閑人 さん プロフィール

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閑人さん: 閑人の絵日記
ハンドル名閑人 さん
ブログタイトル閑人の絵日記
ブログURLhttp://saitotomonaga.blogspot.jp/
サイト紹介文1. パステル画や水彩画などの自作品紹介 2. 絵画、映画、デザインなどに関する論評
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供107回 / 365日(平均2.1回/週) - 参加 2015/08/14 16:49

閑人 さんのブログ記事

  • 古典建築 in 横濱「盾飾り」
  • Classical architecture in Yokohama横浜には明治から戦前期にかけて建てられた古典様式の建築が残っている。普段通りすぎているそんな建物を改めてディテールだけに注目しながら歩いてみた。なかでも玄関の上に設置された装飾レリーフ「盾飾り」が面白い。建物のシンボルあるいは守護神のようなものらしい。BunkaArt 1929  (旧第一銀行横浜支店)堂々としたローマ風建築。ふくろうモチーフの盾飾りがとても美しい。横浜第二合 [続きを読む]
  • 絵の中のインテリア(5)「片隅」
  • Interior in paintings (5) "Corner"アンドリュー・ワイエスが親しかった隣家の家族が亡くなった後にその家で描いた。掃除道具は使っていたままの姿だし、色のはげたドアについた犬の引っ掻き傷もそのまま。ワイエスは、その人たちがまだそこに生きているかのように感じながら描いたという。家の片隅のありふれた物の中に人の生活の痕跡を見つけて描いた絵にやさしいまなざしを感じる。暴風雨になった時、玄関に濡れたコートが掛 [続きを読む]
  • 絵の中のインテリア(4)「洗面所」
  • Interior in paintings (4) "Bathroom"スペインのアントニオ・ロペスは超リアリズム画家として有名だが、家庭内の洗面所、トイレ、台所など普通あまり画題としては取り上げられない場所をクローズアップで描き、ものの実在感に迫っている。旧式できれいとは言えないこの洗面所の絵は生活感がにじみ出ている。下のトイレも同じく、さびや汚れのリアルな表現がすごい。冷蔵庫は「新しい冷蔵庫」というタイトル通り買ったばかりの新 [続きを読む]
  • 絵の中のインテリア(3)「ドア」
  • Interior in paintings (3) "Door"ドアが閉まっていれば中に人がいるし、開いていればいないはず。この家はすべてのドアが開いたままで、家具も無く、空き家のように見える。しかしよく見るとドアのかげに闇に溶け込むように黒服の女性が立っている・・・いるべき部屋に人がいない空虚感と、そこにいるはずのない人がいる不安感、を感じさせる空間をドアを使って表現している。デンマークの象徴主義の画家ウィルへルム・ハンマー [続きを読む]
  • 絵の中のインテリア(2)「窓」
  • Interior in paintings (2) "Window"もう昼間だが起きたばかりの女性が窓の外をぼんやりとながめている。夜が長い生活なのだろう。エドワード・ホッパーは大都会ニューヨークに住む人たちの孤独感をテーマに描いた。自分にとっては都会が「かかわりのない外」だという感情が「窓」で表現されている。ホッパーには逆に窓から家の中をのぞき見している絵も多い。映画「裏窓」だ。この場合も、光景の手前に「窓」を描くことで、それ [続きを読む]
  • 絵の中のインテリア(1)「椅子」
  • Interior in paintings (1) "Chair"椅子が描かれている絵をいくつかピックアップして、大まかに年代順に並べてみた。これを椅子そのものでなく座っている人間の姿勢に注目して見ると面白い。きちんとした姿勢で座っていたのが時代とともにだんだん自由な姿勢になっていく。日本的に言えば正座だったのがだんだん膝をくずしていくような。椅子の形が規定しているあるべき座り方から逸脱していく。現代画家バルテュスの絵でその極致 [続きを読む]
  • レオナルド・ダ・ヴィンチ展
  • Exhibition " Reonaldo Da Vinci "ダ・ヴィンチの「手稿」のスケッチにもとづく再現模型の展覧会。今までも何回かあったが、今回は夏休みの子供向け企画なので、歯車、ベアリング、ピストンといった単純な機械要素的なものが多い。初めて見るものもあった。例えば「自動回転肉焼き器」というピザ窯のような装置。熱せられた上昇気流でファンを回し、その運動を歯車とチェーンで串に伝えて肉を回転させながら焼くというもの。ピタ [続きを読む]
