千葉の自由人 さん プロフィール

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千葉の自由人さん: 過疎と財政難で蘇った村
ハンドル名千葉の自由人 さん
ブログタイトル過疎と財政難で蘇った村
ブログURLhttp://141389.blog.fc2.com/
サイト紹介文「社会保障クライシス」に続く近未来小説の第二弾「過疎と財政難で蘇った村」を連載中です。
自由文少々逆説的なタイトルですが、お読みいただくとご了解頂けると思います。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供41回 / 365日(平均0.8回/週) - 参加 2015/04/07 16:49

千葉の自由人 さんのブログ記事

  • 少々長い序 〜連載に当たって
  • GDP世界第3位の日本。しかし、国民一人当たりのGDPは26位に甘んじており、これは主要先進国と目される国のなかでは最下位に近い。言い換えれば、この数字を見る限り日本人の生産性は極めて低いということになります。「ニッポン品質」という世界でも認められるほどのブランド力をもつ日本。「過労死」という言葉が国際語になるほど働いている日本人。こうした日本の生産性がなぜ先進国中で最下位に近いのでしょう。実に不可解な話 [続きを読む]
  • エピローグ
  • 少しづつ秋の気配が感じられはじめた9月半ばの日曜日。ここ富田地区の村民会館の周囲には、大勢の人垣ができていた。夏の終わりを名残惜しむかのように繰り広げられる来畑村の光の祭典に、首都圏を始め、日本の各地からも数多くの人々が集まった。ライブ演奏が段々畑の一角に設けられた特設ステージで繰り広げられ、それがひと段落する頃になると、ようやく真夏の暑い夕日が大きな弧を描いて後方の山間に沈んでいった。やがて周囲 [続きを読む]
  • 第4章 新しき村 3.新たなコミュニティの創生
  • 長澤がこの村を去ってから半月が流れた10月の末、八田村長をはじめとする役場の面々をはじめ、村の有力者たちが役場の会議室に顔をそろえた。今日は、長澤智憲理事の後任として着任した新しい理事が着任する日であった。自治省から新たに派遣された児玉喜一郎理事は、前任者の長澤の雰囲気とはかなり異なり、いかにも中央官庁の官僚然とした男だった。もっとも、入省してわずか4年というから、年齢やキャリアからも長澤に比べて [続きを読む]
  • 第4章 新しき村 2.この村を共産社会にするつもりか?
  • 須磨智沙音は、複雑な気持ちでその日の朝を迎えた。先週のことだった。いきなり役場の職員全員に召集がかかると、八田村長が沈痛な面持ちで「長澤理事は今月末で辞任されることになった」と告げた。もともと官僚の赴任先での任期は2年間と言われていたので、今月末で丸2年を迎える長澤理事が離任されるのは当然といえばそれまでだが、この2年間に長澤の下で味わった体験は、須磨の人生のなかでも得難い思い出ばかりだった。もう [続きを読む]
  • 第4章 新しき村 1.技術は発想を呼び、発想は新たな希望を呼ぶ
  • 実証実験が開始されてから1年半近くが経過した8月最初の月曜日、真新しくリニューアルされた村立病院総合健康管理センターの開所式の朝を迎えた。何年もの間風雨にさらされていた建物のレンガもきれいに磨かれ、幽霊病院と呼ばれていた汚名はすっかり返上し、瀟洒でモダンな建物が真夏の強い日差しに照らされて輝いていた。ひっそりと静まり返っていた病院前の駐車場には、大勢の村人が集まっている。来畑村での斬新な取り組みに [続きを読む]
  • 第3章 前代未聞の発想 3.実証実験
  • 「村長、本当に長澤理事が言われるまま任せてよろしいのですか」と、金田財務部長が心配そうに八田村長に言った。「しばらくは任せるしかないだろう。しかも、あの男は本当に8億以上もの金を取ってきたのだから」と八田村長は答えた。長澤が村民たちの前で計画の話をしてから半年が経過し、春一番のような強い南風が吹く日のことだった。『村長は、8億もの助成金にまだ目がくらんでいるのか』といった思いで、金田部長は村長の顔 [続きを読む]
  • 第3章 前代未聞の発想 2.戸惑いと困惑
  • 「村長、ソンチョー、長澤理事が戻られました。しかも、へんてこな車に乗って!」と、金田財務部長が村長室に飛び込むなり告げた。「なにを慌てちょるんだ?」と八田村長は目を上げると、「いま玄関にいますから、ちょっと見てください」と促した。八田村長は不承不承の体で玄関に出ると、長澤に「やあ、帰ってきたか。ご苦労だった・・・な?」と途中で、長澤たちが乗ってきた車を見て思わず言葉が途切れた。「なんじゃ?これは」 [続きを読む]
