適当館 剛 さん プロフィール

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適当館 剛さん: 斐界群史
ハンドル名適当館 剛 さん
ブログタイトル斐界群史
ブログURLhttp://hikaigunshi.blog.fc2.com/
サイト紹介文斐界という世界の出来事を、バラバラと短かい小説で書いていきます。
自由文こんにちは。斐界(ヒカイ)という世界の出来事を、書いていきます。バラバラと短かい小説をあげていきます。私はテキトーな性格なので、テキトーに書いていきます。一応一話完結なので、どこから読んでも一応大丈夫です。では、良ろしければ読んで下さいませ。

※コメントは承認制です。
※過激な表現やR18表現があるかもしれませんので、苦手な方はお避け下さい。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供47回 / 365日(平均0.9回/週) - 参加 2015/05/09 12:25

適当館 剛 さんのブログ記事

  • 中編小説を連休頃に掲載し始めたいです
  • ご無沙汰しております。適当館剛です。年末にご挨拶して以来なので、丸3カ月以上経ってしまいました。ところによっては桜が満開で、雨風もあいまって、散り始めている頃合いです。さて、以前申しましたように※、これまでの短編と大きく異なる、斐界群史の中編小説を準備しております。連休前後には、掲載を始められそうな気分になってまいりました。連載を始めたとしても、また、途中で中だるみする予定です。しかし、まずは、と [続きを読む]
  • 篇外雑記 11  年表 〜 第107番
  • こんにちは。適当館剛です。【大陸篇 18・19眞紀】の更新を停止しましたが、その全104篇について、年表にまとめました。59篇目を掲載した後にも年表を整理していますが※、改めての作成となります。盪関の戦いで、美獣と塊協半の時代が終わった眞暦1822年より後は、駆け足で進んでいるのが分かります。いずれこの空白は埋めていきたいと思っています。<大陸篇 18・19眞紀   作品年表>  ※年代は眞暦です。作中年/月   [続きを読む]
  • 一度、【大陸篇 18・19眞紀】の更新を止めます
  • こんにちは。適当館剛です。斐界群史のうち、18・19眞紀の大陸で展開する短編を中心に上梓して来ました。2015年5月5日の「馬車、白青大路を走る」から始まり、3日前の「迫り来る青き波濤」まで、数えると104篇になります。ここで、大陸の短編については、しばらく更新を止めます。ちなみに正確に言いますと、「迫り来る青き波濤」は眞暦1913年の話ですので、20眞紀にあたります。後述しますが、いずれ表記を改めるつもりです。さて [続きを読む]
  • 107 迫り来る青き波濤
  •  刪回(さっかい)の痩せて皺くちゃな顔が、燭燈の灯に浮かぶ。 ところは剣(けん)州州都の劍園(けんえん)にある、経相(けいしょう)府。10月の深更、州の財務を司るこの官庁は次年度予算の編成に追われて多くの吏僚が居残り、果てを知らぬ協議、引きも切らぬ陳情への対応、神経のすり減る書類作成など、皆頼りない卓上の灯りの下で、忙殺されていた。「島倭(とうわ)の為に計上するものが多過ぎるわ。」 刪回は鶴の嘴のよ [続きを読む]
  • 106 砂漠の虎、未だ翼を持たず
