wabi さん プロフィール

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wabiさん: 〜しっぽを持った天使〜
ハンドル名wabi さん
ブログタイトル〜しっぽを持った天使〜
ブログURLhttp://straycatstory.blog.fc2.com/
サイト紹介文明日をも知れぬ身の野良猫たちの実態を活写
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供31回 / 365日(平均0.6回/週) - 参加 2015/05/19 22:58

wabi さんのブログ記事

  • シシマルエリアの変事 (後編)
  • Ranking site  ☆シンゲンは駐車場を出ると、道路をゆっくりと横切っていく。向かっている先にはこのエリアのエサ場がある。おそらくシンゲンはそこへ行くつもりなのだろう。このエリアの給餌は週末には朝夕の2回だが、平日は朝だけだと聞いている。だから猫たちが空腹をうったえないために、エサ場には常にキャットフードを置いてある。私が予測したとおり、シンゲンは真っすぐにエサ場へ行くと、餌の入った食器に鼻先を突っこ [続きを読む]
  • シシマルエリアの変事 (中編)
  • Ranking site  ☆猫は単独で行動し、たとえ同じエサ場で暮らす仲間とも基本的に群れることはなく、言うところのヒエラルキーは存在しない。だから猿山のボスのような、集団を支配する絶対的な個体もまた存在しない。ただ猫は習性として強い縄張り意識を持ち、その領域にほかの猫が侵入してくると排除しようとする。一般的にオス猫は縄張り意識が強く、その範囲はメス猫の3〜5倍にもおよぶといわれている。また去勢されていない [続きを読む]
  • シシマルエリアの変事 (前編)
  • Ranking site  ☆何人かの関係者に訊いたところ、前回紹介したテルは2015年11月に生後2〜3ヵ月の状態で、ある日いきなり海岸にあらわれたという。ということはつまり、その年の初秋に生まれたのだ。そして、ここにも2015年初秋生まれの幼い猫がいる。いや、室外機の下に置かれたエサを一心不乱に食べている黒猫のことではない。この黒猫も2016年の夏にとつぜん海岸に姿を見せたが、そのときにはすでに成猫だった [続きを読む]
  • パフォーマンス (後編 2)
  • Ranking site  ☆リンとしては、そもそもテルを追走するつもりなどなかったのだろう。たぶん自身の体内にある野生の本能から「動くものを捕まえろ」と司令されたリンは、DNAにプログラミングされた行動にしたがっただけだと思われる。なんとなれば、獲物を捕獲するという “狩猟本能” に猫はあらがうことができないからだ。たとえそれが同じエリアで暮らす海岸猫だとしても‥‥。やがてリンとテルは、防砂ネットと防砂柵には [続きを読む]
  • パフォーマンス (後編 1)
  • Ranking site  ☆以前、高所作業に従事している人と話す機会があり、とても興味深いことをおしえられた。そのときその人は、とあるコーヒーメーカーの倉庫を建設している現場で、屋上からつり下げられたゴンドラにのって外壁に金属パネルを貼る仕事をうけおっていた。建設中のその倉庫は高さが60メートルもあり、さらに山の中腹に建っているので風が吹いてゴンドラがよくゆれると、その人は言う。そこで私は素朴な質問をしてみ [続きを読む]
  • パフォーマンス (中編)
  • ☆昼間に気温の低い海面から気温の高い陸地にむかって吹きつける風を『海風』という。遮るもののない海面を渡ってくる海風は、その威力を減ずることなく海岸に到達する。それゆえ海風の風力は想像以上に強く、ときとして風上にむかって歩けないほどの風速になる。さらに海風は砂浜の砂を舞いあげては、『飛砂(ひさ)』として内陸へ飛散させてしまう。その飛砂によって農地や家屋が埋没する被害をふせぐために、『防砂林』や『防砂 [続きを読む]
  • パフォーマンス (前編)
  • ☆しきりとグルーミングする、適当な部材があれば取りあえず爪を研ぐ、狹いところがあるともぐり込む、高い場所に好んで登るなど、猫には様々な習い性がある。それらの習性は数万年をかけて彼らの遺伝子に書き込まれたもので、猫と接するうちにその行動原理が徐々に理解できるようになる。しかし、猫は我々の想像を超えた不可解な行動をとることがある。今回はそんな猫の不思議な行動のいくつかを紹介しよう。薄雲が広がる夕刻の海 [続きを読む]
  • 思慕 (後編 2)
