山田改造 さん プロフィール

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山田改造さん: 週刊Pillow Talk
ハンドル名山田改造 さん
ブログタイトル週刊Pillow Talk
ブログURLhttp://weeklypillowtalk.blogspot.jp/
サイト紹介文なんとも言えないオリジナル小説と役立たずの散文集。コンセプトはシンプル、ファンタジック、ミステリ
自由文このブログは山田改造が、
ただ小説を書いて、ただただ発表していく
シュールなブログです。

週刊というからには週一の更新を目指して。
毎週土曜日を目安に。

小説に関するご意見・ご感想・ご指摘などありましたら遠慮なくお願いします。

小説家になろう様にて長編も書いてます
http://ncode.syosetu.com/n5743cx/
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供21回 / 365日(平均0.4回/週) - 参加 2015/10/18 19:44

山田改造 さんのブログ記事

  • 失恋 ―重ねる言葉は空虚に響く
  •  甘い言葉に騙されるのはもうたくさんだ。「まさかの制服デートをしてくれるとは、ね」 理解し難い思考だ。 この男は浮気を重ねている。「制服可愛いなぁ。君のことが一番なんだ、よ」 別にその程度の男なのだ。 坂崎賢太郎はサッカー部のエースストライカーで、チームプレーより独善的なプレーを好む。飛び抜けた才能と甘めのルックスで周囲からの眼差しをほしいままにしている。 野性味のある彼の瞳は、世代を問わず女子た [続きを読む]
  • 律の見た予知夢は当たらない(6)
  •  中田茉那美は呆れている。 律はあの頃から成長していないのだ。背丈ばかり伸びて頭の回転は変わっていないと評価した。今までどんな家庭教師が横についていたのだろう。よほどの能無しなのか。知能指数が上がれば絵の才能だってもっと引き伸ばせるはずだ。それなのに3年前と変わらず子どものままだった。 少しばかりショックを受けた。もう少し賢い娘だと思っていたから。 それもこれも、この鳥かごのような環境が悪いのかと [続きを読む]
  • 律の見た予知夢は当たらない(5)
  •  パァンッ!! 火花が散った。目ン玉が飛び出るかと思うほどの衝撃がくる。 律はよろけた。 何が起きたのか解らなかった。 長身の男はギラリと律を睨む。「オイオイオイ… フザケてんじゃないぞ、りぃつー」「…」 律は堪えきれずに尻餅をついていた。「会食にこねぇと思ったら何やってんだよ! どれだけ手塩にかけて育てたと思ってんだ? どんだけそれがわからねぇ娘に育っちまったんだ? ア!? 俺は情けねぇぞ…」 これ [続きを読む]
  • 律の見た予知夢は当たらない(4)
  • 「お久しぶり、りっちゃん」「先生っ」 外の景色が一望できるはずのゲストルームは、今はシャッターが降りていて、いつもの開放感がない。天候がいつまでも悪いので仕方のないことだった。「先生、何年ぶりかな」 律は自分が呼び寄せたお客に相対している。結局、下には降りられなかったが中田茉那美と連れの杉田胡桃に会うことができたのだ。「ちょうど3年だ」 中田茉那美は黒のスーツで決めていてショートカットの髪をスタイ [続きを読む]
  • 律の見た予知夢は当たらない(3)
  •  スカイエルムタワーは地上60階の高層ビルだ。 最上の60階と59階には真田家の居住スペースがある。そこにはメイドや家庭教師を含めて20名近くが暮らしていた。律は一人っ子だし、パパはママと別居しているから、真田家の人間は二人だけだ。 同じビルの20階から40階まではパパが働いている真田総研が入っていた。60名程度の正社員を抱える研究機関である。 スカイエルムには他にもホテルやスポーツジム、ショッピングセンターが [続きを読む]
  • 律の見た予知夢は当たらない(2)
  • *** バスルームを出ても悪夢は続く。 律を取り巻く4人の専属メイドたちは歯磨きの手伝いから下着の替えまで用意してくれるのだ。ドライヤーで髪を乾かされながら、新しいTシャツを被せられる。犬のキャラが描かれた子どもっぽいデザインだ。クリーム色のカーディガンにブラウンのショートパンツを身に着けていった。 律は着せ替え人形のように突っ立っているだけで良かった。いつの時代のお姫様の話だろうと思う。 不自由だ [続きを読む]
  • 律の見た予知夢は当たらない(1)
  •  夢を見ていた。 真田 律(さなだ りつ)は深い湖の底に沈んでいく。 淡水湖には奇妙な生物ばかりが棲んでいた。出来損ないの動物クッキーが漂っているように見える。微弱な光源しかない無音の世界だ。 律は思う。 齢12年と半年。栄養もたっぷりあって、こんなにカワイイ女の子なのに。充分に美味しそうなつもりだけど、どの魚も食べにやってこない。律は魚たちに無視されていると悟った。 無気力につぶやく。「少しは興味を [続きを読む]
