アカシア さん プロフィール

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アカシアさん: andante*アンダンテ*
ハンドル名アカシア さん
ブログタイトルandante*アンダンテ*
ブログURLhttp://andantetsukasa294.blog.fc2.com/
サイト紹介文花より男子二次小説です。CPは司×つくしオンリーです。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供285回 / 365日(平均5.5回/週) - 参加 2015/11/08 10:28

アカシア さんのブログ記事

  • 時の撚り糸 23
  • 雨に濡れながら大人になった夜があった。あの日から随分と時間が経ち、二人は別れたがこうして再会した。時が移ろいはしたが、心は移ろうことはなかった。そしてほんの何気ない晴れた午後、海辺で思い出された彼女にとっては辛い過去。だがそれは、司にとっても辛い知らせだった。嫌いだから別れた二人ではない。好きだからこそ別れを選んだ。つくしは司の将来のため、そして自分自身が感じる辛さから別れを決めた。だが司は、つく [続きを読む]
  • 時の撚り糸 22
  • 司が抱き寄せたのは、彼が手放すべきではなかった女性。肩を震わせ泣いているのは、彼が生涯愛すると誓った女性。その女性の肩を、背中を撫でながら、彼女が張り裂けそうな胸を抱えひとり泣いていた姿を思うと言葉が出なかった。今は涙を流せばいい。たとえそれが9年前に終わったことだとしても。だが止ってしまった二人の時間を動かそうとしたことが、彼女の心の奥に抱えていた哀しみを掘り起こしてしまったのだろうか。そうだと [続きを読む]
  • 時の撚り糸 21
  • かつて嵐の中を進む船は、二人の運命の方向を決定付けた。この船があの時と同じだとは思わないが、それでも人生が大きく変わるようなことが起こる。そんな気がしていた。「・・あのね、聞いて欲しいことがあるの」長い沈黙を破り、つくしはかすれた声で言った。それは勇気が挫ける前になんとか搾りだした声。「ああ。なんだ。言ってみろ。おまえの言うことならどんなことでも聞いてやる。いや、聞かせてくれ」司は重い口を開いたつ [続きを読む]
  • 時の撚り糸 20
  • 小さな奇跡が宿ったのを知ったのは、別れて間もなくのこと。二人とも避妊には気を遣っていたが、必ずしもそれが100パーセント確実だとは言えないはずだ。規則正しく訪れていた生理が止り、吐き気と眠気が襲うようになれば、疑うことはただひとつ。密やかな愛の証がお腹の中にいる。そう思った瞬間、両手をお腹にあて、優しく包み込んでいた。堕ろそうとは思わなかった。産婦人科医院を出たとき、頭の中にあったのは産もうという [続きを読む]
  • 時の撚り糸 19
  • 二人に声をかけてきたのは、赤ん坊を抱いた若い女性。ちょっとお願いがあります。といってつくしに子供を抱いて欲しいと言った。見ず知らずの人間に、我が子を抱かせる母親がいることに耳を疑ったが、いったいどういったことなのか。すると、その女性はビーチへ財布を忘れたから取りに行くといい、その間この子を見て欲しいと言った。そして、あなたなら信じられるからお願いと言い、すぐ戻ってくるからと、赤ん坊をつくしへ押し付 [続きを読む]
  • 時の撚り糸 18
  • 司は、隣に立つほっそりとした身体を引き寄せたかった。この手の届くところに彼女がいるのだ。身体を抱きしめ、心を抱きしめたい。だがその前に彼女の唇を奪っていた。思わず動いてしまった身体は、ただ立ち尽くして待つのが嫌だったから。二人の間にあった時の流れを忘れたかったから衝動に従っていた。こうして9年ぶりに会い、二人だけで船に乗っていることが、内心では信じられない思いでいた。幾ら司が強引な男だとしても、そ [続きを読む]
  • 時の撚り糸 17
  • 『高校時代に戻っておまえの心を取り戻す』つくしは、はじめての出会いを思い出していた。それはまるで20年前に戻った司を見たような気がしていた。その眼差しに込められる思いが濃密すぎ、言葉を返すことが出来ずにいた。そして再び司とのキスの味を知ってしまえば、もう後戻りが出来なくなるような気がしていた。自分を取り巻く環境から、あえて正反対の方へ進んでいった高校生の頃。恋をしたが素直ではなかった自分がいた。そ [続きを読む]
  • 時の撚り糸 16
