星見 さん プロフィール

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星見さん: 何か読めば、何がしか生まれる
ハンドル名星見 さん
ブログタイトル何か読めば、何がしか生まれる
ブログURLhttp://tonikaku-read.hatenablog.com/
サイト紹介文純文学からラノベまで、文芸メインの読書感想文を綴っていく予定です。おおむね自分用。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供20回 / 365日(平均0.4回/週) - 参加 2015/06/26 22:59

星見 さんのブログ記事

  • 過ぎた年(2016年)におくる50冊
  •  いつもは読んだ本の感想を書いているのだが、広い意味で「その年」を概観する本のリストを作りたいと思い立った。この考えは、実のところ年末には生じていたのだが、主に多忙さによって、これまで叶わなかった。 仕方がないので、手が空いた年度末のこのタイミングに作成する。2016年の1年間、世の中の動向などから興味が広がり読もうと考えた本や、人に薦められた本、実際に読んで心に残った本などから成る50冊である。おすす [続きを読む]
  • 梶本修身『すべての疲労は脳が原因』の感想
  •  現在、年末の進行による深い疲労状態で、これを書いている。疲労しているのは今に始まったことではなく慢性的なものでもあるので、どうにかできるかと思い手に取った1冊である。 本書の内容は、テレビ等でもよく扱われるようだが、私は最近ほとんど地上波のテレビを観ていないので、著者の説に触れるのは本書が初めてだった。まずは目次に沿って概要を示す。はじめに 疲労を科学することとは 疲労とは“エネルギーの枯渇”と [続きを読む]
  • 村上春樹 文/稲越功一 写真『使いみちのない風景』の感想
  • (2004年11月読了) 当時、休みの日の深夜のモスバーガーで一気読みした本その3。写真つきの随筆である。というよりは、稲越氏の写真集に少しずつ挿入されている村上氏の随筆、と表現すべきだろうか。1ページ当たり長くても8行程度の文章が、概ね2ページにつき1ページの割合で挟まれている。 そうした形式による100ページほどの表題作と、私が読んだ文庫版では、「ギリシャの島の達人カフェ」「猫との旅」という2つのごく短いも [続きを読む]
  • 矢口史靖『ウォーターボーイズ』の感想
  • (2004年11月読了) 当時、休みの日の深夜のモスバーガーで一気読みした本その2である。その頃、映画『スウィングガールズ』を観たので、矢口監督作品の小説版を読む気になった。 ちなみに『スウィングガールズ』は観たが、こちらの映画は観ていない。優先順位は低いのだが、いつかレンタルして観ようかと思う。ウォーターボーイズ [Blu-ray]出版社/メーカー: 東宝発売日: 2008/10/24メディア: Blu-ray購入: 1人 : 21回 [続きを読む]
  • 万城目学『鹿男あをによし』の感想
  •  既に『鴨川ホルモー』、『プリンセス・トヨトミ』は読んだのだが(いずれ過去の読書として感想を書く)、作者の第2作に当たる本書は手つかずだったので読む。作中では神無月すなわち10月が重要な時期として扱われているのだが、その時期に読んで感想を書けるのは僥倖である。 文庫版の解説を書いているのは故・児玉清氏。読めば以前から万城目ファンだったようだし、本作がドラマ化された折にはリチャード役を演られたとのこと [続きを読む]
  • 萱野葵『段ボールハウスガール』の感想
  • (2004年11月読了) 当時、連休中の深夜に、終夜営業している近所のモスバーガーになぜだか居座って、軽く読めそうなものを一晩で4冊ほど一気読みした。この本は、その1冊目である。200万円を盗まれた女の無軌道な路上生活を描いた表題作と、仕事を辞めた主人公とアル中だった弟の暮らしを描いた「ダイナマイト・ビンボー」を収めている。 実は、最初に読んだのは表題作のみを収録した文庫本だった。ダンボールハウスガール (角 [続きを読む]
  • 森鴎外『阿部一族・舞姫』の感想
