itti(イッチ) さん プロフィール

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itti(イッチ)さん: ittiのBL創作小部屋
ハンドル名itti(イッチ) さん
ブログタイトルittiのBL創作小部屋
ブログURLhttp://itti57.blog.fc2.com/
サイト紹介文曇天の月/に続き/曼珠沙華/執筆開始。 少年時代から大人になるまでを綴ります
自由文オリジナル小説・イラスト・漫画など
何でも思うまま創作中
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供244回 / 365日(平均4.7回/週) - 参加 2016/01/12 19:23

itti(イッチ) さんのブログ記事

  • 【曼珠沙華】 炎に落ちる155
  •  狭い路地裏の汚れた地面の上で、震える身体をどうする事も出来ないおーはらは、ゆっくり顔を上げると俺を見た。「こ、がねいさん...........、僕、............ッ」と、言いかけて噴き出したのは、少量の吐物。うッ、.............ぅぅ..........暫く道路に伏せる様に嘔吐すると、そのまま横にごろりと横たわった。「おい、.............お前、酒飲んだのか?」俺は近づくと、おーはらの背中をさすってやった。肩甲骨が浮き出た [続きを読む]
  • 【曼珠沙華】 炎に落ちる154
  •  その晩、ママの店から帰る途中で、いつもは通らない脇道に足が向いていた。そこは、前におーはらが’うり’をしていた路地で、たまたま目撃した俺は思いあまっておーはらを家に連れて行った。思えば、あの日から俺たちの変わった生活が始まったが、先に見限ったのはおーはらだった。なのに、どうしてまた、ここにいるかもしれないなんて思ったんだろう。ママのマンションに身を寄せているんだ。こんな所にいるはずが......と、思 [続きを読む]
  • 【曼珠沙華】 炎に落ちる153
  •  「こんな時間になっちゃって、どうもすみません。」と、謝ったのは内装業者の人で。時計の針が10時をまわったのを見ると言った。「いえいえ、とんでもないです、こっちこそ店が終わるの待っててもらって・・・日中に打ち合わせ出来たら良かったんですけど。」俺は資料をまとめながら言ったが、向こうも「いえいえ」と笑っていた。「天野さんのご紹介だし、あのビルのテナントはうちがほとんどやらせてもらってますんで、気兼ねし [続きを読む]
  • 【曼珠沙華】 炎に落ちる152
  •  天野さんが、リビング兼仕事場にしているこの部屋に来るのは、俺にとっては久しぶりの事だった。昔、目を引いた真っ赤な革張りのソファーは無くなり、今は落ち着いた感じのクラシックとモダンを融合させた布張りのソファーに変わっている。トルコ製の生地を使っているとか、前にきた時に話していたっけ。多分、何十万もする代物だろうが、俺は前の赤い革張りが気に入っていた。ゆったりした座面と、革のヒンヤリとした感触。それ [続きを読む]
  • 【曼珠沙華】 炎に落ちる151
  •  「ところで.....このコンテナボックスはなんスか?」店の入り口に積み上げられた真っ黒のコンテナボックスをじっと見ながら、バイトの吉田くんが腕組みをして聞く。いかにもゴツイ感じのコンテナは、収納専用の物に見えるが、俺はインテリアの一部として使おうと思った。「これさ、タイヤなんかも仕舞っておけるハードなヤツなんだけど、部屋の中に置いたらテーブルの代わりとかベンチにもなるんだよな。」「へぇ..........まあ [続きを読む]
  • 【曼珠沙華】 炎に落ちる150
  •  しばらくの間、俺は桂の家と新しい部屋とを行ったり来たり。そういえば桂の家のカギ・・・・・おーはらに合鍵を渡したままだったのを思い出してメールを送っているけど、返信はない。あれから一週間は経ったが、何も変わらずおーはらは、はじめママの所で世話になっているらしかった。「まったくどうなってんだよ。お前たちの関係性が掴めないんだけど・・・」天野さんが俺の店に来るとぼやくが、俺だって分らないんだ。「所詮は [続きを読む]
  • 【曼珠沙華】 炎に落ちる149
  •  結局、ゲイバーではタバコをふかしただけで。はじめママの性格は大好きだ。あのゴツイ身体に聖母の様な包容力を持っていて、ガキだった俺は随分と助けられた。それに、大人になってからも天野さん同様俺を可愛がってくれて、今度の新店舗の話だって色々相談に乗ってもらっている。でも、おーはらの事に関しては、俺がすべて悪いみたいに言われて悔しかった。俺は、慈善家のような気持でアイツを拾ったわけじゃないが、あの頃の自 [続きを読む]
  • 【曼珠沙華】 炎に落ちる148
