ちぇん さん プロフィール

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ちぇんさん: 書は言を尽くさず、
ハンドル名ちぇん さん
ブログタイトル書は言を尽くさず、
ブログURLhttp://chen.hatenablog.com/
サイト紹介文ミステリ、ホラー、その他小説の感想文・書評サイト。年間50冊読了を目標に、読んだ本は全て投稿!
自由文好きな作家は、島田荘司、大山尚利、吉田修一、森博嗣、森見登美彦、西尾維新、舞城王太郎、麻耶雄嵩、伊坂幸太郎、小林泰三、浦賀和宏、貴志祐介、佐藤友哉、北方謙三、法条遥、初野晴、白河三兎等。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供56回 / 365日(平均1.1回/週) - 参加 2015/06/14 10:09

ちぇん さんのブログ記事

  • 島田荘司 『御手洗潔の追憶』
  • ファンブック等での御手洗潔関連の短編を集めたもの。収録作のうち、「天使の名前」は御手洗潔の父親にかかる戦時中のエピソード。名文続きで、確かな筆力・文章の圧と熱量を感じさせる。本書のベスト。しかし。その後は犬坊里美文体に脱力、レオナの自己愛を押し付けられ、石岡先生の好きなコンビニ弁当を教えられたり、過去の著作の無粋なほじくり返しやネタバレを受けたり。余韻を挟む猶予なしというのは、如何なものか…。必要 [続きを読む]
  • 雀野日名子 『笑う赤おに』
  • WEB連載作品の単行本化。著者お得意の要素である、地方の過疎化・高齢化やムラ社会の閉塞感は健在。本作はそれに加えて、「2人殺してこの街にやってきた」とWEBで公開する殺人犯の謎を追う展開となる。謎の解明は「なるほど」であり、辿り着く各人物の結末は興味深いものではあるが、やや都合が良過ぎるのと、詰め込み過ぎの感あり。連載作品ゆえの「おさらい」、複数視点(主婦、フリーター、リーマン)の状況描写などでクドい仕 [続きを読む]
  • 山白朝子 『私のサイクロプス』
  • 和泉蝋庵シリーズ短編集。『エムブリヲ奇譚』続編。「旅本」作家の和泉蝋庵と荷物持ちの耳彦と出資者からの監視役の輪、3人の旅道中が描かれる。悲哀あり、人外あり、不可思議あり、グロテスクあり。方針は前作と変わらない。輪がレギュラー化し、耳彦との口喧嘩が一つのフォーマットになっている点が変わった所か。相も変わらず散々な目に遭い続ける耳彦。場面場面では繊細な心持ちを見せ、一生立ち直れないのではと思わせるよう [続きを読む]
  • 小杉英了 『赤い呪縛』
  • デビュー作ではファンタジー、第二作では近未来SF要素を取り入れたエンターテインメントホラーを描いてきた著者だが、本作は打って変わって現代が舞台。校正を生業とする女性を主人公とするモダンホラーというか、サスペンスというか。校正者という仕事について、まさに校正の対象となる小説という媒体で扱うことの勇気というかチャレンジ精神は素晴らしい。ただし主眼はそこにはないようで、様々な女という生き物と男を描いている [続きを読む]
  • 早坂吝 『アリス・ザ・ワンダーキラー』
  • ジャーロ連載作品の単行本化。『不思議の国のアリス』を見立てたバーチャルリアリティ推理ゲームに挑む、現実世界の少女アリスの物語。早坂吝と言えば下ネタと本格ミステリという印象だが、本書では前者の特徴はなりを潜める。『RPGスクール』で見せたようなゲーム要素を前面に出したもの。推理ゲームとしての面白みは宜しいが、ルイスキャロルへのリスペクトとしてはどうか。『不思議の国のアリス』をベースにブラックジョーク風 [続きを読む]