  • (2004年11月読了) 鴎外の処女作、擬古文の「舞姫」を巻頭に収録した短編集である。他に同じく擬古文体の「うたかたの記」、以下は言文一致体の「鶏」「かのように」「阿部一族」「堺事件」「余興」「じいさんばあさん」「寒山拾得」とその付記「附寒山拾得縁起」を収める。 まずは各作品のあらすじを記す。 「舞姫」。ドイツからの帰途にある「余」(太田豊太郎)の心は、悲痛に満たされていた。父を早くに亡くしたが、学問 [続きを読む]
  • 新海誠『小説 君の名は。』の感想
  •  映画の公開に先立ち、読んでみることにした。新海誠の映画は恐らく全て観ているが、特にファンというわけでもない、と自分では思っている(けれど公開初日に見に行こうとしているのは、やはりファンを自称すべきだろうか)。 ともあれ、以前から『秒速5センチメートル』『言の葉の庭』と監督作品の小説を自ら手掛けている新海監督だが、それをしっかりと読むのは初めてである。 (角川文庫)" src="http://ecx.images-amazon.com/ [続きを読む]
  • ほしおさなえ『活版印刷三日月堂』の感想
  •  1つ前の『終業式』と同じように、Twitter上で言及されているのを複数回見て、たまには最新刊を読もうと思い手に取った。活版印刷を営む若い女性を中心に描かれた連作短編集である。 活版印刷というと、思い出す事が2つある。あらすじの前に、それを書き留めておこう。 1つは、高校の新聞部に居た頃に年2回の頻度で作っていた活版新聞である。 通常は部室で版下を作って印刷室の印刷機で作っていたのだが、2学期と新学期の頭に [続きを読む]
  • 姫野カオルコ『終業式』の感想
  •  Twitterで幾人かが読んでいるのを見て、興味を惹かれて読む。ちょうど『錦繍』について書いて、現代で書簡体小説は可能か、ということを考えていたこともあって気になったのである。 なぜ気になったかといえば、この小説は手紙やそれに準ずるものだけで構成されているためで、そこから現代の書簡体を考える手掛かりになりそうだと考えた、というわけだ。 ちなみに、読んだものは角川文庫版だが、表紙のデザインが異なり、もっ [続きを読む]
  • 新城カズマ『サマー/タイム/トラベラー2』の感想
  •  間が空いたが2巻についても述べよう。1巻については以下のリンクから。 まずはあらすじを述べる。 花火大会3日前の放火は、大事には至らず済んだ。しかし、「ぼく」――卓人(たくと)達がアジトにしている喫茶店〈夏への扉〉には、またも放火犯によると思われる脅迫状が届けられる。 何者の仕業なのか考える「ぼく」の周囲で、ほのかな疑惑は漂う。一方、もとより衰退傾向にあった辺里(ほとり)市の地域経済は、一連の火事 [続きを読む]
  • 新城カズマ『サマー/タイム/トラベラー1』の感想
  •  刊行から数年後に入手し、5年以上積読にしていたものを、不意に読みたくなって引っ張り出してくる。なぜ今そんな気になったかというと、新海誠氏の新作映画のせいかもしれない。それか、Twitterを始めてフォローしたアカウントの幾つかがSF好きだったからかもしれない。あるいは、単に夏のためだろうか。 「1」「2」という2冊組の本で、1冊ずつ書くつもりである。まずは1巻から。あらすじを示す。 「ぼく」は思い出す。あの夏 [続きを読む]
  • 水村美苗『続明暗』の感想
  • (2004年11月読了) 以前、ある程度まとめて漱石を読み、そのまま漱石のパロディやオマージュも探したりしたのだが、それらの発見順では4つ目になるだろうか。絶筆『明暗』の続き、という設定で書かれた小説である。『明暗』を読んだのが前年のことなので、傍らに原作を置いて読み返しつつ読んだ。 読んだのは残念ながら新字新かなの文庫版だが、単行本は旧字旧かならしい。どこかで見かけたら確認はしてみたい。それはそうと、 [続きを読む]
  • 宮本輝『錦繍』の感想
  • (2004年10月読了) タイトルの“しゅう”は機種依存文字のため、閲覧環境によっては正確に表示されない。残念だが略字と目される「繍」の字で代用する。 およそ1年にわたる、両者の14通の手紙だけで構成された作品である。以下、とりあえずあらすじを記そう。 かつて27歳と25歳の夫婦だった2人。その2人は、37歳と35歳という別々の人生を生きる2人となって、紅葉に燃える蔵王のゴンドラ・リフトの中で、つかのま再会した。1人 [続きを読む]
  • 有栖川有栖『双頭の悪魔』の感想