  • 松本竣介の「Y市の橋」
  • Shunsuke Matsumoto " Bridge of Y City "松本竣介は横浜在住だったので、「Y市の橋」の Y は横浜のこと。モチーフになった橋が横浜駅のすぐ前にある「月見橋」で、今は高速道路やビルに囲まれてきゅうくつな光景になっている。「横浜の土木遺産」にこう書いてある。「土木史的にはとりたてていうほどの橋ではないが、松本竣介の「Y市の橋」の画題になったことで文化史的価値が高い」「Y市の橋」にはバリエーションがいくつかある [続きを読む]
  • 映画タイトル
  • Movie titleいいタイトルは見ただけで映画が頭に浮かぶ。あるサイトが選んだタイトルのベスト10 。こちらで→ https://www.newbluefx.com/blog/top-10-iconic-movie-fonts/オリジナル書体でなく、既成のフォントを使ったタイトルの例を紹介したサイト。Bodoni, Helvetica, Futura, などおなじみのベーシックなフォントが多くて参考になる。こちらで→ https://www.linotype.com/7903/current-movie-fonts.html「The movie tit [続きを読む]
  • 「ベルギー 奇想の系譜」展(その3)
  • Exhibition " Fantastic Art in Belgium " # 3宗教画のイメージが強いルーベンスがこの展覧会で奇想の画家の一人として扱われているのが意外だった。ルーベンスといえば「フランダースの犬」のネロ少年と愛犬パトラッシュが最後にアントワープ大聖堂にたどり着いてやっと見ることのできたのがルーベンスの祭壇画だった。(ちなみにこれの精巧なレプリカが徳島県の大塚国際美術館にあり、一見の価値がある)キュレーターの解説に [続きを読む]
  • 「ベルギー 奇想の系譜」展(その2)
  • Exhibition " Fantastic Art in Belgium " #2運河沿いにレンガ造りの工場のような建物があるが、窓ガラスは割れていて廃墟になっている。暗くひっそりとして人間の存在を感じない。ウィリアム・ドグーヴ・ド・ヌンクというベルギー象徴主義の画家の幻想的な作品。同じくベルギー象徴主義でさらに有名なのが、今回は来ていなかったがクノップフの「見捨てられた町」という作品。ベルギーの普通の家だが、家を描いているのではなく [続きを読む]
  • 「ベルギー 奇想の系譜」展
  • Exhibition " Fantastic Art in Belgium "ベルギー幻想絵画の歴史をたどる展覧会で中身が濃い。 500 年のへだたりがあるヒエロニムス・ボスとルネ・マグリットの二人は 一見無関係に見えるが、それが繋がっていることを、タイトル通り「系譜」として見せてくれる。たくさんあるなか個人的な好みでひとつだけあげると、デルヴォーの「海は近い」という作品。ギリシャ風の女性やローマ風の建築が、電柱やガス灯などと混じって描か [続きを読む]
  • ソール・バス の 映画タイトル
  • Saul Bass's Movie Titleソール・バスの映画タイトルを動画で見られるサイトを見つけた。「北北西に進路をとれ」「サイコ」「ウエストサイド物語」など 45 作が見られる。ほとんどが 50 年くらい前だから、モーション・グラフィックスもタイトル・ロゴも完全アナログデザインだが、いまだに新鮮でおしゃれで魅力的だ。こちらで → http://www.artofthetitle.com/designer/saul-bass/titles/(左)「7年目の浮気」(右)「ウエス [続きを読む]
  • 「レオナルド × ミケランジェロ」展
  • Exhibition "Leonardo da Vinci e Michelangelo"二大巨匠の素描の展覧会。イタリア語で「素描」を「ディゼーニョ」(disegno)と言うそうだ。同じ語源ながら別々の意味に分化してしまった「デッサン」と「デザイン」の両方の意味を含む言葉らしい。二人とも大きな工房の親方で、たくさんの弟子を使って作品を作っている。親方の素描をもとに弟子が原寸の下絵を描いたりすることも多かったようだ。素描は、親方が示す「構想」や「 [続きを読む]
  • 「アルチンボルド」展
  • Exhibition "Arcimboldo"だまし絵の奇抜さに目が奪われがちだが、原画を間近かで見ると果物や花やなどの細密描写のうまさの方に感心する。これは「静物画」ではないかと思えてくる。実際、絵画の新ジャンルとして「静物画」が生まれたのはこの時代だったようで、調べてみると・・16世紀に栄えたハプスブルグ家は海外植民地も含めて広大な領地を持っていたので、世界中の動物や植物が集まってきた。珍奇さや不思議さへの知的好奇心 [続きを読む]
