古事記・日本書紀・万葉集を読む さん プロフィール

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古事記・日本書紀・万葉集を読むさん: 古事記・日本書紀・万葉集を読む
ハンドル名古事記・日本書紀・万葉集を読む さん
ブログタイトル古事記・日本書紀・万葉集を読む
ブログURLhttp://blog.goo.ne.jp/katodesuryoheidesu
サイト紹介文コピペで学位は自己責任で。 「上代語ニュース」にまとめも。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供84回 / 365日(平均1.6回/週) - 参加 2015/12/13 00:06

古事記・日本書紀・万葉集を読む さんのブログ記事

  • 天孫降臨 其の二
  • (承前) カササ(笠沙)という音はわざとらしいと気づかなければならない。笠を被った先払いの姿は、江戸時代には参勤交代でよく目にする。陣の先頭を行く者が、挟み箱という衣裳ケースをかついでいる。先箱ともいう。どうして衣裳ケースが先頭を進むのか、筆者には“合理的な”理解ができない。“歴史的な”理解ならできる。それが飛鳥時代に遡ると、大胆にも言うことができる。警蹕(けいひつ)のことである。紀には、 兵仗( [続きを読む]
  • 天孫降臨 其の一
  •  いわゆる天孫降臨神話(注1)は、(1)天神の命令で平定された葦原中国(あしはらのなかつくに)に天津日子番能邇々芸命(あまつひこほのににぎのみこと)(天津彦彦火瓊瓊杵尊(あまつひこひこほのににぎのみこと))がお伴の諸神とともに行くこと、(2)天(あめ)の八衢(やちまた)に立っていた猿田毘古神(さるたびこのかみ)(猨田彦大神(さるたひこのおおかみ))が先導して降り立つこと、(3)天宇受売命(あめのうずめのみこ [続きを読む]
  • 貂、あるいは手について
  • ホンドテン(キテン)(「TSUJI, Yamato(辻大和)」様、3月26日、上野動物園で「マレーヒヨケザルの未来に向けて―現地調査による基礎生態の解明―」の講演会が予定されています。上野動物園公式サイトからお申し込みください。先着順80名のようです。)ホンドテン(スステン?)(「しゅんたのtoritori」様) 上はテンである。テンの毛皮のことは、源氏物語・末摘花に「ふるき」とある。それは、渤海などからの輸入品らしいとさ [続きを読む]
  • 猿田毘古神と猿女君 其の三
  • (承前)(注2)12世紀の梁塵秘抄に、「御厩(みまや)の隅なる飼ひ猿は、絆(きづな)離れてさぞ遊ぶ、……」(353)とあり、13世紀末の一遍聖絵にも、厩につながれた猿の姿が見られる。一説に、インド・中国から、猿は厩の守り神であるという思想が伝わったからであるとされる。筆者は語学的立場から、猿轡と馬の轡との共通テーマに由来を求めるものである。轡を食ませることとは、有無を言わせないこと、すなわち、黙らせること [続きを読む]
  • 猿田毘古神と猿女君 其の二
  • (承前)訓蒙図彙(朝倉治郎監修『訓蒙図彙集成第三巻』大空社、平成10年、78頁) ひらぶ貝は、タイラガイのこととされる。タイラガイはタイラギともいう。タイラガイという言い方は重言かとも言われる。白川静『字訓 新装普及版』(平凡社、1995年)に、「たひらか」は、「ものに高低がなく、広やかであること。『ひら』は『ひろ』と同系の語で、『ひら』は高低のないことをいい、『ひろ』は広がりを主にしていう。『た』は接頭 [続きを読む]
  • 東洋文庫ミュージアムはやはり楽しい
  • ロマノフ王朝展(〜4月9日迄)相変わらず不思議な世界を楽しませてくれます。(絶好調の1行キャッチコピーはありませんでしたが。)画版のような首枷でした。泥棒が晒し者になっているところ(日露戦争写真集、20世紀前半、パリ、Aune station,un voleur exposé dans la cangue)北極海航路を探していたらクジラを見つけて争いになっています。ペリーが来るだいぶ前のことですね。ノルウェー沖スピッツベルゲン島周辺での英蘭捕鯨 [続きを読む]
  • 猿田毘古神と猿女君 其の一
  •  記紀の天孫降臨の話に、猿田毘古と猿女君という配役が登場する。ここでは、古事記の話を中心にして、日本書紀(注1)を参照していくことにする。 爾に日子番能邇邇芸命(ひこほのににぎのみこと)、天降りまさむとする時に、天之八衢(あめのやちまた)に居て、上(かみ)は高天原を光(てら)し、下(しも)は葦原中国を光す神、是に有り。故、爾に天照大御神・高木神の命(みこと)を以て、天宇受売神(あめのうずめのかみ) [続きを読む]
  • 応神記の名易え 其の三
  • (承前)(注1)「伊奢沙和気大神之命」を伊奢沙和気大神の御言(みこと)の意と論証されているものとして、坂下圭八「伊奢沙和気大神」前掲書がある。また、誰の夢に託宣を聞かせてくれたのかについては、本居宣長、前掲書(国会図書館デジタルコレクション(229/577))に、「此(コ)は太子の御夢には非(アラ)で御供人(ミトモビト)の夢なるべし」(1625頁)とし、武内宿禰の夢であるとする。後文に、「御子、令レ白二于神一 [続きを読む]
  • 応神記の名易え 其の二
