行雲 さん プロフィール

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行雲さん: 流水
ハンドル名行雲 さん
ブログタイトル流水
ブログURLhttp://blog.livedoor.jp/ask2263/
サイト紹介文行雲流水
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供85回 / 276日(平均2.2回/週) - 参加 2015/12/21 07:01

行雲 さんのブログ記事

  • なぞのメッセージ エピローグ
  • エピローグどんなにささいな不安でもふりはらえない。個人的にはそれほど弱い。だから群れる。それなのに、群れの中で個人を生きることはできない。はみ出されずに同じ運命を生かされるからだ。  長い間のご愛読ありがとうございました。  [続きを読む]
  • なぞのメッセージ (決定された未来 三)
  • 駒の話を聞かされた僕は、譲られた駒のことを調べ始めました。知れば知るほど涙が止まらない日が続きました。『将来、名人になるべき人物にこの駒を贈ること』。その思いが込められ駒を、僕に贈る為に待ち続けて亡くなられた師の思い。それを感じれば感じるほど、胸がいっぱいになり痛みました。あえて伝えておきますが、決してそのことを意識して行動したわけではありません。智也が誕生した未来と、誕生しない未来のどちらかは必 [続きを読む]
  • なぞのメッセージ(決定された未来 二 )
  • 「将棋のプロになりたくて始めたわけではありません。やらされていたことに後で気が付いたくらいです。ですから、こうなってしまった以上将棋を続ける意思はありません。智加から、智也の誕生と未誕生の二つの未来を聞かされました。未誕生の未来は、『師の形見として先生に駒が譲られた時点で、師の弟弟子のお孫さんが名人になることが確定されました。先生が単なる人間として誕生していれば専門棋士になり、師の弟弟子のお孫さん [続きを読む]
  • なぞのメッセージ(決定された未来 一 )
  • ◆決定された未来◆その後、いろいろなところを二人で歩き、昼食も二人で食べました。その時、合宿の事も聞かれたので、そのことにも答えました。目立ったところでは最後まで本筋には触れず、どこにでもいる高校生と青年として過ごしました。やがて僕たちは、人がまばらな、週末のにぎわいを感じさせない静かな上野公園を訪ねていました。人気のないベンチに並んで腰掛けると、悠が先に言葉をかけてきました。「遠い日、僕はサルの [続きを読む]
  • なぞのメッセージ(悠が待っていた 四 )
  • すると「最初からそう言えばいいのに、僕の思いを盗みましたね」かすかに聞こえる悠の声「なんか言いましたか」 「意地悪だといったのです」「うそをつきましたね」「やっぱり感じ取っていた。僕を突き放したくせに」「……」「美しすぎる少年と二人だけではいけませんか」「そういうことではありません。わかっているはずです」「わかってなどいません」「超能力を注意した方がよいといっているだけです」「そのことでしたら十分 [続きを読む]
  • なぞのメッセージ(悠が待っていた 三 )
  • 「僕がうらやむほど仲が良かった二人なのに、Aさんは寂しそうでした。でも、ほんの一瞬しか先生と過ごすこと ができなかった僕は、もっと寂しかった」「……」「先生の側にいてはいけませんか。いつも一緒にいたい」「……」「そういうことなのですね、わかりました。先生を知ったときからいつも側にいた。でも、常に多くの学生さんに囲まれている先生に近づけなかった。だから、先生と楽しそうに過ごせる学生さんがうらやましく [続きを読む]
  • なぞのメッセージ(悠が待っていた 二 )
  • 「先生」といって悠は姿を見せました。別れた瞬間から、内心会いたくて仕方ありませんでした。しかし、一度でも会えば次も会いたくなってしまいます。そうなってしまわないうちに心に鍵をかけ、会わない決心をしました。悠も同じはずです。それでも「合いたくなる」。そんな抑えきれない感情をぶつけ合う言葉だけが続きました。「わざわざいらしたのですか」「そうです」「学校は」「そんなことをおっしゃるのですか」「一人で帰り [続きを読む]
  • なぞのメッセージ(悠が待っていた 一 )
