いつきさらさ さん プロフィール

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いつきさらささん: わたしをさがしていますか
ハンドル名いつきさらさ さん
ブログタイトルわたしをさがしていますか
ブログURLhttps://sagasiteimasuka-poet.theblog.me/
サイト紹介文いつかの日常から非日常まで綴っています|『わたしをさがしていますか』発売中(pocket.jp)
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供409回 / 365日(平均7.8回/週) - 参加 2016/01/18 23:40

いつきさらさ さんのブログ記事

  • 切り抜いたはずの空
  • 切り抜いたはずの空が忘れたはずの記憶をかき乱す手放したはずの言葉が消えたはずの嫉妬を映しだす選び抜いたはずの道はうねうねと横たわり重ね続けたはずの努力はことごとく砕け散りあきらめたはずの夢は今も感情を裏切り続ける絶望だけを味方につけて無理やり飲み下したはずの時を今日も生きている [続きを読む]
  • 新学期
  • 新学期の始まるころなんとなくもどかしくてどことなく不安な心を抱きしめるぎゅうぎゅうづめの電車に少しだけうんざり教室の空気になじむまではなんか照れくさいけどそれだって楽しみ遠い岬の毛糸屋さんでバイトしてたことは友達には内緒つまんない理由なの自分の居場所が取られる気がして思い過ごしかもそういえば時々お店を手伝ってたおさげ髪のあの子はみかんの蕾色の毛糸を買ってたな「バイト代が入ったの」嬉しそうに大 [続きを読む]
  • 命に巣食う悲しみ
  • 床の綿ぼこりは掃き出すか掃除機が吸いとってくれる隙間のゴミもちょっと頑張れば取り除ける心の綿ぼこりはなかなか掃き出せず誰も吸いとってはくれない隙間にこびりついて隅にへばりついて剥がすほうも剥がされたほうも傷だらけになるからそれでも不思議なもので傷だらけになればなるほど悲しみを知る命に巣食う悲しみを知る [続きを読む]
  • トーザ・カロット岬の毛糸屋さん-11
  • トーザ・カロット岬にびゅうびゅうと強い風が吹いていますこのところ時折ひんやりした風や雨が混ざるようになってきました毛糸屋さんにレース糸と毛糸がなかよく並ぶ季節の到来です今日も猫そっくりの店主はまあるい手でだいじにだいじにひとたまひとたま棚に並べていくのでした午後になって雨足が強くなった頃頑丈そうな傘をさしたお客様がやってきました雨の日にだけやってくるお客様はいつもそんなに迷うそぶりもなく毛糸 [続きを読む]
  • 三つ目と雪だるまの満月
  • 雪だるまの満月があたしら三つ目の窪みをこわごわ照らしてるあたしらのご先祖さまはそりゃあいたずら好きであるとき月にもうひとつ月をくっつけたらしい人は月が雪だるまの形をしてるなんて気づきもしないだろうがあたしらは三つ目でそれをとらえちまう空気が澄んでくるこの頃は夜空もやたらと眩しくてうさぎが風を磨くとこまで見えちまった仕方ないから目をひとつ閉じて忘れたふりをきめこむのさご先祖さまの真似をしてもう [続きを読む]
  • トーザ・カロット岬の毛糸屋さん-10
  • もくもくと立ち上がっては雨を運んできた雲たちがようやく薄くなって日差しのやわらかな季節の到来ですこのところ「もみじになりきれなかった夕日色」「次の季節を待つまでの穏やかな時間」「猫たちのひそひそ話」どこか秘密が匂いたつそんな毛糸たちが人気ですそう言えば先日の商談のとき宇宙語を話す猫が別れ際に「編んだ」店主にもわかる言葉でそう言うと朝顔柄のハンカチにくるんだ何かを手渡してくれました宇宙語とこの [続きを読む]
  • 正夢
  • ざらざらした星空を記憶だけを杖にして今夜も歩く砂に足をとられるから記憶だけを味方にして雨ざらしの時をいく人の心を編みあげるくせに感情は遠くで苦笑いする正しくなくてもいいじゃないか耳元で囁かれ今朝も夢から転げ落ちる [続きを読む]
  • 涙落ち
  • ざらざらした星空を記憶だけを杖にして今夜も歩く砂に足をとられるから記憶だけを味方にして雨ざらしの時をいく人の心を編みあげるくせに感情は遠くで苦笑いする正しくなくてもいいじゃないか耳元で囁かれ今朝も夢から転げ落ちる [続きを読む]
  • 再生
  • 心の底からひび割れて傷つくことを本当はよく理解できない落ち込んだ立ち直れない辛くて悲しくてたまらない何もかも許せないそれはもう心も体もバラバラになるような痛みだだけどねそんなことを感じたそばからわからないほど少しずつ傷が癒えていく赤々と生々しく穴がぽっかり空いて痛みを知って涙を知って叫びも枯れて何もかも許せない心がなくなりかけたとき笑うことは案外簡単だったのに泣くことができなくなってたそれで [続きを読む]
  • 四月某日はじめてきみの
  • 冬が逆戻りしたような四月某日はじめてきみの隣に座る天気のこととか最近食べた美味しいものとか他愛ない会話をした夏を先どりしたような五月某日はじめてきみの車に乗るエアコンが壊れてしまったと大笑いしながら窓をあけた七回りほど季節が巡ったツクツクホーシの雨のもとこれはきみのこれは捨てよう深刻な顔して言葉少なにはじめて隣に誰もいない日曜午後の長距離ドライブ泣き笑いしながらエアコンをいれた [続きを読む]