  • 白河三兎 『小人の巣』
  • 「小人の巣」なる、相談すれば楽に死ねる薬をくれるという自殺幇助サイト。そこへの相談者の物語を中心とした連作短編集。本書は様々な形での「自殺願望」が描かれる。鬱屈ばかりでもない。個々当人にしか計れない思いが描かれる。白河作品ならではの正鵠を射るような会話文は健在だが、泣かせにかかる様はストレートな作品かもしれない。もう一味、個人的には欲しかった。 [続きを読む]
  • 『四畳半神話大系』
  • アニメ版の特別放送(映画『夜は短し歩けよ乙女』公開記念)視聴後の再読。舞台は京都で、腐れ若者と如何わしい人物が頻出する点はいかにも森見登美彦。森見作品のルーツは本作と『太陽の塔』、そして『夜は短し歩けよ乙女』で大所は整っている。また、森見文体の持つ唯一無二の洒脱さは色褪せない。ところで、最近の作品よりも一文一文に籠められたパワーが強いように感じるのは自分だけだろうか。ここから本書(原作)とアニメ版 [続きを読む]
  • 古川日出男(訳) 『平家物語』
  • 源平合戦にかかる軍記物語を古川日出男が現代語訳。本書は平安時代末期を舞台として歴史をなぞる軍記物語という側面と、古川日出男の現代語訳にて特色を付与された激しいグルーヴ小説という二つの側面を持つ。前者の感想は、以下4つの要素が心に残る。1、悲哀。とにかくよく泣く。盛者必衰の理により落ちぶれる者とその縁者たちは、漏れなく袖を涙で濡らす。また、家族愛だけでなく男女愛の要素も強く、特に引き裂かれるものたち [続きを読む]
  • 森博嗣 『神様が殺してくれる』
  • 美し過ぎる青年と連続殺人事件。そして、かつてパリの大学生であった頃、その青年とルームメイトであった「僕」。森博嗣の作品で海外が舞台となるのは比較的珍しい。パリ、フランクフルト、台湾、東京など舞台は移り変わるが、まさか旅情のようなものを森博嗣に期待すべきではなく、成果も推して知るべしと言ったところか。ただ、多国籍の登場人物が会する場で誰々はここは英語で話した・フランス語が通じただとか、得意としない言 [続きを読む]
  • 貫井徳郎 『我が心の底の光』
  • [asin:4575238880:image]人を殺めた父を持ち、伯父一家に引き取られて暮らす少年の生き様を描く。主人公の年齢ごとに章が分かれる形だが、もっとエピソードが連なるのかな、というタイミングで年代ジャンプが発生。連載雑誌の紙幅の都合か、バランスを加味した結果か。「過去」は描くが「現在」の描写には渋る。貫井徳郎ならもっと描けるだろう、と思わせる中途半端さ。終盤明らかになる真意には一捻りあり。敢えて「外す」ような [続きを読む]
  • 西尾維新 『非衛伝』
  • 伝説シリーズ第eight作。四国→世界と広がって来た舞台は更に宇宙に広がる。とはいえ、物語の殆どは人工衛星という閉鎖空間の中で展開する「交渉劇」。バトル要素は成りを潜め、それぞれの思惑を持ったキャラクターたちが舌戦なり腹芸なりを繰り広げる。西尾維新のキャラ造型や会話文、どでかいハッタリなどを存分に楽しめるという点ではシリーズ屈指かもしれない。本シリーズもあと2作。四国にいるのは長過ぎたが、四国で得たモノ [続きを読む]
  • 舞城王太郎 『深夜百太郎 入口/出口』
  • Twitterで毎日発表された百物語を単行本化。1編ごとに著名な写真家・佐内正史の写真も挿入される。舞台は舞城作品お馴染みの福井県西暁町と東京都調布市のいずれかに限定されるが、内容は人外幽霊キチガイなどバリエーション豊か。古今東西ありとあらゆるホラーの様式を集めたようなショートショート。スピード感のある文体、真理を語るような会話文、そして自己完結性。舞城の肝が抜き出されたような濃厚さを感じることができる。 [続きを読む]
