akizakura さん プロフィール

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akizakuraさん: ストーリーテラー
ハンドル名akizakura さん
ブログタイトルストーリーテラー
ブログURLhttps://blogs.yahoo.co.jp/akizakura5877
サイト紹介文自己流の小説風ストーリーを書いています。絵本なども載せる予定です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供38回 / 365日(平均0.7回/週) - 参加 2015/04/01 12:40

akizakura さんのブログ記事

  • 高嶺の野草 第27話 「粗探し」
  • 体育祭も終わり、暑さを増し始めた鏡西に梅雨が涼しさと落ち着きを運んで来た。ジメジメした覇気のない教室で、霧は百合にお菓子を差し出すと言った。「なんかさ、何で野中ってあんななの?」百合は顔を上げて霧を見た。霧は言った。「いやさ〜、体育祭の刺繍といいやりすぎじゃん。諦め悪いのって男らしくないし。やっぱり百合には不釣り合い。諦めも肝心だと思うわ〜。」その瞬間、隣にいた理香の顔つきが変 [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第26話 「こいつにはあいつしかいねぇ」
  • ゆうは言った。「え?今何て?」鈴香は言った。「だから、この間水飲み場のところで高峰先輩が野中先輩に言ってたんだって。あんたと踊ってあげろって。岸野がたまたま通りかかって聞いたって言ってた。ほら、岸野ってそう言うのにめざといじゃん。噂話が好きって言うか。」ゆうは目を見開いて「…高峰百合が、野中先輩にフォークダンスを私と踊ってあげろって言った…?」と言うとストンと椅子に腰を下ろして [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第25歩 「苦しい想い」
  • 次の日ゆうは2年7組の教室の前にいた。ゆうは扉の所からこっそり中を覗いた。前日の部活中に色んな部員の間を嗅ぎまわって、翔太の好きな人というのが同じ7組の高峰百合という名前の人物だと突き止めたのだ。そこでどんなやつか見てやろうとこうしてやって来たのだ。ゆうには容姿では負けない自信があった。あわよくばちょっと話して威嚇してやろうと思っていた。ゆうは教室を見渡した。その時誰かが「百合!さっきの [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第24歩 「無防備なセンターバック」
  • またあの季節がやって来た。校内が浮かれ立つ季節。体育祭のフォークダンスが近付くにつれ、校内中の生徒がそわそわし始めるのだった。翔太は勇気を最後の一滴まで絞り出して、百合をフォークダンスに誘ってみたがあえなく撃沈した。ただその断り方がいつもと少し違った気がした。去り際に百合がふっと笑って「本当に野中って変わってるな。」と言ったのだ。何だか知らないけど、少し親しみすらこもっているよ [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第24歩 「無防備なセンターバック」
  • またあの季節がやって来た。校内が浮かれ立つ季節。体育祭のフォークダンスが近付くにつれ、校内中の生徒がそわそわし始めるのだった。翔太は勇気を最後の一滴まで絞り出して、百合をフォークダンスに誘ってみたがあえなく撃沈した。ただその断り方がいつもと少し違った気がした。去り際に百合がふっと笑って「本当に野中って変わってるな。」と言ったのだ。何だか知らないけど、少し親しみすらこもっているよ [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第23歩 「俺は見えてなくていい」
  • 翔太にとって幸せと希望に満ちた高校2年目が幕を開けて数週間が過ぎた。夜に翔太が鼻歌を歌いながらリビングに入ってくると、父親の武史がニュースを見ていた。翔太は「お!親父お疲れ!」と明るく言うと、冷蔵庫から牛乳を取り出し始めた。武史は翔太に「何だかお前、最近ご機嫌だな。」と声をかけた。翔太が「え、そう?」と牛乳片手に笑顔で振り返った。武史が「その素っ頓狂な鼻歌を毎日聞かされてるんだ [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第23歩 「俺は見えてなくていい」
  • 翔太にとって幸せと希望に満ちた高校2年目が幕を開けて数週間が過ぎた。夜に翔太が鼻歌を歌いながらリビングに入ってくると、父親の武史がニュースを見ていた。翔太は「お!親父お疲れ!」と明るく言うと、冷蔵庫から牛乳を取り出し始めた。武史は翔太に「何だかお前、最近ご機嫌だな。」と声をかけた。翔太が「え、そう?」と牛乳片手に笑顔で振り返った。武史が「その素っ頓狂な鼻歌を毎日聞かされてるんだ [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第22歩 「たった1人の大事な人」
