花宴 さん プロフィール

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花宴さん: 映画「櫻の園(90年版)」ファンサイト
ハンドル名花宴 さん
ブログタイトル映画「櫻の園(90年版)」ファンサイト
ブログURLhttp://sakura-no-sono.net/
サイト紹介文映画「櫻の園」のファンサイトです。名作の誉れ高い櫻の園の魅力について探っていきます。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供22回 / 365日(平均0.4回/週) - 参加 2015/09/07 08:16

花宴 さんのブログ記事

  • 櫻の園 映画と2つの原作世界(13)
  • 映画の原作を歩く回も今回で13回目となりました。今回からは「 櫻の園 」の第3話「花酔い」について見ていくことにしましょう。満開の桜の下での「花酔い」第3話の主人公は志水由布子です。作品としてはこれまでの第1話・第2話とは少しトーンが異なったものとなっており、それは第4話にも引き継がれていきます。トーンが異なるというよりは、志水由布子というキャラクターによりその世界観を極めていったと捉えるべきなのかもしれ [続きを読む]
  • 櫻の園 映画と2つの原作世界(12)
  • 前回、前々回と吉田秋生の原作「 櫻の園 」の第2話「花紅」の主題について見てきましたが、今回は第2話のサブテーマについて確認していくことにします。「自我と自己の葛藤」−杉山紀子とエピホードフ吉田秋生の「櫻の園」におけるサブテーマは「同じ演劇部で同じ演劇をやる」というものですが、これは作品全体の主題ではなく、独立したオムニバスの4話を横に貫く共通のテーマとして用意されたものに過ぎません。第2話の主人公であ [続きを読む]
  • 櫻の園 映画と2つの原作世界(11)
  • 前回は吉田秋生の「 櫻の園 」の第2話「花紅」について見てきましたが、今回もその続きです。杉山紀子の人間関係今回はまず第2話の主役である杉山の人間関係について見ていくことにしましょう。第2話は杉山が人間関係を通して社会化していく話であり、物語で展開される杉山の人間関係とは以下の3つになります。中学時代からの彼氏である俊一との関係杉山らの悪い噂を流す同級生との関係高圧的で支配的な父親との関係親友である3人 [続きを読む]
  • 櫻の園 映画と2つの原作世界(10)
  • 今回からは吉田秋生の「 櫻の園 」の第2話、「花紅」について確認していきます。第2話「花紅」第2話は第1話には登場していなかった杉山紀子が主役です。逆に第1話の主役であった中野敦子は第2話には登場しません。構成上、第1話と第2話で主題上のつながりはなく、サブテーマの「同じ演劇部に所属している」という横軸の串が通っているだけです。そもそも「櫻の園」は市川森一の「万葉の娘たち」に触発されて描かれた作品ですが、同 [続きを読む]
  • 櫻の園 映画と2つの原作世界(9)
  • 前回は吉田秋生の「 櫻の園 」における4人の主人公と男性登場人物についての概要を確認しましたが、今回からは原作の各話ごとの内容について見ていくことにします。第1話「花冷え」第1話の主人公は中野敦子、櫻華学園の演劇部の2年生です。登場人物は中野敦子のほか、・親友(井上志摩子、倉田知世子)・家族(父、母、姉・綾子)・彼氏(坂田シンイチ)の計7人です。志水由布子も登場しますが伏線としての登場に過ぎません。舞台 [続きを読む]
  • 櫻の園 映画と2つの原作世界(8)
  • これまでに原作である吉田秋生の「 櫻の園 」の着想・構想段階、そして主題について見てきました。今回は原作の登場人物について確認していきます。実際に登場人物についても原作と映画では差異がありますが、その一番の要因はオムニバス形式の物語を集団劇へ作り直したことによるものと言っていいでしょう。4人の主人公から1人の主人公へ原作は4話のオムニバスで、主人公は中野敦子、杉山紀子、志水由布子、倉田知世子の4人から成 [続きを読む]
  • 櫻の園 映画と2つの原作世界(7)
  • 引き続き、今回も原作である吉田秋生の「 櫻の園 」の主題部分について確認していくことにしましょう。前回も述べたように、原作は”澱んだようにゆっくりと流れる時間の中で揺れ動く少女たちの感情の世界の物語”です。作品の重心である感情と情念の世界というのは人間の内的世界であり、女性が描く女性の物語としては王道とも言えるものでしょう。当然ながらこの内的世界の中心には恋愛感情があり、恋の喜びや叶わぬ恋の悩み、羨 [続きを読む]
  • 櫻の園 映画と2つの原作世界(6)
