戸松有葉 さん プロフィール

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戸松有葉さん: ショートショート1001作を目指す旅
ハンドル名戸松有葉 さん
ブログタイトルショートショート1001作を目指す旅
ブログURLhttp://tomatuariha.hatenablog.com/
サイト紹介文ショートショート掲載ブログ。ジャンルは、コメディを中心に、SF、ホラー、ほのぼの日常、なんでもあり。
自由文大手小説投稿サイト「小説家になろう」で1001作突破も果たし、無駄に有名だったようです。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供76回 / 365日(平均1.5回/週) - 参加 2015/03/01 13:54

戸松有葉 さんのブログ記事

  • 956 恋が与えるのは(140文字小説)
  • (ああ、王子様!) 亀は、海辺で暴漢から助けてくれた浦島太郎に惚れ、恩返しに竜宮城へと案内した。 浦島は幸福に過ごし、亀も満足だったのだが、浦島と乙姫の様子で、ふと悟る。(これ、寝取られじゃん!) 浦島に帰る気はなかったのだが、亀は玉手箱を持たせ、時の過ぎた陸へと運んだ。(了)軽く、短く、美しく! ショートショート集厳選集外まとめ作者: 戸松有葉発売日: 2016/04/15メディア: Kindle版この商品を含むブ [続きを読む]
  • 954 新しい刑罰
  •  電車の座席に腰掛けると、ここまで男を連れてきた者たちは立ち去ってしまった。 久しぶりに拘束具も檻もなく、自由に動ける。とはいえ、車内限定だ。電車の扉は閉められ、すでに動き出しているのだから。 電車内にはその男一人しかいない。一人というのは本当に一人で、運転も完全自動だ。あるのは監視カメラの目くらいであり、それを通して他者からの干渉を受けている。 この電車内で、犯した罪を償い、更生したと認められた [続きを読む]
  • 953 彼は悪くない
  •  サッカーでは、時間内に決着がつかなかった場合、PK戦で強引にでも勝敗を決める。強引だ。これまでの競技とは離れていると言っても過言ではないミニゲームで、勝敗が決まってしまうのだから。PK戦は心理戦やゴールキーパーの腕が影響するとしても、トータルで考えれば、「運」の一言に尽きる。普通であればゴールは決まり、キッカーが失敗するまで続ける――いつか誰かは失敗する――という、残酷なゲーム。古くから問題視さ [続きを読む]
  • 952 大石内蔵助の疑問
  •  大石ら赤穂浪士に踏み込まれ、刀を向けられている吉良は、黙っていられなかった。「おのれ貴様ら、狂ったか! 主君が殺し損じたから代わりに完遂する……それが貴様らの忠義だとしても、主君の無念を晴らすには、より優先すべき相手がいるだろう。被害者の私を襲うなど、狂気の沙汰に他ならぬ!」 吉良の言う「優先して恨むべき対象」とは、将軍綱吉のことだ。将軍本人を殺せないにせよ、浅野の処分に携わった者たちを対象にす [続きを読む]
  • 951 トラックに轢かれれば異世界へ
  • 「大型トラックに轢かれれば、死ぬ!」 彼は力説している。 僕も死亡の可能性は同意でき、反論もないので、落ち着いて黙っていられた。しかし彼が続けた言葉には多少驚きを覚えた。「そうすれば異世界に行けることを、俺自身で証明してみせる!」「君のバカさ加減には同情を禁じ得ないけど、それで、そんな話を僕に聞かせてどうしてほしいんだい」「俺が異世界行ってしまうと、こっちで俺が証言できない。だからお前が見ていて [続きを読む]
  • 950 魔法少女
  • 「あなたたちももう中学三年生なのだから、くだらないことばかり話していないで、自分の進路を考えなさい」 女性教師が、中学生の集まりを一喝し、散らせる。 生徒たちは不満だ。別に授業中だったわけでもなく、教室内で少人数が集まって話すくらい迷惑にならない。「去年まであんな口うるさかったっけ?」「歳取ると説教臭くなるんじゃないの?」「説教じゃないだろ、とうとう三十路も超えてまだ独身だから、俺らに八つ当たり [続きを読む]
  • 949 白い理由
