心臓が、まるでそれ自体が意思を持っているかのように、大きな波を打っていく。 「君たちが何がしたいのか、何をしようとしているのか、私には想像もつかない。それなにの、『どうしたい?』と、私に聞くのか? 主導権を持っているのは君たちだ。好きにしたらいいさ」 「あなた自身のことを...
ケイは右手で真っ赤なネクタイを緩めながら、左手はキラリと光る何かを掴もうとしていた。 エマは興奮したような笑みを浮かべて私を見ている。 彼らは……、何をしようとしているんだ? 私を……、殺すってことなのか? そんなこと、あるはずない。 そんな非現実的なことが、自分の...
深緋色に染まったグラスが、カランカランと澄んだ音を立てながら、目を見開いている私の前に差し出された。金色のカウンターは、古いテーブルライトとロウソクの明かりに照らされて、赤橙の色に染まっている。 二人がとった予想外の行動に、私は目だけをキョロキョロさせながら、若草色のカウンタ...
彼らの顔から笑みが消え、真一文字に口を閉じたまま、私の目をずっと覗き込んでいた。 そして私は、そんな彼らの顔から目が離せなかった。 彼らの行動と、状況と、そしてそれに繋がっているであろう原因とを、頭の中で整理をしてみても、それらが一本の線では繋がらない。 なぜ、彼らは急...
ほんの数秒の間。 エマは私の目をじっと見続けて、私の目の中の、その奥にある「何か」を見ているようだった。 そして私の目は、そんな彼女の視線から逃げ、手元のカクテルを映し出したんだ。 「ふふっ」 エマの静かな笑い声が、視界の外から聞こえていた。 私は手に...
エマは眉を少しだけ上げ、ポカンとした表情を浮かべて私を見ていた。 彼女のそんな表情に、私も頭を傾けた。 なんとも掴みようのない空気が、私たち二人の間に流れていた。 エマの隣で、ずっと静かにグラスを磨き続けているケイは、その空気感を楽しんでいるようにも見えたが、彼の口から...
価値観の違いから起こる衝突と、その衝突から生まれる悲劇。 私が平伏するあの独裁者は、時のブラッディーメアリーで、迫害されている人民は私なんだ。 勇気を振り絞り、その迫害に立ち向かった者たちはどうなった。 失意のうちにこの世を去っていったじゃないか。 そして、平和だ...
誰に相談をしたとしても、「そんな会社、早く辞めてしまえばいい」と、言うだけだろう。 私ですら、そう思いながら過ごしていたのだから。 独裁政治国家から抜け出すのは簡単なんだ。 「辞める」と、書いた紙を一枚出せばいい。 でも、それを出した後を考えると、どうしても二の足を踏...
薄っすら灯る古ぼけたテーブルライトとロウソクが、黄色のアンティークカウンターをオレンジ色に映している。 私は、緑色の布が貼られているカウンターチェアに腰かけて、天井ファンが作り出す柔らかな風を感じていた。 カウンターと5脚の椅子しか置いていない小さなBARで、そ...
ねえ、君。 君はどうして「悩み」を悩み続けているの? 頭の中を「悩み」でいっぱいにして、「悩み」のことを考え続けているでしょ? その「悩み」は、君にとってすっごく大切なものなの? うーん。ごめんね。僕、ちょっと分からないな。
【ピポ】君から「その悩み」が消える日と、君が咲かせる悩みの花
君が見ている世界はね、君が楽しむ為に、君が望むものを、君が創っていけるような仕組みになっているんだ。 この世界を創った時、僕と君がそう決めたの。 君は忘れてるけどね。 だから、君が「お金が無い」って呟けば、「金欠病の君」を楽しむ為に、君の世界は創られる。
朝が来て、夜が来て、また朝が来る。 春が来て、夏が来て、秋と冬がやってくる。 それが時間だって思ってるでしょ? 誰にでも公平に、同じように流れているって思ってる。
ねえ、もしかして。 本当に、もしかしてなんだけど。 まさか、君。 君が見ているその風景と、君以外の人から見えてる風景。 その二つが、全く同じ風景だって思ってる?
あーあ、もう。 こんなに散らかしちゃって。 どうするのさ。 ………………。 ……何してるの、君。
君はどうして我慢してるの? 最近ずーっとイライラしっぱなしだよ、僕。 もうフラフラ。 あれだけ言われてヤラレてるのに、君はじっと耐えてるだけなんだもん。 なんで君が耐えてるんだよ。
今朝きみは、眠い目をこすりながら身支度を整えてた。 朝って忙しいもんね。 鳥の巣みたいになったボサボサ頭で、洗面所へ行ったでしょ? まず顔を洗って、歯磨きをして……って、身支度の段取りを考えながらさ。 でも今朝は、君がいつも使っている電動歯ブラシが、いつも...
ねえ、君! 僕、君に云ったよね? 「どんな世界を創造しようか」って、云ったよね?! でも君は、ずーーーーっと同じ世界を創造してばかりじゃない! あいつに言われた嫌な言葉とかさ、あの時の場面とかさ、あの時のあいつの顔とか! しかも、過去や未来にまで勝手にいっちゃって、否...
え? お前はいったい何なんだって? だから、僕はピポ。 ……っと。 そういうことじゃないみたいだね。 僕はね、君がそこに居るから僕が居るって存在なの。 君が日常って言っている世界はね、君と僕の願いが創造した世界でね、
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