  •  砂漠の風が、もうもうと砂塵を舞い上げている。 砂(さ)州西南部の城市、碁幞(ごぼく)。 黄色い砂の柱は城壁よりはるかに高く、4月の晴天を覆い隠すように立ち昇って、市中からよく見えた。「痛え。てめえ、足を踏んだな。」「あ?何を。少し爪先が当たった程度で、俺に因縁つけるか。」 眛馬婀難(マイ・マーナン)は茶屋で温かな茉莉花(ジャスミン)茶を傾けながら、街の喧嘩を眺めている。「爪先が当たった程度ぉ?し [続きを読む]
  • 105 斐界痛恨
  •  炎(えん)州西部に茫漠と広がる燐蒸原(りんじょうげん)の原野に、10万をゆうに超える大軍が整然と行軍している。 その頭上から、雷光。 6月の空はにわかにかき曇り、ややあって、猛虎の唸るが如き低音があたりに響き渡った。雨は、無い。(ここまでは、うまく進んでいる。) 屹立(きつりつ)する男が、顎に手を当て、そんな平原を見つめていた。 男は、水軍鎧を纏(まと)い、総髪かき上げて後頭部に黄の絹布で束ね、さ [続きを読む]
  • 104 細腰を抱き、乱世を想う
  •  眞暦(しんれき)1876年7月。 炎(えん)州の州都、炎勢里(えんせいり)は初夏の太陽に照らされている。 街の群衆は、天空からの陽射しを受けて、大汗を発していた。汗は流れ、飛び散り、なおまた吹き出している。それは7月の陽光ともう一つ、車駕に乗って麗后大路(れいごうだいろ)に登場する予定の、高貴なる夫妻を一目見んとする熱狂もまた、要因の一つであった。「暑そうな。」 焚学明(ふんがくめい)は尖った鼻を鳴 [続きを読む]
  • 103 教都の緑の下で
  •  蝉時雨(せみしぐれ)が街に降り注ぐ。 真夏の太陽が南天にあって、力強く輝き、柳並木の緑が陽光に呼応して鮮烈な色彩を放っていた。 時は、眞暦(しんれき)1861年8月。 珥(じ)州中部の街、璃楠(りなん)はもともと緑豊かな南国の街だが、盛夏という季節もあって、鬱蒼とした密林に石造の家々が垣間見えているような、そんな街並みである。石家は、小さな住宅から、大きな官庁、学校まで、よく見れば樹間の所々に建って [続きを読む]
  • 102 泰平と厳格
  •  水の都、深戒(しんかい)。「いらっしゃませえ。あら。炎尾約(えんびやく)様じゃないですか。ちょっと、旦那様ぁ!」 運河沿いの大店(おおだな)に、年増女の甲高い声が響く。 泳(えい)州は楽河(がくが)を跨ぐ立地で、歴史的に大河が氾濫し、無数の湖沼を形成しており、また水路が網の目のように張り巡らされているから、州全体がまさに水国と称された。そしてそんな泳州東部の要衝、ここ深戒もまた、街に運河が縦横す [続きを読む]
  • 101 小盗賊、大軍に対峙す
  •  竹(ちく)州西部の城市、笙乙(しょうおつ)の郊外に範北器(はんほくき)という小村あり。 数日来の霖雨(りんう)は先程漸く止み、村の前に立ちはだかる緑濃き深山は山襞に霧波立て、草木の芳香を周辺一帯に送り出していた。 時は眞暦(しんれき)1853年6月。 無限に続くか、という程壮大な緑山は岑篁(しんこう)山脈と言い、その麓に小さく縮こまっているこの村は、夏を前にした密林の力強い息吹に呑み込まれたようであ [続きを読む]
  • 100 獣髯記談義
  •  福(ふく)州の三月はさすがに南国、すでに暖かいが、夜はまだ薄着にはなれない。月が、たなびく雲に見え隠れしている。 州北部の被筆賁(ひひつふん)という街の郊外に、ひとつの白い邸宅があり、そこから笑い声が漏れていた。「この葷史罫(くんしけい)って人は、本当に面白いわねえ」 この邸の娘、禮戌(れいじゅつ)は、興奮気味に語る母に対して、同意の目線を送る。幼い顔の真ん中に付く賢そうな薄茶の瞳が、愛らしい。 [続きを読む]
