舞茸 さん プロフィール

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舞茸さん: 或る成人発達障害者の愛とかなしみ
ハンドル名舞茸 さん
ブログタイトル或る成人発達障害者の愛とかなしみ
ブログURLhttp://sanpowosiyou.blog.fc2.com/
サイト紹介文ただの日記です
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供75回 / 365日(平均1.4回/週) - 参加 2015/06/05 20:57

舞茸 さんのブログ記事

  • 或る成人発達障害者の愛とかなしみ(5)
  •  ひさしぶりに作業所に寄った。会社の帰りだった。この前寄ったのがいつだったか思い出せない。 作業所は障害者が就職して社会に出る準備をする場所だ。そういう場所に会社帰りのスーツ姿で寄るのは、「ようこそ先輩」みたいな感じだ。でも、作業所は十七時で閉まるので、ぼくが顔を出したときには明かりも消えて薄暗く、室長のMさんだけしかいなかった。 ぼくは、この室長のMさんの笑い声が「ホホホホホ」というので、以前は「 [続きを読む]
  • 走るぼく
  • 子どものぼくが走っているおっさんのぼくの胸のおくでいまも叫びながら子どもの頃のぼくは多動の傾向があったのでどこでも走った家でも走ったし外でも走った美術館でも走った転んでまぶたを切ったこともあるぼくの叫び声は大人の耳をつんざくような響きで父の機嫌を悪くさせ母をおろおろさせた道行く人は振り返ってぼくを見たいまはぼくも 子どもではなくなりすっかり大人になった子どもの頃の面影はどこにもない誰もぼくを振り返 [続きを読む]
  • みどりのめつぼう
  • みどりはいまみかづきのようなかたちをしていてさんちょうめのこばやしさんのいえのにわからとしょかんのうえこみまでみどりはいまおうぎのようなかたちをしていてこうえんのぶらんこのうしろのくさむらからおてらのたけばやしまでみどりはいまいちばんうつくしいみどりはいまいちばんしんじつだでもきのうあんなにすばらしかったみどりがきょうはべつのばしょへとうつっているきのういちばんあざやかにみるくいろのそらをそめあげ [続きを読む]
  • 或る成人発達障害者の愛とかなしみ(4)
  •  座って落ち着いて電話のできる場所を探すためにいつもは来ない駅の反対側に来た。駅の反対側に来るのは初めてなんだけど、なんだかなにもなさそうだった。曇り空のしたを歩き回った。二階のベランダに犬がいて、その犬が僕に向かって吠え続けていた。僕は変に見えるのだろうか?犬には野生の勘でそういうのがわかるのかもしれない。 僕は会社を早退してきたのだけれど、会社のロッカールームから支援者のT沢さんと病院の先生に [続きを読む]
  • 或る成人発達障害者の愛とかなしみ(3)
  •  夕暮れ時の町を見ながら考えた。パン屋の前で、信号待ちをしていた。スーパーの袋には、いなばのタイカレーの缶が入っている。赤、橙、黄、緑。四色のいなばのタイカレー。 「以前、僕には、雑炊ばかり食べていた時期があった。時期と言っても一ヶ月にも満たない。 それから、風邪を引いた。風邪を引いたら食欲がなくなってしまってそのあいだはずっとうどんを食べていた。雑炊を食べていた時期と同じように、食べ始めた頃には [続きを読む]
  • 或る成人発達障害者の愛とかなしみ(2)
  •  缶コーヒーを昼食にしている。 「お昼ごはんに行ってきます」と言って、自動販売機で缶コーヒーを買う。微糖の缶コーヒーを買う場合が多い。普段はブラックなんだけど、少し糖分を摂ったほうが、エネルギーが出る気がしている。 なぜ、缶コーヒーが昼食なのかと言うと、会社の注文してくれるお弁当に、心の底から飽きてしまったからだ。一年間、食べ続けて、ぜんぶのメニューを食べ尽くして、そして、飽きた。 他にも、風邪を [続きを読む]
  • 或る成人発達障害者の愛とかなしみ(1)
  •  仕事に疲れたので自分の部署のある階を離れて、八階の食堂に行った。そこから、窓の外の風景を眺めた。ここら辺は田舎なので、いま、僕のいる会社の建物がいちばん高くて、遠くまで見ることができる。四月で、まだ春のはずだったけれど、この日は夏のように暑く、よく晴れていた。 最近、僕は眼鏡を新しくした。眼鏡のレンズも前のより度の強いものに替えたので、こうやって風景を見ていても、以前は見えなかった細かい部分まで [続きを読む]
