感想ライブラリー さん プロフィール

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感想ライブラリーさん: 感想ライブラリー
ハンドル名感想ライブラリー さん
ブログタイトル感想ライブラリー
ブログURLhttp://www.kanso-library.com/
サイト紹介文「感想ライブラリー」は読書感想文の検索/投稿サイトです。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供329回 / 365日(平均6.3回/週) - 参加 2015/05/16 21:34

感想ライブラリー さんのブログ記事

  • 読書感想文「蝉しぐれ(藤沢周平)」
  • 幼馴染だった男女の切ない別れと再会を中心に、必殺剣を繰り出す主人公の生き方がぐっと来ました。一番心に残ったのは、父が責任を取って、切腹をしたときの父へかける言葉で「自分を生んで育ててくれてありがとうございました」と言えなかったことを悔いる場面です。 自分も、主人公と同じように二十歳前に父を病気で亡くしたので、主人公に同調してしまいました。海坂藩(作者創造による架空の藩。庄内藩がモデルとされる) [続きを読む]
  • 読書感想文「いぬの日(倉狩聡)」
  • “泣けるホラー”を得意とする作者の二冊目の本である。ホラーと云えど怪奇性や恐怖性はかなり薄く、怖い話が好きな私はいささか物足りなさを感じるが難と云えるものはそれくらいで、ストーリーや登場人物(動物)の心理描写などキメ細かく描かれている良作なので、“ホラー”に拘る必要は全く無いのかもしれない。 物語は、ある日人間の言葉を話せるようになった日本スピッツ犬“ヒメ”の飼い主への不満といったささやかなも [続きを読む]
  • 読書感想文「真贋(吉本隆明)」
  • 読んでいる間じゅう、そして読み終わってからも、有難い説教だったという印象は変わらない。それどころか、期待していた以上に学ぶことの多い一冊だったと思っている。 では具体的に、僕はこの本を読んで何を感じて何を学んだのかということだが、まず全体を通して一貫して語られている「ものの見方」ということについて感想を述べたいと思う。 僕は、将来的に何かものを書いて生活をしていきたいという淡くて漠然とした夢を [続きを読む]
  • 読書感想文「けむたい後輩(柚木麻子)」
  • 「後輩」の真実子は女子大の1回生。偶然、ひとつ上に少女の頃に愛読した詩集の著者である「先輩」に出会い、憧れ、一途に想っている。この真実子ちゃんは可愛いん。天真爛漫だけれど、真面目、集中力がいいので、なにをやっても上達が早く、かわりにどじっ娘なところがあり、病弱であるため守ってあげたくなる。 可憐な美少女は偉ぶるところがまったくなく、なりふりかまわず先輩を追いかける。対する先輩は小悪魔というか、 [続きを読む]
  • 読書感想文「営繕かるかや怪異譚(小野不由美)」
  • 私は、怖い話が大好きで、そして大嫌いである。矛盾していると思われる方は、遊園地の絶叫マシンを想像してみてほしい。乗りたくて長い行列に並んだのに、いざ乗り物が動きだすと、「嫌だ、もう降りたいよー」と思ったりしないだろうか? 怖い話を読むということは、その気分にとても似ていると思う。だからこそ、思ったより怖くないとホッとする反面、すごく損をしたような気分になるのだが…。小野不由美さんの書くホラーで [続きを読む]
  • 読書感想文「虐殺器官(伊藤計劃)」
  • 自分の中の良心について、こんなにも考えさせられる本は、今までなかった気がする。何かをしてはいけない、と思う気持ち。誰かと言い争って、その相手を傷つけてしまった後、「もう少し言い方を考えれば良かったな」「さすがにきつく当たり過ぎたな」と後悔し胸の中に鉛のようなものが沈んでいくあの独特の感覚。 良心は、私たちにとっていわばストッパーのような役割をしている。何かをやりすぎてしまわないよう、心にブレー [続きを読む]
  • 読書感想文「ワンダー Wonder(R・J・パラシオ)」
  • ワンダーを読んだ。小学5年生の息子のために図書の推薦本ということで申し込みをしたら当選したため手元に来た、というのがはじまりだった。推薦本ということだったけれど、フィクションなのかノンフィクションなのか、何がテーマなのか、一切の事前情報無しの状態だった。 明るい水色の表紙には男の子の顔が描かれていて、その顔はなんだかこう意味ありげな感じだ。目が1つ、鼻と口は無い。この子が主役?そして後で意見交 [続きを読む]
  • 読書感想文「笑うハーレキン(道尾秀介)」
  • 人間の弱み、そして目標、はたまた夢を持ち続けられる人間の強さを再確認した一冊となった。 ハーレキンとは道化師のことだ。この作品を読んだとき、人は誰しも仮面を被って生きているのだな。と改めて確認した。被ってない人のほうが目立っている。日本人は特に「本音と建て前」の国で育ってきた。それは、場所に問わず職場での仮面、家庭での仮面である。 例えば、職場だと上司にへこへこと頭を下げてはいるが、家庭だ [続きを読む]
  • 読書感想文「蜜蜂と遠雷(恩田陸)」