  • 99 秋空、炯軍島を過ぐ
  • 「馬邪謁(バジャエツ)様、それは本当ですか。」 澱商拓(でんしょうたく)は、秋の日煌(きら)めく海で舵(かじ)を握る。 波のうねりは然程でないが、800m先に横たわる岩肌荒々しい大きな島の足元では白波が砕けて、海を行く者に緊迫感を与えていた。「そうよ。それよりちょっと。ほら、炯軍(けいぐん)島から目を離すなっ。」「あ。はあ。」「旗船が舵を誤れば、全船暗礁に乗り上げるわよ。」 そうだ。島の沖には大きな瀬 [続きを読む]
  • 98 黒き蠍の鯨波
  •  夏空の下、黒褐色の武人が、一人。 時は、眞暦(しんれき)1850年7月。 所は、坡(は)州の原野、址天野(してんや)。現在、妖(よう)州勢と坡州勢が争っている戦場である。 武人は、黒褐色の甲冑に身を包んでいる。胸当、肩鎧、行縢(むかばき)、佩刀、兜まで、艶消しの黒で統一されていた。目庇(まびさし)の下、その目は影となり窺えず、形の良い厚い唇も真一文字に結ばれているが、鎌の如き鉤鼻が前面に飛び出してい [続きを読む]
  • 97 蒼の城塞、淝東大湖に対峙す
  •  水平線の向こうは、蒼天。 広大な水面にかすかに立つさざ波が、7月の炎天下に無数の煌めきを放っている。穏やかな水の上を、多くの舟がゆったりと漕ぎ行く。三方は海の如く、岸は見えぬから、どこに向かうにしても水夫にとっては疲れる操船になる筈だ。 ここは、淝東湖(ひとうこ)。 泳(えい)州の大湖である。 大河たる楽河(がくが)の流れが泳州低地に溢れ、拘泥し、幾万の湖沼を形づくったが、淝東湖はその中で随一の [続きを読む]
  • 96 女商人の足
  • 「剣軍が来るぞ!」「烈風軍に潰されるぞ!」「阡果園(かんかえん)は掠奪されるぞ!」 狂乱する人々が騒ぎ、走り、ぶつかり合い、罵りあっている。皆、重い荷を負い、息を荒らげ、焦慮と恐怖で表情を歪ませていた。しばしば馬蹄が鳴り、そのいななきも合わせて街の急を際立たせる。初夏の陽光に、人馬の巻き上げる塵埃がもうもうと照らされていた。「馬鹿だねえ。」 通り沿いの掘っ建て小屋で茶を売る作司及(さくしきゅう)は [続きを読む]
  • 95 武叔酔考
  •  剤栗(ざいりつ)は、よれよれの麻服を胸元にかき寄せながら、にやりと笑う。「今日の変装はいつもより上手くいったぜ。」 口に出しては折角の変装も意味が無いと思われるが、酒家の店内は喧騒に溢れており、一人客の独り言など埋没してしまう。 眞暦(しんれき)1842年5月。 剣州の中山間に位置する城市、刎上塁(ふんじょうるい)は、城壁の内外に貧民街を抱え持ち、それが為に庶民の活気が特徴の大都市である。夜を迎えて [続きを読む]
  • 94 夢郷感傷
  •  冬の昼。(家畜も元気そうだし、菜園の物成りもなかなか良いわね。) 越冬しようとする麦畑が黒々と見渡す限りに広がり、牛、豚などの家畜がゆったりと歩き、そこここに冬野菜が収穫を待つ。そして、足を大地に踏みしめながら、農夫たちが着々と農作業をこなす姿が、至る所で見受けられら。 開村して33年。 総統の昱右(いくゆう)が、変わらず眺めてきた風景である。 坡(は)州の穀倉地帯、塾夢塾(じゅくむじゅく)。領域 [続きを読む]
  • 93 声王水を煌々たる光矢が駆け巡る事
