narikawayuichi さん プロフィール

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narikawayuichiさん: 認知症と美しい老後
ハンドル名narikawayuichi さん
ブログタイトル認知症と美しい老後
ブログURLhttp://narikawayuichi.jp
サイト紹介文緑協和病院院長の成川有一です。ブログ内で認知症のご相談をお受けしています。お気軽にご相談ください。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供342回 / 365日(平均6.6回/週) - 参加 2015/06/06 10:42

narikawayuichi さんのブログ記事

  • 想い出は風の彼方に(57)
  • 「そうなの、私もあれから家で5時間以上は寝てしまったから浩司さんに文句は言えないわ」「仕方がないよ。僕らは一晩中ほとんど寝なかったのだから。昔、読んだシエイクスピアの作品にこんな事が書かれてあったんだ。『恋人たちは隠れて欠伸をする』ってね。どんなに愛しあったって、人間だから肉体的な疲労は出て来るものさ。でも不思議なもので元気になったら、また君に会いたくなってしまったよ。今日は夜も遅くなるから会えな [続きを読む]
  • 想い出は風の彼方に(56)
  • もう、二人にそれ以上の言葉は必要なかった。「じゃあ綾ちゃん、家まで送って行くよ」「あら、綾子って呼んでくれるんじゃあないの。それに昼前だから一人で帰れるわよ」「直ぐに、綾子って呼ぶのには時間がかかるよ。それに昨晩の事は篠木にもお母さんにも僕からお詫びしなければ…」「何を詫びるの?」「だって未成年の君と一晩も一緒に過ごしたんだぜ、やはり一言詫びる必要があるだろう」「浩ちゃんって、妙に型苦しいのね」「 [続きを読む]
  • 想い出は風の彼方に(55)
  • 浩司は自分の体液を思い切り綾子の体内に吐き出した。避妊用具は一切使用しなかった。純血と純血の身体を打(ぶ)つけ合うのに、そのような避妊用具はいらないと綾子が拒否した。18才と云う綾子の身体は健康と若々しさに輝いていた。風呂から出て一休みをした。濡れた髪をドライヤーで乾かす間も浩司は待てなかった。ともかく自分の体液を一滴残さず、綾子の身体に注ぎ込みたかった。風呂から出ても浩司はひたすら綾子の身体に挑みか [続きを読む]
  • 想い出は風の彼方に(54)
  • 浩司の家から綾子の家までは電車で、駅が3つぐらいの近さであった。徒歩を入れて30分もかからない。しかし、この日の二人は遠回りして上野まで行き不忍公園を散策した。春と言っも未だ3月初旬である。夜の風は冷たかった。それでも二人の心は幸福に満ちていた。その手はしっかりと握られ身体もピッタリと寄り添っていた。人目を気にしながら幾度か唇も重ねた。「今夜はご免ね、皆んな馬鹿みたいに燥(はしゃ)いで僕たちが今にも結婚 [続きを読む]
  • 想い出は風の彼方に(53)
  • 浩司の母親は急いで寿司屋に出前の注文を出す。特上の寿司が届くのと同時に浩司の父親も帰って来た。綾子の慶應大学合格の話を聞かされ満面の笑みを浮かべる。一斗樽を見て、さらに驚き喜ぶ。寿司を食べ、一斗樽から栓を抜いて日本酒を美味しそうに口にする。「いや、今日は最高の日ですな。うちの馬鹿息子がどれ程のお役に立てたかは疑問ですが、何にしても綾子さんの慶應大学合格は快挙だ。実にお目出度い、もし綾子さんが浩司の [続きを読む]
  • 想い出は風の彼方に(52)
  • クラスメートであった篠木と会うのは、1年ぶりぐらいであった。彼の母親と会うのも同様である。綾子も付いて来た。一遍に3人の客が来たので、浩司の母親は少し面食らった。先ず篠木の母親が挨拶をした。「いつも綾子が、こちら様に好き勝手に出入りさせて頂きお詫びの申し様もございません」「いいえ、こんな可愛いお嬢さまが遊びに来て下さるのは毎日でも大歓迎です。宅の主人までもが、『おや、今日は綾子ちゃん来ていないのか。 [続きを読む]
  • 介護初心者の方への回答(3)
  • 先ずは皮膚科で出されたミノマイシン(抗生剤 : 2週間ぐらいの長期服用が可能)、アレロック(第ニ世代のアレルギー薬)ともに認知症への影響は考えにくい薬剤です。さらに睡眠障害の治療薬としてのリボトリール0.5mgの1/2服用は全く問題がありません。1/2ではなく1〜2錠までは増量が可能です。何故なら(DLB)レビー小体型認知症の睡眠障害には、脳波異常が潜在している事が多いからです。この脳波異常にはリボトリールが最も有効です。 [続きを読む]
  • 介護初心者の方への回答(再)