  • (2004年10月読了) 『月光ゲーム』『孤島パズル』に続く、「学生アリス」シリーズの第3作にして最新作(2004年時点)である。当時、いささかショックなことがあったために出不精となって読書時間が増え、体育の日にかかった連休中に読了した。 ちなみに過去2作については以下の通りである。 「いささかショックなこと」を詳らかに語ることはしないが、敢えて漫画を(ここを読みに来る方に対して、活字本では捻りが無さ過ぎる [続きを読む]
  • 志賀直哉『清兵衛と瓢箪・網走まで』の感想
  • (2004年10月読了) 「菜の花と小娘」「或る朝」「網走まで」という、解説の言う“3つの処女作”を含む作品集である。志賀直哉は高校時代に教科書か副読本か何かで「正義派」を読んだだけだったのを思い出し、ふと読みだした。 上に挙げた3編の他に「ある一頁」「剃刀」「彼と六つ上の女」「濁った頭」「老人」「襖」「祖母の為に」「母の死と新しい母」「クローディアスの日記」「正義派」「鵠沼行」、表題の「清兵衛と瓢箪」 [続きを読む]
  • みうらじゅん『「ない仕事」の作り方』の感想
  •  テレビガイドというジャンルに属しながら、完全に他と一線を画している(というよりも、一線を越えていると表現すべきか)『TV Bros.(テレビブロス)』という雑誌がある。家人が好きで買ってくるので、たまに私も読むのだが、先月出た2016年3月12日号(岩井俊二と黒木華が表紙)の「ブロスの本棚」なる半ページほどのコラム記事でこの本が取り上げられていた。 “本業不明”とでも言えそうな男みうらじゅんが、そういう生き方 [続きを読む]
  • 有栖川有栖『孤島パズル』の感想
  • (2004年10月読了) 京都にある英都大学の推理小説研究会(略してEMC)に所属する、著者と同名の青年を話者に、研究会会長にして“とある事情”から留年を繰り返している27歳の文学部哲学科4回生、江神二郎(えがみ・じろう)の理路整然たる推理が冴える「学生アリス」シリーズの第2作である。前作『月光ゲーム』の謎解きと青春ぶりが良かったので、本作も楽しみに読む。 以下、まずあらすじを記そう。 夏。この春、彗星のよ [続きを読む]
  • 荻原浩『花のさくら通り』の感想
  •  へっぽこ気味な零細企業・ユニバーサル広告社の活躍を描いたシリーズの3作目である。 上製本の発刊は2012年だが、昨年に文庫化され、年明けにkindle化されたこともあり手に取りやすくなった。先日の記事で前作『なかよし小鳩組』に触れた勢いに乗って読む。 以下、まずはあらすじを記そう。 資金繰りが悪化し、ついに今までの事務所を引き払って郊外に移転してきたユニバーサル広告社。想像以上にこぢんまりしていたJR桜ヶ森 [続きを読む]
  • 黒谷征吾『契り』の感想
  • (2004年10月読了) 出先で読むものが無くなり、たまたまあった古本屋の100円コーナーで見つけたものである。家に戻れば読むものは唸っているので、それまでのつなぎとしてなるべく軽めのものを探したところ、その薄さ(総ページ数56p)が目について手に取った。新風舎文庫の1冊である。 家に戻るまでの時間で読了。表題作と「足音」の2篇が収められており、どちらも時代ものである。 この文庫本の版元である新風舎といえば [続きを読む]
  • ガルシン『ガルシン短編集』の感想
  • (2004年9月読了) 処女作の特異性から「鬼才」と呼ばれ、精神を病んで33歳で自殺を試み世を去ったフセーヴォロド・ミハイロヴィチ・ガルシンだが、20程度の作品を遺したと聞く。その全てを日本語で読めるというわけではなさそうだが、「鬼才」というのが気になったので1冊読むことにした。 手に取ったのは、いまや稀少となった福武文庫のものである。古本屋で初版本が1,000円だった(いまAmazonで買おうとするともっと安いよう [続きを読む]
  • 河合香織『セックスボランティア』の感想
  • (2004年9月読了) 当時、仕事で障害者福祉について調べており、その延長として興味が湧いたので私的に読んだ。今まで“無いもの”とされていた、障害者の性に関する介護についてのレポートである。まずは各章ごとのメモを載せよう。 序章 画面の向こう側。障害者の性について取材を始めた筆者。取材対象の男性から1本のビデオテープを見せてもらう。それは、重度障害者で高齢になる竹田芳蔵さんが自身の性欲について語り、介 [続きを読む]