閑人 さん プロフィール

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閑人さん: 閑人の絵日記
ハンドル名閑人 さん
ブログタイトル閑人の絵日記
ブログURLhttp://saitotomonaga.blogspot.jp/
サイト紹介文1. パステル画や水彩画などの自作品紹介 2. 絵画、映画、デザインなどに関する論評
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供103回 / 365日(平均2.0回/週) - 参加 2015/08/14 16:49

閑人 さんのブログ記事

  • 映画「残像」について(その3)
  • Movie "Afterimage"主人公の教授がゴッホのこの絵を題材に講義をするシーンがある。ゴッホがこの風景に何を見たのか、それを表現するための構図や色彩など、前回書いた「物を認識すること」の例として解説している。「社会主義リアリズム」が唯一の政府公認芸術だった当時、ゴッホの絵も敵視された。「全体主義芸術」という本によれば、ソヴィエトの国家芸術院のトップはゴッホの絵をこう酷評したそうだ。「対象の意図的なデフォ [続きを読む]
  • 映画「残像」について(その2)
  • Words in the movie "Afterimage"主人公のモデルはブワディスワフ・ストゥシェミンスキというポーランドの現代絵画の基礎を築いた人で、美術教育にも寄与した。大学の講義の場面をとおしてこの画家の絵画への考えが語られる。「人は認識したものしか見ていない」・・・平たくいえば、ふし穴の目では大事なことは見えないということだろう。屋外実習の場面があるが、写生のためではなく、風景の奥にあるものを「認識」する訓練とし [続きを読む]
  • 「ル・コルビュジェの芸術空間」展
  • Exhibition "The Art Space of Le Corbusier"コルビュジェが国立西洋美術館を設計する過程をスケッチや習作図面で紹介している。コルビュジェが何をどう考えたか、思考の軌跡がわかって面白い。初期の段階では現西洋美術館だけでなく3つの建物で構成する総合芸術センター的な大きい構想を考えていたことがわかる。それは実現しなかったが、その後も松方コレクションに止まらない広範な展示内容の提案も行なっている。単に箱物の [続きを読む]
  • 映画「残像」:アンジェイ・ワイダ遺作
  • Andrzei Wajda "Afterimage"アンジェイ・ワイダ監督が去年秋に亡くなったが、その遺作「残像」が公開されている。戦後、ソ連の支配下に置かれたポーランドは、スターリンの「社会主義リアリズム」が政府公認芸術になり、進歩的な芸術は弾圧される。この映画はその犠牲になりながらも死ぬまで抵抗し続けた実在の画家の物語。自身も全体主義に抵抗し反独反ソを貫いたアンジェイ・ワイダ監督が、その生涯をこの画家に重ね合わせて描 [続きを読む]
  • ぽち袋
  • Pochi Bukuro「ぽち袋」という言葉は関東ではあまり一般的ではないが、由来を調べると、「ぽち」は関西方言で「心づけ」を意味し、「ぽち袋」は舞妓などに与えていた祝儀袋のことで、「ぽち」には「これっぽっち」という謙遜の気持ちがこめられている、ということだ。浮世絵などの江戸美術研究者の藤澤紫さん(現國學院大学教授)から頂いた「ぽち袋」という本に膨大な数のぽち袋が紹介されている。浮世絵や錦絵をモチーフに使った [続きを読む]
  • 映画にみる住まい(5)「家と人生」
  • House and life in movies家は単なる住むための道具ではなく、住む人の人生そのものだというテーマの映画3作。「砂と霧の家」("House of Sand and Fog" 2003)子供の頃から生まれ育った女性の大事な家が税金未納で差し押さえられて競売にかけられてしまう。家を買ったのはイランから政治亡命した元高官で、故郷の家と同じように美しいこの家の眺めが気に入っている。家を取り戻そうとする女性と守りたい男が争ううちに、こ [続きを読む]