  • ラプンツェルの消失(4)
  • 「どこにもいませんねぇ、りっちゃん」 奥野有亜(おくの ありあ)は、単に地下と呼ぶ『最下層居住区』の出身者だ。出自としては貧困層になる。彼女は真田家にメイドとしてやってきて一年にも満たない。 大人しい娘で織愛と同い年の18歳だ。「間違いなく、お嬢はここに居た。パパにぶん殴られてから部屋に閉じこもって一回も出てきてないはずでしょ」 織愛はもっと捜すように有亜に頼む。 少し困ったように、ふとんをめくった [続きを読む]
  • ラプンツェルの消失(3)
  • 「出てこないのなら今日はもう帰るしかなさそうだね」 中田茉那美は織愛にそう告げていた。「すみません! 旦那様の言いつけで外に出てもらうわけにはいきませんので…」 織愛は押し戻そうとする。 ゲストルームの扉の前で茉那美と杉田胡桃が出てきたところだった。 織愛はこの二人が律の誘拐に関与している可能性を考えていた。茉那美は真田幸晴に対立する唯一の人物だ。「真田さんのご命令なら背いても構わないな」 茉那美 [続きを読む]
  • ラプンツェルの消失(2)
  •  その日の正午は珍しく律に客があった。 三年前に律の家庭教師を務めていた茉那美(まなみ)という女性だ。黒のスーツにショートカットのすらりとした出で立ちで、胸は自分より大きいと織愛は思った。 真田家の当主・真田幸晴(さなだ ゆきはる)からは大いに嫌われている人物だ。嫌われているので彼女を呼ぶ理由はないはず。勝手に来るわけもないので、ということは律が呼び出したに違いない。 もう一人、絵描きの友人である [続きを読む]
  • ラプンツェルの消失(1)
  •  いかにして真田 律(さなだ りつ)が消えたのかが謎だった。 幾原 織愛(いくはら おりえ)は主である少女の居なくなった部屋を眺めていた。予告されていた誘拐犯がいつの間にか侵入したらしい。 どうやって? 不可能だ。 セキュリティの完備された48階建ての高層マンション。最上階とすぐ下の階が真田家の自宅になっている。織愛を含むメイドたちは武装して警戒していたはず。 律は自宅から一歩も外に出ていない。最上階の [続きを読む]
  • 山田の創作メモ.1
  • 【コラムと言うよりはメモに近い、小説を書くときのTip集 その1】 僕は小説を書くときにイメージを横に置いて仕上げていくことが多い。 登場人物たちが舞台を歩いて、周りには何があってどうなってるとか、状況説明をするためにも参考としてイメージを置いている。 イメージとは主にグーグル検索画像やアナログの雑誌、自分で撮った写真資料など、小説の参考にするために集めたものだ。 写真を見ながら主人公がその絵面の中を [続きを読む]
  • 密室のショートケーキ【真相】
  • 「花巻せんぱいってどこの本屋に行ってたんだろ? 花の木書房なんてけっこう遠いけどさ」「さあ」 私はどうでもいいことを気にする妹に気のない返事をする。「そんなことより、どうして冷蔵庫にケーキがあるって嘘をついたの?」「だって… 身の危険を感じたから」 沙智は前を歩く里佳子せんぱいを気にしながら答えた。「冷蔵庫にないってことは、わたしが食べたって思われるじゃん」「思われないよ。不自然に思われると思わなか [続きを読む]
  • 密室のショートケーキ【推理】
  • 「君が犯人だ」「待ちなさいっ 違いますから! 言いがかりも甚だしいです!」 里佳子せんぱいと恋乃葉せんぱいが激高している。いやどちらかと言うとヒートアップしているのは恋乃葉せんぱいか。「わたくしは今日、買い物をしていたんです。それだけです」「ずっとか? それだけじゃないだろ。やはり君が犯…」「カフェでお茶したり! コスメを見に行ったり… してました」「そうか、ならモデルルームには近づいてないわけだな? [続きを読む]
  • 密室のショートケーキ【氷結】
  • 「私は…」 何をしていたのか思い返してみる。 私は私が犯人でないことをよく知っている。そもそも里佳子せんぱいに依頼されたものを、自分で手づくりしてきて、自分で食べ尽くすなんてしない。「昨日の夕方にカードと鍵を借りてケーキを届けました。冷蔵庫に仕舞って颯爽と帰りました。だから昨日の夕方から今日の19時まで私は一度も部屋に来ていません」 変に疑われないよう、言質を取られないように考えながら喋る。「君たち [続きを読む]
  • 密室のショートケーキ【土葬】
  •  トナカイの着ぐるみに赤い玉を鼻にくっつけている。どうしてたまきは身体についた汚れを擦り付けるようにして高級マンションで寛げるのだろう。「ずっと居たんだな、これが」 たまきは得意気にニコニコしているが疑わしい言動だ。 あり得ないのだ。セキュリティカードでロックされた部屋の中で、何か動いているものがあれば赤外線センサーに引っかかるはず。たまきはそれを知らないのだろうか。 それとも沙智をかばっている… [続きを読む]
