クロノイチ さん プロフィール

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クロノイチさん: 世に話の種は尽きまじ
ハンドル名クロノイチ さん
ブログタイトル世に話の種は尽きまじ
ブログURLhttp://kuronoichi.blog.fc2.com/
サイト紹介文ダジャレ成分豊富なショートストーリーや小説を公開中。人とは違うオンリーワンの話を目指しています。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供23回 / 365日(平均0.4回/週) - 参加 2015/06/21 23:34

クロノイチ さんのブログ記事

  • 幻三郎旅日記 第二話「決闘! 二十四対一」その4
  •  二日後。 霧ヶ谷一風斎は、新たな当主となる人物の住む島にやってきていた。中国地方の日本海側に浮かぶ小さな島々のうちの一つである。名を御島という。海岸の周囲をぐるりと岩礁に取り囲まれており、その外側の海は一年を通してずっと波が荒いため、地元の漁師すら近づけない所だ。 遙か遠い昔、御島は本州と陸続きだった。地殻変動で海中に没した岬の最奥部が、島となって残ったのである。その岬こそ、かつて岬護家と衛士に [続きを読む]
  • 入試前日
  •  仕上げるのに手間取りました。物語の日付は三月六日です。 桃の節句が終わったので、お雛様を片づけた。うちのお雛様は享保雛といって、かなりの年代物だ。段飾りなどというものはない。男雛と女雛だけである。冠をかぶせた状態で幅・高さともに四十センチ以上ある大きな人形ではあるが、二体のみということでセッティングや収納にはさほど苦労しない。ただ、相当高価な骨董品らしいので、若干取り扱いに困る。既に女雛の髪が一 [続きを読む]
  • 幻三郎旅日記 第二話「決闘! 二十四対一」その3
  •  衣服に付いた返り血は、すっかり雨に洗い流されてしまっている。その雨は徐々に激しさを失い、今は霧雨だ。ずぶ濡れの幻三郎は、ようやく洞窟の入口付近にまでやってきていた。「誰だ!」 細かい雨粒の幕の向こう側、行く手に小さな人影がある。「やはり来たな、弥陀ヶ原幻三郎」 野太い声が雨音の中を突き抜けてきた。背の低い男が入口を塞ぐようにして立ちはだかっている。「その声は……霞兵衛!」 瞬時に幻三郎がいきり立 [続きを読む]
  • 幻三郎旅日記 第二話「決闘! 二十四対一」その2
  •  深い霧に覆われた小さな草原。既に草花はほとんど踏みしだかれ、背の高いものは皆無である。所々で黒っぽい土が剥き出しになってさえいる。 弥陀ヶ原幻三郎は、忍び装束姿の二十四人の男にぐるりと取り囲まれていた。男達は、いずれも衛士という名に相応しい屈強の者ばかりである。 その囲みは、幻三郎を中心として、半径五間の完全な円を描いていた。幻三郎が一歩動けば、囲みも動き、常に同じ状態を保ち続ける。 衛士達は無 [続きを読む]
  • 幻三郎旅日記 第二話「決闘! 二十四対一」その1
  •  困った時の旧作頼み。現在、仕事がらみのとある研修会のテキスト作り(無償労働)に追われていて、文章を書くのに飽き飽きしている状態です。要は他人の書いた文章をレイアウトを決めて打ち込むだけなのですが、自分の頭を使わないせいか、面倒で面倒で。ブログのネタはあるんですよ。書けないだけで。テキスト完成までお笑い系はもう少しお待ちください。 それでは、昔頑張って書いていた伝奇風理屈こねまわし系剣豪小説をよろ [続きを読む]
  • 特売で買っとくばい
  •  我が地元の百貨店は、半年に一度、八階特設会場で衣料品の大特売をする。三割引から八割引という、そう珍しくもない割引率なのだが、毎回開店前から大行列ができる盛況ぶりだ。なぜかというと、通常「割引対象外」が当たり前の高級ブランド衣料が、少量とはいえ、当たりくじさながら、安物の商品の中にまぎれて超格安で売られているからである。行列に並ぶほとんどの人がこれを目当てに来ているらしい。 そして、俺は今、まさに [続きを読む]
  • 幻三郎旅日記 第一話「風の中の剣鬼」その4
  •  風が生暖かい。そこは、湖というには余りにも濁り過ぎていた。焦げ茶色の水面には、細かい水草が無数に浮かんでいる。大鯰でも住んでいそうな沼だ。 周囲を山に囲まれた沼辺は、結構広い草地になっていて、沼全体を容易に周回できる。弥陀ヶ原幻三郎の対面の位置に、古ぼけた小さな祠があった。「あれかな」 幻三郎が呟く。三間四方ほどの木造の祠だった。外からは何を祀っているのかわからない。沼に面して申し訳程度の粗末な [続きを読む]
  • 幻三郎旅日記 第一話「風の中の剣鬼」その3