  • 司は、今朝テラスでつくしと一緒に食事を取るつもりでいた。だがそれはNYからの1本の電話に阻まれた。急遽取った休暇にそういった電話がかかることは、分かり切ったことだ。何しろ今まで休暇など取ったことがなく、仕事に全神経を傾けてきた男の突然の行動が、社内を混乱させたことは間違いないのだから。だが今はあの頃のように会社に何かが起きるといったことはない。それにもし何かあったとしても、己の手で立て直す自信がある [続きを読む]
  • 金持ちの御曹司〜Crazy In Love 〜
  • 大人向けのお話です。未成年者の方。またはそういったお話が苦手な方はお控え下さい。なお、イメージが著しく壊れる恐れがありますので、笑って許して下さる方のみどうぞ。****************************************「ねえ・・もしかして道明寺支社長ってゲイなんじゃないの?」「うそ!」「だってさぁ、支社長って女の噂って全然聞かないでしょ?」「うん・・確かにそれは言える。あれだ [続きを読む]
  • 時の撚り糸 15
  • アメリカのパラダイスと言われるこの場所は、朝から好天に恵まれていた。だが日中は雨が激しく降る時間帯があると聞かされた。カリブ海諸国の気候は熱帯から亜熱帯の海洋性気候で、1日の気温差が小さく1年中温暖な気候ではあるが、雨季と乾季に別れ、5月から10月までが雨季と言われている。しかし雨季と言っても、今の所雨が降る気配は感じられなかった。シンプルな花柄のコットンのワンピースを着たつくしは、クロワッサンを [続きを読む]
  • 時の撚り糸 14
  • 司はつくしが自分と別れてからの9年間が知りたかった。過去は気にしない男だ。とは言え、彼女のこの9年間のことは知りたいと思った。もちろん、司がその気になれば、簡単に分かることもある。だが本人の口から聞きたいと思った。それが余計な詮索になると言われ、話したくないと言われれば無理にとは言わない。だが、話して欲しいと思った。我ながら矛盾した考えだと思うが、いったん頭に引っかかったことは、はっきりさせなけれ [続きを読む]
  • 時の撚り糸 13
  • 多くの男女の再会は、ぎこちなさや自己防御があるのが当たり前だ。恋人同士だったなら尚更で、昔の自分とは違う、といった意識を前面に出して振る舞う。年を重ねた分だけ大人になったといった態度を見せるのは、全ての男と女に共通する。だから牧野つくしのぎこちなさは当然だと言える。いずれにしても、こうした再会は、時間が経てば何らかの懐かしさといったものに取って代わるようになる。それが、互いの立場が大きく異なるとし [続きを読む]
  • 時の撚り糸 12
  • つくしは、案内された部屋で着替えを終え、あらかじめ教えられていたダイニングルームへ足を向けた。心臓がどきどきするのは、9年前を最後に途絶えてしまった元恋人と食事をするからだ。休暇をこの島で過ごそうと言われ、彼が求めているのは友情ではないと言われ、求めているものをはっきりと告げられれば、いったいどういった態度を取ればいいのだろう。だが鏡の中に見た自分の顔は、どこか嬉しさもあったはずだ。9年経っても好 [続きを読む]
  • 時の撚り糸 11
  • 『俺はおまえとやり直したい。俺はおまえを思い出にしたくない』そんな言葉で始まった奇妙な休暇。2階建ての別荘からは白い砂浜と海が見え、潮の香りを感じることが出来た。強い陽射しを浴びた海面は眩しいほどの輝きを放ち、風は吹いているが波は穏やかだ。目の前に広がる海はただひたすら青く、広く、水平線は真っ直ぐで遮るものは何もない。つくしは、NYにいる大河原滋を訪ねて来たはずだった。だが今はこうしてカリブ海の島に [続きを読む]
  • 時の撚り糸 10
  • 焼け付くような陽射しのなか、空港に着いた二人は、迎えの車で別荘へ向かっていた。強力なエンジンを持つドイツ車は、スモークガラスが使われ、強い陽射しを遮る効果は十分あり問題ない。島の観光と言えば、きらめく白い砂浜が有名だが、18世紀後半から19世紀後半までデンマークの植民地だったこともあり、その時代の建造物が数多く残されていた。その中には要塞や、カリブ海のどこかの島が発祥の地と言われるラム酒の工場もあ [続きを読む]
  • 時の撚り糸 9
  • 恋人の間にルールがあるとすれば、それが今の二人に適用されるのだろうか?大騒ぎすることなく、大河原滋に背中を押され、ジェットに乗った女は、いったいどんな気持ちでこの旅を受け入れたのか。司は、つくしがこの旅を受け入れたことに安堵していた。彼女の前にいる男の全ては、彼女のものであると知って欲しい。不安は何もないと、誰も二人の間に立ち入る者はいないと、はっきりと伝えたい思いがある。そして、決しておまえを離 [続きを読む]
  • 時の撚り糸 8