  • 最近考えていること
  •  自分のことがなんだか以前よりよくわかる感じがする。よくわかる感じ、というよりは、わかりそうな感じがする。もう少しでなにかひらめきそうだ。 でも、わかってもここには書かないし、人には言わないことにしようかと思っている。 自分がいかにつまらない人間なのか、なんてことは黙っているに限る。 昨日は、発達障害の当事者会に行ってきた。 当事者会なんてものをやる人間は、みんなまじめだ。まじめなのはいいのだけれ [続きを読む]
  • 舞茸の鞄
  •  お昼ご飯を食べに食堂に行こうとエレベーターに乗ったら、最近、他の部署に入ってきた男の子と一緒になった。 こういうときには「仕事は慣れましたか?」と、ちょっと先輩ヅラして訊いてやるのが礼儀なのかとも思ったけれど、なんだかそういうのはやりたくないし、面倒くさいという気持ちだったので、何も言わずに黙っていることにした。 しばらく黙っていると、向こうから声をかけてきた。 「心配性なんですか?」とそいつは [続きを読む]
  • ビートルズ・新玉ねぎ・小学生新聞
  •  ビートルズにハマっている。いまさら、ビートルズかよって感じもするけど、やはり、いいな。 いまは、「ホワイトアルバム」を聴きながら、この文章を書いている。ビートルズの良さは、一曲、一曲が短いことだと思う。ボブ・ディランのように、同じメロディを延々と繰り返し歌い続けたりしないし、歌詞も素直だ。 この軽さが音楽の本来の魅力なのではないかという気がしてきた。 最近の、僕は、重いものを受け付けなくなってい [続きを読む]
  • 新しい眼鏡を買いに
  •  眼鏡を新しくしようと思ったのは、たとえば、僕が、街コンに参加するとして、相手の女の子に、「なんだ、この男は、眼鏡のレンズが傷だらけではないか」と思われるのが嫌だったからだ。そういう、見栄と下心から、長いあいだ使ってきた眼鏡を新しいものに変えようと思ったのだ。これは、つまり、俗に言う「エロメガネ」というやつなのかもしれない、なんてことを思ったけど、考えてみれば、傷だらけになった眼鏡を買い換えようと [続きを読む]
  • 食生活の乱れ
  •  定期的に自炊することに飽きてしまう。僕が自分で料理するのは、夜ご飯だけで、いつも、丼ものか、パスタ、それか、焼きそばを作る。基準は、量があって、作るのが簡単で、一品でお腹がいっぱいになる、ということだ。メニューによっては、インスタントのわかめスープをつける。最近は、雑炊もレパートリーに加わった。 無理して、凝ったものを作らないようになってから、わりと、長く自炊が続いていたんだけれど、今週は、食生 [続きを読む]
  • 考え事の続き
  •  僕は、だいたい、一週間前までのできごと、考えたことをテーマに文章を書いている。すると、書いたことが、意外に早く古くなってしまう、ということに気がついた。なんというか、自分にあったできごとは、遠くなるほど、確実になって、古くなりにくくなるのではないかと思う。遠くなるというのは、つまり、昔になる、という意味だけれど、何が言いたいのかと言うと、子どもの頃の思い出、のようなものは、それが遠くにあるので、 [続きを読む]
  • 三月
  •  春っぽくなってきた。そのせいか、最近、妙に体が軽い。でも、なんとなく忘れものをしてきたような、不思議な気持ちもする。たとえば、傘のようなものをどこかに忘れてきて、いままで持っていたものを持っていないような感じだ。 以前、新聞で、好きな季節はいつですか?という読者アンケートのような企画があって、その記事で印象に残っている部分がある。それは、人は若い頃は秋を好む傾向にあるが、年を取るにつれて、春を好 [続きを読む]
  • ロボット・イルカショー・弟
  •  毎日、ロボットになったつもりで働いている。今日は、おもしろい話をしたい、と思っています。仕事中は、仕事のことは、考えない。何故、詩人である自分が、こんな無味乾燥な事務仕事をしているのか、などということは、考えない。 頭のなかでは、他のことを考えるようにしています。頭のなかだけでも、自由にしておきたい。谷川俊太郎の詩で、自分が好きな詩を十、選ぶとしたら、とか、ボブ・ディランで五曲選ぶとしたら、とか [続きを読む]
  • 無気力な貴族
  • しんじつの姿ほとんどはだかにちかい格好でカーテンを開けるのも億劫なのでほとんどはだかにちかい格好で 萩原朔太郎の詩を読む無気力なおれは 日頃はサラリーマンのようなふりをして通勤電車のなかで 英単語を暗記しているのだけどけれどもそれも 敵の目をあざむくためでしんじつの姿無気力なおれは カーテンの隙間から見えるあかるい外の世界を 憎みながら詩を読む憎んで 憎んで憎みながら詩を読むしんじつの姿一匹の こ [続きを読む]
