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2015/10/31

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  • 【ノアイレス】‐BAR‐⑨

    心臓が、まるでそれ自体が意思を持っているかのように、大きな波を打っていく。 「君たちが何がしたいのか、何をしようとしているのか、私には想像もつかない。それなにの、『どうしたい?』と、私に聞くのか? 主導権を持っているのは君たちだ。好きにしたらいいさ」 「あなた自身のことを...

  • 【ノアイレス】‐BAR‐⑧

    ケイは右手で真っ赤なネクタイを緩めながら、左手はキラリと光る何かを掴もうとしていた。 エマは興奮したような笑みを浮かべて私を見ている。 彼らは……、何をしようとしているんだ? 私を……、殺すってことなのか? そんなこと、あるはずない。 そんな非現実的なことが、自分の...

  • 【ノアイレス】‐BAR‐⑦

    深緋色に染まったグラスが、カランカランと澄んだ音を立てながら、目を見開いている私の前に差し出された。金色のカウンターは、古いテーブルライトとロウソクの明かりに照らされて、赤橙の色に染まっている。 二人がとった予想外の行動に、私は目だけをキョロキョロさせながら、若草色のカウンタ...

  • 【ノアイレス】‐BAR‐⑥

    彼らの顔から笑みが消え、真一文字に口を閉じたまま、私の目をずっと覗き込んでいた。 そして私は、そんな彼らの顔から目が離せなかった。 彼らの行動と、状況と、そしてそれに繋がっているであろう原因とを、頭の中で整理をしてみても、それらが一本の線では繋がらない。 なぜ、彼らは急...

  • 【ノアイレス】‐BAR‐⑤

    ほんの数秒の間。 エマは私の目をじっと見続けて、私の目の中の、その奥にある「何か」を見ているようだった。 そして私の目は、そんな彼女の視線から逃げ、手元のカクテルを映し出したんだ。 「ふふっ」 エマの静かな笑い声が、視界の外から聞こえていた。 私は手に...

  • 【ノアイレス】‐BAR‐④

    エマは眉を少しだけ上げ、ポカンとした表情を浮かべて私を見ていた。 彼女のそんな表情に、私も頭を傾けた。 なんとも掴みようのない空気が、私たち二人の間に流れていた。 エマの隣で、ずっと静かにグラスを磨き続けているケイは、その空気感を楽しんでいるようにも見えたが、彼の口から...

  • 【ノアイレス】‐BAR‐③

    価値観の違いから起こる衝突と、その衝突から生まれる悲劇。 私が平伏するあの独裁者は、時のブラッディーメアリーで、迫害されている人民は私なんだ。 勇気を振り絞り、その迫害に立ち向かった者たちはどうなった。 失意のうちにこの世を去っていったじゃないか。 そして、平和だ...

  • 【ノアイレス】‐BAR‐②

    誰に相談をしたとしても、「そんな会社、早く辞めてしまえばいい」と、言うだけだろう。 私ですら、そう思いながら過ごしていたのだから。 独裁政治国家から抜け出すのは簡単なんだ。 「辞める」と、書いた紙を一枚出せばいい。 でも、それを出した後を考えると、どうしても二の足を踏...

  • 【ノアイレス】‐BAR‐①

    薄っすら灯る古ぼけたテーブルライトとロウソクが、黄色のアンティークカウンターをオレンジ色に映している。 私は、緑色の布が貼られているカウンターチェアに腰かけて、天井ファンが作り出す柔らかな風を感じていた。 カウンターと5脚の椅子しか置いていない小さなBARで、そ...

  • 【ピポ】「悩み」は「悩み」にしかならないよ

    ねえ、君。 君はどうして「悩み」を悩み続けているの? 頭の中を「悩み」でいっぱいにして、「悩み」のことを考え続けているでしょ? その「悩み」は、君にとってすっごく大切なものなの? うーん。ごめんね。僕、ちょっと分からないな。

  • 【ピポ】君から「その悩み」が消える日と、君が咲かせる悩みの花

    君が見ている世界はね、君が楽しむ為に、君が望むものを、君が創っていけるような仕組みになっているんだ。 この世界を創った時、僕と君がそう決めたの。 君は忘れてるけどね。 だから、君が「お金が無い」って呟けば、「金欠病の君」を楽しむ為に、君の世界は創られる。

  • 【ピポ】時間なんてないんだよ

    朝が来て、夜が来て、また朝が来る。 春が来て、夏が来て、秋と冬がやってくる。 それが時間だって思ってるでしょ? 誰にでも公平に、同じように流れているって思ってる。

  • 【ピポ】君が君を楽しむために

    ねえ、もしかして。 本当に、もしかしてなんだけど。 まさか、君。 君が見ているその風景と、君以外の人から見えてる風景。 その二つが、全く同じ風景だって思ってる?

  • 【ピポ】君の大きな可能性

    あーあ、もう。 こんなに散らかしちゃって。 どうするのさ。 ………………。 ……何してるの、君。

  • 【ピポ】君の宇宙は広がっている

    君はどうして我慢してるの? 最近ずーっとイライラしっぱなしだよ、僕。 もうフラフラ。 あれだけ言われてヤラレてるのに、君はじっと耐えてるだけなんだもん。 なんで君が耐えてるんだよ。

  • 【ピポ】君の幸せの見つけ方

    今朝きみは、眠い目をこすりながら身支度を整えてた。 朝って忙しいもんね。 鳥の巣みたいになったボサボサ頭で、洗面所へ行ったでしょ? まず顔を洗って、歯磨きをして……って、身支度の段取りを考えながらさ。 でも今朝は、君がいつも使っている電動歯ブラシが、いつも...

  • 【ピポ】君が感じてる感情はね、僕の言葉なんだ

    ねえ、君! 僕、君に云ったよね? 「どんな世界を創造しようか」って、云ったよね?! でも君は、ずーーーーっと同じ世界を創造してばかりじゃない! あいつに言われた嫌な言葉とかさ、あの時の場面とかさ、あの時のあいつの顔とか! しかも、過去や未来にまで勝手にいっちゃって、否...

  • 【ピポ】僕たちは二人でひとつだったんだ

    え? お前はいったい何なんだって? だから、僕はピポ。 ……っと。 そういうことじゃないみたいだね。 僕はね、君がそこに居るから僕が居るって存在なの。 君が日常って言っている世界はね、君と僕の願いが創造した世界でね、

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