アカシア さん プロフィール

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アカシアさん: andante*アンダンテ*
ハンドル名アカシア さん
ブログタイトルandante*アンダンテ*
ブログURLhttp://andantetsukasa294.blog.fc2.com/
サイト紹介文花より男子二次小説です。CPは司×つくしオンリーです。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供300回 / 365日(平均5.8回/週) - 参加 2015/11/08 10:28

アカシア さんのブログ記事

  • 時計回りの風 4
  • 青年が用意していた席は、プレミアムクラスという国際線でのビジネスクラスに相当すると言われる座席。チェックインは専用カウンターで済ませ、航空会社のラウンジも利用でき、優先搭乗も出来る。広い座席は女性にとっては十分な大きさで、隣の席ともプライバシーが保てるようになっており、簡単な食事も付いていた。青年にしてみればごく当然の座席も、つくしにしてみれば贅沢な座り心地がした。その席の1A。客室一番前の左窓側の [続きを読む]
  • 時計回りの風 3
  • 「東京に・・東京に戻って来てくれませんか?」執拗に東京に戻ることを訴える青年。穏やかな語り口だが、目にこもる力強さは母親である椿のものだと感じた。そして、それは彼の目と同じだと。だが何故そんなに東京に来てくれというのか。理由が知りたかった。それはもちろん彼の叔父についてだということは分かる。しかしはっきりとした理由が告げられることなく、来いと言われても返答に困る。ましてや戻ることなど考えてもいなか [続きを読む]
  • 時計回りの風 2
  • 午後の陽射しの中、長い坂道を上った。あと少しで家に着く。その道中考えていた。2日前訪ねて来た西園寺恭介と名乗った青年の話を。「東京に戻って来てくれませんか?」晴れた午後に訪れた青年の言葉に心がざわめいた。「この箱を持って現れた僕のことを誰だと思っていますよね?自己紹介が中途半端にならないうちにお話しておきます。僕の母は西園寺椿と言います。こう言えばもうお分かりですよね?・・道明寺司は僕の叔父にあた [続きを読む]
  • 時計回りの風 1
  • 海が見えるこの街に暮らすようになって2年が経つ。一年中晴れた日が多く、雨も少なく風も穏やかで寒さは厳しくない。全国的に坂の街と言われる場所は多いが、この場所もそうだ。多くの映画やドラマや文学の舞台になったことがある坂の多い街。古い神社や寺も多いが、全国的に有名になったのは映画の影響が大いきかもしれない。そんな影響からか観光客は、年間670万人も訪れると言うが、宿泊していくことはない。ここは小さな街 [続きを読む]
  • 御礼とお知らせ
  • 皆様こんにちは。いつも当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。そして、また大変ご無沙汰しております。相変わらずいつもと同じご挨拶となりますが、皆様お元気でお過ごしでしょうか?前回のご挨拶が2月末でしたので、3ヶ月以上経過してしまい、大変失礼致しました。さて、今回は無事「Collector」の連載が終りホッとしております。何しろこちらのお話しは、内容が内容だけに遅筆となり、お読み頂いている皆様には大 [続きを読む]
  • Collector 最終話
  • 人を愛して、愛しすぎて自分の気持ちを抑えることが出来なくなる。それが道明寺司だったのかもしれない。世の中に法律というものがあるが、それさえも凌駕する権力と財力を持つ家に生まれた男が17歳で恋をした。そんな男は、かつて女に興味がないと言い切った。だが恋に堕ちた男は、はじめての恋を実らせようと懸命になった。その姿は、仲間が見ていても滑稽だと感じることがあった。恋をした相手は長い黒髪と大きな瞳を持ち、貧 [続きを読む]
  • Collector 77
  • はじめからこの恋は困難の連続だった。絶対に認めないといわれた交際。だが愛に認めるも認めないもない。同じ時代に生まれた二人にどんな障害があるというのか。もし障害があるのなら、道は二人で切り開いていけばいい。愛には地位も名誉も、親も金も関係ない。そう考えていた。愛して傷ついて、それでも愛することを止めることが出来なくて苦しんだ。あの頃、彼はこっちが恥ずかしくなるほどの愛を注いでくれた。けれど、二人の間 [続きを読む]
  • Collector 76