  • ◆悠が待っていた◆東京駅の構内につくと、森の香りに驚かされました。悠が近くにきているのです。どこにいるのか分かっていて姿を現さないのは探してほしいからだと思いました。「二度と会わない」それは覚悟していたはずなのに、あえて会いに来たのです。それも、会うか会わぬかを僕に委ねていました。僕がすべてを放棄したことを悠は感じ取っていたのだと思います。僕が知らぬ顔で通り過ごせば二度と会わない。その覚悟で待って [続きを読む]
  • なぞのメッセージ(Aとの別れ 三 )
  • 今までは必ず迎えに来ることになっていましたので、その言葉が何を意味しているのかすぐにわかったはずです。それでもAは「合宿を楽しんできてください」と言ってくれました。待ち合わせ場所が近づくと、「行ってらっしゃい、お気をつけて」といってAはかるく会釈をし、最後までなにもなかったことにしてくれました。「行ってきます」僕もそういい会釈をかえすとそのまま別れました。その後待っていてくださった部員さんとともに [続きを読む]
  • なぞのメッセージ(Aとの別れ 一 )
  • ◆Aとの別れ◆悠と別れた二月の末、ある大学の将棋部の合宿に招かれていました。当日はいつものようにAが学生さんとの待ち合わせ場所まで送ってくれることになっていました。僕が自宅の近くにある駅につくと改札口をはさんでAの姿が見えました。先に到着して待っていてくれたのです。Aは僕の姿を確認すると「おはようございます」といって会釈をし、改札口を通ると「俺が持ちます」といって手荷物を持ってくれました。悠と出会 [続きを読む]
  • なぞのメッセージ(結末 三 )
  • それからというもの、養成会の対局以外に外に出ることがほとんどなくなっていました。あうこともなくなった仲間から「М君この頃変わったね」とささやかれ、師匠には呼ばれるたびにこっぴどく叱られていました。「毎日毎日何をしているのだ! 年齢制限が来てしまうではないか」僕はただ胸を締め付けられていただけでした。それも、仲間や師に対する自責の念に駆られての事で、理解を求めることではありません。「僕は確かに変わり [続きを読む]
  • なぞのメッセージ(結末 二 )
  • あくる日病院にいき、資料の事だけを先生に報告しました。すると先生は何も聞かず「それはもうここへは来ないということですか」とだけおっしゃられ、それ以上言葉を続けようとしませんでした。僕はその言葉に「勝手なことをして申し訳ございません。今まで大変お世話になり、本当にありがとうございました」としかいえませんでした。以前は何かにとりつかれたように遮二無二やり続けてきたのに、それからは何かをしようという意欲 [続きを読む]
  • なぞのメッセージ(結末 一 )
  • ◆結末◆悠との再会の日、よみがえってしまった記憶と超能力。しかし、そんな自分の能力を確かめようとしませんでした。それどころか、悠と別れて自宅につくと、異次元から送られてきたすべての資料を持ち出し、燃やすために使用している小型のドラム缶に放り込み、火をつけていました。いったい何がそうさせたのでしょうか、自分自身にもよくわかりませんでした。強いて言えば、「もしもこの地上から人間が消えてしまったら、それ [続きを読む]
  • なぞのメッセージ(早春の風 六 ) 
  • 性本能の代わりに与えられてしまった、「すべての答え」を求めさせられてしまうその「解読」の業、それは僕も同じでした。ただ、僕は性本能を与えられていたために辛うじて抑えられました。悠が女性であったなら、おそらくそんな自分を抑えきれなかったはずです。悠はそれを抑えてくれました。それだけに、僕はせつなく胸を締め付けられていました。人は誰しも、時代、環境、両親、兄弟、姉妹、病気、事故、災害といった、何かしら [続きを読む]
  • なぞのメッセージ(早春の風 五 )
  • 家を後にして歩き出しても、二人とも無言のままでした。お互いが永遠の別れを胸に抱いていたからです。そんな雰囲気の中、春をたずさえる早春の風が吹き抜けていきました。すると悠に話しかけられ、言葉だけが続いてしまいました。「胸に何を抱いていらっしゃるのですか」「気になりますか」「何となく」「分からないままではいけませんか」「同じ思い」「おそらく」「すみませんが、ここでお別れしてもよろしいでしょうか」と突然 [続きを読む]