  • 現在一般に使用されています花粉症、または抗アレルギー薬は第ニ世代の薬剤で神経作用や胎児の催奇形は極度に抑えられれいますので、認知症に及ぼす影響も著しく軽減されています。まれに高齢の医師が、第一世代の薬剤を使用して、強い眠気に襲われたりする例を見た事はありますが、この一二年の間では第一世代の薬剤を使用している皮膚科の医師は殆んど居なくなっています。その意味ではレビー小体型認知症でも、花粉症の薬剤使用 [続きを読む]
  • 想い出は風の彼方に(51)
  • 時代は昭和40年代である。戦後20数年しか経っていない。性道徳はまだ古風な一面が残されていた。処女性も重んじられ、婚前交渉が何とか認知されつつあった。私の同級生など、お見合いで数ヶ月の交際で婚約までしたが、相手が処女でないと知れた途端に婚約を即座に解除した。そう言う時代の話なので、現代の若い人の感覚では浩司と綾子の健全さは滑稽に映るかもしれない。さらに純愛と云う言葉が今や死語となりつつある時代では、若 [続きを読む]
  • 想い出は風の彼方に(50)
  • 2階に戻って、彼は今の母の言葉を全て綾子に話した。綾子は真っ赤な顔をして、「どうしょう私、もうこの家に来れないわ!」と言って、泣き出しそうになった。「大丈夫だよ、僕たちが真面目な交際をしていれば良いだけだ。今日は少しは羽目を外し過ぎたかもしれない。母が一階にいるにもかかわらず、それすら忘れ僕は自分の欲望に負けていた。母に気付かれたのも当然といえば言える」「でも最初に浩司さんを誘ったのは私の方だわ。 [続きを読む]
  • 介護初心者の方への回答
  • 先ずはアリセプトは至急に止めて下さい。アリセプト程の副作用ではないがレミニールも論外です。至急に止めて下さい。7〜10日程で薬理作用は切れますから、元の状態に戻れます。基本的にアルツハイマー型認知症ではないのです、お母様は…未だに日本中で大小の医療機関で、この様な誤診が多数認められます。とても悲しく思います。では、お母様の病気は何かと言うと恐らくレビー小体型認知症DLBかと思われます。このDLBの最大特徴 [続きを読む]
  • 想い出は風の彼方に(49)
  • 1階から母の声が聞こえて来た。「浩司、いるの?」「はい、何か用…」「誰かお友達が来ているの?」「うん、この間の綾子さんだよ」「まあ、あの可愛いお嬢さんがいらっしゃっているのかい。お茶かコーヒーと、どちらが良いのかね」「綾子ちゃん、どうする?」「私なら、どうぞお構いなく」「まあ、そう言うなよ。お袋は君に会いたがっているんだよ」「そう言う事でしたら、私はコーヒーを頂きます」「お母さん、それならコーヒー [続きを読む]
  • 想い出は風の彼方に(48)
  • 丁度一週間目に綾子は浩司の家に向かった。「英文法の参考書と小説を返しに参りました。小説は感動で涙を流してしまいました。篠木さんって、かなりの恋愛経験をお持ちなのですね。私は少なからず驚きました」「綾子ちゃん、それは大きな誤解だよ。三流の私立高から医大まで、ともかく勉強に明け暮れていたんだよ。何処に恋愛ごっこをしている暇があるって言うの?」「本当に一度も恋愛をした事はないのですか!…それであんな純愛 [続きを読む]
  • 想い出は風の彼方に(47)
  • 重く熱い刺激が、私の腹部に不意に加わった。血がポタポタと流れ落ちている。その強烈な力の圧力に負け、駅の階段を二転三転しながら私は転がり落ちて行った。その度に私の脇腹に突き刺さったジャックナイフは私の体内で踊り狂った。20〜30段の階段を転がり落ちた所で、私の意識は少しずつ遠のいて行った。男はとっくに逃げてしまったに違いない。私を取り巻く数名の人達が、「大変だ、人が殺されかかっている。誰か救急車を呼んで [続きを読む]
  • 一成さんへの回答
  • 77才のお母さまは78才になられたのでしょうか?一成さんの直向きな努力で、ともかく認知度は悪化せず、軽快しているとの報告を受け喜ばしく思っています。「ネットなどで調べていると急変する事が多いと知り毎日不安で不安で…」とありますが、何が根拠でその様な記載がネットに載っていたのかが分かりません。急変する状況には、必ず何か隠れた基礎疾患が潜在している事が多いのです。全身血管の動脈硬化度、現時点における心肺機 [続きを読む]
  • 想い出は風の彼方に(46)
  • 何時もより帰りの電車は寂しく感じた。彼女のいない一人だけの空間が、こんなに切ないものだとは思っても見なかった。特に彼女がAクラス入りしてからと云うものは教室の席も常に隣り合わせだったし、昼食も帰りの電車も途中までは手を握りっぱなしだった。風邪を引いて辛い思いをしている彼女より、自分一人の寂しさに浸っている情けない己に途中から気付いて、そんな自分を恥ずかしいものに感じた。場合によっては明日でも彼女の [続きを読む]
  • 想い出は風の彼方に(45)
