アカシア さん プロフィール

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アカシアさん: andante*アンダンテ*
ハンドル名アカシア さん
ブログタイトルandante*アンダンテ*
ブログURLhttp://andantetsukasa294.blog.fc2.com/
サイト紹介文花より男子二次小説です。CPは司×つくしオンリーです。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供316回 / 365日(平均6.1回/週) - 参加 2015/11/08 10:28

アカシア さんのブログ記事

  • あの日、あの時 最終話
  • 求めていた人生が手に入った日、司は屈託なげに笑う我が子を見ていた。着飾った人々の間に居るが、動じることなく挨拶をすることが出来る航は、年令のわりに大人びて見えた。父親がいなかったにもかかわらず、ひねくれることなく、すくすくと成長し、自分によく似た顔が笑う姿を見るのは、この上ない幸せだ。そんな父親の気持ちを感じ取ったのか、航は隣に立つ司に目を向けた。黒い大きな瞳は母親譲りで、下から強請るように見上げ [続きを読む]
  • あの日、あの時 6
  • 会ったことのない父親の突然の帰国。つくしは焦ることはない、と言ったが司はどうしても我が子に自分が父親であることを一刻も早く伝えたかった。今日初めて会ったが、それでも我が子からおじさんではなく?お父さん″と呼んでもらいたいと切望した。そして息子の身体を抱きしめ、抱き上げ、自分の腕の中で笑い声をあげさせたかった。だが7歳になった息子は抱かれるほど小さくはなく、クラスの中でも一番背が高いと聞いた。恐らく [続きを読む]
  • あの日、あの時 5
  • 「入って、道明寺。」つくしが玄関の扉を開けると、航は二人の間をすり抜け靴を脱ぎ、真っ先に部屋の中へと入っていった。7歳の男の子は、おじさんが運転して来た車を見せてもらい興奮していた。黒いメルセデスは航にとって普段見る車とは異なり高級感に溢れ、優雅で、運転して来た男によく似合っていた。いつも母親からよその人の車に触ってはダメと注意を受けているが、手を触れ、中に乗り込み、ハンドルを触らせてもらうことが [続きを読む]
  • あの日、あの時 4
  • 彼女は男の子と手を繋いでいた。暫く茫然と二人を眺めていたが、同時に二人を見つめようと瞳を凝らした。女が春らしいコートを着ていることを頭が理解し、男の子はダッフルコートを着せられ、NYヤンキースの帽子を被っていた。「道明寺・・・」「お母さん!この人だれ?」手を繋いでいる男の子が聞いた。怪訝そうな顏と澄んだ黒い瞳は昔からよく知る顔だ。紛れもなくお母さんと呼ばれた女の遺伝子を引いているのが見て取れた。司は [続きを読む]
  • あの日、あの時 3
  • アスファルトに出来た水たまりに気を取られることはない。司は近くの公園を横目に見てマンションに足を向けた。公園に人がいないのは、雨が上がって間もないからだろう。太陽が顔を覗かせれば、子供たちの歓声が聞こえるようになるはずだ。そして早春の陽射しが日々暖かさを増せば、桜の蕾もより一層綻ぶはずだ。マンションのエントランスはオートロックで部屋の番号を呼び出さなければ入れない仕組みだ。上背のある男はその番号を [続きを読む]
  • あの日、あの時 2
  • 世界がどんなに変わろうと、決して変わらないものがあるとすればそれは何か。ひそやかに、音もなく変わるものがあるとすればそれは何なのか?人は過去の人生の中、思い出として残したいものがあれば、それは何らかの形で心の中に残っている。しかし時が流れれば、全ての思い出は浄化されて行く。だが彼女に対する思いは、どれほど時が流れようと変わることがなく、自分にとってかけがえのない日々を思い出になど出来なかった。いや [続きを読む]
  • あの日、あの時 1
  • 「お待ち合わせですか?」そう聞かれ、男はなんと答えればいいのかわからなかった。そして仕方なく答えた言葉は、深い声質のゆったりとした口調で返された。「相手が来るかどうかわからない。」と。席に着いた男は背が高く、滅多にお目にかかれないほどの美貌に威圧感が漂い、ひと目見て高級だと分かるスーツに身を包んでいた。危険な雰囲気を感じさせる男であるが、育ちの良さは付け焼き刃では身に付かないという言葉の通り、その [続きを読む]
  • 語りつぐ愛〜時の指先 番外編〜