  • 9年ぶりに再会した元恋人。その女性を乗せた黒塗りのリムジンは、ドライバーの滑らかなハンドルさばきで車の列に割り込み、スピードを上げていった。どこか不安そうな女と、そんな女とは対照的に、口の端に薄っすらと笑みを刻んだ男を乗せて。司はつくしを探し5番街で車を走らせていた途中、ミッドダウンの花屋でバラを1ダース買い求めていた。それは、9年ぶりの再会を祝して。そして愛が戻ることを願って彼女に渡すために。だ [続きを読む]
  • 時の撚り糸 7 
  • 今日の最高気温は30度を超えると言っていたが、暑い夏の眩しい光りが二人だけを照らしているように感じられた。そして、走る車のボンネットやフロントガラスに反射する光りまでも、二人を照らしているようだった。9年振りの再会は、まるで誰かに演出されたように感じるのは、気のせいではないはずだ。それは、二人を知る滋の仕業であることは、想像するに難しくない。急用が出来たと言ってつくしをひとり送り出したのは、この再 [続きを読む]
  • 時の撚り糸 6
  • 司は彼女の顔を、こちらへ向かって歩いてくる女の姿を見つめていた。まず何と声を掛けるかと思ったが、彼女のひとり言が聞えた瞬間、掛ける言葉は決まった。「何がどうしたらいいんだ?相変わらずひとり言の癖は抜けてねぇようだな」今、司の目の前にいる女は、目をしばたたいた。そして立ち止まったまま、身体を硬くしたのが分かった。「おい、そんなところでボケっと立ってたら通行の邪魔だろうが。車を待たせてるから乗れ」黙り [続きを読む]
  • 時の撚り糸 5
  • 道明寺の離婚が成立した。あのとき、つくしは、自分の思考が宙を彷徨っていた。2日前、NYに到着した夜。こじんまりとしたイタリアンレストランで、滋は出されたワインをひと口飲んでからつくしに言った。「つくし、ねえ、聞いてる?司の離婚が成立したの」9年の歳月を経て、友人の口から再び語られたその名前。勿論、滋が彼と仕事上の付き合いがあることは知っていた。かつての見合い相手である二人が結婚しなかったからといって [続きを読む]
  • 時の撚り糸 4
  • NYの裕福さの象徴と言える5番街。マンハッタンを南北に縦断するアベニューと呼ばれる通り。車道を走る車は、日本と違って頻繁にクラクションを鳴らす。それが赤信号を無視して渡る人間に対し、注意の意味で鳴らすなら分かるがそうではない。多人種のこの街では、出身国の運転スタイルをそのまま持ち込む場合も多く、NYのドライバーのマナーは悪いと言われていた。少し前にも、赤信号で止まっていた先頭車の発進が2秒ほど遅れただ [続きを読む]
  • 金持ちの御曹司〜恋のすべて〜
  • 日本の企業は年功序列と言われている。それは、日本的経営の特徴と言われ、個人の能力や実績に関わらず、年齢や勤務年数のみで評価し、役職や賃金が上昇する。今でもそういった企業が多いのが日本の会社の実態。英語でもNenko System と紹介されることもある年功序列制度。だがうちは、道明寺HDは違う。うちの会社の本社はNY、アメリカだ。だから年功序列なんて考え方はない。実力が物を言う会社だ。人種、性別、年齢なんて関係な [続きを読む]
  • 時の撚り糸 3
  • もし、あのまま別れずにいたら、どうなっていただろうか。彼女が去って9年が経っていた。あのとき、たとえ形だけの婚姻関係とはいえ、法律上の妻がいたのだから、司には彼女が去ることを止める権利はなかった。二人の間にあった4年という付き合いは、恋の波間を漂っていたのだと言われれば、そうなのだろう。そして4年間手放すことが出来なかったのは自分のエゴだと分かっていた。世間的に言えば非常識な行為と言える二人の関係 [続きを読む]
  • 時の撚り糸 2
  • 司がNY本社ビルに戻ったとき、待ち構えていたのは、大河原滋だった。滋が司の元を訪ねて来るのはいつも突然だ。彼女は司にとっては遠い昔、親が勝手に決めた結婚相手だった。だが二人が結婚することはなかった。司は自分と似たタイプの滋と結婚することは出来ないが、友人の一人としてなら付き合うことが出来た。まるで男のような名前を持つ女は、その名前が表すように男勝りの性格だ。自分に正直で曲がったことは嫌い。善人ぶって [続きを読む]
  • 時の撚り糸 1
  • 非力でない存在の男には、自分で全てを選択できる自由があるはずだ。だが若い頃の彼に、そんな自由はなかった。今では漫然と日々を過ごしているが、あの頃は違った。17歳の少年は、一人の少女のために生きていた。彼女がいてくれたから生きている意味があった。彼女の傍だから生きてこれた。夜ごと募る思いを抱え過ごしていたあの頃があった。だが愛というのは無理矢理絞り出せるものではない。どんなに努力しても、どんなにそれ [続きを読む]