  • 10月に入って、なおこもAクラス入りを果たした。それに伴って二人の志望校の目標もかなり上がって来た。私は東大理IIIか東京医科歯科大に、なおこは東京医科歯科大の歯学部にと最難関校の大学を目指し始めていた。二人は心ひそかに同じ医科歯科大に合格する事を夢見ていた。医学部と歯学部と学部は違っても同じ大学の下であれば会って、昼食を共にする機会も増えるだろうと淡い想いを抱いていた。11月の校内模試で私は12番に彼女 [続きを読む]
  • 想い出は風の彼方に(44)
  • 私と彼女はファミレスで夕食を済ませ新宿署に戻った。小山巡査部長が笑顔で出迎えてくれた。「今日は本当に大変でしたね。痴漢野郎は留置場に叩き込んでおきましたから安心ですよ」私は少し驚いて聞き返した。「あの程度の痴漢行為でも留置場に入れられるのですか?」「いえね、詳しい事は申し上げられませんが調べて行くと色々な余罪が出て来たんですよ」「そうなんですか、やはり過去にも悪い事をしているのですね」「まあ、そん [続きを読む]
  • 想い出は風の彼方に(43)
  • 巡査部長は苦笑いをしながら、「それじゃあ、お前の線からガサ入れ(家宅捜査)をしたんじゃあないと云う事にしてやっても良い。その代わり全てを自白するんだな!」「分かりました。私の事を隠して頂けるなら何でもお話をします」「よし、分かった。先ず一番目の質問はお前が所持していた覚醒剤は、何処から手に入れたんだ?」「ええ、知り合いの仲買人からです」「何処の仲買人だ?」「旦那、それを答えるのは許して下さいよ。そん [続きを読む]
  • 想い出は風の彼方に(42)
  • 駅前には、早々とパトカーが待機していた。彼女は助手席に座り、手錠をかけられたままの痴漢男と私服警官(小山巡査部長)に私が同乗して新宿署に連れて行かれた。パトカーが新宿署に横付けされると、小山巡査部長が私達に優しく声をかけた。「先ずは、この男の身辺調査から始めますのでお二人は食事でもなさって来て下さい」そう言われたので、私達は近くのファミリーレストランに向かった。二人で夕食を共にするのは初めてであった [続きを読む]
  • 想い出は風の彼方に(41)
  • 私は恥も外聞も忘れ「誰か、この痴漢野郎を何とかして下さい」と、周囲の乗客に助けを求めた。しかし、何処から見てもヤクザにしか見えない、このチンピラ男を恐れ誰も手助けをしてくれない。むしろ何も見えない振りをしている。そんな状況下で男は益々増長して、彼女の胸の中にまで手を入れる気配を示し始めた。男は多分にアルコールも入っている様だった。次の駅に着いて乗降ドアが開く直前になって、男はやっと彼女の身体から手 [続きを読む]
  • 金澤さんへの回答
  • ご返事が遅れて申し訳ありません。どの程度の事が出来るかは疑問ですが、人口呼吸器を含め嚥下のリハビリも当院では可能です。ただ実際の患者さんを診ておりませんので、回復能力の可能性は自信を持ってお答えしかねます。ただ、どの様な病状であっても当院では患者さんの受け入れを拒否しません。現代医学で出来る事は精一杯やります。「回復の見込みがない患者に医療行為を続けるのは薄利多売だから療養病棟に移ってほしい」と言 [続きを読む]
  • 想い出は風の彼方に(40)
  • こうして暑い夏期講習を私達は仲睦まじく、学習意欲を落とす事なく成績を向上させていた。9月の校内模試で私は12番に、彼女は41番まで上昇して来た。彼女のAクラス入りも射程内に見えて来た。10月の校内模試でも二人は十分な手応えを感じていた。校内模試の答え合わせにも共に熱が入った。予備校には5時までしかいられない。夕方からは現役の高3が授業に入って来る。日中の予備校生は、それまでには校内を出なければならない。何時 [続きを読む]
  • 想い出は風の彼方に(39)
  • それ以来、私たちは急速に親しくなり出した。昼食も一緒に食べる事が多くなっていた。志望大学の事、家庭の事情、将来の夢、若い二人には話すべき事が幾らでもあった。彼女の実家は歯医者で、歯学部に行くのが目的で予備校に通っているらしい。私は精神科医になりたいと云う自分の志望動機を偉そに言うには恥じらいを感じていた。ただ何となく医学部を目指していると、お茶を濁した。あどけない彼女の瞳の前で「フロイトの精神分析 [続きを読む]
  • 想い出は風の彼方に(38)
  • 4月下旬の時点では、まだ彼女と同じBクラスだった。しかし彼女が教室内に居る雰囲気はなかった。私の気持ちは落ち着かず、授業も分かりにくく勉強に身は入らなかった。仕方なく前回の校内模試の復習でも、一人ボソボソとやっていた。午後一時限の授業が終了して、トイレに立つ者もいたりして教室内は少しざわついて来た。私は急ぎ教室内を見回したが、やはり彼女の姿は何処にも探せなかった。私は少し気落ちしてその後の授業を聞く [続きを読む]