  • 澤村伊智 『ぼぎわんが、来る』
  • 日本ホラー小説大賞受賞作。「ぼぎわん」なる異形の来訪とそれに抗う家族ら。3つの視点人物による章立てによる物語の牽引力、恐怖に紐付く心理描写と過去の背景、異形にかかる伝承の「それらしさ」など、一つ一つがそつなくこなされており、新人離れした実力があるのは確か。「ぼぎわん」とのラストバトルはまさに大賞らしいクライマックス。纏まりのある作品だが、飛び抜け感は特になかった。次回作を読むか否か。 [続きを読む]
  • 野崎まど 『舞面真面とお面の女』
  • かつて財閥を築いた旧家に伝わる箱と石と仮面に関わる謎。様々な「天才」を描く野崎まどだが、本作での「天才」の見せ方はデビュー作や以後の作品と比べるといまいち映えない。些か大仰な風呂敷広げや軽妙な会話だとか、いかにも野崎まど作品らしいパーツばかりではあるが、本作に限っては自ら上げたハードルが高過ぎたか。ともかく方向性策定という意味での2作目としては大いに価値ある作品。 [続きを読む]
  • 名梁和泉 『二階の王』
  • 第22回日本ホラー小説大賞優秀賞受賞作。ひきこもりという現代社会の課題にクトゥルフ神話らしき要素を取り入れた怪作。とにかくスケールの大きい物語を描きたいという欲求が伝わってくる。登場人物の多さとパニックホラー要素によるせわしなさが物語への没入を疎外する。何だかよく分からない人物がよく分からないが行動している、という感じ。序盤はまだ人物描写に文章を割いているが、主要人物にもう一味ずつエピソードがあれば [続きを読む]
  • 『VS.こち亀 こちら葛飾区亀有公園前派出所ノベライズアンソロジー』
  • 『こち亀』と6作品が小説でコラボ。初野晴目当てで手にしたため、ハルチカ以外の5作への知識はほぼない(東川篤哉はデビュー作のみ読了、オーフェンはアニメを見ていた程度)が、両津勘吉の描写だけで参加作家たちのこち亀愛が分かり、楽しく読めるものである。初野晴、東川篤哉あたりは短編ミステリとして良い仕上がり。流石ベテラン。おそ松さんやガルパンやチア男子は、両津がアウェーに乗り込む感じで、コラボ先の特色を活かし [続きを読む]
  • 小林泰三 『記憶破断者』
  • 主人公・田村二吉は前向性健忘症で、30分以上記憶を保持できない。実は著者の作品では『奇憶』『忌憶』などでお馴染みの登場人物。本作では人の記憶を改変する凶悪犯罪者と二吉の戦い等が描かれる。小林泰三のミステリは設定の使いこなしが非常に巧妙で、本作では記憶に関するルールを上手く活用している。実際の前向性健忘症患者の思考が本作のように都合よく?消えたりするのかは良く分からないが、とにかくエンタテインメントと [続きを読む]
  • 山白朝子 『エムブリヲ奇譚』
  • 『幽』連載作品を9編収録。「旅本」書きの和泉蠟庵と荷物持ちの耳彦の、不思議な旅道中。人外あり、鬼畜あり、卑劣漢ありの怪談ホラー。この作家は決して多くない文章量で読み手の心を揺さぶるのが本当に巧い。最初の2作(表題作と「ラピスラズリ幻想」)が最たるもので、導入として完璧に近い。精神的にも肉体的にもズタズタにされてしまうが存外タフな耳彦という人物にも魅力を感じる。続編も楽しみにしたい。 [続きを読む]
  • 早坂吝 『誰も僕を裁けない』