  •  「なんかありました・・・?」「・・・え?」「や、さっきからドアの向こうの人通りばっか見てるんで。誰か来るンすか?」「別に・・・・そんな事ないよ。誰も来ないし。」「そっすか。・・・・じゃ、オレ休憩行ってきまっす。」「・・・いってら〜」店の壁に掛かった時計の針は午後4時を指していて、夕方になると学生の姿も多くみられた。- おーはら、学校終わったかな・・・・美容室行ったかな・・・・・たまに、わざわざ俺の [続きを読む]
  • 【曼珠沙華】 炎に落ちる147
  •  店の片付けに時間を取られ、俺が家に戻ったのは夜の10時をまわっていた。何か食べられるものをと思ってコンビニに寄るが、おーはらが仕度をしているかもしれないので携帯に電話を入れる。・・・・・呼び出しの音の代わりにメッセージが流れ、何故か電源が切れているらしい。- おかしいな、サイレントになっていても電源を落とすことはなかったのに・・・・何処か電波の届かない場所にでも行ったか・・・・?取り敢えず、つまみ [続きを読む]
  • 【曼珠沙華】 炎に落ちる146
  •  -----シーツを掴んだ手が震えてしまう。俺は、自分の身体が覚えた快感をおーはらに知られるのが怖かった。これは、俺と桂だけが交わした行為。’快感を得る為’というよりは、愛情を注ぎ合うような営みだった。なのに、おーはらが与えた刺激で簡単に疼くなんて...............「........ごめんなさい。イヤでしたよね?!」そう言うと、おーはらはゆっくり身体を起こし枕もとのティッシュボックスを掴んで、俺の背中に散った自分 [続きを読む]
  • 【曼珠沙華】 炎に落ちる145
  • 〔少々のR18入ります〕 自分で言った言葉をもう一度頭の中で整理してみた。キングサイズのベッドを買って、二人で使うって・・・・・・ちょっと言い方が・・・・変だったかな?!おーはらの事は可愛い。俺に懐いてくれて、料理も作ってくれる。たまにふてくされる事はあっても、基本的には俺に従っている。10歳近く離れたガキをどうこうするつもりは無かったけど、アイツの生い立ちが桂に被るところもあって、俺は尚更放っておけ [続きを読む]
  • 【曼珠沙華】 炎に落ちる144
  •  4月も後半になると、新しい生活にも慣れてくる頃で、おーはらは美容学校の後に天野さんの美容室でアルバイトに精を出していた。俺は、この間の晩の事をすっかり忘れていたが、天野さんが店に来たときに気になる一言を残していった。「千早くん、趣味が悪すぎるよ。」と。何の事かと聞いてみたけど、「ジュンくんがカワイソ。」と一言だけ。ジュンって・・・おーはらが何だって言うんだ?!流石に学校の後の美容室のバイトは身体 [続きを読む]
  • 【曼珠沙華】 炎に落ちる143
  •  実家から戻ると、おーはらは早速風呂の支度を初めて、なんだか機嫌がよさそうだ。帰り道、俺の手の甲がおーはらの手に当たると、そっと繋ごうとしてきた。いつも外を歩く時、俺はおーはらとの距離をとっているが、今夜は時間も遅いし他にひと気が無かったから、ついそのままにしてしまった。それで気を良くしたんだろうか.....。「小金井さん、何か果物食べます?」おーはらは、そう言うと冷蔵庫を開けたが、俺は「いらない」と [続きを読む]
  • 【曼珠沙華】 炎に落ちる142
  •  実家の香りは相変わらずで。花の香りの漂う家に住み、長年暮らして来たが、今更ながらその心地よさを実感する。この香りがどれ程心の癒しになっているのか、此処を離れるまでは分からなかった。リビングでくつろいでいると、早速寿司が運ばれて来て、一番乗りにマグロを狙った。が、「まだ、ダメ。ジュン君が来てからよ。」と、待て、を食らう。「新鮮なうちに食べないと.....。」その言葉は完全に無視された。「塔子、謙はお友 [続きを読む]
  • 【曼珠沙華】 炎に落ちる141
  •  10時の開店に合わせて店へ向かう途中、俺のジャンパーのポケットで振動が始まり、携帯の電話が鳴っていることを知る。「は〜い、何?」軽く耳に当てて受けてみるが、相手はうちの母親。「あのさあ、今夜店を閉めたらうちに来て欲しいんだけど。」「ああ、いいけど。.....8時回っちゃうけどいいの?」「ええ、うちも閉めたらそのぐらいになるし、塔子も呼んでるからさ。」「へ、ぇ..........大事な話の続き、.......とか?」「う [続きを読む]
  • 【曼珠沙華】 炎に落ちる140
  •  「謙、お前何歳だっけ?!」縁側に座っている謙に、チョコレートの箱を出してやると聞いたが、「10歳だよ。小金井くんは何歳?」と聞かれて言葉に詰まる。「.....もうすぐ29歳。って、俺の歳はどうでもいいんだよ。謙は将来、その花のお茶を作るのか?」「うん、でもねぇ、難しいかもしれない。だから、輸入とかして、そういうお茶を売ったり飲ませてあげたりしたいな。」チョコレートを旨そうに頬張る姿は確かに10歳だけど、輸 [続きを読む]
  • 【曼珠沙華】 炎に落ちる139