  • 「やっぱあれか?俺のこと18年も思ってたから男がいなかったんだろ?」「あのね、道明寺。言ったでしょ?出会った男性はいたの。」「ああ、その話しは聞いた。けど俺と比べて付き合えなかったってことだろうが?」「・・・・」「なんだよ?あの話は嘘か?」「嘘じゃないわよ。でも・・」「でもなんだよ?」「就職してから何度か誘われたことがあったの。付き合って欲しいとか、それこそ結婚を前提にとか言われたこともあったわ。 [続きを読む]
  • エンドロールはあなたと〜番外編〜
  • 家族の中に何でもかんでも否定する人物がいたとする。もしそれが夫だとしたらどうしたらいいのだろう?つくしの人生はあの日、変わった。二人の人生のけじめとして、心に残るセレモニーとして挙げた結婚式。そう・・・映画のように抱き寄せられ誓いのキスをしたあの日から全てが変わったとしたら・・「つくし!そんな重いモン持って歩くんじゃねぇよ!」「お、重いって・・」「そうだろうが!俺はおまえに箸より重いものは持たせた [続きを読む]
  • 時の指先 最終話
  • 今の司に意志が屈する場所はない。かつてこの街に渡ったばかりの頃は、思い通りに行かなかったことがあった。だが、今は誰にも制御されないだけの力がある。もし、自分の意志を屈するとすれば、それは牧野つくしの前だけ。司は心の奥底に揺るぐことのない思いを持っていた。18年前出来なかったことを成し遂げようとしていた。それこそ固い決意を持って臨むつもりだ。人生の中で一番大切な人に自分のものになって欲しいと言うため [続きを読む]
  • 時の指先 7
  • 冷たい雨が二人を引き離した夜があった。まだ幼かったとしか言えなかった少年と少女の別れは理不尽な別れ。そして二度目の別れは少年が刺され生死の境を彷徨い、意識を回復し少女を忘れたとき。あれは人生をちょうど半分生きた頃だ。あの事件から18年が過ぎたある日、かつて少年だった男は少女のことを思い出していた。そしてまた再び出会った二人。それは18年目の記憶の想起がもたらした出会い。思い出したきっかけは、彼が手 [続きを読む]
  • 時の指先 6
  • 今のわたしはとりとめのない話しをするのが嫌いだ。まだ少女だった頃のわたしは、とりとめのない話しをしていた。そんなことがあったかもしれない。だが仕事柄、相手の言いたいことを聞くことが日常となった今では、無駄なことを話すことがなくなった。だからと言って人と話しをすることが嫌いだという訳ではない。仕事上、無駄話をしてはいけない立場にいるだけのことだ。それに最近は、自分は何が好きで何が嫌いかといったことに [続きを読む]
  • 時の指先 5
  • 言えない言葉があるとすれば、それはいったい何なのか。おまえが好きだという言葉を心の中で何度も反芻するが口に出すことは出来なかった。二人が出会ったとき、ひと目見て好きになった訳ではない。嫌な男と嫌な女から始まった二人の出会い。そんな二人がいつしか恋に落ちていた。どの段階で相手を好きになったか。どんな恋愛にも始まりはある。それなら二人の恋愛の萌芽はいつだったのか。一瞬の胸のときめき、疼きといったものが [続きを読む]
  • 時の指先 4
  • 愛しい人の記憶を取り戻したが、どうしてもっと早くそうならなかったのかと考えても仕方がない。運命なのか、業(ごう)なのか。どちらも自分が決めたことではない。今がそのタイミングだというなら仕方がない。だがこの再会を誰が決めたとしても、20年近く経った今、気持ちを沈ませている時間はない。年月は経ってしまったが、まだこれから取り戻せることはある。ホテル事業は司の専門ではない。そんな男は当然だが今までホテル [続きを読む]
  • 時の指先 3
  • 最後まで残っていた薄い雲が太陽の前を過った。雨が上がり、車道のアスファルトから冷たい空気が立ち昇ってくるのが感じられた。あの日のことが脳裏に浮かんでは消えていく。冷たい雨の中、別れを経験した二人。『あんたのことが好きだったらこんなふうに出て行かない。』そう言って立ち去った少女の姿が見えた。あの雨の日に経験した別れはこの場所だった。司の今までの人生の中で一番辛い思い出が甦った。長い夜、耳を塞いでも聞 [続きを読む]
  • 時の指先 2
  • 牧野つくし。その名前の女性はすぐに見つかった。彼女はホテルに勤務していた。それも司のグループ会社のホテルだ。高校を卒業し、大学を出たその女性が選んだ就職先が彼の会社が経営するホテルだったとは、これは何かの巡り合わせなのか、それとも偶然なのか。自分のホテルならもしかすると、どこかで会ったことがあるかもしれないと思った。だが思い出すことは出来なかった。なにしろ司は他人には興味がない男だ。仕事上、ライバ [続きを読む]
  • 時の指先 1
