chocoholic さん プロフィール

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chocoholicさん: No book , no life !
ハンドル名chocoholic さん
ブログタイトルNo book , no life !
ブログURLhttp://fanblogs.jp/twinklelittlestar/
サイト紹介文ゆるくどこでも楽しめる文庫Blog版。タダで小説や短編集を少しづつご紹介。名作アリ。暇潰しに!
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供403回 / 361日(平均7.8回/週) - 参加 2015/09/26 19:40

chocoholic さんのブログ記事

  • 母を尋ねて三千里_6
  • 母を尋ねて三千里アミーチス日本童話研究会訳 三  マルコは青い草の道に立って手をあげながら荷車の一隊を見送っていました。荷車の親方も人足たちも手をあげてマルコを見ていました。やがて一隊は平野の赤い土ほこりの中にかくれてしまいました。  マルコは草の道を歩いてゆきました。夜になると草のしげみへはいってふくろを枕にして眠りました。やがていく日かたつと彼の目の前に青々とした山脈を見ることが出来ました。マ [続きを読む]
  • 母を尋ねて三千里_5
  • 母を尋ねて三千里アミーチス日本童話研究会訳 朝の四時になりました。星はつめたそうに光っていました。荷車の長い列はがたがたと動き出しました。荷車はみな六頭の牛にひかれてゆきました。そのあとからはたくさんな馬もついてゆきました。  マルコは車に積んだ袋の上にのりました。がすぐに眠ってしまいました。マルコが目をさますと、荷車の列はとまってしまって、人足にんそくたちは火をたきながらパンをやいて食べているの [続きを読む]
  • 母を尋ねて三千里_4
  • 母を尋ねて三千里アミーチス日本童話研究会訳  つぎの朝マルコはよろこび勇んでコルドバへ向って出かけました。マルコの顔はよろこびにかがやきました。  マルコは汽車にのりました。汽車は広々とした野原を走ってゆきました。つめたい風が汽車の窓からひゅっとはいってきました。マルコがジェノアを出た時は四月の末でしたがもう冬になっているのでした。けれどもマルコは夏の服を着ていました。マルコは寒くてなりませんでした [続きを読む]
  • 母を尋ねて三千里_3
  • 母を尋ねて三千里アミーチス日本童話研究会訳 二  マルコはすっかりつかれてしまいました。息が苦しくなってきました。そしてその次の日の暮れ方、果物をつんだ大きな船にのり込みました。  船は三日四晩走りつづけました。ある時は長い島をぬうてゆくこともありました。その島にはオレンヂの木がしげっていました。  マルコは船の中で一日に二度ずつ少しのパンと塩かけの肉を食べました。船頭たちはマルコのかなしそうな様子 [続きを読む]
  • 母を尋ねて三千里_2
  • 母を尋ねて三千里アミーチス日本童話研究会訳  そしてマルコは首にかけていた十字のメダルにキスしながら「どうかおかあさんにあわせて下さい。」と祈りました。  出発してから二十七日目、それは美しい五月の朝、汽船はアルゼンチンの首府ブエーノスアイレスの都の岸にひろがっている大きなプラータ河に錨を下ろしました。マルコは気ちがいのようによろこびました。 「かあさんはもうわずかな所にいる。もうしばらくのうちにあ [続きを読む]
  • 母を尋ねて三千里_1
  • 母を尋ねて三千里アミーチス日本童話研究会訳    一  もう何年か前、ジェノアの少年で十三になる男の子が、ジェノアからアメリカまでただ一人で母をたずねて行きました。母親は二年前にアルゼンチンの首府ブエーノスアイレスへ行ったのですが、それは一家がいろいろな不幸にあって、すっかり貧乏になり、たくさんなお金を払わねばならなかったので母は今一度お金持の家に奉公してお金をもうけ一家が暮せるようにしたいがため [続きを読む]
  • トロッコ_4(完)
  • トロッコ芥川龍之介  良平はしばらく無我夢中に線路の側を走り続けた。その内に懐の菓子包みが、邪魔になる事に気がついたから、それを路側へ抛り出す次手ついでに、板草履も其処へ脱ぎ捨ててしまった。すると薄い足袋の裏へじかに小石が食いこんだが、足だけは遙かに軽くなった。彼は左に海を感じながら、急な坂路を駈け登った。時時涙がこみ上げて来ると、自然に顔が歪んで来る。――それは無理に我慢しても、鼻だけは絶えずく [続きを読む]
  • もみの木_5(完)
  • もみの木 GRANTRAEETハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen楠山正雄訳 それから、もみの木は、森のなかにはえていた、かわいらしい白かばの木のことをおもいだしました。その白かばの木は、ほんとにきれいでしたから、もみの木には、それがうつくしい王女さまのようにおもわれました。 「でっくりもっくりさんて、だれなんですか。」と、小ねずみたちがたずねました。もみの木は、ひとつもまちがえずに [続きを読む]