  • 人が産まれてから死ぬまで、いったいどれくらいの人に出会うのか。誰もそんなことは考えたこともないはずだ。ただこの広い世界の中、たった一人の人と出会えるだけでいい。ただ一人。心から傍にいて欲しい人と巡り会えることを望む。自分の傍に寄り添ってくれればそれでいいと。互いにただそれだけを望んだ。そしてこれから二人の全てが始まろうとしていたはずだ。新しい世界を望んだ二人が寄り添って前を見つめ歩く日々が。だが一 [続きを読む]
  • Collector 75
  • 葬儀では誰もが黒い服を着て暗い顔をしているが、その男には打ちひしがれた悲壮感が感じられ、顔は土気色だ。年は50代後半。司の父親より少し下の世代だと感じられた。そしてその男は司にぶつかって来た。一瞬何が起きたか理解出来ずにいた。だが痛みが感じられたのはそれからすぐだ。その痛みをこらえ息を吸おうとしたが、出来なかった。男が司の背中に手をまわし、自分の方へと引き寄せていたからだ。それは、まるで哀しみに暮 [続きを読む]
  • Collector 74
  • 太陽は地球の裏側が月に照らされていることを知っているのか。いや知らないはずだ。太陽と月が同じ空に見えることはないのだから。だが、全てを照らす太陽が地に沈むと入れ替わりに月が顔を出す。それが世の中の常識だ。そしてどんなに夜が深く暗くとも、明けない夜はない。夜明けは必ず来る。それは、時は常に流れ止まることはないのと同じこと。時代は移り変わることが当然で、変わらぬ何かを求めることは出来はしない。そして人 [続きを読む]
  • Collector 73
  • 敗北感を味わう。そんな言葉は貴にとっては認め難いことだ。その言葉を夫婦の実態がない妻から聞かされたこと自体、貴にとって屈辱と感じた。だが向けられたどこか力のこもった楓の目が貴を黙らせた。その目は自分によく似ていると言われる司の目が、妻である楓の目となって自分を見つめているように感じられた。「あの娘を、牧野つくしを認めろというのか!」今は完全に司の側に立った楓に対し、貴は怒りを隠さなかった。「そうよ [続きを読む]
  • Collector 72
  • 政治家には世界の動きを俯瞰する力が必要と言われている。それは企業経営者にも必要な力だ。貴は常に高い所から財閥を、道明寺家を統率して来た。だが、その地位は実の息子である司に奪われた。それが貴の望み通りの権力の移行なら彼も納得出来たかもしれなかった。だが先日のパーティーでの出来事はそうではなかった。息子が今一番大切にしているものは、金でも名誉でもなく、牧野つくし。生きていく上で必要な空気と同じくらい必 [続きを読む]
  • Collector 71
  • 招待客は千人余り。政財界関係者が大勢招待された道明寺貴叙勲授賞祝賀パーティーは、貴の影響力の大きさを感じさせる顔ぶれだ。外遊中の総理からは、出席出来ない代わりに祝電が贈られていたが、緊密な関係にある政治家に始まり、現政権である党の三役、各省庁から数名の大臣が顔を揃えていた。一流、大手と言われる企業からもそうそうたる顔ぶれが集まり、会場入りする貴に握手を求めていた。そんな男はやはり悪い気はしないのだ [続きを読む]
  • Collector 70
  • 最新流行のドレスを身に纏った年上の女性は、いつも飾り気のない言葉でつくしに語りかけてくれていた。高慢でもなく、自惚れることもない司の姉である椿は、出会った頃にはすでに結婚してロサンゼルスに住んでいたが、帰国した際つくしのことを気に入り、彼女が弟と結婚して自分の妹になることを望んでいた。椿は道明寺家の長女として生まれたが、男性的な面もあり、普通の女性の範疇をはるかに超えた人物だった。英徳学園在学中か [続きを読む]
  • Collector 69
  • 季節が巡るのと同じように恋をする人間もいる。そしてその恋が本物であるかどうか確かめるため抱き合う。だがその恋が本物でなければ傷つく。そして本物の恋を求め再び恋をする。今度こそ本物の恋だと。これが最後の恋だと。恋など幻だ。儚い夢だ、心の迷いだと言う人間もいる。だがその恋が儚い夢か、心の迷いなのか、本人たち以外に分かるはずもなく、仮に他人が理解しようとしても、恋をしている人間の胸の内を推し量ることは出 [続きを読む]
  • 金持ちの御曹司〜Hold Her〜 
  • 企業経営者にはサイコパスの気質があると言われている。事実、サイコパス度が高い人間がついている職業の1位は企業経営者だ。そして2番目が弁護士、3位がテレビ・ラジオの報道関係者であるとの調べがある。サイコパス気質とは、重要な場面になればなるほど冷静になり、リスクを恐れることもなく、感情に揺り動かされることもなく、良心の呵責や罪悪感に囚われることなく行動が出来ることだ。その言葉を言い換えれば、非情さ、捉 [続きを読む]
  • Collector 68