  • なぞのメッセージ(早春の風 四 )
  • 「それが現実だったら悠が生まれた時からずっと一緒だった」としか言えずに言葉が続いてしまいました。「そうですよ、ずっとずっと一緒だった」「お互いの超能力とその現実はどうなっていたのですか」「悪い想像はしないでください。今のままの二人なのです。それがずっと続いているだけです。今までの不幸な現実が、幸福の現実に訂正されるだけです」意地悪な事を言ってしまった後なので「毎日が楽しかっただろうな」笑顔でそう答 [続きを読む]
  • なぞのメッセージ(早春の風 三 )
  • 「お気にさわったら勘弁してください。別れたら二度と会えない気がして、確かめたかっただけです」僕はなぜか話題を変えた「すみません。深い森の緑を感じ、朝目覚めれば食事の用意が整っている。こうして二人きりでいると、求めるものすべてがここに存在している錯覚をおこさせ、真の兄弟のようです」「先生、錯覚ではありません。いついらっしゃってもよいように用意しておきました。望むものすべては可能です。真実は親子なのに [続きを読む]
  • なぞのメッセージ(早春の風 二 )
  • 翌日目をさまし、身支度を済ませると二人だけの朝食になりました。いつの間に支度を。あたたかい豆腐とわかめのおみそしる、目玉焼き、レタスをしいてのせられたポテトサラダ、ロースハムの上にキュウリとキャベツがほそくこまかく切られ、ドレッシングがかけられた物がすべて二人分用意されていました。テーブルをはさんで相対したイスにお互いが腰掛けると、ご飯はそれほど大きくないちゃわんに悠がよそってくれました。食事中「 [続きを読む]
  • なぞのメッセージ(早春の風 一 )
  • ◆早春の風◆お互いが告白の後無言で眠ってしまいましたが、僕だけが浅い眠りから覚めていました。体は離れていましたが、しなやかで細いすべすべとした悠の左手の指が、僕の右手の指に絡まれていました。本来ならかすかな肌の触れ合いにも強い嫌悪を抱く同性なのに、伝わり合う肌の暖かさを感じながら、深い眠りに入っていけました。 [続きを読む]
  • なぞのメッセージ(僕たちは殺人者 三 )
  • 「そちらに言ってよろしいでしょうか、もう耐えられません。一緒に眠ってください」そういうと、素早くこちらのベッドに移り僕の胸に顔を埋めると,「僕は父を殺しました。断られると思うと再会した時にはどうしても言えず、うそをついてしまいました」震える小声でそう告白したのです。智也がいなければ少女を殺していたという、よみがえってしまった記憶、今なら言える。「悠……黙っていたけど、僕も殺人者だ」と告白しました。 [続きを読む]
  • なぞのメッセージ(僕たちは殺人者 二 )
  • その言葉に、幼いころ自然に会い接していた智也にどうして会えなくなってしまったのだろうと考えていました。そして僕は思いました。大人の体に成長し精子が放出されるようになると、智也はその精子に変わってしまうのです。ですから、僕と智加によって誕生できるのです。それで、「すべての答え」だけが残されるようになっているのです。それは、性本能にかけている悠が大人の体に成長すると射精だけがおきたのは、子孫を残す機能 [続きを読む]
  • なぞのメッセージ(僕たちは殺人者 一 )
  • ◆僕たちは殺人者◆悠は飲み物を片付けると「先生お休みになられますか」と声をかけ奥に向かって歩いて行き「寝室はこちらです。どうぞお入りください」と言ってドアを開いてくれました。なかに入ると八畳ほどの洋室に同じベッドが二つ並べておかれていました。「体が乾いていたらこのパジャマに着替えてください」といってベッドの上に置かれたパジャマに手をかざしてくれました。着替えていると悠もパジャマに着替えながら 「寝こ [続きを読む]
  • なぞのメッセージ(二人だけの真実 三 )
  • そんな香りと思うとすぐには言葉が出てきませんでした。「僕以外に感じとれない香りも、先生が感じ取ってくださったことで、その存在が偽りでないことが証明されました。今まで独りよがりのような真実を思うと、先生と真実を共有し合えた今、昨日までが虚構の現実だったのではないかと思ってしまいます。先生と一緒に居ると、僕たちしか理解できない真実も、すべての人間にとっての真実として明らかにされていくような気がしてなり [続きを読む]