  • 『あなたは覚えていますか?』司の顔に怪訝そうな表情が浮かんだ。そんな声がどこからか聞こえたからだ。誰かが自分に向かって確かにそう言った。だが、いったい誰が?そんな思いが頭の中を過った。それは明け方に見た夢だったのかもしれない。ここ何年も眠れない夜が続いていた。それはもう5年近くにもなる。全く眠らずに朝を迎えたこともあった。そんなとき、何をするでもなく、ただぼんやりと窓の外に広がる風景を眺めていたこ [続きを読む]
  • 御礼とお知らせ
  • 皆様こんにちは。いつも当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。そして、また大変ご無沙汰しております。前回、御礼とお知らせを書かせて頂いたのは、昨年の10月末でしたので、あれから4ヶ月が経ち、季節は巡り暦の上ではすでに春ですね。とは言え、まだまだ寒い日が続いております。朝と日中の寒暖差に身体が付いて行かず・・といった日々です(笑)。皆様も、くれぐれも体調管理にはお気を付け下さいませ。さて、この [続きを読む]
  • エンドロールはあなたと 最終話
  • 二人は今、まさにこれから結婚式を挙げようとしていた。ニュージャージーにある道明寺邸の庭で行われるガーデンウェディングは、澄み切った青空の下で行われた。オルガニストが演奏を始めたとき、それが式の始まりの合図。結婚式に演奏される定番の曲を聴きながら、芝の上に敷かれた白い絨毯の上を歩いて行くのは、父親と腕を組む女性。自分の年齢を気にしながら、どこか遠慮がちに纏った真っ白なウェディングドレスは、すっきりと [続きを読む]
  • エンドロールはあなたと 68
  • 「ま、待って!!そんなのあたしに似合うと思う?ねえ・・あたし33歳よ?もっと地味でいいんだけど・・」「先輩なに言ってるんですかっ!歳なんて関係ありませんから!早く試着して下さい!手直しが必要なところがあるはずですからね?道明寺さんって先輩のことに関しては思い立ったら即行動の方ですから、結婚式をここでやるって決めたら手配も早かったんですけど、ドレスなんて本人がいないのにここまで仕上げるって、本当にお [続きを読む]
  • エンドロールはあなたと 67
  • 嘘でしょう?紺野に行ってらっしゃいませ、と見送られ、拉致されるようにジェットに乗せられた。だが、機内で夫の口から語られた内容に、緩んでいた涙腺から再び涙が溢れ出しそうになっていた。「なあ。俺たちは入籍しかしてねぇから、やっぱりケジメがついてないってのが悪かったのかもしれねぇな。大々的じゃないにしろ、やっぱ式は挙げるべきだと思う」司の唇にかすかな笑みが浮かんだ。「そうすればおまえが俺の妻だって世間に [続きを読む]
  • エンドロールはあなたと 66
  • つくしは笑顔を浮かべたまま、1階ロビーで経済誌の記者を見送った。取材に来たのは女性記者。″道明寺HDの女性広報の活躍″、と題した取材をしたいと、彼女の元を訪れていた。他にも女性社員はいるのだが、何故か取材を受けてくれと頼まれたのはつくし。広報は記者の質問にきちんと答え、曖昧な言葉を返すのは厳禁だ。それだけに勉強もしなければと思う。それに相手がおやっと思うくらいの知識を持つことが必要だ。まだ転籍して間 [続きを読む]
  • エンドロールはあなたと 65
  • 本人たちは公になっていないと思っている二人の結婚。社員には全く気付かれてないと思っているようだが、実はなんとなく周りは気づいていた。所謂大人の対応というもので、周りが逆に気を遣っていると言った方がいい。それに以前司自らが担当となり、つくしと一緒にテレビ広告を作成したことを知っている一部の社員にしてみれば、何を今さら隠す必要があると思っていた。それより、つくしの仕事に対する姿勢に広報課の人間は一目置 [続きを読む]
  • Collector 29
  • 司は椅子の肘掛けに両肘をつき、左右の手の指を合わせた姿勢でパソコンを見ていた。くっきりとした顔立ちは冷たさだけが感じられ、指一本どころか目線すら動かさずに感情を表現できる男は、いつもに増して誰も近づけることがないような空気がある。17歳あの日以来ニヒルスティックな笑いを浮かべることがあったとしても、心から笑ったことがない。その顔に陰影を刻むとすれば、心の奥にあるひとりの女性に対しての感情が湧き上が [続きを読む]
  • エンドロールはあなたと 64
  • 司とつくしの暮らしには、いつしか一定のパターンが出来上がっていた。ふたりは早起きし、つくしが作った朝食を食べ、仕事へと出かけて行く。出勤するときは、ひとりは迎えのリムジン。もうひとりは地下鉄・・と言い張っていたが、そんなことが許されるはずがない。つくしは司の妻だ。いくら会社で結婚していることは秘密だからと言っても、通勤を別々にするなんて許されるはずがない。「絶対ダメだ!どこに別々に出勤する必要があ [続きを読む]