  • (承前) さて、それでは、「胎中天皇」とも記されることのあった太子(応神天皇)の元の名は、何であろうか。ふつうなら生れていて乳母に抱っこされ、名前が付けられて呼ばれていたであろうときに、お腹の中にいるのだから名前が付けられていない。これは異常事態である。あるべき名がない。名がない子どもとしてお腹の中にいた。ナ(名)はナ(無)かった。ナ(腹、中)にあった。ナ(己)にはどうすることもできない。それをど [続きを読む]
  • 応神記の名易え 其の一
  •  応神天皇に名易えの話が載る。 故、建内宿禰命(たけうちのすくねのみこと)、其の太子(おほみこ)を率(ゐ)て、禊(みそぎ)せむと為て、淡海と若狭との国を経歴(へ)し時に、高志(こし)の前(みちのくち)の角鹿(つぬが)に仮宮を造りて坐しき。爾くして、其地(そこ)に坐す伊奢沙和気大神(いざさわけのおほかみ)の命(みこと)、夜の夢(いめ)に見えて云ひしく、「吾が名を以て、御子の御名に易へまく欲し」といひ [続きを読む]
  • 仁徳天皇の名、オホサザキの秘密
  •  仁徳天皇の生前の名、オホサザキについて、その名の由来は、①鳥の名サザキによるものであるとする説、②御陵のことをいうミサザキによるものであるとする説が唱えられている。仁徳紀にそれぞれ論拠となりそうな記述があり、どちらも「異(あや)し」という言葉が出てくる因縁譚である(注1)。「異(あや)し」い出来事で、「異し」い言葉ができている。 では、オホサザキという天皇の名前は、そのどちらに由来するものか。そ [続きを読む]
  • 多摩動物公園 インドサイ
  • 2017年2月11日午後3時ごろの光景です。さっき、かなり積極的にアプローチして、大げんかをしていたと家族連れは言っています。ネット情報では、「まれに嫌がるメスとの間に戦いが起こることもあります。」オスのビクラム(左)は、角のつけ根に血をにじませて、それでも性懲りもなくまた近寄って来て、見合っていました。メスのナラヤニ(右)は鼻をブンブン言わせています。アラカシを間に、近づかざれとあらむかし。ネット情報で [続きを読む]
  • 和船と海運の展覧会(センター北 & 白楽 & 東大島)
  • 横浜市歴史博物館「津々浦々百千舟」展(〜3月17日)と神奈川大学日本常民文化研究所「順風満帆千石船」展(〜3月20日)とで、主に近世の和船と海運についての連携展覧会が行われています。歴史博物館は、歴史の視点が中心です。歌川広重「東海道五十三次之内 神奈川 台之景」展示関連講座もあります(500円とのことですが、入館料なしで受けられるのでしょうか?)。フロアレクチャーもあります。ボートツアーは定員に達した模様 [続きを読む]
  • 「春日大社」展の籠手(こて)+板橋区立郷土館「武具繚乱」展
  • 籠手(鎌倉時代、13世紀、春日大社蔵、「義経籠手」、東博「春日大社展」2月12日迄展示。写真は『春日大社古神宝宝物図録』春日大社社務所発行、昭和48年)両方の手に嵌める両籠手(もろごて)です。南北朝時代から戦闘形態が接近打撃戦に変化して、両方の手にするようになったとされています。その最古の残存例とのことです。盛装の男子(埴輪、栃木県下都賀郡壬生町ナナシ塚古墳出土、古墳時代、6世紀、高山政之助氏寄贈、東博展 [続きを読む]
  • 万葉「音訓仮名」 「乃」と「杼」のこと 其の二
  • (承前) 次に、「杼」について考える。呉音にヂョ、漢音にチョである。魚韻で dǐo のような発音がド乙類になる理由は、大野透、前掲書に、「杼は中間層の仮名である。〔魚〕韻舌音字が乙類オ列の仮名に適する様になつて、〔魚〕韻澄母では比較的少画で、古代では親しみ深い字であつた杼が、ド乙の常用仮名として用ゐられる様になつたのは不思議ではない。……杼の仮名の使用に漢韓の字音表記の影響は考へられない。」(172頁) [続きを読む]
  • 万葉「音訓仮名」 「乃」と「杼」のこと 其の一
  •  ヤマトコトバを表記するのに、漢字の音読みや訓読みを当て字として用いたものを、万葉仮名と呼んでいる。万葉集の歌は、原文で、「籠毛与 美籠母乳 布久思毛与 ……」(万1)と始まるが、「籠(こ)もよ み籠(こ)持ち 掘串(ふくし)もよ ……」と現代に通じるように漢字仮名混じり文に改められている。最初の「籠」という字は意味を伝えても、次の「毛」という字はただ音を伝えるだけである。音読みのモウからモとよむ [続きを読む]
  • 天寿国繍帳銘を読む(PDF版)
  • 全部まとめました。→「上代語ニュース」の「天寿国繍帳銘を読む」(2017/1/10)へ。(追記)山田孝雄『漢文の訓読によりて伝へられたる語法』(宝文館、昭和10年)のタイトルにもなっている「よりて」という語は、「接続副詞の如き形式に用ゐること少からず。これは『よる』といふ動詞に複語尾『て』のつける語なること勿論にして、かくの如く固形的に、しかも、接続副詞の如くに頻繁に用ゐらるるに至れるものはこれ亦漢籍の訓読 [続きを読む]
  • 女鳥王物語 其の四(パタパタ機(はた)とパタパタ扉、天皇オソ!)
  • (承前)(注9)身崎、同書に、「メドリの不穏な応答をきいて、天皇はだまってひきさがったというのか。それとも、天皇だけがそのことには気づかずにといを発し、メドリのおもわくに気づかず、たんにメドリの『情を知』っただけだったとすれば、ずいぶんとまのぬけた天皇だということにならないか。どちらの解釈にせよ、そういうふうに天皇像を提示しているとみるべきなのだろうか。そうはおもわない。ここではあくまでも、天皇の [続きを読む]