  • ☆強固なカラス対策をしないと、防砂林の中にあるエサ場に置き餌はできない。そして防砂林という場所においては、奸智に長けたカラスを完全に排除することは不可能にちかい。カラスは霊長類に匹敵するほど知能の高い動物として知られているが、家族間や仲間間での情報伝達能力にも長けていることが分かっている。(私も薄々気づいていた)つまり彼らは我々ニンゲンと同じように情報の共有と拡散を行っている数少ない生き物なのだ。 [続きを読む]
  • 思慕 (後編 1)
  • ☆捨て猫の灰シロ猫はリンを執拗につけまわし、挙げ句のはてには逃げるリンを猛追する始末だ。ただ、もしかしたら灰シロ猫はリンの姿に生き別れた母の面影を重ねているのかもしれない、と私には感じられた。そしてその追走劇が収まったのを機に、私は海岸猫たちに食事を与えることにしたのだが‥‥。*食べ盛りのサキと灰シロ猫はやはり食欲旺盛で、脇目もふらず一心不乱に猫缶をほお張っている。とくに灰シロ猫の食べっぷりは凄ま [続きを読む]
  • 思慕 (中編)
  • ☆飼い主の手により防砂林に遺棄された灰シロ猫は寂しさのためか、エリア最年長のリンにまとわりつく。しかしそんな灰シロ猫にリンはまったく取りあわず、一貫してつれない態度で接している。リンの態度が我慢できなくなったのか、灰シロ猫はいきなり飛びかかるという少々荒っぽい手段に出た。そして私の目の前でふたりの身体がもつれあう。*急いで防砂ネットの反対側へまわりこんでみたら、憮然とした顔で防砂林から出てくるリン [続きを読む]
  • 思慕 (前編)
  • ☆前回の話で紹介したシャムMixや黒猫、茶トラがどういった経緯で海岸へやってきたのか、実際のところは私にも分からない。ただ幼いアメショー柄のキジ白の子の場合は、自らの足で海岸へ来ることなどありえないので、飼い主の手によって遺棄されたと断言できる。動物愛護法の罰則が強化されても、この手の “犯罪” はいっこうになくならない。悲しくてやりきれないことだけれど‥‥。そしてここにも、ニンゲンの手によりゴミの [続きを読む]
  • 往く者・来る者 (後編 2)
  • ☆5日後、私はまたシシマルエリアに足を運んだ。前回訪れたのはその前に初めて見かけたシャムMixが気にかかったためだが、今回はエリアに突然あらわれた黒猫がその後どうなったかどうしても知りたかった。以前にも述べたように、ここ数年のあいだに海岸猫の数は激減している。5、6年前から比べると、個々の経緯は様々だが7割ほどの猫が海岸から去っていった。だが最近になって前述のシャムMixや黒猫のように、ぎゃくに海 [続きを読む]
  • 往く者・来る者 (後編 1)
  • ☆エリアにおける序列をシロベエが少々露骨な方法でシンゲンに因果を含ませてから3日後、私はまたシシマルエリアを訪れた。こんな短いスパンでこのエリアを再訪するのは実に久しぶりのことだ。とはいっても、シロベエとシンゲンの諍いに心を砕いたわけではない。だいたいにおいてシロベエとシンゲンが起こすあの手の小競り合いは常態化していると思われ、いまさら一時しのぎの仲裁などしてもなんの意味もないことは明らかだ。それ [続きを読む]
  • 往く者・来る者 (中編)
  • ☆どのような事情があってシンゲンが海岸へやって来たのかは不明だが、去勢手術を施されていることから(耳カットもされている)、以前暮らしていたところではそれなりの処遇を受けていたと推察される。またそういう境遇に置かれていたことから、おそらくはシロベエのようにニンゲンの手により遺棄されたのではなく、自らの足で海岸へ移ってきたと思われた。そうしてこのエリアへやって来た当初のシンゲンは、なんの理由もなくほか [続きを読む]
  • 往く者・来る者 (前編)
  • ☆ここ数年のあいだに海岸猫の数は激減している。チビ太郎やビクのように死亡が確認できる猫は少数であり、大半はある日突然ゆくえ知れずになる。その中にはあとから考えれば、というていどの体調の不良が認められる場合もあるが、多くの海岸猫はなんの前ぶれもなく忽然と姿を消してしまう。仲間と暮らしている猫は体力の衰えを自覚すると、ほかの猫にいじめられるのを避けるために集団から離れていくという。ビクの場合もHさんに [続きを読む]
  • 約束 (後編 2)
  • ☆ビクが何におびえているのか、私にもすぐ分かった。なんとなれば、カメラをかまえている私の視界が影をとらえたからだ。影は私の背後を右から左へと通りすぎた。見ると、それは自転車に乗るひとりの男性だった。このように、たとえ私という顔見知りのニンゲンがすぐ側にいたとしても、それによってビクの警戒心が軽減されることはまったくない。ビクの頭には私が外敵から護ってくれるという期待は毫もないようだ。これがほかの海 [続きを読む]
  • 約束 (後編 1)