  • ミスター・犬死に
  • ミスター・犬死には 高層ビルの影にいるミスター・犬死には 監視カメラにピースするミスター・犬死には白いバラミスター・犬死には 母犬のあたたかな腹のなかで死んだミスター・犬死には よく磨かれた白いタイルの床のうえで死んだミスター・犬死には 映画女優の瞳のように青い空のしたで死んだ死因は退屈ミスター・犬死にの 恋人の映画女優はミスター・犬死にはいままで付き合った男のなかではいちばんつめたかったと言った [続きを読む]
  • 偽善者
  • これはニセモノの先端で青ざめているものつめたい命の持ち主で愛を知っているようなふりをしているもの安酒と珈琲を交互に飲み飲食のための金銭を惜しまぬものふるえる首の持ち主ああ 偽善者よおまえはおまえの父親から教わった人間には魂がないことを世界には神がないことを引き裂かれた唇を持った女を憐れむことを占い師がおまえの干からびた心を千の舌で愛撫する時メリーゴーランドが停止して一週間後にほのかにあたたかいもの [続きを読む]
  • 三十路
  •  この前、三十歳になった。三十歳になる、という予感は前からあった。二十九歳の時も、もう、すでに自分は三十歳のようなものだ、と思っていた。でも、実際に三十歳になってみて思うのは、まだ、気分は二十代だということだ。三十歳になって一週間ちょっと、気分はまだ二十代。 三十になるのだから、いままでの人生を振り返り、これからの人生を考えたい、と思っていた。それなのに、何も考えなかった。考えようにも、考えようが [続きを読む]
  • 休憩スペース・リフレッシュルーム・六階の踊り場
  •  薄暗いところに座っていると落ち着く。会社の休憩スペースは、つい立てで仕切られていて、大きな窓に面しているんだけれど、その窓はブラインドで覆われている。電気もあるけど、いつもはついていないので、外からのブラインド越しの弱い光だけで、休憩スペースは薄暗い。テーブルが二つと、椅子がそれぞれに四脚ずつあって、壁には自動販売機がついている。 僕は、ブラインドで外が隠された窓の方を向いて座るのが好きで、他の [続きを読む]
  • さようなら、野菜たっぷりタンメン(カロリーの話)
  •  2017年は勉強しようと思った。前日の夜、早く眠ることができて、朝の五時とかに起きられた日は会社に行く前に、勉強することに決めた。でも、なかなか思い通りに起きられない。それで、通勤電車のなかで勉強することにした。 勉強と言っても、その時、興味のある事柄について、スマホで検索してWikipediaを読んで、リンクをたどってそれに関連したことを調べたりするだけだ。 いまでは、自分は暇のある学生ではなく、嫌でも社 [続きを読む]
  • 昼夜逆転の世界
  • 昼夜逆転した心には月がやさしい太陽なのか黒くてなにもない空が輝くような青なのか昼夜逆転した心には親が子どもなのか母が男の子で父が女の子なのか昼夜逆転して夜行性の人間になった昼間生きている人とは分かり合えない昼夜逆転して死にたい正しい世界のリズムから外に出てしまった死にたい外に出た私は幽霊を見る幽霊は意外とたくさんいて宇宙の片隅に立っている宇宙の片隅に立つと地球の外から吹いてくる死後の世界の風が顔に [続きを読む]
  • 死にたい
  • 「死にたい」は空気のなかにある「死にたい」は空気と一緒に鼻から入ってきて肺に溜まり血に混じって体を巡る「死にたい」は時間のなかにある「死にたい」は時間の重み押しつぶされそうな一秒とそのまた次の一秒にある「死にたいなにもやる気がしない私の人生のいままでこれから先なんの意味もない」テレビに人間が映っている人間達の顔には「生きたい」と書いてあるその様子が私の憂鬱を深めていく「死にたい」ことは間違ったこと [続きを読む]
  • サティ・元恋人・バーの話
  •  エリック・サティ。僕は憂いのあるものが好きだ。モーツァルトとかは、あかるさとつめたさのせいで、あまり好きになれない。 その僕なりの分類法で行けば、宮沢賢治も僕のなかではあかるすぎるし、つめたすぎる。反対に憂いの感じられる詩人は中原中也ということになる。よくわからないけど、ともかくそういうふうに感じる。 最近は、夜、布団に入る前にYouTubeでエリック・サティを聴きながら安ウィスキーをストレートでちび [続きを読む]