朝霧とおる さん プロフィール

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朝霧とおるさん: とおる亭
ハンドル名朝霧とおる さん
ブログタイトルとおる亭
ブログURLhttp://torutei.dou-jin.com/
サイト紹介文BL小説/R18/4月13日〜後輩×先輩(高校生)「新緑の楽園」連載開始/完結作あり
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供433回 / 365日(平均8.3回/週) - 参加 2015/08/07 15:37

朝霧とおる さんのブログ記事

  • 新緑の楽園「三人の少し前」3
  • 同室の竜崎に落ち着きがない。浮ついているのは春哉の特権であるはずなのに、今日の竜崎は様子がおかしかった。勉強机に向かったかと思えば溜息をついていたり、意味もなく立ったり座ったりを繰り返している。「ぴかりん」「……んあぁ?」普段よりワンテンポ遅い返事を聞いて、春哉は内心首を傾げる。「ぴかりん、ムラムラしてる?」「ッ……してねぇよ。おまえと一緒にすんな。」心当たりなんて、欲求不 [続きを読む]
  • 新緑の楽園「三人の少し前」2
  • 常にクラスの中心にいる奴って暑苦しい。けれど光の印象は少し違う。粋がっている様子はなくて、自然体だからかもしれない。考えている事がすぐ顔に出てしまって、思い切り破顔するその笑顔に、嘘は欠片も混じらない。すぐにその姿を目で追い掛けたくなる。その衝動にせつなさが込み上げてくるから、教室では本の世界に没頭する。真っすぐで可愛い。隆一が光に抱く想いは入学当時から変わらない。光に裏表がない証拠であり、彼がの [続きを読む]
  • 新緑の楽園「三人の少し前」1
  • 視界の隅にいつもその姿はあるのに近付けない。光(ひかる)にとって隆一(りゅういち)とはそんな存在だった。涼やかな横顔からは彼の本心を窺い知ることはできず、自分が子どもだという事実を突き付けられるようだ。彼の手元では大抵難しそうな本が開かれていて、眼鏡の奥で静かに文字を追っている。落ち着いた雰囲気をまとう隆一に声をかけるクラスメイトはあまりいない。しかし疎まれているわけでもなく文武両道で何でもそつな [続きを読む]
  • 落書き(ヤマギ+やまちゅ)
  • いつもご覧いただきまして、ありがとうございます!! ↓ 応援代わりに押していただけたら励みになります!にほんブログ村 B L ♂ U N I O N無題 | ぽっぽ [pixiv] Twitter@AsagiriToru朝霧とおる [続きを読む]
  • 新緑の楽園37
  • 直樹の瞳に漲る熱を感じた時、初めて好かれているということを実感した。世の恋人たちはこんな風に愛を確かめるのか、と最もらしいことを思って、浮かれながら触れてくる直樹の手に翻弄された。「拭いちゃうの、もったいないね。」直樹が肌に放ったものを満ち足りた気分で眺めていると、彼が困ったような顔をして春哉を見つめてくる。その頬はちょっとだけ赤くて、春哉は惹かれるままに直樹の頬に唇を押し付けた。「あ…&hel [続きを読む]
  • 新緑の楽園36
  • 相変わらず突拍子もないことを次から次へとしてくれるから、もう頭がついていかない。呆気にとられながら導かれた手で春哉に触れる。気持ち良さそうに目を細めて見返してくるので、その瞳に吸い込まれて囚われたまま無意識のうちに春哉の分身を扱いていた。春哉が手の動きに合わせて小さく息をこぼすので、その音で手淫しているのだと自覚したくらいだ。「ナオ……ナオも、しよ?」凄く気持ちいいよ、と春哉が耳元で囁 [続きを読む]
  • 新緑の楽園35
  • 目を瞑って直樹からのキスを待つものの、一向に彼の唇は春哉に触れてこない。業を煮やして薄っすら目を開くと、直樹が目の前から消えていた。「え、ナオ?」後ろを振り返ると直樹は勉強机の前にある椅子に腰を下ろして溜息をついている。一人キス待ちで立っていた自分は相当間抜けだ。「今日は大人しく寝ましょう?」「チューもなし?」「また過呼吸になるかもしれませんよ?」「えー!!」声を上げて抗議すると、直樹の顔に焦りの [続きを読む]
  • 新緑の楽園34
  • 直樹の心配をよそに、つい二十分ほど前に過呼吸で倒れた春哉は、今ではけろりとしている。「びっくりしたぁー。」それはこちらのセリフだ。目の前で動かなくなるものだから、冷や汗なんてものではない。呑気に倒れた時の再現をして笑う春哉の横で、直樹は肩を落とした。よほど嬉しかったらしく、興奮が過ぎて過呼吸に陥ったらしいが、もう少し心臓に優しい喜び方をしてほしいものだ。腕の中で急に呼吸を早くし、苦しそうにし始めた [続きを読む]