  • タイトルからは想像できなかった物語は、初めの数ページで幕を開ける。目次には曲目の題名ばかり。そしてピアノコンクールのプレイリストの羅列。正直クラシックには精通していないのでこの物語を楽しめるのかいささか不安になった。 物語は、近年新たな才能者を見出している芳ヶ江国際ピアノコンクールのオーディションから本選大会までのお話。主力の登場人物は3人。風間塵。16歳の養蜂家の息子でピアノを持たず幼いころ [続きを読む]
  • 読書感想文「セックスボランティア(河合香織)」
  • タイトルだけを見ると勘違いしてしまうかもしれないが、本書は、体験談ではなく、社会制度の不備を嘆く啓蒙書ではない。障害者とセックスとの関わりを描いたノンフィクションだ。 はじまりはうぶな方にはショッキングだと思う。69歳の身体障害程度1級で24時間酸素ボンベを手放せない男性が、ソープランドで行為をする2時間の間だけ、命がけでボンベを外す挿話が語られる。彼は言う。 「僕らにはタブーが多すぎた。そのタ [続きを読む]
  • 読書感想文「棘まで美し(武者小路実篤)」
  • 不器用な画家青年、竹谷に共感。本書には主な登場人物が3人いる。「気むずかしく孤独で貧しいが、天賦の才能溢れる竹谷」という青年、「紳士で金持ちであり、画家として腕のすぐれた山根」、そんなふたりの芸術家青年が心を寄せる美少女の吉村貞子。 本書の魅力として挙げられるのは若者特有の高い理想と激しい欲望。そして文章から滲み出る作者実篤の誠実さである。私は竹谷の激しい性格に共感し、作者実篤の文章を通した人 [続きを読む]
  • 読書感想文「無冠の男 松方弘樹伝(松方弘樹、伊藤彰彦)」
  • 私が「無冠の男」を読んでみての感想は、昭和を彩り、美空ひばりなどと幾多のスターと共演し、一般的には名前が通っているが、「賞」というものに無縁で、結婚・離婚、暴力団との関係、映画の失敗の借金などで波乱の生涯を送った松方弘樹の生涯を本人のロングランインタビューを交えながら、幼少期時代から丁寧に描いた作品が本作品だ。 幼少期、映画スターだった近衛十四郎の長男として生まれ、戦時下の映画統制のおかげで、 [続きを読む]
  • 読書感想文「聖の青春(大崎善生)」
  • 主人公は村山聖(さとし)という棋士である。羽生善治と同世代らしいが将棋には疎い私にはまったく知らない名前だった。昨年、松山ケンイチ主演で映画化されて興味を持った母が買ってきた。私はそれを拝借して読んだのである。 一言で言うと真っ直ぐに何かを追い求める姿はこんなにも人の心を打つのか、という事であった。村山は幼い頃に腎ネフローゼという病に冒され、運動を制限されて病院のベッドで将棋の勉強を始めるのだ [続きを読む]
  • 読書感想文「カラフル(森絵都)」
  • 人は死ぬまで生きているものである。至極当たり前のことではあるのだが、この物語はその当たり前がいかに尊いものであるかを教えてくれた。 主人公は、一度死んだ人間であり、生前の自分のことを全く覚えていない。天使のプラプラによって期限付き、しかも他人の身体を借りて生き返りのチャンスを与えられるが、それを喜ぶどころかせっかくただの魂としてぷらぷらとしていたのに、わざわざ生き返るなんて、と、かなり無気力、 [続きを読む]
  • 読書感想文「静子の日常(井上荒野)」
  • この本の主役は75歳の静子おばあちゃんである。息子夫婦と孫娘と同居している日常生活を描いてあるが、穏やかな中にいろんな小さな事件があり、読んでいてとても楽しいし、共感できる部分がたくさんある。 静子さんは、70代の老人に対して自分が持っていた固定概念を、良い意味で覆してくれた。今までの彼女の苦労を考えると、もっと暗く、頑張って乗り越えて生きている!というふうになってもおかしくない。 なのに [続きを読む]
  • 読書感想文「忙しい日でも、おなかは空く。(平松洋子)」
  • とにかく自炊をしてご飯が食べたくなる本。もともと料理や美味しそうな食べ物の描写がある本が好きである。それが物語でもエッセイでもかまわない。そんな本のタイトルを探して出会ったのがこの本だった。出会いは図書館だったが、読み終わった後即買いに走るくらい気に入った本である。 まずタイトルのインパクトがすごい。『忙しい日でも、おなかは空く』である。当たり前のことのようだが、意識して言葉にしたことがあった [続きを読む]
  • 読書感想文「砂漠の女ディリー(ワリス・ディリー)」
  • 人は自分の思い通りに生きていたいと思う。でも、なかなかそうはいかない。諦めや妥協をしながら生きていく。決められた道を生きるのではなく、自分自身の人生を生きるために進む女性の話である。 主人公のワリスはアフリカの遊牧民に生まれ、決して恵まれた環境ではない。生きていくために必死で働くそんな生活だ。私は嫌な事があるとなぜそうなったか原因を考える。自分の何がいけなかったかどうすれば良かったのか。 [続きを読む]
  • 読書感想文「プライドが高くて迷惑な人(片田珠美)」
  • 本書は、「プライドが高くて迷惑な人」をテーマに、そうした人への心構えや対策法を講じている。私自身も職場の人間関係に悩んでいた時にこの本を手に取った。自分が悩まされていた人物も、この本に主として取り上げられている、「プライドが高くて迷惑な人」そのものだったからだ。 私はこの本を読むまで、そもそも「この人の何にそんなに嫌悪感に感じるのか」を言語化することができなかった。嫌悪には感じるが、その人の発 [続きを読む]