  •  その男子高校生は、女子生徒たちに羨ましがられていた。 肌が白かったからだ。 しかも男子は野外競技の運動部員であり、逆に黒くてもおかしくない、黒いのが自然だ。だから色白であることに理由があるのではないかと、女子たちは思うのだった。(って言われてもな。体質だとしか) しかし女子たちも必死だ。いつも日焼けに気を付けて生活しているのに、それでもこの男子より白くない。傍目には日焼けにすら気を付けているとは [続きを読む]
  • 948 登下校は安全第一で
  •  その小学校では自転車での登下校が許されていた。もちろん児童の安全は第一に考えられている。ヘルメットの着用は義務付けられており、一%の違反もないほど守られていた。 しかしある時、児童が転倒により頭部を怪我した。幸い命に別状はなかったが重傷であり、ヘルメットを着用していたにも関わらずそうであったことで、安全対策が不充分だとの声が上がった。 これを機に、学校、文部科学省、教育委員会、保護者、近隣住人 [続きを読む]
  • 947 金の奴隷解放宣言(140文字小説)
  •  あるお笑い芸人が、金の奴隷解放宣言を行なった。「国民餓死させて核開発とか糞だせえ!」 彼は単身その独裁国家へ乗り込むと、体制を崩壊させた。難民など諸問題はあっても、英雄に違いない。 ただ一つ苦言を呈され続けたのは、彼は宣言前も後も、笑いを取ったことが一度もないことだった。(了)えんとつ町のプペル作者: にしのあきひろ出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2016/10/21メディア: 単行本この商品を含むブ [続きを読む]
  • 946 真の友(140文字小説)
  •  彼はサッカー部のエースでリア充だったが、怪我での引退を機に、周りに人がいなくなった。 たった一人の同級生を除いて。 卒業式の日、感謝の意とこれからも友でいてくれるよう伝えると、「は? サッカー部の頃からお前に何の価値も見出してなかったから、変わらなかっただけなんだが……」(了) [続きを読む]
  • 945 徒歩移動に疑問を抱いた勇者
  •  魔王を討とうという勇者でも、初めの内は、レベルも低く所持金や装備も心許ないものだ。 移動手段も、馬車や船などまだ先の話。魔法も然り。当分は徒歩での移動となる。 ……のだが、ある時勇者は気付いてしまった。「自転車使ったほうが便利じゃね?」 モンスターの徘徊するダンジョンや険しい道はまだしも、安全の確保された街中であれば問題ない。 買い物や情報収集、街中だけで済むお使いイベントは、徒歩では時間がかか [続きを読む]
  • 944 女性が輝く時代へ(140文字小説)
  •  二十一世紀初頭、日本はようやく本腰を入れて、女性が輝く時代を目指した。 しかし日本は資源が乏しく、輝かせるための電力が不足している。やむなく女性本人に輝き分を発電してもらうことになった。 自転車で。 自転車漕ぐのに手一杯で、仕事も子育てもできやしない。 日本SHINE。(了)21世紀にキラキラ輝く女性たち―生きる力が湧いてくる本作者: 濱田雅子出版社/メーカー: 経済界発売日: 2006/01メディア: 単行本 [続きを読む]
  • 時空モノガタリのコンテスト入賞について
  •  初めて入賞した際、このブログで喜びを爆発させていたのですが、その後の入賞については何も触れていませんでした。今思い付いたので報告を。 その後、現時点までで二度入賞しています。計三回の入賞。(予選通過回数は数えていないのでわかりません。予選通っても入賞しなかったら通らないのと一緒ですからね。) 二度目の入賞以降、こっそりプロフィール文で「複数回入賞」と書かれています。気付いた方いたらすごい。 筆者 [続きを読む]
  • 943 自警団
  •  正義を気取っている彼らこそ、彼らに殺される対象の悪ではないか――。 その「自警団」が人々に認識されてから、こうした批判・皮肉・非難はあった。テレビや新聞のような一方通行メディアだけでなく、インターネットでの個人からも同様に指摘されている。 初めての事件は、新宿で起こった。人の集まる場所であり、テロの標的になりやすい場所だ。ただしこの事件は、あくまで特定の個人団体を狙っていたため、無差別に市民を攻 [続きを読む]
