happygogo さん プロフィール

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happygogoさん: 青い風のような貴公子たち
ハンドル名happygogo さん
ブログタイトル青い風のような貴公子たち
ブログURLhttp://aoikaze.sblo.jp/
サイト紹介文青春文学です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供76回 / 365日(平均1.5回/週) - 参加 2015/09/15 21:22

happygogo さんのブログ記事

  • マニラに向かう
  • 6月16日 曇り貨物船はマニラを目指して進んでいる。部屋の中は暑い。甲板に出れば海の熱風でさらに暑い。風呂に入ってシャワーを浴びる。海水を淡水に変えているが赤褐色の水の色は気持ちが悪い。シャワーを浴びてもべとべとした感じで、気持ちのいいものではない。船員はペンキを塗ったり甲板を洗ったりで忙しいが、僕は何もすることがなく部屋でごろごろしている。夕食が終わるとデッキチエアを船員から借りて甲板に持ち出し海 [続きを読む]
  • 香港にて
  • 5月16日  晴れ。今日は良く晴れた。香港晴れともいうべきか。日中は暑く、32度まで温度は上がった。遊びに行く気もせず、部屋の中にいる。もう香港はいい。早くマニラに行きたい。新しい舞台が見たい。「同じところに3日もいると飽きが来ますね。早くマニラにに行きたいですよ」と二等航海士の勝木に言う。「マニラは治安が悪いですよ」と勝木。「そのほうが面白いかもしれない」と僕。「マニラでは僕の恋人の妹を紹介しますよ」 [続きを読む]
  • 九龍へ
  • 6月15日  晴れ香港港からフエリ―で九龍へ渡る。当時は海底自動車トンネルもなかったので、フエリーは地元住民には貴重な交通手段であった。九龍の繁華街、全長3,8キロのネイザンロードを歩く。極彩色の看板があふれている。男物を中心とした露店が並ぶ男人街、洋服やアクセサリー、雑賀が並ぶ女人街、それはいかにも中国的雰囲気で見て回るだけで楽しかった。帰りに香港島の大丸百貨店でスコッチーウイスキーを3本買う。 [続きを読む]
  • 香港にて
  • 三島由紀夫はタイガーバーブガーデンについて次のように書いている。「この庭には嘔吐を催させるものがあるが、それが奇妙に子供らしいファンタジイと残酷なリアリズムの結合に依る。これほど大胆に、美という美に泥を引っかけるような庭を実現したのは、想像も及ばないことである」美に反逆するというか、芸術作品とは言えないだろうが、中国人の空想というものは強く感じる。悪趣味というか、実務家の喜びとはこの程度のものかと [続きを読む]
  • 香港にて
  • 6月14日 曇り相変わらず香港の空は雲に覆われている。9時にランチがやってきた。ランチに乗って香港島に向かう。タイガーバームガーデンに向かう。タイガーバームガーデンとは薬で巨富を築いた胡文虎が建てた壮大な別荘である。2000年に閉鎖され、敷地を切り売りして今は別荘だけが残っている。当時は高い塔もあって見晴らしは良かった。虎、鷹、竜、カバなどの彫像が置いてあってにぎやかなであった。ただ極彩色を使っているので [続きを読む]
  • 香港にて
  • 6月13日 曇り午後2時のランチで船に戻る。「早く帰ってきたな」と2等航海士の勝木さんが驚いた顔をする。「マカオでも行ってきたらいいのに」「いや、今日は疲れました」初の外国でかなり疲れた。夜、だれかがドアをノックする。船員かなと思ってドアを開けると、赤い口紅、目元には青いシャドーのけばけばしい女の顔が覗いた。売春婦だった。「買うか、100ドルでいいよ」と下手な日本語で言う。「100ドルも出すくらいならゴム人 [続きを読む]
  • 香港にて
  • 6月12日  雨のち曇り梅雨時期か天気がすぐれない。雨ひとしきり降る。9時にハシケに乗って香港島に上陸する。大丸百貨店に向かう。入口で「大丸百貨店のレストランは何階ですか?」と英語で聞く。「知りません」と日本語で女性は答えた。どうも日本人らしい。レストランを探すも見当たらない。諦めて食品売り場に行く。ビスケット、飴玉、チョコレートなどお菓子を買い込む。船が貨物船なので売店がない。甘いものを食べたくても [続きを読む]
  • 香港にて