  • 映画にみる住まい(4)「リフォーム」
  • House remodeling in movies我々は戸建にしろマンションにしろ、できあいの家を買ってそのまま住むのが普通だが、アメリカでは中古を買うほうが多いせいか、映画にもリフォームがよく出てくる。それも単にきれいにするだけのリフォームではない。人それぞれの住まいに対する価値観がはっきりしていて、何としても家をそのとおりに変えなければ気がすまないという執念がうかがえて面白い。「ローズ家の戦争」("The War of the Rose [続きを読む]
  • 映画にみる住まい(3)「眺め」
  • Nice view house in movies豪邸・別荘・高級マンションなどの眺めのいい住まいの映画は無数にあってきりがない。代表として、共に絶景を見晴らせる高級な家が出てくる新旧の2作を。「マルホランド・ドライブ」("Mulholland Drive" 2001)BBCが選ぶ 21 世紀の映画ベスト 100 で第1位に選ばれた作品。妄想と現実の境目が分からない全編が夢のような映画。登場する映画監督の家は高台にあってロスの街を見晴らせる全面ガラス [続きを読む]
  • 映画にみる住まい(2)「居場所」
  • Retreat in movies家には長い時間を気持ちよく過せる居心地のいい居場所が大切だが、外とのつながりが薄くなった高齢者にはなおさらのこと。そんな場面が印象的だった3作の映画。どれも「居場所」を通して、残りの人生の生きがいを描いている。「八月の鯨」("The Whales of August" 1987)海辺の家で暮らす老姉妹は決まりきった家事を単調に繰り返すだけの毎日。小さい窓のそばに座って過ごしているのだが、海を見晴らしな [続きを読む]
  • 映画にみる住まい(1)インテリアの色
  • Interior colors in movieインテリアは住む人のキャラクターやライフスタイルを反映している。だから単なる場面の背景としてではなく、登場人物の「人」を表現する手段としてインテリアが使われることがある。その中でインテリアの「色」に重要な役割をもたせている映画3作。「インテリア」("Interiors" '78)白い壁は暖色系のオフホワイトにするのが普通だが、映画ではインテリアデザイナーの妻が自宅の色すべてを寒色系 [続きを読む]
  • 人類最古の芸術作品「ライオン人間」
  • "Lion-man" : The oldest artこの約4万年前の彫刻が人類最古の芸術作品だそうだ。頭がライオンの人間で、「ライオン人間」と呼ばれている。今の人類はすべてホモサピエンスの子孫だが、それ以前にはネアンデルタール人などの人類種もいた。彼らは生存競争でサピエンスに負けて消滅した。両者が縄張り争いで戦いをしたとすると、武器などの戦闘力では互角だったが、サピエンスのほうは、戦略を考える能力があったり、メンバーを組 [続きを読む]
  • 映画「美女と野獣」と「暗黒ディズニー入門」
  • "Beauty and the Beast"「暗黒ディズニー入門」(高橋ヨシキ著)という本がとても面白い。ディズニー映画ファンにはおすすめだ。(ただタイトルの「暗黒」という言葉は内容とあまり関係ない)ディズニーの魅力は幻想と現実を徹底的に混ぜ合わせることだという観点から代表作を読み解いている。いろんな作品に登場する「魔術」はその手段で、幻想を現実に転化し、現実を幻想に転化するというディズニー映画の根幹になっている。さら [続きを読む]
  • 銀座の新旧建築
  • The new and old buildings at Ginza銀座のビルが次々に新しくなっているが、最近のデザインはすごい。話題の新しいデパートなどは極め付き。キラキラ素材の飾りを表面に貼り付けていて、しかもテナントごとに別デザインになっているので、歩いていてこれがひとつの建物だとは気がつかない。昭和初期に「看板建築」という商店建築のスタイルが流行ったが、木造建物の道路に面した表面の皮一枚だけを飾って立派に見せようとした看板 [続きを読む]