  • 942 歌舞伎蝶(140文字小説)
  •  新宿に現れるという、歌舞伎蝶。 無害な蝶ではない。例えばその鱗粉は魅了効果を持ち、被害者は蝶という昆虫に大金を貢いでしまうという。 国も対策を練り、駆除しようと試みていたのだが……、被害者の大半は喜んでおり被害を訴えず、金使うので経済が潤うため、それはそれでいいかとなった。(了) [続きを読む]
  • 941 異世界バトルを新宿で
  •  バルクの剣を退けた魔王ザンギは、高笑いする。「七勇者も報われぬな! お前のような出来損ないに力を託したとは。アハハ!」「やはり俺では駄目なのか」 七人の勇者がその命を絞り出して力を吹き込んだ聖剣。しかし、勇者の家系でもなければ特別な才能もないバルクが扱っても、魔王ザンギには通用しなかった。「違うわ」地に伏していたエルザがバルクの嘆きを否定する。「勇者たちはあなただから託したの。まだ戦える勇者 [続きを読む]
  • 939 女神のワークシェア
  •  気が付いたらその若い男は、椅子に座っていた。目の前には小さな円卓テーブルがあり、向かいには誰も座っていない椅子がある。こんな場所に見覚えはない。それ以前に、現実世界とは思えなかった。床こそあるが、部屋の壁らしきものがなく無限のように広がっていて、天井を見上げてみても同じように何もない空間が広がっている。 不思議に思っていると、こちらに向かってくる足音が聞こえた。扉を開けてきたわけでもないのに、 [続きを読む]
  • 937 幽霊部屋の家賃
  •  俺はようやく次の職にありつけたのだが、住居から職場が遠いという欠点があった。 新たな環境にも慣れ始め、やっていけそうだ。だから余計に、職場に近い住居にしたい。 そうして探した結果出会ったのが、とあるアパートの304号室だった。職場に近いだけでなく、家賃が非常に安い。 アパート自体の家賃が安いわけではない。この地域・条件での平均と同じか高いくらいだろう。先ほど「304号室」と一つの部屋を指したよ [続きを読む]
  • 936 騒音トラブル
  •  私は、とあるネットニュースを発端とした、ニュースサイトでのコメントや匿名掲示板の書き込み、ツイートらを眺めていた。 ニュースそのものにはさして関心はない。しかし人々の反応があまりにおかしくて、見入ってしまっていたのだ。 おかしいというのは、「変だ」「妙だ」というニュアンスでもいいし、思わず笑ってしまうというニュアンスでもいい。ともかく的外れで滑稽なのである。 そのニュースとはどんなものか。 集 [続きを読む]
  • 935 人として最低限の
  • 「すみません」 若い、というよりも、幼さの残る顔立ちの青年は、突然そう謝ってきた。 謝罪の言葉である。話しかける際の「少しよろしいですか?」の類では明らかになかった。口調には謝罪の気持ちが籠っていたし、頭も下げてきているのだ、誤解しようがない。 しかし謝られたほうは戸惑うばかりだった。何故ならその青年とは初対面であり、ぶつかっただとかいう些細なトラブルさえなかったのだから。「人違いではないですか? [続きを読む]
  • 934 この荒んだ世界に優しさを
  •  その青年は、幼少から何不自由なく生きてきた。地方の、さして領地も持たない家ではあったが、貴族家には違いなく、平民とは暮らしの次元が異なる。 しかし、少年から青年と呼ばれるような頃になって、時代は激変する。 貴族制度が打ち破られ、貴族は没落したのだ。青年の家も資産の多くを没収され、これからは自分の力で生きねばならなくなった。 家に仕えていた者も、親戚の貴族も、そして家族さえも、青年を見捨てるように [続きを読む]
  • 933 優しい薬
  •  学校を休めるのは嬉しいことだ。ぼくも多くの小学生たちと同じく、そう思って生きている。でも高熱で休まざるを得ないんじゃ、何の意味もない。かといって体調崩してでもいない限り学校を休めないわけで……。 そう世の不条理を嘆きながらベッドで寝ていると、部屋に母親が入ってきた。 学校を休めるのは嬉しいことだ。しかし休める理由は大抵、嬉しいものではない。そしてぼくの場合は更に、もう一つ嬉しくない事情があった。 [続きを読む]