  •  よく耳にする、広告文句。 この映画に、全米が泣いた、震撼した――。 有名俳優が起用され制作費も膨大で、実際ヒットもしていることは、誰も否定しない事実だ。しかしながらこうした広告文句については、嘘と断じる他ない。 日本のような国ならまだしも、アメリカだ。 アメリカには、英語もわからない人が多数存在し、映画どころではない貧しい人が多数存在し、地域によってはハリウッド映画であろうと知られていない。  [続きを読む]
  • 962 俺を殺した奴が次の俺
  •  勝ったほうが正義だというほど世は単純ではないが、負けたほうが正義を主張できないのは確かだ。 この意味で、俺は常に正義を主張できる側にいられた。常に勝者だったからだ。 何故なのか。運が良かったからでも、才覚を持って生まれたからでもない。俺の特異な性質・能力が原因だ。 初めてそれを知ったのは、無力な幼い子供時代だった。 辺ぴな村で、野盗も襲いやすかったのだろう。たいした富はないが村民が困らないだけの [続きを読む]
  • 961 スイーツ脳作家
  •  斬新なアイデア・作風で文筆作品を発表し続ける作家がいた。現在、齢七十であるが、どの時代でも新進気鋭かのようで、他のベテラン作家や個性派作家と一線を画す存在だった。 そんな作家だと格好の取材の的になる。 ある記者も数年前から継続してこの作家を取材していた。だが記者は、作家の凄さを人々に伝えて終わろうとは考えていない。凄さの秘訣を探ってやろうと野心を燃やしていたのだ。 売れっ子作家相手であるため取材 [続きを読む]
  • 960 子供の選択
  •  綺麗なショーケース。女の子は呆けそうになりながら、そのショーケースを眺めていた。無論、ショーケースそのものを綺麗だからと眺めているのではない。 陳列されている、数々のスイーツに目を奪われているのだ。「欲しいの、選びなさい」 女の子は、同行していた母親から不意にそう言われ、天にも昇る気持ちになった。大好きなスイーツを、こんな本格的なお店――女の子からすれば本格的に見える店で、買ってもらえるのだ。  [続きを読む]
  • 959 スイーツプリンス
  •  情報が出始めると、女性オタクは怒りさえ持って叩いた。このスイーツプリンスプロジェクトの資本は、これまで彼女らが既存コンテンツに「貢いで」きたものだ。その金で次は何をしてくれるのかと期待していたら、とんだ期待外れだったのである。 直接のターゲットではない男性オタクも反応した。馬鹿にするという意味で。企画側へだけでなく、「女オタは金落とすんだろ、これも金出せよ(笑)」と、わざわざ煽る者も現れる始末。 [続きを読む]
  • 958 玄武だった
  •  目の前の圧倒的な存在に、言葉どころか、声すら出せなかった。 浦島太郎は思い知る。食物連鎖の頂点に立つ人間、しかしその実、道具と集団を失えば非力な動物であり、捕食される対象に過ぎないという現実を……。 玄武は別に人間食べないが。「助けてくれてありがとうございます」 玄武は丁寧に礼を言った。もちろん浦島を食べようとなどしていない。「え? あ、はい」 ようやく言葉が出る浦島。あまりの存在の大きさに、身 [続きを読む]
  • 957 浦島太郎は語りたい
  •  その海辺の小さな村に、他所者が訪れるのは珍しいことだった。あったとしても、海産物と取引するための商人くらいであり、それら商人も見知った者ばかりだ。 だから見知らぬ人、それも老人が訪れたことは、村人たちにとってちょっとしたニュースだった。 老人は、自らを浦島太郎と名乗った。 商売にしては荷を持っていない。老いた身で気ままな旅をしているとも思えない。そして老人の名に聞き覚えのある者は村にはいなかった [続きを読む]