  • 新緑の楽園33
  • 背後から飛びついた途端、直樹が軽く壁に衝突する。思い切り顔面から突っ込んだので、真っ青になって直樹の顔を恐る恐る覗き込む。しかし彼は笑うだけで怒ってはいなかった。「ご、ご、ごめんね、ナオ……。」「大丈夫です。」「……ホント?」「そんな顔しないでください。ホントに大丈夫です。」直樹が微笑むのを見て、心臓がドクッと大量の血液を送り込む。その音が皮膚を伝って聴覚に直接訴えてくるよ [続きを読む]
  • 新緑の楽園32
  • ソワソワと落ち着かないのを咎められるのは初めてではない。談話室で足踏みをして待っているのは直樹のことだ。彼は今食堂にいて、春哉がテーブルへ置き去りにしてきた納豆を食べているに違いないのだ。「春哉」「ん?」「鬱陶しい。」冷たい声で断罪してきたのは柳だ。「部屋で待ってたら?」「だって、待ちきれない。」「芝山?」「うん!」補講を早く切り上げることができれば陸上部の練習に戻ることが可能だったのだが、やって [続きを読む]
  • 新緑の楽園31
  • せっかく直樹と過ごせると思っていたのに、とんだ誤算だ。補講があるだなんて、風邪と諸々の騒動で完全に失念していた。竜崎に散々、バカだ、アホだと言われ、すっかり挫けて教室へ戻った。「小塚ぁー。目開いたまんま、寝てんのかぁ?」「あ……起きてまーす。」「黒板はそっちじゃないぞー。」「はーい。」窓からは、校庭でストレッチに励む直樹の様子がよく見えた。彼は春哉と同じ学年の生徒と組んで、なんだかんだ [続きを読む]
  • 新緑の楽園30
  • 意識して見始めたら、春哉が直樹に向けてくる好意の真っすぐさが微笑ましくて、もう少しじっくり、なんて意地悪な考えが頭をよぎる。どうにか見せまいとしながら、全身から溢れ出る好意を大切にできたらと願う。こちらの一挙手一投足を緊張しながら窺っているのも丸わかりだった。適当な答えは出したくないからこそ、この程度の興味で好きだと断言していいものかどうか迷ってしまう。しかし竜崎や柳に見せる親しさが羨ましかったり [続きを読む]
  • 新緑の楽園29
  • 部屋に戻りたくないと竜崎にごねたら、引きずられて強制送還される。「芝山、おはよ。」「……おはようございます。」制服に着替え始めていた直樹は、春哉と竜崎の顔を交互に見比べてキョトンと不思議そうな顔をした。「春哉さん、竜崎さんのところに行ってたんですか?」「イタズラしに来てたんだよ。まったく、朝から……。」呆れた目で見降ろされても、いつものように反撃には転じない。押し掛けた理由 [続きを読む]
  • 新緑の楽園28
  • 部屋を抜け出し、そのまま三階にある竜崎の部屋へと駆けていく。きっと文句の一つや二つは食らうだろうが、どうしても直樹のいる部屋ではできない。インターホンはないからドアを叩く。すると思いのほかすぐに竜崎から応答があって、春哉は開かれたドアに滑り込んだ。「ぴかりん、トイレ貸して!!」「何でだよ?」「ナオのいるところじゃ、できない!」「はぁ?」素早くトイレの内カギをかけて脱力し床へ座り込む。塵一つ落ちてい [続きを読む]
  • 新緑の楽園27
  • 春哉が泣いたわけは直樹が想像していた理由ではなかったけれど、春哉の恋情の矛先が自分に向けられていることに戸惑わずにはいられない。ひと目惚れされるような要素が自分にあるとは到底思えないし、経験のない感情にピンとこなかった。曖昧に濁し、はっきりと答えを出さなかったのに、春哉は微笑んでくれる。彼の見せてくれる顔を真に受けて安心していいのかわからないけれど、露骨に泣かれたりしなかったからホッとしたのは事実 [続きを読む]
  • 新緑の楽園26
  • どうにか自然に誘えないものかと春哉なりに苦慮して、一緒に勉強をするという無難な答えを見つける。しかし当たり障りないと思っていたのも束の間、すぐそばに気配を感じるというのは異常に緊張して、さっきから一行も内容が頭へ入ってこない。「……。」「春哉さん、つまずいてます?」覗き込まれた顔が想像以上に近くて赤面する。至近距離で直樹の瞳を見つめると、困った顔をした自分が映り込んでいた。意識しないで [続きを読む]
  • 新緑の楽園25