  • ジャコメッティ展
  • Exhibition "Alberto Giacometti"ポスターの作品はうなだれて歩いている犬。極限までボリュームを無くしてしまうことで対象の「動き」だけを抽出したのだと思う。「歩く男」も人体の形はほとんどなく細い棒だけで軽やかに歩く動きを感じる。モーションキャプチャーと同じかもしれない。すごい数の素描が展示されている。モデルを何十時間もひたすらデッサンし続けたそうだ。止まらなくなってカフェで新聞紙に描いたものまであっ [続きを読む]
  • 映画「残像」について(その3)
  • Movie "Afterimage"主人公の教授がゴッホのこの絵を題材に講義をするシーンがある。ゴッホがこの風景に何を見たのか、それを表現するための構図や色彩など、前回書いた「物を認識すること」の例として解説している。「社会主義リアリズム」が唯一の政府公認芸術だった当時、ゴッホの絵も敵視された。「全体主義芸術」という本によれば、ソヴィエトの国家芸術院のトップはゴッホの絵をこう酷評したそうだ。「対象の意図的なデフォ [続きを読む]
  • 映画「残像」について(その2)
  • Words in the movie "Afterimage"主人公のモデルはブワディスワフ・ストゥシェミンスキというポーランドの現代絵画の基礎を築いた人で、美術教育にも寄与した。大学の講義の場面をとおしてこの画家の絵画への考えが語られる。「人は認識したものしか見ていない」・・・平たくいえば、ふし穴の目では大事なことは見えないということだろう。屋外実習の場面があるが、写生のためではなく、風景の奥にあるものを「認識」する訓練とし [続きを読む]
  • 「ル・コルビュジェの芸術空間」展
  • Exhibition "The Art Space of Le Corbusier"コルビュジェが国立西洋美術館を設計する過程をスケッチや習作図面で紹介している。コルビュジェが何をどう考えたか、思考の軌跡がわかって面白い。初期の段階では現西洋美術館だけでなく3つの建物で構成する総合芸術センター的な大きい構想を考えていたことがわかる。それは実現しなかったが、その後も松方コレクションに止まらない広範な展示内容の提案も行なっている。単に箱物の [続きを読む]
  • 映画「残像」:アンジェイ・ワイダ遺作
  • Andrzei Wajda "Afterimage"アンジェイ・ワイダ監督が去年秋に亡くなったが、その遺作「残像」が公開されている。戦後、ソ連の支配下に置かれたポーランドは、スターリンの「社会主義リアリズム」が政府公認芸術になり、進歩的な芸術は弾圧される。この映画はその犠牲になりながらも死ぬまで抵抗し続けた実在の画家の物語。自身も全体主義に抵抗し反独反ソを貫いたアンジェイ・ワイダ監督が、その生涯をこの画家に重ね合わせて描 [続きを読む]
  • ぽち袋
  • Pochi Bukuro「ぽち袋」という言葉は関東ではあまり一般的ではないが、由来を調べると、「ぽち」は関西方言で「心づけ」を意味し、「ぽち袋」は舞妓などに与えていた祝儀袋のことで、「ぽち」には「これっぽっち」という謙遜の気持ちがこめられている、ということだ。浮世絵などの江戸美術研究者の藤澤紫さん(現國學院大学教授)から頂いた「ぽち袋」という本に膨大な数のぽち袋が紹介されている。浮世絵や錦絵をモチーフに使った [続きを読む]
  • 映画にみる住まい(5)「家と人生」
  • House and life in movies家は単なる住むための道具ではなく、住む人の人生そのものだというテーマの映画3作。「砂と霧の家」("House of Sand and Fog" 2003)子供の頃から生まれ育った女性の大事な家が税金未納で差し押さえられて競売にかけられてしまう。家を買ったのはイランから政治亡命した元高官で、故郷の家と同じように美しいこの家の眺めが気に入っている。家を取り戻そうとする女性と守りたい男が争ううちに、こ [続きを読む]
  • 映画にみる住まい(4)「リフォーム」
  • House remodeling in movies我々は戸建にしろマンションにしろ、できあいの家を買ってそのまま住むのが普通だが、アメリカでは中古を買うほうが多いせいか、映画にもリフォームがよく出てくる。それも単にきれいにするだけのリフォームではない。人それぞれの住まいに対する価値観がはっきりしていて、何としても家をそのとおりに変えなければ気がすまないという執念がうかがえて面白い。「ローズ家の戦争」("The War of the Rose [続きを読む]