  • もみの木_4
  • もみの木 GRANTRAEETハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen楠山正雄訳 つぎの朝、召使たちがやってきました。 「ああ、きっともういちど、りっぱにかざりなおしてくれるんだな。」と、もみの木は思いました。けれども、召使たちは、木をへやのそとへ、ひきずっていきました。そして、はしごだんをあがっていって、屋根うらのものおきのうすぐらいすみへ、ほうりあげました。そこにはまるで、お日さまの [続きを読む]
  • もみの木_3
  • もみの木 GRANTRAEETハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen楠山正雄訳 そんなふうに、あれやこれやとかんがえるのも、もっともなことでした。けれども、もみの木はあんまりかんがえつめたので、からだのかわが、いたくなりました。ちょうど、にんげんが、ずつうでくるしむように、木にとっては、このかわのいたいのは、かなりこまるびょうきなのでした。  さて、ろうそくのあかりがつきました。なんと [続きを読む]
  • もみの木_2
  • もみの木 GRANTRAEETハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen楠山正雄訳 クリスマスがちかくなってくると、わかい木がなんぼんもきりたおされました。なかには、このもみの木よりもわかい小さいのがありましたし、またおない年ぐらいのもありました。ですからもみの木は、じぶんも早くよその世界せかいへでたがって、まいにち、気が気でありませんでした。そういうわかい木たちは、なかでも、ことに枝ぶ [続きを読む]
  • もみの木_1
  • もみの木 GRANTRAEETハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen楠山正雄訳 まちそとの森に、いっぽん、とてもかわいらしい、もみの木がありました。そのもみの木は、いいところにはえていて、日あたりはよく、風とおしも十分じゅうぶんで、ちかくには、おなかまの大きなもみの木や、はりもみの木が、ぐるりを、とりまいていました。でもこの小さなもみの木は、ただもう大きくなりたいと、そればっかりねが [続きを読む]
  • 赤いくつ_4(完)
  • 赤いくつ DE RODE SKOハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen楠山正雄訳 次の日曜日に、人びとはうちつれてお寺にいきました。そして、カレンも、いっしょにいかないかとさそわれました。けれどもカレンは、目にいっぱい涙をためて、悲しそうに松葉杖をじっとみつめていました。そこで、人びとは神さまのお声をきくために出かけましたが、カレンは、ひとりかなしく自分のせまいへやにはいっていきました [続きを読む]
  • 赤いくつ_3
  • 赤いくつ DE RODE SKOハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen楠山正雄訳 ある朝、カレンはよく見おぼえている、一軒の家の門ぐちを踊りながら通りすぎました。するとうちのなかでさんび歌をうたうのが聞こえて、花で飾られたひつぎが、中からはこび出されました。それで、カレンは、じぶんをかわいがってくれたお年よりの奥さまがなくなったことを知りました。そして、じぶんがみんなからすてられて、神 [続きを読む]
  • 赤いくつ_2
  • 赤いくつ DE RODE SKOハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen楠山正雄訳 その次の日曜は、堅信礼のあと、はじめての聖餐式のある日でした。カレンははじめ黒いくつを見て、それから赤いくつを見ました。――さて、もういちど赤いくつを見なおした上、とうとうそれをはいてしまいました。その日はうららかに晴れていました。カレンとお年よりの奥さまとは、麦畑のなかの小道を通っていきました。そこはか [続きを読む]
  • 赤いくつ_1
  • 赤いくつ DE RODE SKOハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen楠山正雄訳 あるところに、ちいさい女の子がいました。その子はとてもきれいなかわいらしい子でしたけれども、貧乏だったので、夏のうちははだしであるかなければならず、冬はあつぼったい木のくつをはきました。ですから、その女の子のかわいらしい足の甲は、すっかり赤くなって、いかにもいじらしく見えました。  村のなかほどに、年より [続きを読む]
  • 眠る森のお姫さま_5(完)