  • 前回は「 櫻の園 」の時間軸について確認していきました。今回も引き続き原作と映画の時間軸と主題の関係から見ていくことにしましょう。原作の時間軸は2月から4月の創立祭までの2か月弱となっていますが、作中に時間に関するモノローグが出てきますのでそれを引用します。女ばかりの この学校では時間は よどんだようにゆっくりと 流れたこれは1話の主人公である中野敦子によるモノローグですが、吉田秋生はこのモノローグどお [続きを読む]
  • 櫻の園 映画と2つの原作世界(5)
  • これまで原作である「 櫻の園 」の着想から構想段階を吉田秋生のインタービュー記事をもとに追ってきました。ここで、あらためてその構想段階での内容をまとめると以下のようになります。「万葉の娘たち」のような4人の主人公による4話のオムニバスドラマにする。 女子高生を主人公にする。 オムニバスの横串として演劇部を共通のサブテーマとする。 オムニバスの帰結として最後に上演に至るものとする。「薄紅の冠(かんむり)」 [続きを読む]
  • 櫻の園 映画と2つの原作世界(4)
  • 前回に続き、原作者である吉田秋生が自身の作品に「 櫻の園 」というタイトルをつけた理由について確認していくことにします。今回は3つの理由のうちの「禁欲的なイメージ」なるものです。インタビュー記事の中で、吉田秋生がタイトルについて問われたとき、真っ先に回答したのが「なんとなく禁欲的な感じがしたから」というものでした。吉田秋生にとって「櫻の園」の着想・構想段階で、チェーホフの「櫻の園」は既知なるものでし [続きを読む]
  • 櫻の園 映画と2つの原作世界(3)
  • 前回は吉田秋生の「櫻の園」が1981年に放映された市川森一脚本のNHK・ドラマ人間模様「万葉の娘たち」に触発されて描かれた作品であることを書きましたが、引き続き、吉田秋生の「櫻の園」における着想と構想段階に視点を合わせてその世界に足を踏み入れていきましょう。“オムニバスの横串”としての演劇部吉田秋生は「櫻の園」の構想段階の最初で、「万葉の娘たち」と同じく4話4人の主人公によるオムニバス構成、主役の設定を女 [続きを読む]
  • 櫻の園 映画と2つの原作世界(2)
  • 映画「櫻の園」は吉田秋生と本家チェーホフの2つの「櫻の園」を原作としているということを前回書きました。そして、中原俊監督は吉田秋生の原作のオムニバス形式の物語を”集団劇”へと作り変えたわけですが、それでも映画の骨格となるアイディアとディテ−ルは吉田秋生の原作に依るところではあります。そこで、まずはその骨格である吉田秋生の原作から検証していきたいと思います。吉田秋生について吉田秋生は1956年生まれ、東 [続きを読む]
  • 櫻の園 映画と2つの原作世界(1)
  • 今回から”映画と二つの原作世界”と題して、「櫻の園」における映画と原作の対比を行っていきます。その目的は映画を詳細に解析していく前段階として、映画の世界観をより鮮明に浮がび上がらせていくことにあります。一般的に映画と原作の関係というのは本作品に限らず大変ナイーブな関係にあると思います。決して同じものではありえませんが、よく言われるように完全に別物と言い切ってしまうのもまた少し違う気がします。映画化 [続きを読む]
  • 櫻の園 青春映画の系譜(6)
  • 映画「櫻の園」へと続く道。前回に続き85年公開の相米慎二監督「台風クラブ」を中心に記していきます。相米慎二監督は長回しを駆使することで有名な監督ですが、この「台風クラブ」でも随所で長回し撮影を敢行しています。「台風クラブ」における独特の緊張感と臨場感はこの長回し撮影によるところが大きいでしょう。また、この「台風クラブ」は同じ思春期映画であっても今回のテーマでもあるもう一方の作品、大林宣彦監督の「転校 [続きを読む]
  • 櫻の園 青春映画の系譜(5)
  • 映画「櫻の園」へと続く道として、80年代の日本の青春映画・思春期映画の代表作である2作品、82年公開の大林宣彦監督「転校生」と85年公開の相米慎二監督「台風クラブ」を主題に取り上げています。「転校生」と「台風クラブ」はともに今は無きATG(日本アート・シアター・ギルド)の作品です。ATGは61年に非商業主義・芸術至上主義で旗揚げされ、日本の映画産業の歴史に多大な痕跡を残した映画会社で、80年代には多くの青春映画も [続きを読む]
  • 櫻の園 青春映画の系譜(4)
  • 映画「櫻の園」へと続く道。前回は82年公開の大林宣彦監督「転校生」の主題であるノスタルジーについて触れましたが、今回も引き続き「転校生」について記していきます。「転校生」という作品は主人公の男の子が自ら撮った過去の8ミリフィルムを通して過ぎ去った故郷と彼女との時間を回想する話です。映画の冒頭では故郷の尾道水道の景色が、そしてラストでは遠ざかっていく彼女の後姿が、ともに白黒の8ミリフィルムの映写として描 [続きを読む]
  • 櫻の園 青春映画の系譜(3)