  • 終わりの日
  • なつかしく空がにじむのをもう止めることはできなくてただ抱きしめられていたんだなつかしく風がこわれるのをもう止めることはできなくてただ叫んでいたんだなつかしく誰かが歌うのをもう止めることはできなくてただ涙をぬぐったんだ [続きを読む]
  • ハリネズミの憂鬱
  • 充電器のコード束ね今だけは振り向かないって決めて秋茜を見送った空ハリネズミみたいに季節を過ごすことがどうしても嫌で今だけでいいから前だけ見てな必死で自分に言い聞かせた充電器のコード束ね今だけは振り向かないって決めて秋茜を見送った空今だけでいいから前だけ見てな今日も自分にエールを送る [続きを読む]
  • 三つ目と三つ目
  • あたしら三つ目はもともとこの星の言葉しか知らないものだから星間のうわさは猫に教えてもらうのさ猫といっても人と寄り添うことを選んだ四つ足じゃなくて岬のほうやら森の奥やらで静かに暮らしている二つ足の種族その中に宇宙語とこの星の言葉を話す猫がいてたまにあたしらの住む窪みにやってくる猫にも三つ目がいるのかって?そりゃあんたこんなに宇宙は広いんだそんな当たり前のことを訊いてどうするのさあんたもいつか会 [続きを読む]
  • 潮汐
  • 水そのものでしかなかったらほんの泡立つぐらいですむだろうあたしたちは運悪く星の粒と水を宿していたのでよろよろふらふら雲間へ迷いこむ満ちては欠けて欠けては満ちてよろよろふらふら雲間を流れていくただの水であったならただの天体であったなら普通の何かであったなら願う間もなく流されていく [続きを読む]
  • なんでもない日に肩を並べて
  • あの人と肩並べ歩いたなんでもない日の夕暮れうさぎたちが風を磨き終えたら秋がくるよなんて童話とも真実ともつかない話をどちらからともなく真顔で語り合ったあの人と背中あわせになったなんでもない日の雨模様狐の嫁入りって言うんだって人のサヨナラにはふさわしいらしいよ本気とも冗談ともつかない話をどちらからともなく切り出した [続きを読む]
  • 三つ目と手のひらの空
  • 人はアプリってもので雲の行方から雷の落ちる場所まで知ったつもりになるらしいあたしら三つ目もアプリは使うがそれより信じられるのは肌にまとわりつく風の重さと戌亥の方角に黒雲が育つ日の土砂降り予報ぐらいだねえ手のひらの空になんの意味もないとは言わないがうつむくよりは本物の空を見上げたほうが悩みも少しは減るってもんだ急ぎすぎずよくばりすぎないほどほどって言葉はあたしらも大事にしてる星間のうわさはいろ [続きを読む]
  • 秋の朝
  • 秋の朝は藍色でできています熱を孕んだ空もさざめきあっていた海もすっかりすっかりしんとなっていつもより深く息をしているのです秋の朝は栗色に染まります歩くひと走るひとやっとやっと笑顔になっていつもより遠い公園を目指しているのです秋の朝は薄紫の風が吹いています泣いてたひと怒ってたひとようやくようやくつかえがとれていつもの通りをてくてくいくのです [続きを読む]
  • 迷子と三つ目
  • 傘に隠れることのできる雨の日でなければあたしら三つ目は街には行かないなにしろこの姿だろ?拡散されるだけなんでね仲間にも迷惑かけちまうあんたは人なのかいこれから人になるのかいそうかそうか街はお祭りなんだねえほらしがみついてないであんたの世界へもうお帰りさっき通った一番大きい窪みをよけて右へずーっと行ったらうす青いわたあめを売ってる店があるそこでもう一度「窪みを見た」って言いな神社にいるパパとマ [続きを読む]
  • トーザ・カロット岬の毛糸屋さん-9
  • コーヒーメーカーがコポコポと音をたてています毛糸屋さんの店主ときたらそれはそれは猫舌でふだんは冷たいお水が好きなのですだけどこの島の短い夏が終わりかけの頃にはお店の奥で愛おしそうにコーヒー豆を選びまあるい手で用心深くコーヒーメーカにセットするそんな姿を運がよければ見ることができるとか猫そっくりの店主は宇宙語をそんなに話せません毛糸を仕入れに行く時は翻訳機が欠かせなくて今も代々伝わる宇宙語の辞 [続きを読む]
  • MAILER-DAEMON
  • ねアドレス交換しようLINE好きじゃないんだって?気があうよねメールのほうが落ち着いて書けるし確実に届くしきみが起きてるかな、なんていらぬ心配しなくてよいしだからメールここに送ってよ末尾はLでそこにフリーメールのやつを足せば間違いないからね?好きな時間に送ってくれていいからさそのほうが気楽でしょきみだって遠くに行くんだしばらく会えないけどこの時代にそうそう行方不明にもなれないなんにも心配いらない [続きを読む]
  • ココア色した夜がきて
  • ココア色した夜がきてうさぎたちはこぞって風を磨きますミントブルーのそらにふさわしいキラキラの光になるように夏のまぶしい風景に少し翳りが見える頃ほんの一瞬空が明るく遠くなるうさぎたちはこぞって風を磨きますミントブルーのそらにふさわしいキラキラの光になるように次の季節が巡るのを心待ちにしている魂のために [続きを読む]