  • 密室のショートケーキ【煉獄】
  • 「そんなことをして何の意味があるのです?」「いえ… 誰かを疑うつもりはないんですけど、一応… 事実関係の整理を…」 私は呆れている様子の恋乃葉せんぱいにそう答えていた。 沙智の身の潔白につながるか解らないが、みんなの行動に不審な点がないかを確認するのだ。そうすれば沙智以外にも不審者が浮き彫りになるのではないかと思う。 窓の外でしんしんと雪が降り積もる音が聞こえてきそうだ。 微弱な暖房だけど心なしか暑 [続きを読む]
  • 密室のショートケーキ【慟哭】
  •  これは誰も居ないはずの密室だったこの部屋から、いかにしてショートケーキを消失させたのかを明らかにするお話だ。 実にくだらない、生産性のない話し合いである。「さぁ どういうことか説明してもらおう」 私はその日の夜、恋乃葉せんぱいのマンションで行われる壮行会に呼ばれていた。この表現は正確でない気がするけど、当の里佳子せんぱいがそう言っているのだから間違いではないのだ。「犯人は君だろ? 荻原沙智(おぎわ [続きを読む]
  • 密室のショートケーキ【序章】
  • 【序章】 ファーストキスの味はねっとりと甘酸っぱかった。 私が極度の拒否反応を示して、相手を突き倒してやるには充分な理由だ。 私はモデルルームを飛び出して、泣きながら粉雪の舞う町をさまよった。そういうことに耐性がないということもあるけれど、意図せず突然 唇を奪われることに嫌悪感があった。好きとか嫌いとか意識もしないやつだったのに、いきなり迫ってくるなんて気持ちが悪いと思うのだ。 だいたいイベントご [続きを読む]
  • 鏡のように
  •  私たち姉妹は似ていない。 憎たらしいくらいだ。 どちらかが橋の下で拾われてきたのではと思うほどに、性格も嗜好もまったく相容れないと思う。どうしてこんなにも違うのかずっと考えていた。 妹の前をずっと走り続けてきた私だから、彼女のことは俯瞰で見ることができるのだ。 私は沙智とは違う。 第一に、私は親の言うことをよく聞くということ。お母さんのお使いには必ず私が行くことになっているのだ。それは暑い季節で [続きを読む]
  • 絶望の世界と希望のインスタントラーメン
  •  どうしたら地球に帰れるのだろう。 早く元の世界に戻りたい。「教えてあげよっか?」「いい…。黙っててくれる?」 状況は絶望的だ。 沙智は長い間うずくまっていた。同じ姿勢のままで時を過ごす。 ずっと考えていた。絶望に囲まれた世界では誰も助けもやってこない。残った食料と水は僅かだ。沙智は立ち上がることはできない。 加えて外敵はもうすぐそこに迫っていた。これでは迂闊にトイレにも行けない。何もかもが閉塞的 [続きを読む]
  • 恋の音
  •  響 和毅(ひびき かずき)は恋に落ちていた。 彼女に初めて逢ったその日、皿でも割れたかのようなショック音が頭の中で響いた。 これが一目惚れというものか。 和毅は引きこもりがちで、普段から友だちや家族とも上手くコミュニケーションが取れないでいた。クラスでは浮いた存在となっていて学校は好きになれなかった。考える必要もないから一人でいるほうが気楽なのだ。 だが、ずっと引きこもっていることはできなかった。 [続きを読む]
  • 雨の日の捜索願い
  •  「もうさがさないで」 そう記されたメモが見つかったのは今朝のことだった。 沙智は事態は深刻であると一瞬の内に悟る。 ノートの切れ端にミミズの這ったような字が記されていた。幼稚園児並みの字面だ。悪ふざけで書いたものではないということは妹の沙智にはよく解る。「家出…!?」 姉の絢香が家から居なくなったのだ。 昨日のケンカが原因だろうと思う。 絢香の買った高級なハンドクリームを、沙智はいつも使い過ぎる [続きを読む]
  • 断絶の檻 〜好奇心は私を殺す〜
  • 「福助ってなんだよっ」 たまきが口を尖らせていた。 頬が膨らんで風船みたいだ…。 珍しい… と思った。 機嫌の悪いたまきを見るのは何年ぶりだろう。あまり気にして見ていたこともないから思い出せないけど、少なくとも春に雪が降るくらいは珍事と言っていい。 関わり合いにならないほうが身のためだ。 私は狭くて暗い部室で、いつも通りのテープ起こしのアルバイトに集中していた。イヤホンで里佳子せんぱいと取材相手の [続きを読む]
  • 衝動の殺意(後)
  • 「そんな、まさか…」 恋葉(このは)は踵を返して部屋の中央まで戻る。 めちゃくちゃに荒らされた部屋には人が隠れるスペースなど見当たらない。見渡す限り散らかった資料と備品ばかり。 しかし里伽子は生徒会室の中に真犯人が居るとのたまうのだ。この部屋荒らし自体は里伽子がやったのではないのか? 里伽子が言うには学生服の男子が侵入していたらしいが。「何の冗談ですか?」 恋葉は再び里伽子を睨みつける。「ここには [続きを読む]