  • (でも、こんな風に崩れるものかしら。) 蟲渫絹(むせっけん)は大馬(だいば)に跨(またが)り、薄い暗闇に展開する戦況に目を凝らし、不審がる。 夜が明ければ、その背に翻る旗幟が、薄灰の地に橙(だいだい)で染め抜かれた「檜」の字が、さぞかし眩しかろう。闔(こう)州王閥檜(ばっかい)の伝令にのみ許された誇り高き旗である。蟲渫絹は馬上から、閥檜陣営の右翼に目を走らせ、目指す蘭剤(らんざい)将軍の影を見つけ [続きを読む]
  • 92 孤峰の夕、弟の首に問う
  •  夕刻。 5月の西日が、大盆地の只中に凝然と屹立する岱耳峰(たいじほう)の岩壁を、茜色に染めている。 バシュー 首を斬られた兄の体から血飛沫が噴出するのを、山軋当(さんあっとう)は人形の如き小造りな顔で見つめていた。 兄 ― 次兄・山耗(さんもう) ― の首が市政殿(しせいでん)の中庭に転がる。しばらく転がり、庭木立の影が切れ、西日の当たる日向で止まった。切断面を下に、少し傾いて首は、丁度立った。 こ [続きを読む]
  • 91 北避松風
  •  分厚い曇天の下、村に吹く風はすでに冬のように冷たい。松の大木が、ざざっ、と葉を揺らしている。「村長、10月にこんな寂しい田を見るなんて。」「隼旬(じゅんじゅん)、何度も言うな。斐界(ひかい)の全てが、穣界(じょうかい)、附類明證(ふるいめいしょう)、各方三籠(さんろう)、そしてこの楽界(がっかい)と、全てがこの状態なのだ。」 例年であれば黄金色の穂が垂れているはずの村の美田は、二人の目の前に無い。 [続きを読む]
  • 90 秋の大草原を、駆ける
  •  草原の秋。「うあああ。」 灌木の陰で、隠れるとも無く裸体をチラつかせて、大あくびをしている。 贅肉の一切を削いで鍛え抜かれた若い男の肉体。部族の女どもが見たら、また黄色い声で騒ぎ立てるだろうが、幸い大草原の真ん中には誰もいない。「ああー、と。」 あくびを終えたこの男。 姓は草(そう)、名を称条(しょうじょう)という。 あまりの大あくびで、両目に涙を浮かべている。あどけない表情は、いまだ少年であっ [続きを読む]
  • 89 海商盛衰考
  • 「そして、広屋(ヒロヤ)の奴が裏切り、投島(ナゲシマ)城は炎上。そして… ぐっ。」 績菩梵(せきぼぼん)の眼前にいる痩せこけた男は、ふいにこみ上げた涙を必死にこらえた。傍に控える計数頭(けいすうがしら)の紊興(びんこう)は、長い黒髪をかきあげながら、値踏みするような目で男を見つめている。 窓から吹き込んだ冷たい風が、痩せ男の縮れた小鬢(こびん)をめくる。 豪商である績菩梵の邸宅は、彼の父が贅を尽く [続きを読む]
  • 88 赤い秋空
  •  一瞬にして、空が真っ暗になる。「盾に隠れろっ。」 城壁の上で、萓講汎(ぎこうはん)は声を枯らしている。 これほど大量の矢を彼は見たことがない。(さすが闔(こう)州王閥檜(ばっかい)。我らが敵う相手ではなかったのだ。) ずどどどど 萓講汎が革張りの盾に身を隠すと同時に、周りに轟音が響いた。夏の豪雨か、山塊ごと崩落する山津波か、はたまた南海の大嵐か、いや何れの災厄よりもこの衝撃は上回るだろう。そして [続きを読む]
  • 87 北辺にて、決断の記憶
  •  昼の陽光で溶けた雪が、夜の冷え込みで氷結している。(さすが「氷尖眼(ひょうせんがん)」。巨大な邸だ。) 巴雷醒袖屯(ハライ‐セイシュートン)は、呪軍占辮(ジュグン‐センベン)邸の庭園を騎馬で進む。裏門から邸の搦手口までゆうに100mある。 渤方(ぼっぽう)特有の針葉樹が夜空を突き、その梢が3月の三日月に照らされて、まさに剣山の如し、鋭く連続していた。幾何学的に剪定された樹々の間に、奇岩が屹立し、変化 [続きを読む]