  • 「バベルの塔」展(続き)
  • Exhibition " The Tower of Babel " #2前回書いたように、この絵は 75cm ほどの小さい絵なのだが、ここになんと1400人くらいの建設作業員が描かれているという。肉眼ではほとんど見えないのだが、同時展示されている300% の拡大複製でよく見える。ブリューゲルはなぜ空想の高層建築を、建設中として描いたのか。こんな天にも届くような塔を建てると、人間の傲慢さに神様が怒って天罰を受けるぞ、という世界観を視覚化したと言わ [続きを読む]
  • 「バベルの塔」展
  • Exhibition " The Tower of Babel "「バベルの塔」展が始まったのでさっそく観に行った。実在しない空想の高層建築を描いているが、なおも建設中でさらに高さを増そうとしている。ブリューゲルはなぜこんな絵を描いたのか、専門家の解説によれば・・天にも届くような塔を建てようとする人間の傲慢さが神の怒りに触れて天罰が下ったという聖書の伝説を、当時の時代に当てはめて描いたもので、建築を文明の象徴として描くことで世界 [続きを読む]
  • アプローチ R
  • Approach R何度見ても気になる。電車の窓は直線と円弧のつなぎ目が錯覚で凹んで見える。飛行機の場合は、直線と円弧の間にもう一つのゆるいカーブを挟んで視覚的歪みを補正している。このアプローチ R の効果は大きい。スマートフォンのような場合も、歪んだ形(左)が多い中で、さすがに i Phone(右)はきちんとやっている。感覚だけの問題で性能や機能に関係ないことだが、それだけに、メーカーのものづくりの姿勢が見えて面白 [続きを読む]
  • 池田学「The Pen」展
  • IKEDA Manabu " The Pen "池田学の「The Pen」展が佐賀県立美術館で終ったが、巡回して東京に来るのは9月だそうなので、ひと足先に図録を買ってながめている。表紙の絵は、東日本大震災の津波をモチーフにして、自然の破壊力と生命の再生力を描いた「誕生」という作品の部分拡大。長さ4mの大作だが、ペンとインクだけで描くので、一日に10cm 四方しか描き進められないそうだ。アメリカの美術館で公開制作をしながら [続きを読む]
  • AI が描いたレンブラントの「贋作」
  • The forgery drawn by AI最近、「The Next Rembrandt」というプロジェクトが話題になった。AI を使ってレンブラントの作風をコンピュータに学習させ、レンブラントの「新作」を描かせるというもの。贋作作家が巨匠の作風を徹底的に研究して、それ風の贋作を描いているのと同じことをコンピュータにやらせているわけだ。今は実在の画家の絵しか描けないのでまだ「贋作」の域を出ないが、やがては完全オリジナルでしかも人間には描け [続きを読む]
  • 映画「美術館を手玉にとった男」
  • "Art and Craft”「美術館を手玉にとった男」は 30 年もの間 100 点以上の絵で美術館をだまし続けた実在の贋作画家のドキュメンタリー映画。この人は贋作を美術館にただで寄付していたという不思議な人。だから発覚後も罪に問われなかった。金儲けが目的ではなく、自分の絵が美術館に展示されていることにひそかな喜びを感じていた。映画では絵の制作過程や、だましのテクニックなどを実際の証言から再現していてとても面白い。こ [続きを読む]
  • 懐かしの映画ポスターと野口久光
  • The retro movie posters by H. Noguchi昭和の匂いがよみがえってくる昔懐かしい映画ポスター。当時のポスターの多くは野口久光という人が描いていて、この人が映画ポスターのスタイルを作りあげた。高校の大先輩だが、東京芸大を出て映画会社の宣伝部に入り、昭和 40年くらいまで描き続けた。こんな情感たっぷりの手描きのポスターはすっかり姿を消してしまった。フランス映画全盛の時代から、 CG 多用のハリウッド映画時代に代わ [続きを読む]