  • 高層ビルから見る外の景色は、雨が降っていた。梅雨前線の北上は西から湿った空気を運んで来るが、その影響からか高い場所から下を眺めたところで、けぶった景色が見えるだけで何も見えはしなかった。梅雨を迎えた6月は一年の中で一番株主総会の多い月だ。道明寺HDの株主総会も6月下旬に開催された。3月末が決算の会社の定時株主総会は、6月下旬に集中する。それは、株主総会の権利行使基準日を事業年度末、つまり決算日と同一 [続きを読む]
  • Collector 67
  • 楓は牧野つくしがどう成長したのか興味があった。テーブルに置かれた高価で薄い作りのコーヒーカップを持つ仕草はエレガントそのものだ。左手にソーサーを持ち、右手でカップを持ち、わざとではないだろうが、ゆっくりと優雅な仕草で珈琲を口にするとカップを戻す。つくしはその仕草を黙って見つめていた。「牧野さん。わたくしが会いたいと言っていると聞いたとき、驚いたでしょうね?」楓が正面にいるつくしを見る目は、あの頃と [続きを読む]
  • Collector 66
  • 愛という言葉を口にすることが恥ずかしかった少女は、大人になる過程で否応なく学んだことがある。人を本気で好きになるということは、どれだけ苦しいかということを。それは彼から教わった。あの山荘で交わされた言葉や眼差しは、憎しみに満ちたものから、やがて愛に変わったが、再会し、間もない頃の男の目は途方もなく暗く、なんの感情も交錯することがなかった。それは相手がどれだけ傷つこうと構わないといった目だった。男の [続きを読む]
  • Collector 65
  • 今の二人は本来の自分たちを取り戻していた。雨の日に別れてしまったあの頃と違い、大人になった二人は心に深く思い残すものがあったとしても、互いに伝えなければならないことは、伝えることが出来るようになっていた。つくしは司の口から語られる言葉を静かに聞いていた。それは、司の父親である道明寺貴の叙勲祝賀パーティーに彼と一緒に出るという話だ。司の母親である楓からの召集令状とまでは言わないが、出席を求められたつ [続きを読む]
  • 金持ちの御曹司〜Dirty Work〜
  • *大人向けのお話しです。 未成年者の方、もしくはそういったお話が苦手な方は、お控え下さい。「明日の朝6時までに仕上げてくれ」何か不満なことがあるのかと上がる眉。声は背中がぞくりとするほど深みのある低音。世界的金持ちの御曹司と呼ばれ、呆れるほど金があり、第三世界のどこかの国より個人資産が多いと言われている男。そして誰もが見惚れるほどハンサムな男。世界的セクシーな男。黒い癖のある髪に指を差し込みたいと [続きを読む]
  • Collector 64
  • 母親との確執がないとは言えないが、現在進行形の敵意が存在するのは父親だ。過去は忘れ前を向く。それを優先するなら、母親は今の状況に感謝するべきだ。本来なら母親の戯言など、穴に向かって言えとでも言ってやりたいほどだが、初めてあの女の言葉に耳を傾けた。にわかには信じ難い母親の言葉。牧野つくしと一緒にパーティーに出ろ。道明寺貴は、長年日本経済の発展に貢献した労により、叙勲にて旭日大綬章が贈られているが、楓 [続きを読む]
  • Collector 63
  • 人は意識的に外に見せているものと、内側は違う。それは誰でも言えるはずだ。人の本当の心を知ろうとすれば、相手の懐のより深くに身を置かねば知ることはない。今までそんなことをして来たことはなかった。それは我が子に対してもそうだ。そして彼女自身されたこともなかった。だがそれを知ってなんの意味があるのだろう。他人に見せようとしない心を深く知る意味はなんなのか。そして、見せたくないものを、無理矢理知ろうとする [続きを読む]
  • Collector 62
  • *性的表現があります。未成年者の方、もしくはそういったお話が苦手な方は、お控え下さい。全てを浄化したように抱き合ったあの日。バスルームから出て来た彼女を再び抱いた。身の丈に合わないバスローブを着た姿が、頼りなさげな子供のように感じられ、すぐにでも抱きしめ守ってやりたいと、司はつくしの目だけを見て気持ちを伝えた。こっちへ来いと_。言葉は口にせずとも、思いが伝わることが、今の二人にはあたり前のことだと [続きを読む]
  • Collector 61
  • 貴は会長職を退いた。財閥の経営に大きな影響力を持っていた男の突然の辞任。司が社長になるまでは、オーナー社長であり、実力のある経営者だった男の突然の行動は、社長から会長職へと退いた以上の驚きだった。それは貴が道明寺の大株主であることもあるが、やはり道明寺貴の名は、政財界に於いて重みがある名前であることを意味していた。その貴が突然辞任したのだ。役員もそうだが彼にかかわりがあった人間は、そのニュースを驚 [続きを読む]