  •  弥陀ヶ原幻三郎が衛士の住む村に着いたのは、ちょうど日の出の頃である。 表面的には、確かにただの山村だった。 散在する茅葺き屋根の家々、山の南斜面に開かれた棚田や段々畑。人目を引くようなものは何もない。 何人かの女達が小川で洗濯をしたり、米を研いだりしていた。皆、粗末な麻の衣服を身に纏い、互いに一言も交わすことなく、無表情で己の作業に励んでいる。 男の姿は一人も見えない。幻三郎は女達の方へ近づいて [続きを読む]
  • 幻三郎旅日記 第一話「風の中の剣鬼」その2
  •   次は楽しい話をと思っていましたが、取り敢えずキリのいいところまで、投稿しておきます。あと二回投稿して第一話は終了です。ストーリーや理屈っぽさが肌に合わない方はスルーしていただければと思います。  空気が湿っぽい。深い森の中を走る山道だった。濡れた大量の落ち葉が道をすっかり覆い隠している。雨風の直後のようだ。道の側を流れているとおぼしき水の音もバチバチと勇ましい。 ここは安芸の国。広島城下に程近 [続きを読む]
  • 幻三郎旅日記 第一話「風の中の剣鬼」その1
  •  遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。 何か書かねばと思いつつも冴えたギャグが思いつかずにここまで来てしまいました。 そこで苦し紛れに僕が大学時代に書いた剣豪小説を引っ張り出してみました。ギャグもダジャレも一切なし。出てくるのはむさ苦しい男のみ。さらに仏教哲学にハマっていた頃の話なので、理屈っぽくて辛気臭いことこの上ありません。しかも恐ろしく殺伐としていますし。おもしろおかしい話を [続きを読む]
  • 市議選あれこれ
  •  このところ我が市を賑わせている市議会議員選挙もいよいよ最終日だ。俺が住んでいる地区は、地元から候補者が出ていないこともあって、すっかり草刈り場と化している。一票でも手に入れようと、今日一日でほとんどの候補者がこの地区を巡っていた。  とはいっても、俺自身はこの選挙には何の関心もない。中学生ゆえ、選挙権がないからだ。ただ、選挙カーには非常に迷惑している。延々と繰り返される候補者名の連呼。ユーモ [続きを読む]
  • アミダで勝負
  •  「急かされてダイエット」の続編です。この話の続編がかなり前に書いた「退屈しのぎ」となります。 俺のダイエットの日々は唐突に終わりを告げた。「もうやめましょう」と、いきなり妻の方から言ってきたのだ。 これはどういうことだろう。俺はまだ充分に痩せきってもいないのに。是非とも理由を説明してもらいたいものだ。――貴公、わけを聞こう、なんちゃって。 運動しなくてもよくなったっていうのは、確かに嬉しい。俺は [続きを読む]
  • こんなはずじゃ……
  •  何となく弟が帰って来た気配がする。最近、ちょっと弟の様子が変だ。帰宅する時だって、以前はサイレンみたいな騒々しさだったのが、今はすっかりサイレントモードである。「姉ちゃん、ただいま」 弟が何の面白みもない言葉とともに中へ入ってきた。つまらない。今年に入ってから、言葉を短く省略する例の癖がきれいになくなっている。「ただいま」を「たーいま」と言っていたのが「たま」になり「たー」になって、最終的にどう [続きを読む]
  • 我が家の竹
  •  我が家には小さな竹藪があります。父親が椿を買ってきて植えたら、土の中に竹の根のかけらが入っていたらしく、勝手に繁殖してしまいました。  一応、タケノコも食べられます。(取り立ててうまいものでもないですが) さて、春に、この竹が一本敷地外のあぜ道に生えてきました。通行の邪魔になることは明らかです。そこで、タケノコの段階で先端を折り、成長させないようにしました。 で、しばらくして出来あがったのが [続きを読む]
  • 急かされてダイエット
  •  最近とみに腹が出てきた。やはり四十歳を越えると、代謝が悪くなって脂肪をため込みやすくなってくるようだ。もう太鼓腹もいいところである。当然若い頃の服は着られない。自業自得とはいえ、上着から下着までみんな買い換えなければならなくなった。小遣いが乏しいので、この出費は結構きつい。 それでも俺は、痩せたいとはこれっぽっちも思っていなかった。だって、根っからの運動嫌いだし。食事制限もつらいし。痩せるための [続きを読む]
  • バットエンド
  •  演劇の台本のアイデアを出してほしい。──弟がまたしてもあたしにそう言ってきた。 弟の柔道部の先輩が高校で演劇部に入ったそうで、その人が弟を見込んで台本を依頼してきたのだ。「去年の俺のクラス、三年を抑えて最優秀賞だったんだよな。あ、例のクラス対抗演劇祭な。あの時は姉ちゃんにはだいぶ世話になったが、台本にしたのは結局俺だったし、桃太郎役も俺がやったし、背景の塗りまでやったんだから、ほとんど俺のおかげ [続きを読む]