  • 終業式の直後に百合と理香は教室で話をしていた。「理香も理系に行くんだ?」百合が聞いた。「うん。本当は希望提出期限過ぎてたんだけど、田中に頼み込んだら変えさせてくれたから。」「ふーん。田中ってそこまで頭固くないんだ。」「まぁ、ちょっと不安もあるけど、理系にも興味あったし、それに…」そう言って理香は少し恥ずかしそうに微笑んで「司も助けてくれるって言うし。」と言った。理香と司が付き合 [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第22歩 「たった1人の大事な人」
  • 終業式の直後に百合と理香は教室で話をしていた。「理香も理系に行くんだ?」百合が聞いた。「うん。本当は希望提出期限過ぎてたんだけど、田中に頼み込んだら変えさせてくれたから。」「ふーん。田中ってそこまで頭固くないんだ。」「まぁ、ちょっと不安もあるけど、理系にも興味あったし、それに…」そう言って理香は少し恥ずかしそうに微笑んで「司も助けてくれるって言うし。」と言った。理香と司が付き合 [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第21歩 「司の本音」
  • もうすぐ終業式という日にそれは起こった。理香が週末にちょっとした用事で街中を歩いていた時だった。あるショップの前を通りかかった時に、はじめがそのショップから出てきたのだ。理香は驚いて目を見開いた。はじめの隣には違う学校の制服を着ている女子がいたからだ。仲良さそうにはじめと腕を組んでいる。はじめも理香に気付いて立ち止まった。「…!」理香は突然の事に何も言えずにはじめとその女子を交互に見た。その女子が [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第21歩 「司の本音」
  • もうすぐ終業式という日にそれは起こった。理香が週末にちょっとした用事で街中を歩いていた時だった。あるショップの前を通りかかった時に、はじめがそのショップから出てきたのだ。理香は驚いて目を見開いた。はじめの隣には違う学校の制服を着ている女子がいたからだ。仲良さそうにはじめと腕を組んでいる。はじめも理香に気付いて立ち止まった。「…!」理香は突然の事に何も言えずにはじめとその女子を交互に見た。その女子が [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第20歩 「悔しいじゃねぇか…」
  • 昼休み理香が百合の席にやって来て「食べる?」とチョコを差し出した。百合は素直に「ありがと。」と言ってそれを受け取った。その時、理香の携帯が鳴って、理香は画面をチェックした。そして「はじめか。」と呟いてまたポケットにしまった。百合はそれを見てきいた。「出ないの?」理香は「いいのいいの。」と言って自分もチョコを口に頬張った。百合は思わず聞いた。「…好きじゃないの?」理香の動きが止ま [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第20歩 「悔しいじゃねぇか…」
  • 昼休み理香が百合の席にやって来て「食べる?」とチョコを差し出した。百合は素直に「ありがと。」と言ってそれを受け取った。その時、理香の携帯が鳴って、理香は画面をチェックした。そして「はじめか。」と呟いてまたポケットにしまった。百合はそれを見てきいた。「出ないの?」理香は「いいのいいの。」と言って自分もチョコを口に頬張った。百合は思わず聞いた。「…好きじゃないの?」理香の動きが止ま [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第19話 「よだれ毒ガスゲームおたく」
  • 翔太は斜め後ろの席から百合の横顔を見つめた。真っ直ぐ黒板を見ているその美しい横顔を見て胸が痛んだ。翔太は思った。高峰さんは俺に怒ってるだろうか。それでも修学旅行の時、俺がおごったソフトクリームを食べてくれた。しかも雑誌読んでるところを邪魔した俺なんかに謝ってくれた。あのまずいケーキを食べてくれて、肉まんもおごってくれた。全部俺のせいで迷惑被ってる時にそうしてくれてたんだ。みんな [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第19話 「よだれ毒ガスゲームおたく」
  • 翔太は斜め後ろの席から百合の横顔を見つめた。真っ直ぐ黒板を見ているその美しい横顔を見て胸が痛んだ。翔太は思った。高峰さんは俺に怒ってるだろうか。それでも修学旅行の時、俺がおごったソフトクリームを食べてくれた。しかも雑誌読んでるところを邪魔した俺なんかに謝ってくれた。あのまずいケーキを食べてくれて、肉まんもおごってくれた。全部俺のせいで迷惑被ってる時にそうしてくれてたんだ。みんな [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第18話「頭が真っ白」
  • 次の日の朝、理香は少しドキドキしながら教室に入っていった。部屋の隅でだるそうに座っている司が目に入った。理香は静かに自分の席に着いた。司がいる斜め後ろの空間が妙に気になって落ち着かなかった。理香がそっと振り返ってみると、司もこっちを見ていたのか目が合った。理香はバッと前を向き、司もぷいっと下を向いた。 一日中妙に司の事が気になって仕方がなかった理香だが、その後 [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第18話「頭が真っ白」