  •  少し遅めの朝を迎えた俺は、縁側に座ると淹れ立てのコーヒーを口にした。視線の先で立派な花を咲かせた木蓮の樹が立っていて、その周りにはうっすらといい香りを放っている。毎年、桂と二人で開花するのを楽しみにしていたが、今年は俺ひとりで眺める事になった。縁側で膝を抱えると、コーヒーカップを置いてタバコに火を点ける。ふぅぅぅ〜っひとりきりで、もの想いにふけっていると、ピンポーン、とチャイムが鳴った。ゆっくり [続きを読む]
  • 【曼珠沙華】 炎に落ちる138
  • 少しだけR18入ります  その夜、はじめママのバーで結構飲んだ俺は、自分のベッドへ入ったのも忘れるほどで。なんだか腹のあたりがスウスウして寒い気がする。手を伸ばして布団をたくし上げようとして、何かを掴んだ。「イテツ、」という声で目が覚めて、自分の足元の方に目をやったらそこにおーはらの顔があった。「.....何、してんだ?!」「気持ちいい?」「は?..........ぁ、ああ??」慌てて身体を横に向ける。俺の上に跨 [続きを読む]
  • 【曼珠沙華】 炎に落ちる137
  •  時折吹く風に春の匂いを感じる頃、俺の店も昔の色を取り戻しつつあった。バイトの吉田くんは、相変わらず真面目に働いてくれていて、俺が海外に買い付けへ行っている間も店を切り盛り出来るようになった。桂を失って、一旦はこの店も俺自身もすべて失くしてしまおうかと思ったが、おーはらを拾って半年。なんとか俺は生きている。案外生きようと思えば生きられるもので、桂の事が俺の頭から消える訳ではない。ただ、少しだけ心の [続きを読む]
  • 【曼珠沙華】 炎に落ちる136
  •  三十手前の男と、高校生の奇妙な同居生活。もとい、おーはらは、先日港南工業高校を無事卒業した。俺の後輩にあたる訳だが、やっぱり勉強は好きじゃないらしい。それに、手に職を付けないと生きて行けないのを知っていて。おじさんという人に一度だけ会ったが、俺が店を経営しているのを知って安心したようで、おーはらの母親とは籍も入っていないし、子供だけ置いて行かれて困っていたようだった。俺が期限付きで預かるというと [続きを読む]
  • 【曼珠沙華】 炎に落ちる135
  •  - 目の前を走る一台のオープンカー。何故だか俺は南国の島にいて、ハイウェイを走る車の中に居た。もちろん俺が運転しているんだけど、ハンドルを切ろうとしてハンドルがない事に気づく。『あっ、ヤバイ。このままじゃ絶対ぶつかる!!曲がれないじゃん。どうすんだよッ!!!!!!』と、叫んだとき、目の前のオープンカーを運転している男が俺の方を振り返る。『!!か、つらッ!!!!!』その顔は桂だった。桂は俺が運転す [続きを読む]
  • 【曼珠沙華】 炎に落ちる134
  •  「その人が’桂さん’ですか。メガネかけて真面目そう.........。小金井さんとはタイプが違うなぁ。」おーはら君がテレビ台の横に目をやると、桂の写真を見て言ったので、俺もそちらに顔を向ける。縁側に座って撮った写真が見つかって、写真立てに入れるとその前に小ぶりの花瓶を置いた。そこにはカラフルな花が数本。本当は菊とか、そういう花がいいんだろうけど、俺は赤や黄色の元気な色が桂には似合っていると思って。三日に [続きを読む]
  • 【曼珠沙華】 炎に落ちる133
  •  街灯に照らされながら、行き交う人を縫うように歩くと、交差点で信号が赤になり立ち止まった。俺の後ろを付いて歩くが、おーはら君は何も話さないし、俺も特に言葉は掛けなかった。成り行きでうちへ連れて行くことになったが、あのまま帰らせたら又その辺の路地でうりをやりそうだ。俺が目撃してしまったばかりに...........。知らない奴なら、そのまま通り過ぎていた。面倒に巻き込まれるのは御免だ。なのに、.......桂を思い出 [続きを読む]
  • 【曼珠沙華】 炎に落ちる132
  •  久々に、身体の底から憤りの感情が湧き出てきた。半ば引きずる様におーはら君を店の中に放り込むと、目を丸くして俺たちを見たのはバイトの吉田くん。「ど、どーしたんすか?......」「や、何でもないけど、ちょっと急ぎの話があって.........この子と。」「は、あ......じゃあ、オレ休憩してきていいすか?」「うん、いいよ。....ていうか、今日はもうあがっていいや。後は俺が居るから。」「..........はい、じゃあ、そうさせ [続きを読む]
  • 【曼珠沙華】 炎に落ちる131
  •  納骨を済ませてから二週間。俺は髪をカットする為、天野さんの美容室に来ていた。「少しは落ち着いたか?」「.....ええ、」天野さんが、鏡の中に映った俺を見つめるが、その眼差しは悲哀に満ちている。「もう、落ち込んでても仕方ないから........、桂は帰って来たんだし、あの世でのんびりやっているでしょうよ。俺は、俺の出来る事をしないと.........アイツに叱られる。」天野さんの目を見ながら言うと、少しだけ表情もほぐれ [続きを読む]