  • 一目散に食堂をあとにしたのは、廊下で直樹と擦れ違わないためだ。せっかく落ち着いたのに、また心を乱してしまっては、竜崎や柳とまともに話もできなくなってしまう。談話室の中央で話していた二人を奥へ追いやって、春哉自身は角にあった椅子にすっぽり身体を滑り込ませて息を潜めた。「芝山と何かあった?」柳は何かにつけて目敏い。見当を付けられていそうだなと、春哉は身を縮めて小さく頷く。「好きだから、嫌われたくなくて [続きを読む]
  • 新緑の楽園24
  • いまだかつて、息を殺して誰かの一言一句、その吐息までをも聞き逃すまいと耳を傾けたことがあっただろうか。発される言葉に怯えながら、手に汗を握る。直樹からこぼれ落ちる言葉が、時に震えるほど怖い。知らなかった。誰も教えてはくれなかった。人を好きになると、天にも昇る幸福感がある一方で、地に叩き落とされ心が砕けることもある。今まで誰かの語る言葉が真意であるかどうかなど、深く気にしたことがない。興味がなかった [続きを読む]
  • 新緑の楽園23
  • 保健室に顔を出したら、とっくに部屋へ戻っていると聞かされ、直樹は内心首を傾げながら保健室をあとにする。授業が終わる少し前に春哉は保健室を出たらしい。しかし授業後の自室に春哉の姿はなかった。下段のベッドは空だったし、浴室やトイレにいるような気配もなかったはずだ。階段を早足で駆けて、二階の自室へ急ぐ。外はすっかり暗いし、体調が戻ったばかりの身体で長時間校内をうろついているとは思えない。けれどドアを開け [続きを読む]
  • 新緑の楽園22
  • 朝起きてから、春哉はうずうずと落ち着きのない時間を過ごし、川口から離脱許可を得た後は、自室へ飛んで帰った。授業のチャイムが鳴ったら、直樹が帰ってきてしまうだろうから、一刻も早く戻り、したい事を達成せねばならない。その一心で直樹と共同生活を送る部屋へと飛び込む。「ナオ、まだ帰ってこないでね。」二段ベッドが大きく揺らぐほどの勢いで梯子を上り、綺麗にならしてある掛布団の上へ飛び込む。自分のものとは違う、 [続きを読む]
  • 新緑の楽園21
  • どこまで真に受けたらいいのかわからない。春哉の口から飛び出る言葉は、直球でありながら難解だ。あんな情感込めて好きだと言われたら、少し勘違いをしてしまいそうになる。本気にしかけて平常心を保てなくなっている自分にも戸惑っていた。男そのものなのだが、つい本気で受け止めたくなる妙な色がある。急激に縮めてくる距離に違和感をおぼえる暇がないほどなのだ。「失礼します。」昼休みは食堂へ行ったり、次の授業の準備をし [続きを読む]
  • 新緑の楽園20
  • 掌にこそばゆい感覚をおぼえて咄嗟に掴むと、手の中に握り締めたものがビクッと震える。人肌だと確信して目を開くと、直樹が驚いた顔をして春哉のことを眺めていた。「ナオ……。」寝入る前に見た最後の顔が直樹でなかったことに酷くガッカリした。だから目覚めてすぐ目に飛び込んできたのが直樹だったので嬉しくなる。きっと自分は不気味なくらい満面の笑みを浮かべている。「ナオ、大好き。」まだ少し頭が重い。焦点 [続きを読む]
  • 新緑の楽園19
  • 火照り過ぎた春哉の熱が少し怖かったけれど、様子を見に行ってくれた柳の言葉に、直樹はひとまずは肩の力を抜く。「あいつ、風邪か?」「風邪みたい。薬飲まない、ってゴネてたけど。」「またかよ。懲りねぇな、ホント。」竜崎と柳にとっては慣れた光景でも、突然そばで倒れられると心臓に悪い。「身体弱いとかじゃないから、心配しないで。」こちらの心配を見透かしたような柳の言葉に、直樹は顔を上げる。「体育祭とか文化祭の後 [続きを読む]
  • 新緑の楽園18
  • 頭は重いのに、なかなか寝入ることができなくて、ゴロゴロと繰り返し寝返りをうつ。川口たちがカーテンの向こう側で動く気配があるから尚更かもしれない。けれど自分は知っている。人の気配がなくなると殊更寂しさは増して余計に寝付けなくなることを。春哉の甘えん坊気質は年を重ねたところで改善の傾向は見られない。むしろ幼い頃一人で過ごすことが多かった反動と、常に人の気配を感じられる寮生活への慣れがあって、日に日に静 [続きを読む]
  • 新緑の楽園17
  • 補講の所為で羽が伸ばせないと、陽気に愚痴をこぼしていたシャワー前。しかしシャワー後に春哉が見せた白い肌の火照り具合も、ぐったりとした様子も、直樹に不安を抱かせるには十分だった。「うぅー……。」「春哉さん。もしかして、具合悪いですか?」足をフラつかせて身体を寄せてきたので、直樹は両腕で春哉の重みを受け止める。「気持ち悪い……。」「のぼせました?」聞きながら、直樹は違うだろうと [続きを読む]