  • 周囲を見るとまるで日本人の顔なのだが、言葉は通じない。日本製の車、オートバイ、カメラと日本製が街には溢れているのだが、ここは外国である。とりたて褒めることはないのだが、中国の女性は美しい。日本の女性のように大根足は見当たらいない。曲線美は素晴らしい。プロポーションも美しい。結婚するなら中国の女性も悪くない。皮膚の色も同じ黄色人種だし、お米を食べるのも似ている。言葉が通じるなら最高の伴侶になるだろう [続きを読む]
  • 香港にて
  • 繁華街で郵便局を探して、新聞社に原稿を送る。原稿を送ると気分的にタカシはほっとした。2階建てのバスに乗る。2階から香港の街を見下ろす。なんだか偉くなった気分である。バスを降りて繁華街を歩く。突然、激しい雨が降る。喫茶店にタカシは入る。コーヒーを注文すると「カフェね」と店員は言う。飲んでみるとコーヒーだった。繁華街から裏道に入ってみる。うす暗くなんとなくうらびれた感じ。繁華街のきらびやかさに比べて裏道 [続きを読む]
  • 美人との遭遇
  • ケーブルカ―の待合室でものすごい美人をタカシは見た。アメリカ人か英国人かスペイン人か、それは分からないが、相当の美人である。派手な花柄のブラウスに優美な薄茶色のスカート、頭にはシルクのネツカチーフのこの女性、情熱的な顔立ちをしている。日本にはこんな美人はいない。タカシの方を見るので、タカシも負けずに見返す。ケーブルカ―が発車した。彼女はタカシの前に座った。話しかけようと思うのだが、英語には自信がな [続きを読む]
  • 香港にて
  • 6月11日  晴れ午前9時 憧れの香港を見た。重く低く雲が立ち込めている。歯切れの悪い情景である。乱立する高層ビルがまるで墓碑みたいである。ハシケで香港島に上陸する。港で香港の女と英国人が激しい口喧嘩をしているのを見て驚く。この当時は香港は英国の植民地で、英国の影響が強かった。西洋マッケツトの前でタクシーを拾ってビクトリア・ピークへ。タクシーの運転手の愛想の悪いのには驚いた。チップをやってもにこりとも [続きを読む]
  • 香港
  • 6月10日  晴れ昨夜はほとんど揺れなかった。湖の上を走っているという感じである。明日はいよいよ香港である。香港では思い切り遊ぶつもり。真っ青な海。香港はまもなくあらわれるだろう。ここまでくると日本では真夏と言われる時候である。二等航海士の工藤さんが「香港につくと売春婦がハシケで上がってくるが決してドアは開けてはならない」と注意する。香港の売春婦は病気を持っている女が多いそうである。そんなものかなと [続きを読む]
  • 先島諸島
  • 6月9日  晴れ夜半、雨が激しく空を叩きつける音を聞いた。午前9時、先島諸島を通過中。水平線から積乱雲がむくむくと大空に向かって湧き上がっている。部屋の中は暑い。アンダシャツ一枚になる。コックの板垣君が鐘を鳴らして歩く。食事の合図である。船長、航海士、機関長ら幹部と一緒に食事をとる。冷凍食品なので旨いとは言えない。 お客はタカシ一人だが別に退屈はしない。話相手が欲しい時はコックの板垣君のところへ行 [続きを読む]
  • 沖縄通過
  • 6月8日     曇り沖縄本島に近づいた。「今は、沖縄の端を通過中だよ」二等航海士の工藤さんが海図に線を引きながら位置を教える。その沖縄を見たいのだが、ガスがかかって姿を見せない。海の風は生暖かく、ここまでくると夏の息吹を感じる。午後4時、太陽が顔を出した。風呂から上がって甲板に出ると熱風だ。体中が熱くなっていく気がして南国台湾が近づいていたことを知る。台湾には寄港せず。帰りに寄ることになる。href= [続きを読む]
  • 屋久島海峡
  • 6月7日午前11時30分、屋久島海峡を通過する。雨、降りしきる。屋久島を重い雲が立ち込めている。4時過ぎに雨が止んだ。波は静かである。午後6時、雲の切れ間から青い空が顔を出した。何もすることがないので三島由紀夫の美徳のよろめきを読む。節子のような女性は現実に存在するかもしれない。都会の恋であって田舎の恋ではない。節子は自分のスキヤンダルで父親が責任を取らされるのは恐れて恋人土屋を捨てるわけだがいかにも現在 [続きを読む]
  • 足摺岬
  • 6月6日嵐は収まった。「船は揺れるものですね」と三等航海士の西坂君にタカシが言うと、思わず笑って「昨夜は低気圧が通過したからですよ」と言う。海の男、西坂君にとってそんな事は日常茶飯 であって別に気にはしてないという風であった。午後一時、室戸岬沖を通過する。午後6時、足摺岬を通過。波は収まったものの、空はどんより曇っている。双眼鏡で覗くと、灯台が飛び込んできた。周辺に人家が見える。下に降りてコックの板 [続きを読む]