  • 上木らいちシリーズ第3弾。女子高生かつ売春婦を探偵役とする著者のデビュー作から連なるこのシリーズ。前作はノンシリーズ『RPGスクール』でイマイチな方向に脱線したが、本シリーズで巧いことエロミス方面に戻ってくれた。本格ミステリとエロ、というか性描写の融合は新機軸。性を小説の彩りとしてではなくミステリを構成する要素として、煽情的にはならず技巧的に仕上げる様は見事の一言。どうも性描写というものは、著者の理想 [続きを読む]
  • 白河三兎 『十五歳の課外授業』
  • 15歳の中学生という思春期の若者を主人公とする点はいつもの白河三兎作品だが、今回趣きが異なるのは若さの悪い面に着目している点。どこか大人びた、本質を見通したような主人公・視点人物が白河作品には多数出てくるのに対し、今回の主人公は決してそうではない。現状維持を貫くために嘘と悪手を積み重ねて行く様は、正真正銘若気の至り。まぁただでは終わるまいと踏んで読み続けた結果、終盤の展開はもうお察しというか、小説と [続きを読む]
  • 雀野日名子 『山本くんの怪難 北陸魔境勤労記』
  • 著者の本領発揮、田舎社会を舞台としたホラー(怪談)。他の作品では県名をイニシャルにしたり、架空の市町村を用いたりしていたが、本書は県名を出しての福井県いじり。田舎の閉鎖的なムラ社会、北陸新幹線の開業で沸き立つ石川県との対比、無軌道な町おこし、共働き率の高さの背景等々。とにかく福井についてロクでもない扱いをするが、これらはいずれも愛憎半ばの複雑な感情が為せる技であり、よくある自己愛による自虐と言える [続きを読む]
  • 浦賀和宏 『緋い猫』
  • 戦後のGHQ支配下の日本が舞台。主人公・洋子は共産主義者と恋に落ちるも、彼は失踪。その足跡を辿り青森の小さな村へ向かう。戦後という時代設定やGHQ・プロレタリア・下山事件などの史実に沿った題材は、著者が今まで扱ってこなかった要素。作家としての幅が広がる片鱗は見せるものの、一つ一つを深く掘り下げることはしないため、軽い味付け程度にしかなっていない。また、平易な文章のタイプの浦賀作品でリーダビリティは優れて [続きを読む]
  • 『人狼作家』
  • ミステリ作家による人狼ゲームのリプレイ本。人狼ゲームは名前を聞いたことがあるくらいの予備知識しかなく、冒頭のルール説明を都度都度見返しながら読み進める。ルール熟知前提のミステリ作家の発言は自分には難解過ぎる。初期装備でいきなり上級者部屋に入ってしまったような感じなのだろう。プレイヤーはキャラクターを与えられ、どの作家がどのキャラクターを演じているかはゲーム終了まで明かされない。文章はチャットの会話 [続きを読む]
  • 北山猛邦 『先生、大事なものが盗まれました』
  • 初の講談社タイガ。探偵と怪盗が育つ島を舞台とした本格推理。怪盗もののミステリで「どうやって」「誰が」「なぜ」盗まれたかを問う作品は多数あれど、「何が」盗まれたかが謎となるものは珍しい。正直、その試みが効果を表したか疑問符がつくものもあるが(第1話)、このチャレンジは面白い。それでもやっぱり地図、見取り図はある。物理の北山、見取り図好きの北山。続く、の言葉で本書は結ばれるが、続編も同じコンセプトだろ [続きを読む]
  • 西尾維新 『人類最強の純愛』
  • 最強シリーズ第二弾。『メフィスト』掲載の5編を収録。西尾維新の牽強付会の極まりというか、キャッチーなタイトルにどうにか内容を近付けていくような作りの印象。特にこの最強シリーズは、戯言シリーズで確固たるキャラクター性を確立させた人物が主役。なかなか作者の思うようには動かせず、結果タイトル負けしてしまうのではと思う。別に作品としてつまらない訳ではないのだが、ハードルを自らタイトルで上げてしまう感じ。そ [続きを読む]