  • 第3章 前代未聞の発想 1.未来の都市
  • 「長澤理事は、一体いつになったら帰ってくるんだ。もう2週間にもなるではないか。いくら村長がホイホイ許可を出したと言って、理事が着任早々2週間も席を空けられては迷惑この上ない」と久江田施設部長は、不満を部下の沖本雅也にぶつけた。村民会館で語った長澤知憲理事の話は、瞬く間に役場にも届いていた。『理事は合併に慎重派だった』という言葉が、号外のように飛び交った。これに、合併反対派の八木安二郎村長が欣喜雀躍 [続きを読む]
  • <急告>「過疎と財政難で蘇った村」の連載を予定通り再開します
  • 拙小説「過疎と財政難で蘇った村」をお読みいただきまして有難うございます。さて、先ほど、第2章「3.豊かに広がる農地」で取り上げた不動産登記について貴重なご意見をいただきましたが、その記述をより正確に修正いたしました。元の文章では「法的時効」について書きましたが、これは借款県や地上権等、もしくは金融取引等で生じる一定期間取引が生じない契約案件は5年もしくは10年で消滅可能であるという法解釈です。しかし、 [続きを読む]
  • <急告>「過疎と財政難で蘇った村」の連載を一時中断します
  • 拙小説「過疎と財政難で蘇った村」をお読みいただきまして有難うございます。さて、物語は第2章を終え、これから村の再生の様子が描かれる予定ですが、ここで一旦連載を中断させて頂きたいと存じます。と申しますのは、第2章「3.豊かに広がる農地」で取り上げた不動産登記の法的時効をめぐって貴重なご意見をいただきましたので、その事実関係を少々検証させて頂きたいと考えました。実は、筆者は来週まで入院中で、連載原稿は最 [続きを読む]
  • 第2章 視察 3.豊かに?広がる農地
  • 沖本が運転する車は村道を北上し、役場の前を素通りして、宇畑川にかかる橋のたもとに着いた。この川に架かる橋が老朽化し、交通規制がなされているという。橋のたもとにいったん車を止めると、3人は車から降りたった。コンクリート製の橋はかなり古いもので、上から見る限りはよく分からないが、橋脚部分にかなりの痛みが出ていても不思議ではない。さらに道幅が狭いうえに欄干も低く、凍結時には転落事故の危険も考えられた。そ [続きを読む]
  • 第2章 視察 2.幽霊病院
  • 3人は、冨部野川の畔にある病院に向かった。地元の人が幽霊病院と噂するだけのことはあって、古いレンガ造りの村立病院は、木立の中にひっそりと建っていた。なんでも、戦前に建てられた建物だそうである。村が味噌の醸造や麻織物などの産業で栄えていた頃には、この地域随一の拠点病院として名を馳せ、当時通っていた鉄道にも「来畑病院前」という専用の駅もあったという。その頃の名残を思わせるように、かなり重厚な造りになっ [続きを読む]
  • 第2章 視察 1.さびれた古民家
  • 「そうか、そんなことを言っていたのか」と村長室で八田安二郎村長は、椅子に深く腰掛けた姿勢で須磨智沙音の報告を聞くと、腕を組みながら唸った。今朝、須磨は長澤を交えた家族一同と朝食を共にはしたものの、「少し調べ物がありますから」と言って一足先に役場に向かった。長澤知憲も心得顔で「良いですよ。ボクは後からゆっくりと行きますので」と相変わらずの快活な声で答えた。読みが深い長澤理事のことだ。おそらく、村長に [続きを読む]
  • 第1章 奇妙な男 3.不可思議な官僚
  • 『なぜ簡単にOKなんかしたのよ!』と、須磨智沙音は役場からの帰り道、長澤理事を下宿させることを一も二もなく引き受けた父親に心の中で毒づいていた。須磨の後ろから、重そうなビジネスバックを肩にかけた長澤知憲が、キョロキョロと興味深げにあたりを見回しながらついてきた。6時をまわり、すでに陽はすっかり陰ってはいるが、遠くの山々や森がまるで影絵のように弱々しい残光によって映し出されていた。やがて二人は、須磨が [続きを読む]
  • 第1章 奇妙な男 2.崩れつつある村
  • 週が明け、新任の理事が着任する日になった。なにより自治省きってのエリート官僚だ。役場には、朝からピーンと張り詰めた空気が流れていた。その中で、だれよりも緊張していたのは、他ならぬ八田村長だった。八田村長は、やがて現れるであろうエリート官僚にいかに気後れせずに接するか、そのことばかり考えていた。そうした八田村長とは対照的に、久江田施設部長だけは終始にこやかに余裕の表情を見せていた。ようやく念願の話が [続きを読む]