  • 前回、80年代の日本の青春映画を代表する監督として大林宣彦監督と相米慎二監督の名を挙げましたので、今回からは両監督が80年代に撮った代表作品について振り返ります。対象とする作品は82年公開の大林宣彦監督「転校生」と85年公開の相米慎二監督「台風クラブ」です。ともに80年代の日本の青春映画の傑作と呼べる作品でしょう。この「転校生」と「台風クラブ」の共通点は主役がともに中学3年生ということです。「櫻の園」より少 [続きを読む]
  • 櫻の園 青春映画の系譜(2)
  • 映画「櫻の園」に至る道ということで、最初に「櫻の園」以前、80年代に公開された青春映画について振り返ってみたいと思います。映画はその昔、大衆娯楽の王様でしたが、60年代のテレビの普及とともに衰退していき70年代後半には斜陽産業の代表格となっていました。そして80年代に入ってもその凋落は止まらず、映画会社の経営難の話題も多く聞かれるようになり、ついには全国の直系専属映画館による公開方式が破綻するなど、これま [続きを読む]
  • 櫻の園 青春映画の系譜(1)
  • 映画「櫻の園」をカテゴライズすると青春映画ということになりますが、今回からは、この映画の詳細を探っていく前段階として、まずは大枠の青春映画全般について目を向けていきたいと思います。もちろん青春映画と言っても古今東西、大昔から現在に至るまで膨大な数の作品があり、これをすべて追って行ったらいくら時間があっても足りませんので、今回は「櫻の園」の前後、80年代以降に公開された邦画の範囲で振り返っていくことに [続きを読む]
  • 櫻の園 青春映画の系譜(1)
  • 映画「櫻の園」をカテゴライズすると青春映画ということになりますが、今回からは、この映画の詳細を探っていく前段階として、まずは大枠の青春映画全般について目を向けていきたいと思います。もちろん青春映画と言っても古今東西、大昔から現在に至るまで膨大な数の作品があり、これをすべて追って行ったらいくら時間があっても足りませんので、今回は「櫻の園」の前後、80年代以降に公開された邦画の範囲で振り返っていくことに [続きを読む]
  • 櫻の園 Back in 1990 時代背景(10)
  • 1990年1月13日、14日、これまで11年間続いていた共通一次試験に変わり第1回の大学入試センター試験が行われました。それまでの共通一次試験は国公立大学のみの実施で、共通試験としての一定の評価と成果はあったものの結果的には大学の序列化と偏差値による輪切り教育化が進んでしまったことが問題となっていました。そして、それら弊害を是正すべく、大学入試改革の旗印のもと、私立大を含めたセンター試験へと移行していくことに [続きを読む]
  • 櫻の園 Back in 1990 時代背景(9)
  • 1990年12月、英国の科学者ティム・バーナーズ=リーらにより世界初のWebサーバと世界初のウェブブラウザWorldWideWebが構築されました。来たるべきインターネット時代の幕開けと言ってもいいでしょう。90年代に大きな飛躍と変革を見せたICT(情報通信技術)は、私たちの生活にも大きな影響と変化をもたらすことになりました。コミニュケーション・ツールもっとも90年時点ではコミニュケーション・ツールにしても一般的には手紙と固 [続きを読む]
  • 櫻の園 Back in 1990 時代背景(8)
  • 1990年の日本はバブル時代、今回はこの時代に制作された象徴的なCMを取り上げたいと思います。JR東海の「クリスマス・エクスプレス」です。山下達郎と牧瀬里穂このCMは1988年〜1992年の年末にシリーズ化して放映されたもので、山下達郎の楽曲とともに多くの人の記憶に残っている作品ではないでしょうか。88年末に注目を浴びたCMは、89年の牧瀬里穂のバージョンでその人気と知名度を不動のものとし、年末にはその牽引役でもあった山 [続きを読む]
  • 櫻の園 Back in 1990 時代背景(7)
  • 1990年のFIFAワールドカップ・イタリア大会はドイツ再統一を控えた西ドイツの優勝で幕を閉じました。この優勝はサッカーの世界にとどまらない当時のドイツパワーを感じさせるものでした。欧州では前年に始まった東欧革命により共産主義体制が崩壊、第二次世界大戦後から44年間に渡って続いた東西冷戦が終了し欧州の地図が塗り替わっていくことになります。90年のドイツ再統一はその象徴ともいえる出来事でしょう。時代が大きく変わ [続きを読む]
  • 櫻の園 Back in 1990 時代背景(6)
  • 1990年のスポーツとして今回はサッカーのワールドカップ・イタリア大会を取り上げたいと思います。当時の日本サッカーの状況はまだ大変厳しいもので、前年に行われたイタリア大会のアジア予選も一次リーグ敗退という憂き目を見ています。こうした中、日本サッカーを大きく変えていくことになるプロリーグ検討委員会が組織されたのが90年のことでした。Jリーグ誕生前夜といったところでしょうか。当時、プロ化は時期尚早とも言われ [続きを読む]