  • 眠る森のお姫さまペロー Perrault楠山正雄訳四 ふたりはその晩、ほんのわずかしか眠りませんでした。王子は、あくる朝、王女にわかれて町へかえりました。おとうさまの王様が、待ちこがれておいでになるところへ、かえって行ったのでございます。  王子は、狩かり[#「狩かり」は底本では「狩かりり」]をしているうち、森の中で道にまよって、一軒の炭焼小屋にとまって、チーズや黒パンをたべさせてもらったことなどを話しま [続きを読む]
  • 眠る森のお姫さま_4
  • 眠る森のお姫さまペロー Perrault楠山正雄訳  王子はそれから、大理石をしきつめた大ろうかを通って、かいだんの上まで行って、番兵のつめているへやにはいりますと、番兵らは鉄砲てっぽうを肩にのせてならんだまま、ありったけの高いびきをかいてねていました。それからまた進んで、いくつかのへやを通って行きますと、どのへやにも、紳士しんしたちや貴婦人きふじんたちが、立っているものも、腰をかけているものも、みんな、 [続きを読む]
  • 眠る森のお姫さま_3
  • 眠る森のお姫さまペロー Perrault楠山正雄訳三 さて、百年は夢のようにすぎました。そのじぶん、その国をおさめていた新しい王様の王子が、ある日、眠る森の近くを通りかかりました。  この王子は、眠っている王女の一族が、とうに死にたえて、そのあとに代って来たべつの王家の王子で、その日はちょうど、そのへんに狩りに出かけて来たかえり道なのです。それで、遠くからお城の塔をみつけると、あの森の中にある塔はなんだと [続きを読む]
  • 眠る森のお姫さま_2
  • 眠る森のお姫さまペロー Perrault楠山正雄訳二 王様は、妖女のおばあさんのよげんしたさいなんを、どうかしてよけたいとおもいました。そこで、その日さっそく、国じゅうにおふれをまわして、たれでも、糸車につむをつかうことはならぬ。家のうちに、一本のつむをしまっておくことすら、してはならぬ。それにそむいたものは死刑にすると、きびしくおいいわたしになりました。  さてそれから、十五六年は、ぶじにすぎました。あ [続きを読む]
  • 眠る森のお姫さま_1
  • 眠る森のお姫さまペロー Perrault楠山正雄訳一 むかしむかし、王様とお妃がありました。おふたりは、こどものないことを、なにより悲しがっておいでになりました。それは、どんなに悲しがっていたでしょうか、とても口ではいいつくせないほどでした。そのために、世界じゅうの海という海を渡って、神様を願をかけるやら、お寺に巡礼をするやらで、いろいろに信心をささげてみましたが、みんな、それはむだでした。  でもそのう [続きを読む]
  • 奇妙な依頼人_8(完)
  • 奇妙な依頼人A Tale about a Queer Clientチャールズ・ディケンズ Charles Dickens枯葉訳ヘイリングの底知れぬ憎悪は、迫害の成功によって満たされるどころではなく、むしろ百倍にも強まっていた。老人の逃亡を知らされた彼は激怒したよ。激情に歯をきしらせ、髪をかきむしり、令状を手に出動した連中を凄まじく罵ってね。逃亡者の確保を繰り返し保証することで少しだけ落ちつきを取りもどしたようだった。エージェントが彼の求め [続きを読む]
  • 奇妙な依頼人_7
  • 奇妙な依頼人A Tale about a Queer Clientチャールズ・ディケンズ Charles Dickens枯葉訳3年後、その容赦ない仕事ぶりで当時はよく知られていたとあるロンドンの弁護士の戸口で、ひとりの紳士が私用の馬車から降りたち、重要な仕事があるので内々でお目にかかりたい、と頼みこんだ。まだ人生の盛りを越していないのは明らかなのに、顔色が悪く、頬はこけ、希望のない顔つきをしていた。弁護士のするどい観察力をもってするまでもな [続きを読む]
  • 奇妙な依頼人_6
  • 奇妙な依頼人A Tale about a Queer Clientチャールズ・ディケンズ Charles Dickens枯葉訳夏のことだった。暗澹たる想いを抱えた男は、ふだんから、夕闇押し迫る時間に人里離れた住まいからでると、崖下の細道を通り、散策中に見つけて気に入っていた寂しい場所に行き、手頃な落石の残骸に腰を下ろして両手に顔をうずめ、何時間も――ときには真夜中頃、頭上に立ちはだかる崖の影が周囲のものすべてに漆黒の闇で覆う頃まで――じっ [続きを読む]
  • 奇妙な依頼人_4
  • 奇妙な依頼人A Tale about a Queer Clientチャールズ・ディケンズ Charles Dickens枯葉訳その夜、静寂と荒廃に包まれた惨めな部屋で、哀れなその男は妻の傍らにひざまづいて、神の名を唱え、その時から始まったおぞましい誓いを立てた。その身を妻子の復讐に捧げようと。今このときより息絶えるその瞬間まで、その全精力をひとつの目的のために注ぎこむのだと。その復讐をじわじわと苛烈に果たしてみせると。その憎悪を決して忘れ [続きを読む]