  • ☆一般的に野良猫の平均寿命は4〜6歳といわれている。※〔1〕また野良猫として生まれた仔猫のうち、成猫になれるのは1名ないし2名だともいわれている。ただこれらの数字にどれほどの信憑性があるのか、寡聞にして私には判断がつきかねる。そんな私に言えるのは、今年12歳を迎えるビクが野良猫してはまれに見る長命である事実、そして12歳というのは私が実際に知っている海岸猫の中で最高齢だということだ。※〔2〕ビクが [続きを読む]
  • 約束 (中編)
  • ☆考えてみれば、突然訪問しておいて、以前がそうだからといっていつも歓待してくれると思うこと自体が間違っているのだ。猫にだって感情の起伏や振幅はあるのだから。そんな当たり前のことにあらためて思い至るというのは、私の心の何処かにビクの心情を軽視する思い上がった気持ちがあるのかもしれない。私はビクの機嫌が直るのを待つためと、そんな自分の心根を省みるために防砂林を離れて砂浜へ降りていった。*しばらくして元 [続きを読む]
  • 約束 (前編)
  • ☆昨年来つづいていた体調不良が、少しずつではあるが軽快してきた。そんなある日、私は自宅から遠くて頻繁に行けないエリアを訪れることにした。私がエリアをゆっくり歩きながら名を呼んでいると、ビクが何処からともなく姿を現した。だが当然私に気づいているはずなのに、ビクは私を一顧だにすることなく悠然と歩いてくる。今日の海岸には強い『 海風 』が吹きつけている。でもそんな強風を物ともしないほど、ビクの足取りはしっ [続きを読む]
  • ニューカマー (後編)
  • ☆いったい誰が灌木の中にいるのか私もその正体を知りたいのだが、こういうとき私は大抵距離を置いて静観することにしている。実質的には限定された領域で完結している野良猫の社会に、部外者であるニンゲンがむやみに首を突っ込むのは良策でないと思っているからだ。たとえ喧嘩になったとしても弥縫策的な仲裁など何の役にも立たないし、また決着がつかないことでかえって遺恨を残すことも考えられる。家猫同士の場合も基本的には [続きを読む]
  • ニューカマー (中編)
  • ☆「お前は誰だ?」とか「何処から来たんだ?」などと猫に尋ねても、答が返ってくるはずのないことはもちろん私も承知している。だがこういう場面に逢着した場合、ほかの言葉が浮かんでこないのだから仕方がない。そこで私は馬鹿のひとつ覚えのように、ふたたび幼い海岸猫に訊いてみた。「お前は誰だ?、何処から来たんだ?」と。しかし灰シロ猫は今回も私の問いかけを完全に無視し、あくびしながら背骨を大きく湾曲させて伸びをし [続きを読む]
  • ニューカマー (前編)
  • ☆初春‥‥。だが今年は春の到来が遅れていて、海岸に吹く風はまだ冷たい。頭上を見あげると、上昇気流をとらえたトンビがいかにも気持ちよさそうに、弧を描きながらゆったりと滑空している。*私は久しぶりにリンの住むエリアを訪れた。エリアの中をゆっくり歩きながら名を呼ぶと、リンはすぐに姿を現した。そしてリンは側に寄ってきては、親愛の情をこめて私の脚に身体を擦りつけてくる。以前会ったときよりリンは少し太っていた [続きを読む]
  • 臆病な猫 (後編 )
  • ☆「このエサ場はいつの頃から、此処にあるのだろう?」ビクが『 東のエサ場 』から立ち去って久しいが、私はてっきり先ほど猫缶を与えた、この区画のとなりの防砂林を生活の拠点にしていると思っていた。なんとなればその区画の防砂林からビクはよく姿を現していたし、ときおり海岸猫に食事を与えるときに使ったであろうトレイが残されていたからだ。ちなみにビクが以前暮らしていた『 東のエサ場 』は、10名以上の海岸猫を擁す [続きを読む]
  • 臆病な猫 (中編)
  • ☆ビクは野良猫の母親から生まれた、言うところの『 生粋の野良 』だ。以前暮らしていたエリア内にかつてあった、小さな掘っ立て小屋の中で生まれたと、当時世話をしていたKさんが教えてくれた。つまりビクはニンゲンと生活を共にした経験をまったく持っていない。私はだから、ビクに会うたびについ考えてしまう、彼女にとってニンゲンとはどんな存在なのだろうか、と。*海岸で生まれ育ったビクにとっては、防砂林と隣接する砂浜 [続きを読む]
  • 臆病な猫 (前編)
  • ☆その海岸猫と最初に出会ったのはいつだったのか、私はなかなか思い出せないでいた。そこで撮りためている写真から検索することにしたのだが‥‥。2012年以前の写真データはハードディスクからDVDへ移動してあるので、思いのほか時間を要する作業になった。検索する前は、その海岸猫との初見は旧ブログを開設してから2、3ヵ月経ってからだと思っていたのだが、あに図らんやわずか8日後の2009年11月初旬だったこと [続きを読む]