  • 6月5日7時朝食朝食の時、船長が一等航海士、2等航海士、3等航海士、機関長、無線室長を紹介した。タカシは客であるから幹部と一緒に食事をとるのだが、冷凍ものが多く、まずかった。夜半になって嵐に遭遇した。ベツトから転げ落ちそうになる。船はぎーぎと不気味な音を立てる。大型の船ならこんなに揺れないだろうが、老朽船であるから揺れも直接というか、まともに波の影響を受ける。船旅とはこんなものかと、先を思うと憂鬱にな [続きを読む]
  • 横浜新港にて
  • 作られたベツト、白いシーツの上にボストンバッグを放りあげる。近くの椅子に座る。ボストンバッグには10冊ほど本が詰めてある。小説、哲学書、経済学の本。その中の一冊、三島由紀夫の「美徳のよろめき」をタカシは読む。都会の恋、田舎ではこんなセンスのある小説は書けない。東京の文学であって、地方の文学ではない。なかなか上手に書いてあって、こんな女はいるだろうと思う。都会の恋のはかなさ、それは人生である。虚しさ [続きを読む]
  • 横浜新港にて
  • 1970年6月4日パスポートやら種痘の接種など、渡航に必要な手続きを済ませて指定された時刻に横浜の新港の桟橋にタカシは向かった。船体は下がオレンジで船橋は白である。オレンジ色もはげた部分もあって古い貨物船である。これでボルネオまで行くのかと思うと多少タカシは不安になった。船名は和光丸、2千トンクラスの中型クラスの貨物船である。クレーンで次から次へと貨物が船倉に積み下ろされている。一等航海士にパスポートを [続きを読む]
  • 佳子への手紙その2
  • 佳子への手紙「日本脱出。この旅で新しい日本像を僕は掴むだろう。そこにすごい成長があると思う。青春の息吹を感じている。長い間、この時を待っていたように思う。冒険と華やかさ。これがなければ面白くない。砂をかむような味気ない生活から脱出。今は毎日が生き生きとしている。初めての海外旅行。横浜から船が出るとき心が躍る。まだ見ぬ東南アジアへ思いを馳せるとき心は高まる。君は海外旅行へは何度も行っているから感動と [続きを読む]
  • 佳子への手紙
  • 佳子への手紙「青春がやってきたという感じ。日本を脱出するのだと思うと心がわくわくしてくる。外から日本を眺めるのはとても大切な観点だと思う。外国から日本はどう見えるのか、これはとても興味ある観点だ。日本にいると日本のことはよくわからないが外国から日本を眺めると日本の問題点が鮮明な形で浮かび上がってくる。これは以前から知りたいと思っていた。日本とは一体なんであるか。今度の旅な中でしっかりそのことを考え [続きを読む]
  • 佳子への手紙
  • 佳子に報告しょうと思うけど、佳子は電話に出ない。外出中と佳子の母親は言う。変だなと思う。そこで佳子に手紙を書く。「6月にボルネオに行くことになった。飛行機ではなく貨物船に乗って。ラワン材の集荷を取材する。ひと月以上。新聞記者の漫遊記のようなものを書けと会社の専務は言う。漫遊記ならさほどむずかしくはない。自分でもできると専務に言ったけれど、本当は自信がない。香港、台湾、フィリピンから記事は送る。海外 [続きを読む]
  • ボルネオ行き
  • 佳子から返事がこなかったのでタカシはがっかりした。仕事は忙しかった。毎朝7時に出て帰宅は午後10時であった。こんな生活が嫌になった。タカシは次第に自分が嫌になっていた。ストレスが溜まっていった。悩んでいるとき専務からラワン材の取材でボルネオに行ってくれないかと相談があった。貨物船に乗って香港、台湾、フィリッピンをひと月かけて周るのである。日本脱出、これは愉快だとタカシは思った。今までの鬱憤を晴らす [続きを読む]
  • 佳子への手紙
  • 佳子のへの手紙人との対面の中で自分の自信のなさが出ていやな気がします。もっと自分に自信が持てる人間になりたいのです。青春には大きな夢があるはずですが、今の僕のそれは猥雑で縮小された目標しかないのです。それはあまりにも利己的な夢。これが夢と呼べるだろうか。現実の生活の厳しさに負けて希望を失っているそんな自分がとても嫌なのです。あなたの愛で僕の傷ついた心を慰めてください。あなたの優しい言葉が傷ついた僕 [続きを読む]
  • 佳子への手紙
  • 新聞記者になってからいつも佳子のことを思っていた。時々電話をするのだが、いつもが外出中である。佳子に手紙を書く。「栂野佳子様今は新聞記者をやっています。新聞社といっても業界紙で、林材関係の、住宅グラフという雑誌の編集記者です。農林省や建設省の取材に行かねばならず、結構大変です。嘘はかけないし真実を書かねばなりませんから。朝6時に起床、夜は午後23時帰宅、床に就くのは午前1時です。忙しいばかりでこれでい [続きを読む]