  • 次の日の朝、理香は少しドキドキしながら教室に入っていった。部屋の隅でだるそうに座っている司が目に入った。理香は静かに自分の席に着いた。司がいる斜め後ろの空間が妙に気になって落ち着かなかった。理香がそっと振り返ってみると、司もこっちを見ていたのか目が合った。理香はバッと前を向き、司もぷいっと下を向いた。 一日中妙に司の事が気になって仕方がなかった理香だが、その後 [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第17話 「理香の性格、司の性格」
  • 新学期がやってきた。翔太は気だるそうな生徒達に混じってゆっくりと校門を通り過ぎた。翔太は顔を上げるとゆっくりと周りを見渡した。「…。」あの後、百合には冬休み一度も会えなかった。クリスマスイブに百合が去り際に言った言葉。「明日、私がいなくなったらどうするの?」冬休み中その言葉が翔太の頭の中で響いていた。気になって絵理子にメールで聞いてみたが、百合が引っ越すとかそう言った事は全く聞 [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第17話 「理香の性格、司の性格」
  • 新学期がやってきた。翔太は気だるそうな生徒達に混じってゆっくりと校門を通り過ぎた。翔太は顔を上げるとゆっくりと周りを見渡した。「…。」あの後、百合には冬休み一度も会えなかった。クリスマスイブに百合が去り際に言った言葉。「明日、私がいなくなったらどうするの?」冬休み中その言葉が翔太の頭の中で響いていた。気になって絵理子にメールで聞いてみたが、百合が引っ越すとかそう言った事は全く聞 [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第16話 「明日、君がいなくなったら」
  • 「近藤!」そう呼ばれて理香は振り返った。翔太が憂鬱な月曜日の朝にそぐわない爽やかな笑顔で立っていた。翔太は理香に言った。「土曜日は残念だったな。何か急用だったって?」理香は少し遠慮がちに微笑むと「うん。ちょっとね。」と返事した。翔太は能天気に続けた。「いやぁあんなクラスの大勢で学校以外であんまり集まんないからさ。近藤も来れたら楽しかったんじゃないかなと思って。」「…。」理香は一瞬考えてから何ともな [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第16話 「明日、君がいなくなったら」
  • 「近藤!」そう呼ばれて理香は振り返った。翔太が憂鬱な月曜日の朝にそぐわない爽やかな笑顔で立っていた。翔太は理香に言った。「土曜日は残念だったな。何か急用だったって?」理香は少し遠慮がちに微笑むと「うん。ちょっとね。」と返事した。翔太は能天気に続けた。「いやぁあんなクラスの大勢で学校以外であんまり集まんないからさ。近藤も来れたら楽しかったんじゃないかなと思って。」「…。」理香は一瞬考えてから何ともな [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第15話 「君のためになりたいもの」
  • 部活の帰り、翔太は駅前の有名なスイーツショップに来ていた。ショーケースに並ぶ目がチカチカするほど華やかなケーキ達に一通り目を通してから、店員に「木苺のケーキって売ってますか?」と聞いた。「申し訳ありませんが期間限定の販売が先日終了いたしました。うちは国産のラズベリーしか使用しておりませんので、やはり時期を過ぎますと…」そこまで言った店員を遮って、翔太は「…ラズベリー?あの、木苺 [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第15話 「君のためになりたいもの」
  • 部活の帰り、翔太は駅前の有名なスイーツショップに来ていた。ショーケースに並ぶ目がチカチカするほど華やかなケーキ達に一通り目を通してから、店員に「木苺のケーキって売ってますか?」と聞いた。「申し訳ありませんが期間限定の販売が先日終了いたしました。うちは国産のラズベリーしか使用しておりませんので、やはり時期を過ぎますと…」そこまで言った店員を遮って、翔太は「…ラズベリー?あの、木苺 [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第14話 「悲しくさせるもの」
  • 翔太は早足で歩きながら絵理子に用件を伝えた。そして電話を切ると、百合が歩いて行った方向に駆け出した。学校外で会える事なんて滅多にない。できれば声をかけたかった。百合が曲がった角を翔太は走って曲がった。しかし曲がった先に百合の姿は見えなかった。この短時間でそう遠くには行っていないはずと思い、翔太が周りを見渡すとすぐ横の通りに面した本屋の奥で何かを手にとって読んでいる百合が見えた。 [続きを読む]
  • 高嶺の野草 第13話 「目が離せない」
  • ホテルに戻っても、勢いで翔太は「みんな帰ってくるまでロビーでトランプでもしよう。」と百合を誘った。「いい。いらない。」と百合はいつもの素っ気ない調子に戻って言った。「そっか。」と翔太は返事した。そして去っていく百合を見ながら思った。そうそう調子にのるな俺。でもいいんだ。振られたって何だって。今の俺のこの幸せは誰にも止められねぇ!翔太は嬉しそうな顔で鼻歌を響かせながら自分の部屋に [続きを読む]