  • 紅茶も置いてない喫茶店
  •  大して腹も膨れないメニューばかり、腹いっぱい食べようと思えばとてつもなく金がかかる飲食店──それが俺の持つ「喫茶店」に対するイメージだ。飲物の種類が多いとか、コーヒーの淹れ方がどうのこうの、紅茶の品種がどうのこうのといったこだわりとか、そういうものははっきり言ってどうでもいい。俺はそこそこうまい食い物をたらふく胃袋に詰め込みたいのだ。それもなるべく安く。だから、俺は一人では一生喫茶店には行かない [続きを読む]
  • キッチンにて
  •  ちょっと訊ねたいことがあって、俺は姉ちゃんのいるキッチンへ向かった。 後ろからいつもの調子で気軽に「なあ」と声をかける。すると、姉ちゃんはハッとしたような挙動で振り向くと、いつもと違う微妙な表情で「なあに?」と声を返してきた。 なんだろう。姉ちゃんのこの複雑な表情は。物憂げなようでもあり思案しているようでもあり戸惑っているようにも見える。 あれ? ──ふと姉ちゃんの足元を見れば、そこには長ネギが [続きを読む]
  • 辛過ぎたカレー
  •  今日の夕食はカレーライス。あたしのカレーは、作るたびに味が違う。毎回ルーの銘柄が違うのだから当然だ。従って「我が家の定番の味」なんてものはない。 カレールーは基本的にとにかく安くて辛過ぎないものを、その都度スーパーで買っている。そして、ルーの味をベースに、キッチンの引き出しの中のスパイスを絶妙なライブ感覚で追加するのだ。──行き当たりばったりともいうけど……。 ま、定番のスパイスを使っていれば、 [続きを読む]
  • まずは六つ葉
  •  我が家は、阿蘇山周辺に母親の実家を始め何軒もの親戚があります。ここ数日はろくに連絡もつかず、気が気ではありませんでしたが、今朝、全員無事だという電話がきました。まあ、家の中はぐちゃぐちゃだそうですが、今までかかってなんとか屋内で住めるようにしたみたいです。今日あたり電気も復旧しそうとの話でした。 というわけで富山に住んでいながら他人事ではなかった今回の地震、亡くなられた方や被災された方に対し、心 [続きを読む]
  • 得意は足技
  •  俺は柔道部のエースだ。目下、地区大会では敵なし。去年の県大会はちょっとしたアクシデントで棄権してしまったが、なあに、まだ一年残っている。今年こそは絶対に県で優勝して、全中で暴れまくってやるぜ。 と思ってはいたのだが、これまで、うちの部ではなかなか密度の濃い稽古はできなかった。俺の乱取り(自由に技を 掛け合う稽古)の相手を務められる相手が、部内に存在しないのだ。顧問の先生も柔道に関しては完全なド素 [続きを読む]
  • 2016年しだれ桜
  •  我が家には桜が六本ありまして、一本はそこそこおいしいサクランボのなる桜で、一番最初に咲いて散ります。花は白くてショボい感じ。四本はソメイヨシノで、今が散りかけ。で、最後の一本であるしだれ桜が、ようやくほぼ満開になりました。十年に一回ほど、ソメイヨシノと満開時期が一致することがあって、その時は随分と見応えがあります。今年は八十点くらいでしょうか。 我が家は敷地こそ広いのですが、手入れが行き届かずご [続きを読む]
  • 2016年四つ葉さがし
  •  わが家の周囲のクローバーはまだまだ葉っぱが小さく、老眼になりかけの身では、四つ葉ですら見つけられなさそうな気がしていたのですが、まあ物は試しで自宅周辺をグルリと探索してみました。 十五分ほど頑張って、四つ葉のみやっと5本見つけましたが、五つ葉以上は見つかるはずもなく次回へ持ち越しとなりました。 ちなみに皿の直径は8センチです。小さ過ぎ。 この次はもうちょっと本格的に探索してみようと思います。 [続きを読む]
  • 桃から生まれた……
  •  結構、更新間隔が開いてしまいました。思いつく時は毎日でも思いつくし、思いつかない時は幾ら根をつめても何も思いつきません。ままならないものですね。 ところで。 唐突ですがここで問題です。 問い 以下の文章の意味を説明しなさい。  「ウシカモシカモシカシテウシカカモ」 どうですか。簡単でしたかね。 アフリカにヌーっていうウシ科の動物がいるんですが、この和名がウシカモシカなんですよね。まるでゲルショッ [続きを読む]
  • ふと思いついたので14
  •  『ご近所近況』 最近、ご近所の山田さんの姿を朝によく見かけるようになった。再就職したのかな。会社をクビになってからというもの、平日日中からブラブラしている印象が強かったのだが。 近所の事情になぜか詳しい弟なら、何か知ってるかも。 善はいそべ焼き、っと。「ねえ、ご近所の山田さん、再就職したって噂聞いてない?」 弟は、何を今さらという顔をした。実に憎たらしい。「知らなかったのかよ。先月から隣町のコン [続きを読む]