  • 第1章 奇妙な男 1.とんだ出会い
  • 10月も半ばになると急に日が短く感じられる。夕方5時を回ると日は西に沈み、黄昏時とも薄明(はくめい)時とも言われるひと時を迎える。村役場に勤める須磨智沙音(ちさね)は、このひと時がこの上なく好きだった。遠く連なる稲木に掛けられた稲の穂が、夕日の残照を浴びて黄金色に輝いていた。高校を卒業した頃は、田畑があるばかりで何の楽しみもないこの村が嫌で仕方がなく、東京に出ていくことばかりを考えていた。幸い、彼女 [続きを読む]
  • エピローグ
  • 少しづつではあるが、秋の気配が感じられはじめた9月半ばの日曜日。ここ富田地区の村民会館の周囲には、大勢の人が集まっていた。村民はもちろん、首都圏や最近では東北や関西などから数多くの人々が、夏の終わりを名残惜しげに繰り広げられる来畑村の光の祭典に集まってきた。段々畑の一角に設けられたライブステージで、夕方近くから繰り広げられたライブ演奏がひと段落する頃には、真夏の暑い夕日が大きな弧を描いて後方の山間 [続きを読む]
  • <お知らせ>過疎地域の再生をテーマとした小説を連載します
  • 現代社会の大きな問題点として「格差」が取り上げられています。「8人の大富豪によって世界の富の半分を独占されている」という報道などは、その典型だと思います。同時に、こうした格差は地域間でも生じています。つまり、経済的競争力の弱い地域、高齢者が多数を占める地域など、財政上極めて深刻な地域が数多く存在しています。近未来的には、生産人口の減少や高齢者や生活困窮者の増加、インフラの老朽化などで、財政で行き詰 [続きを読む]
  • 電通で起きた悲劇で感じたこと
  • 電通で起きた悲劇的な事件で、塩崎厚生労働大臣は「捜査は継続していて、社長1人の引責辞任ですむ話ではないと考えている」「社会的な注目度と、重大性を踏まえて粛々と捜査を続けていく」「法律が守られていない状況があるということを考えると行政側のパワーアップも必要ではなかろうか」と語ったというニュースが昨夜流れました。ここで、塩崎大臣の言う法律とは、おそらく労働基準法を指しているのでしょう。つまり、違法な長 [続きを読む]
  • 生活保護行政から見たマイナンバー活用に係る緊急提言
  • 以下、お知らせです。私の所属するNPO法人EABuSでは、従前より共通番号制度の調査・研究を行っており、マイナンバー制度の本格運用が目前に迫る中、マイナンバーの効果的な活用が期待されている社会保障分野、とりわけ生活保護制度運用の適正化におけるその活用をテーマとした考察を行って参りっております。生活保護行政を巡っては、生活保護世帯の急増に伴う扶助費の急激な増大が大きな社会問題となっており、従来にも増して入念 [続きを読む]
  • シェアリング・エコノミー
  • 今回から当ブログの体裁を変え「千葉の自由人のつれづれ日記」としました。日記といっても、あくまで思ったこと、感じたことをつれづれに書きとめるので、更新頻度なども保証できないし、長さも数行の時もあれば数ページにわたる日もあると思います。また、たいていは一杯飲みながらの書き込みなので、そのおつもりで、つれづれな折にでもお付き合いください。***昨日は午前中のITメーカーさんとの会議を皮切りに、午後には2組 [続きを読む]
  • <お知らせ> 社会保障クライシス 余話
  • 2月に出版した「社会保障クライシス」という小説の余話を、幻冬舎さんのご厚意で以下サイトに掲載して頂きました。http://www.gentosha-book.com/column/author024/小説をお読み頂いた方はお分かりと思いますが、第7章「凶弾」からのスピンオフ・ストーリーです。ご関心をお持ちいただけた方は、お時間のある折にでもご覧いただけたら幸いです。にほんブログ村にほんブログ村 [続きを読む]
  • 未来への提言⑩ 〜コミュニティ社会の再構築を〜 ≪最終回≫
  •  1年半にわたって書き続けてきたこのブログも、今回の記事をもって閉じようと思っております。長い間、私の他愛もない愚見にお付き合いいただき、心から感謝申し上げます。 さて、最終回にあたり<コミュニティ社会の再構築>を最後の提言として提起させて頂きたいと思います。 これまで、持続可能な社会保障制度のあり方について、スウェーデンや韓国などの海外事情や、日本政府の諸施策に対する私の愚見などを展開して参りま [続きを読む]